キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】嵐舞が負傷判定で勝利し王座挑戦権を獲得、大輝がトーナメント決勝に進出、自衛隊員vs.消防隊員の公務員対決はダウン応酬でTOJOが勝利

2025/08/04 14:08
DEEP☆KICK ZERO 222025年7月27日(日)大阪・176BOX ▼メインイベント DEEP☆KICK-63kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R延長1R×龍翔(BLACK☆Jr)負傷判定0-3 ※18-20×2、17-20○嵐舞(TEAM TEPPEN)※嵐舞がタイトルマッチ挑戦権を獲得。  メインを飾るのはDEEP☆KICK-63kg第7代王者・吉岡龍輝(及川道場)への挑戦権を懸けたトーナメントの決勝戦、同級2位の嵐舞が同級1位として待ち構えていた龍翔と激突。龍翔は5月『Krush.174 ~in OSAKA~』にて弘輝を相手に3度のダウンを奪い1R TKO勝利と勢いは上々、BLACK☆Jr門下生たちのダンスと共に入場してきた龍翔の顔からも確かな自信が伺える。  対する嵐舞も5月『DEEP☆KICK TOKUSHIMA 2』にて、プロ唯一の敗戦を喫した相手であるTAKUへのリベンジを1R TKO勝利で飾り株価急上昇中、確かな勢いと実力を有している。  1R、リング中央に陣取る龍翔に対しサウスポーに構える嵐舞は速いステップからのワンツーに三日月蹴り、膝にスーパーマンパンチとアグレッシブな攻勢を見せていくが、中で嵐舞がローブローを被弾し長くインターバルが取られる。再開後、龍翔はジャブに左フック・ミドルで展開を作りに行くが、嵐舞は龍翔をコーナー際に詰めてからのフックツーをヒットさせるとそのまま龍翔は後ろに倒れこみダウン。再開となるも流れで再び嵐舞がローブロー被弾となり一時中断となる。  続く2R、嵐舞は速いステップからパンチを上下に打ち分ける、龍翔は入り際を再び狙うがまだタイミングが合いきらないか。その最中、交差後に龍翔がスリップ。立ち上がれない龍翔を見て試合が中断すると、嵐舞の偶発的な肘が当たってしまったことが確認され、回復を待ったが続行不可能とレフェリー・ドクターが判断し試合はここで終了。判定はDEEP☆KICK公式ルールに則り2R45秒までの判定が行われ、1Rのダウンが活き嵐舞が判定勝利、タイトルマッチ挑戦権を獲得した。  その後、現王者の吉岡がリングインするとマイクにて「対戦相手が明確に決まり凄く気合が入ってます、ただ王者と1位には数字以上に差があると思ってるので、それが明確にわかる試合をするので期待してください」とコメント。  嵐舞は「これまで戦ってきたTAKU選手、龍翔選手の想いも背負ってベルト獲りに行くんで9月、よろしくお願いします」と覚悟を込めたコメントを残した。両者は9月、テクスピア大阪で開催予定の『DEEP☆KICK 75』にて王者・吉岡vs.挑戦者・嵐舞としてDEEP☆KICK-63kgタイトルマッチで激突する。 [nextpage] ▼セミファイナル DEEP☆KICK-53kg挑戦者決定トーナメント準決勝3分3R延長1R○大輝(DK9)判定2-0 ※30-29、29-29、29-28×鉢田歩揮(フリー)※大輝がトーナメント決勝に進出  DEEP☆KICK-53kg第7代王者である棚澤大空(TEAM TEPPEN)への挑戦権を懸けたトーナメントの準決勝、互いにトーナメント初参戦となる大輝と鉢田がセミファイナルで対峙。  大輝はNJKFを主戦場に実力を磨いてきた選手で昨年からDEEP☆KICKに参戦、前戦では1RTKO勝利で存在感を示しトーナメント参戦を決めている。対する鉢田は4月にプロデビューしたばかり、長いリーチを活かした攻勢が魅力的な今回がプロ2戦目となるニューカマーだ。  試合は1R、身長に8cmもの分がある鉢田は距離を保ちながら前足にカーフ・ハイキック、そしてストレートでヒットを奪っていく。対する大輝はサウスポースタイルからインローに左ミドル、そこから中に入りパンチ連打に繋ぎたいが中々距離を潰せないか。ラウンド後半には近い距離での展開が増え、大輝は膝に繋いでいくも鉢田も膝にストレートと返していくなど1Rは鉢田が優勢な印象。  続く2R、圧を強めた鉢田はパンチ連打で早々から印象を掴む。そのまま鉢田のペースかと思われたが大輝はボディブローと膝を中心にボディを狙っていくとラウンド後半には鉢田は嫌がるそぶりを見せていく。前蹴りにミドルで距離を獲りたい鉢田だが2Rはダメージを奪った大輝が優勢だろう、2R終了時点でのオープンスコアは2名が19-19、1名が20-20と3者共にイーブンに。  3R、互いにこのラウンドで勝利を奪いたいだけに開始早々から近距離に踏み込むも大輝がローブローを被弾、試合が一時中断となる。再開後は互いにアグレッシブに攻勢を狙い合い、大輝がオーバーハンド気味の左フックに右フック・ボディとヒットさせれば、鉢田もワンツーに右フックをお返しにヒットさせる。互いにローにハイ・膝と蹴り技を組み込みながらも主は近い距離でのパンチだ、そしてそのままヒットし合う展開は続いていき試合終了。  甲乙つけがたい試合となるも、ジャッジ2名が3Rの大輝の優勢を支持し、判定2-0で大輝が判定勝利、一足先に挑戦者決定トーナメント決勝進出を決めた。  大輝はマイクを握ると「トーナメントの逆ブロックに昨年9月に僕が負けた相手が出るので、勝って決勝で僕と戦ってください」と昨年9月、3RTKO負けを喫した中田史斗(究道会館)との再戦を熱望した。 [nextpage] ▼第5試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R〇伊達一也(FORWARD GYM)TKO 1R 0分32秒 ※セコンドからのタオル投入×辰弥(teamBonds)  互いがプロ2戦目でありDEEP☆KICK初参戦同士となる伊達と辰弥の1戦は早々の決着劇を迎える。  試合はガードを固めながらジャブに前足にローと放つ辰弥にサウスポーに構える伊達は開始早々から左ミドルに膝・左ストレートと飛ばしていく。そして流れで繰り出された伊達の左ハイキックがクリーンヒット、たたらを踏む辰弥に追撃の左ストレートで伊達が強烈なダウンを奪うと辰弥のダメージを見たセコンドが即座にタオルを投入。  1R32秒、どよめきが起きるほどの早期決着を決めた伊達がTKOでプロ2勝目を記録した。 [nextpage] ▼第4試合 DEEP☆KICK-63kg契約 3分3R〇TOJO(K-1GYM BLOWS)TKO 2R 1分35秒 ※レフェリーストップ×山口祐平(TeamFreeStyle)  DEEP☆KICK -63kg契約で相まみえるは自衛隊員のTOJOと消防隊員の山口祐平の公務員対決。  試合は序盤からハイキックに前蹴り・カーフと蹴り技を放ちながら圧をかけるTOJOに、山口はジャブ・ローに左フック、そして重そうなストレートと返していく。互いにローを効かせるなど、どちらが主導権を握るかと思われた最中、山口のストレートがTOJOを捉えるとそのままTOJOは後ろに倒れこみ山口がファーストダウンを奪う。  ここがチャンスと踏んだ山口はガードを固めるTOJOにワンツー連打でどんどんと踏み込んでいく。このまま1Rは山口のペースかと思われたが今度はラウンド終了間際にTOJOがツー・フックでダウンを奪い返しイーブン、1Rからダウンの応酬というシーソーゲームとなる。  続く2R、互いにダウンを奪い合っただけに次のダウンを狙い早々からパンチを軸に攻勢を狙い合う。TOJOが山口をロープに詰めてのストレートをヒットさせると山口はロープにもたれかかる形でダウンを宣告される。互いにダメージが見えるもTOJOはここで歩を弱めず、決めに向かっていくと、最後は交差の中で再びのストレートをヒットさせダメージを見たレフェリーが試合をストップ。2R1分35秒、ダウンの応酬となった1戦を見事制した。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R○根本日向(TEAM LIGHT)判定3-0 ※30-29×3×小野田琉己(teamBonds)  DEEP☆KICK-51kg契約にて初勝利を狙う根本と6月のプロデビュー戦で勝利を収め2勝目を狙う小野田が激突。  ルーキー同士の戦いは1R、ステップを踏みながらリングを周りカーフにストレートと放つ小野田、ワンツーに左フックとパンチを軸に立ち回る根本、互いにヒットは奪うも静かな立ち上がりを迎える。  2R、早々からジャブ・前蹴り・左フックと連続でヒットを奪う根本に小野田は立ち回りを変え、ジリジリと距離を詰めながらボディ連打にフックで圧をかけていく。ここでも同様に互いにヒットが見えるなど実力は均衡、2R終了時点でのオープンスコアは1名が20-20、2名が20-19で根本を支持する。  最終R、ここで印象を掴みたい両者は1・2Rよりも更に近い距離で始めると、ラウンド中盤には互いにノーガードで左右のフックにワンツーと打ち合っていく。中で根本がバッティングを被弾し一時中断となるも、再開後残り1分は互いに笑顔を見せながらの再び殴り合いに。その迫力たるや、会場を驚きの声と熱い声援で埋め尽くすほどだ。そしてその殴り合いは最後まで続き、ゴングと共に両者に大きな拍手が送られた。  判定は3者が根本を支持、接戦を制した根本が念願のプロ初勝利を掴んだ。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP☆KICK-48kg契約 2分3R〇林 美菜(FORWARD GYM)TKO 1R 1分35秒 ※セコンドタオル投入×寺田佑佳(GRABジム)  今大会唯一の女子対決ではプロ3戦目を迎える林が神奈川県から参戦してきたキックボクシングとイラストレーターの二刀流ファイター・寺田を1Rで沈めるというインパクト大のKO決着となった。  ゴング早々から近い距離で始まると寺田はローに前蹴りを放ちながらワンツーで踏み込む。対する林はサウスポースタイルに構え前手で距離を測りながら左ストレートを軸にヒットさせていく。互いにアグレッシブな動きを見せる中、徐々に林の左ストレートが際立っていくと1分が経過した所で林の左ストレートが1・2・3と連続で寺田を捉えそのままダウン。  寺田の表情を見るにダメージは大きい。立ち上がり続行となるも林の猛攻に後退を余儀なくされる寺田にセコンドがタオルを投入、1R1分35秒、圧巻の左ストレート連打を見せた林が2試合連続となる1RKO勝利を勝ち取った。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R×崇斗(HAKUBI GYM)判定0-3 ※28-29×2、28-30○西垣柊哉(パラエストラ森ノ宮) 「香川県から全国に名が轟くようなファイター」を目指す崇斗と5月のプロデビュー戦では敗戦と次こそはプロ初勝利を狙う西垣の1戦は1R、互いにカーフを放つなかでワンツーを軸に崇斗が圧を強めていく。西垣は下がらされる展開が続いていき崇斗が攻勢を見せていく最中、西垣の左フックがヒットすると崇斗はたたらを踏んで下がっていき西垣の追撃によりダウン。立ち上がるもダメージが見える崇斗、西垣は倒しきりたい所だったがラウンド終盤という事もあり崇斗がゴングに救われた形となり第1ラウンド終了。  続く2R、西垣はストレートに膝と狙っていく。崇斗はボディにワンツーと繰り出しながら1R同様に圧を強めていくも倒し返すまではいかず、2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-18、1名が19-18で3者共に西垣を支持する。  最終ラウンド、ここで逆転を狙いたい崇斗は飛び膝にワンツーで起死回生を狙うも西垣は下がりながらも着実にヒットを重ねていき、そのまま試合終了。3R通じて常に圧をかけながら前に押し出るのは崇斗だったが、1Rのダウンを含め西垣は要所でのヒットが光り、判定はダウンポイントが活き西垣が判定勝利。嬉しいプロ初勝利を飾った。 [nextpage] 〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合 ▼OP第2試合 -65kg契約 1分30秒2R×樋口一幸(魁塾 中川道場)判定0-3 ※18-19、17-20、18-20○中谷 巌(心将塾)  続く2戦目では会社の代表同士が激突すると、1Rにパンチラッシュで中谷がダウンを奪う。2Rには樋口がローキックを軸に打開を狙うも崩しきることは出来ず中谷が判定勝利、2Rを戦いきった50歳を超える両者の熱き打ち合いには会場から大きな拍手が送られた。 ▼OP第1試合 -40kg契約 1分30秒2R○柚山望大(LoTgym)判定3-0 ※20-19×3×宮崎龍也(一心会)  OPイベント、アマチュアファイトでは2戦が開催。1試合目は13歳同士の1戦、サウスポーの構えから堅実なテクニックを見せる宮崎を相手に速い踏み込みからのパンチとミドルで主導権を握った柚山が判定勝利。 (文・三野龍生/写真・石本文子)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア