2025年7月26日(日本時間27日)、米国カリフォルニア州リムーアのタチパレス・カジノリゾートで開催された『LFA213』(UFC Fight Pass 配信)に、“ブラックパンサー”ベイノアが出場。5月の「ファイト・オブ・ザ・ナイト」の激闘に続き、2戦目でも「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞する3R TKO勝ち。RIZINでの膠着試合から一転、RIZIN経由で北米に参戦し、覚醒の活躍を見せている。
▼ライト級 5分3R〇“ブラックパンサー”ベイノア(米国)[3R 0分49秒 TKO] ※右ストレート→鉄槌×セドリック・マヌーフ(スリナム)
ベイノアは、極真会館全日本ウェイト制空手道選手権大会・軽量級優勝。RISE第2代ウェルター級王者。2021年6月に初参戦のRIZINで元DEEP王者・弥益ドミネーター聡志相手にMMAデビュー。2021年から22年にかけてRISE、RIZINで4連敗を喫したが、2024年4月のRIZINで井上雄策に判定勝ち後、6月に体重超過のジョニー・ケースにも判定勝ちで2連勝。
米国国籍も持っていることから、サンノゼのアメリカンキックボクシングアカデミー(AKA)で長期修行。元UFC王者のケイン・ヴェラスケスやダゲスタン勢とも練習し、3月の『LFA 208』ではコール・ラーレン相手に3度ダウンを奪われるも倒し返すタフファイトで判定勝ち。北米初陣を飾っている。MMA4勝3敗。
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対するマヌーフも、ベイノアと同じ立ち技出身。K-1ギリシャ大会、K-1アゼルバイジャン大会などで連勝後、WFLではマサロ・グランダーを下すなどライト級トーナメントで優勝。クンルンファイトで4連勝後にスーパーボン、ヨードセングライ、ジョムトーンに判定負けで3連敗。23年からMMAに転向し、デビュー戦で判定負け。今回、MMA2戦目でLAF初参戦となる。
コールに十字を切って「押忍」。さらに刀を振り下ろして突き刺すポーズを見せたベイノア。
1R、ともにオーソドックス構え。左右ローを前足に突くベイノア。マヌーフの右フックをかわして圧力をかけるとマヌーフは左ハイ。右手でガードしたベイノアは、左をヒット。マヌーフの右から左を被弾しながらもさらに左で前に。
右に回ったマヌーフは左ボディストレート。なおも詰めるベイノアは、左ジャブを刺す。右ミドルをガード上に突いたベイノアはワンツーもマヌーフがかわす。
マヌーフのワンツーの右をダックしてかわしてバランスを崩したもののすぐに立て直し、左インロー。マヌーフの右に右を打ち返して後ろ蹴りを腹に突く。右ローを突き、マヌーフの左をブロッキングのベイノア。左ミドルを受けるが、その打ち終わりに右から左を伸ばす。マヌーフは左ボディ。ベイノアの左フックはスウェイでかわすと、詰めて来るベイノアに右前蹴り、さらにベイノアの入りに左ヒザを突くが、そこにシングルレッグを合わせに行くベイノア。
マヌーフはその組みを差し上げ、左ヒザを突いて離れる。立ち合い、右オーバーハンドをガード奥に叩くマヌーフにブロッキングのベイノアは左ジャブのダブル。右前蹴りでサークリングするマヌーフを追う。ノーモーションの右を突いてケージに押し込んだベイノア。左で差すが、マヌーフが突き放す。右ローからまたも組んだベイノア。マヌーが差し上げるとベイノアは右を振って離れる。
圧力をかけるベイノアはマヌーフを左ジャブの刺し合い。さらにベイノアはワンツーから右ハイを繰り出しゴング。圧力をかけたベイノアだが、有効打はマヌーフのラウンドに。
2R、先に中央を取るベイノア。マヌーフの右ミドルを被弾しながらも右ミドルを蹴り返して、マヌーフの左ヒザ蹴りを掴んでシングルレッグへ。左小手で差し上げるマヌーフに、左で差してマヌーフの右脇を潜ったベイノア。ボディロックすると小外刈テイクダウン! 立とうとするマヌーフを押さえ込み、サイドから上四方へ。
マヌーフはケージを蹴って後転。それを再び押さえ込もうとするベイノアにマヌーフは立ち上がる。左前蹴りのマヌーフに右前蹴りのベイノアは先に間合いを詰めて右ストレート。さらにシングルレッグと淀みなくアタック。
片足を掴んで小外刈テイクダウン! サイドを奪い、押さえ込んで鉄槌。ここもケージを蹴って半身になって亀から立ったマヌーフをがぶるベイノアはヒザ。差し上げてきたマヌーフを右で絞り押し込みヒザ。首投げにトライも抜かれて離れる。
すぐに右前蹴りで詰めるベイノア。マヌーフに考える時間を与えず、右ストレートを突いて、組みを見せながら、離れて右ロー。左ヒザを突くマヌーフを右フックで剥がす。
マヌーフの右オーバーハンドをかわして、右を突いてからレベルチェンジでシングルレッグのベイノア。右足を持ち上げ、右足で左足を刈ってテイクダウン! マヌーフの三角絞め狙いをかわしてインサイドから鉄槌。マヌーフは蹴り上げて立ち上がる。
右ストレートをかわされながらも、右ハイをガード上に突くベイノア。左の蹴りのフェイントからまたもシングルレッグで押し込み。右前蹴りを腹に突くベイノア。さらに左ジャブ。マヌーフは左ボディも単発。サウスポー構えにスイッチすると、ベイノアはマヌーフの左ヒザに右フックを合わせに行く。さらに右ハイをガード上に突き、ゴング。
打撃から組みへ、MMAの止まらない動きで徐々にマヌーフを削っているベイノア。右目下を小さくカットする。
3R、ベイノアが左フックから右ボディを突くと、さらに右ストレートでマヌーフを早くもケージに詰める。ワンツー、左フックと3連打のベイノア。ケージ背にマヌーフは左ミドルを蹴るが、そにベイノアは右ストレート。左フックをかわしてダブルレッグの動きも、左から右で押し戻すマヌーフ。 構え直してレベルチェンジを見せるベイノア。下がりながらのマヌーフの左ミドルを掴んで前に。右を被弾しながらもベイノアは、マヌーフの左にワンツーの右の飛び込み!
カウンターで打ち抜かれたマヌーフは棒のように膠着してダウン! 腰を掴んでそのダウン際をマットに倒したベイノアはすかさず右の鉄槌連打でレフェリーが間に入った。
AKAらしく星条旗柄のマウスガードを口にくわえて勝ち名乗りを受けたベイノアは、ケージのなかでのギルバート・メレンデスのインタビューに英語で「押忍、私が言いたいのは、皆さんのサポートに感謝します。そして対戦相手のマヌーフもありがとう。AKAのみんな、コーチありがとう。日本のファンのみなさん、本当にありがとうございます。押忍。
本当に今幸せですが、人生の道を進んでいる最中です。目標はここではありません。まだ自分をプッシュして頑張り続ける必要があります。
(次にキャリアで何を目指したい?)今は本当に興奮していて、何と言ったらいいか分からないけど、勝ち続けることで、私の成長をあなたに見せられる。美しい方法で、スターからスーパースターへの道。とにかく勝ち続ける必要があります」と語ると、一呼吸。
そして日本語で「日本の皆さん、どうですか?『喧嘩祭り』」と語り、「ディス・イズ・マイ・ファイトイベント(これが私のファイトイベントです)、押忍」とマイク。最後にAKAのチームメイトのエドムンド・クワンにエールを贈った。