岡田遼「(弥益は)トリッキーなこともやるけれども、隠しきれないファイティングスピリットを持っている」
──今回の試合が決まった際の感想を。
「今大会、『Lemino修斗』が発足するという話になった際に、ここで現役生活にピリオドを打ちたいという話をさせていただきました。そうなった時に、松根プロモーターから『岡田、引退試合は誰とやりたい?ざっくばらんに本心を聞かせてくれ』と言っていただきました。その時に『最後は弥益さんとやりたいです』と回答させていただきました。しかし、先ほど弥益選手からもありましたように、団体の垣根もありますし、階級も違いますし、正直かなり難しいだろうなと思っていたんですけれども、弥益選手から、『岡田の引退試合の相手で、そういうことなら受けます』と回答いただけた時に、彼のリスクをとって出てきてくれたことに心から感動しました」
──弥益選手を指名した理由は?
「彼とは同い年でして、彼は本当に超有名国立大学の大学院まで出た聡明なエリートで、インテリジェンスとファイティングスピリットの絶妙なバランスがずっと好きな選手で。同世代ですし、最後に引退試合で彼と手を合わせて現役生活を終えられるなら、こんなに幸せな格闘技人生はないなと思いました。また今大会はNTTドコモさんの冠がついている大会ですから、僕が最後に彼とやりたいという気持ちを抜きにしても、本大会のメインイベントを託すなら弥益“ドミネーター”聡志以外に適任はいないなという気持ちもあったので、彼を指名させていただきました」
──ファイトスタイルについての評価は?
「結構トリッキーなこともやるんですけれども、隠しきれないファイティングスピリットというか、いざとなったらすごいインテリで高学歴なのに打ち合って、スリリングな殴り合いをする選手なので、そういうところも含めてすごい魅力的なファイトスタイルの選手だなと思っています」
──試合への意気込みを。
「『Lemino修斗』、第1回大会はすごく大切な大会だと責任を感じています。昨今の、決して全てではないですが、不良なアンダーグラウンドな喧嘩の延長線上のような格闘技ではなく、しっかりと毎日自己研鑽を積んだ、井上尚弥選手や平良達郎のようなアスリートが戦う場としての『Lemino修斗』であってほしいという願いを込めて、彼とだったらそういう美しいMMAを残せるなと思いますし、将来の選手や子供たちがLemino修斗を見て“僕らも出たい”と思ってくれるような試合をして、第1回大会を弥益さんと締めくくりたいと思っています」
──今回引退を決意されたタイミングで、こういった大会が発足したことについて、どのようなお気持ちでしたか?また、この『Lemino修斗』にどんな期待をされていますか?
「まず引退に関しては正直ここ数年、ずっと考えていたことで、いつ区切りをつけるのかというのは悩み続けていました。そんな中で今回『Lemino修斗』が立ち上がるということで、自分の引退と新たな大会の始まりを重ねることで、何か次の世代やこの競技の未来に繋がるものを残せるんじゃないかと思ったんです。
期待という点では、やはり“日本発”の総合格闘技がもっと社会的にもスポーツとして認められる、その大きなきっかけになってほしいなと。僕らが戦ってきた意味を次の選手たちがさらに発展させてくれるような、そんな大会になってくれると信じています」
──岡田選手に、弥益選手も聴かれていたので、どんな試合にしたいですか。
「修斗として、自分の最後の試合なので、鶴屋さん、松根さんに教わってきたことを。だいたい約20年ぐらい。THE BLACK BELT JAPANの道場でゼロから教わってきたので、まあそれを全部出してで、なおかつ弥益選手との試合を見てる、これからの現役の若い選手たちだったり、キッズの子たちがこの舞台に出たいなって、そう思ってくれるような試合をしたいと思ってます」




