飯田に代わってSATORUの対戦相手に名乗りを上げた溝口COO(右)(C)朝倉未来チャンネル
2025年7月13日(日)大阪・おおきにアリーナ舞洲『BreakingDown 16』の前日公開計量&記者会見が、12日(土)おおきにアリーナ舞洲正面広場にて一般公開の形で行われた。

メインイベントで組まれていた飯田将成vs.SATORUが、飯田と溝口勇児BreakingDown COOとのトラブルによって大会2日前に消滅し、急遽、責任をとる形で溝口COOがSATORUと対戦することになった。
両者は2024年12月の『BreakingDown 14』で対戦し、試合開始早々SATORUにダウンを奪われた溝口が劣勢のまま1分間を終える直前に、大逆転の左フックでKO勝ちしている。
SATORUは「まず初めに、今回対戦を引き受けてくれた溝口選手、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。言いたいことはめちゃくちゃあります。いろいろなことがありました。手紙を書いてきました」と、携帯を見ながら語り始めた。

「拝啓。親愛なる国民へ。本日はお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。まず初めに飯田選手との試合が中止になってしまったこと、楽しみにしてくれていたのに本当に申し訳ありませんでした(頭を下げる)。詳しいことはここでは言いません。言いたくないからです。この数カ月いろいろなことがありましたが、応援も批判も全部受け止めてここに立っています。どんな形でもリングに立つ覚悟をずっと持って日々やってきました。
そして、今回新たな対戦相手として決まったのが溝口さんです。溝口さんとは前回の試合で戦いました。最初にダウンをとって、流れは完全に俺がつかんでいると思っていました。しかし、『来いよ』って挑発に乗ってしまい、自分を見失って勝ちに行けば勝てた場面で見せ場を選び、逆にスタミナを削られて負けてしまいました。世間からは八百長だって言葉が飛び交いましたが、俺はそんなことは一切していません。ただ、あの時の俺は勝つことよりも目立つことを選んだ未熟者でした

俺は今回の試合にある決意を持って臨みます。それは、この試合を最後にBreakingDownを引退するってことです。本当は飯田に勝ってそのまま引退するつもりでした。俺は最初BreakingDownのオーディションに来た時、もうすでに金や知名度、人気・実力を兼ね備えていた飯田選手にかみついた時は見向きもされなかった男が、やがて飯田選手の方からSATORUはどうですかと運営に俺の名前を出して意識するまでになったていたり、何度も何度も振り回されることもありましたけれど、いよいよ本当に戦える寸前のところまで行っていました。
ここで俺が彼に勝って引退するのがドラマチックで、見ている人に勇気と感動を与えられると思っていましたが、それは叶わない夢となりました。でも相手が誰だろうと関係ない。俺はもう過去の自分に勝てたと思っているし、だから人生に、リングに、ケリをつけたい。溝口とのリベンジマッチで俺は最後を飾る。BreakingDownには本当に心から感謝しています。あんなにバラバラだった家族が今では笑いあってるし、20数年親孝行と無縁だった俺がBreakingDownを経て得たスポンサー料金で、試合会場に呼んだり、欲しいものを買ってあげるようになったり、生活の面倒を見れるようになりました。
BreakingDownや格闘技には、勝ち負け以上に強い力があると思いました。諦めず挑み続ければ、過去の自分を超えリベンジを果たせることを俺は明日のリングで全国の子供たちに証明してそれを伝えます。飯田選手との試合が中止になったことは本当に申し訳ありませんが、俺がやられたまま終わる男じゃないってことを証明してやるからな。
重ねてになりますが、飯田vs.SATORUのメインマッチがなくなり、西谷と何とかってヤツの大多数が見たくもねえ興味もない試合になったことは本当に申し訳ありませんでした!」

続けて溝口がマイクを持ち、今回の件を謝罪して頭を下げると「SATORU選手、今回急遽、私も認識しています。自分が飯田選手の代役を務められる器ではないことは承知していますが、その中でもふたつ返事でこの試合を引き受けてくれたこと、私の顔を立ててくれたことを心から感謝しております。
SATORU選手には今日まで対戦相手に関してはさんざん振り回してしまったけれども、実は1回、1カ月前ですかね、この試合が流れそうになったことがあったんです。その時に運営の方から、把瑠都選手とどうかと。僕とか未来くんがタッチする前のタイミングで軽い打診をしたそうなんですけれども、その時もBreakingDownに貢献できるんだったらということで、自分よりも体重が倍以上ある把瑠都選手との試合も二つ返事で引き受けてくれたと聞いてます。
そんな大変な功労者であるSATORU選手の引退のリングに共に立てることを光栄に思いますが、今日初めて聞いたことなので非常に複雑な気持ちでいっぱいです。願わくば、もし僕がSATORU選手に勝つことがあれば、今一度、強い想いで先ほどの言葉を発したことは理解しておりますが、引退ではなくどこかのタイミングでも構いませんので、またこのBreakingDownの場で戦っていただけるんだったら明日への闘争意欲が10倍20倍になるので、SATORU選手にはご検討いただければなと思っております。
改めまして、飯田選手とSATORU選手の試合を心待ちにしてくれたファンの方、本当に申し訳ありませんでした」と、自分が勝ったらSATORUに引退を撤回して欲しいと語った。



