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【ONE】チャトリCEOが反論「米国でのAmazon Prime Videoとは5年契約」「黒字化は間近に迫っている」

2025/07/10 11:07
【ONE】チャトリCEOが反論「米国でのAmazon Prime Videoとは5年契約」「黒字化は間近に迫っている」

(C)ONE Championship

 2025年7月9日(水)深夜、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長が、ONEの財政難の記事についてSNSで反論。『ONEとAmazon Prime Videoとの米国での契約は今年終了する』の記述に、「実際には、これは2027年半ばまで続く5年契約」と主張した。

 また7月4日の記事内で指摘された財政難については、「黒字化のタイミングについて、過去に過大な見通しをしてしまったことは否定しません。このビジネスは非常に変動が大きく、放映権契約、スポンサー契約、ブランドライセンス契約、政府との契約など、数百万ドル規模の契約の締結時期を正確に予測するのは困難です。しかし現在のトレンドは非常に前向きで、黒字化は間近に迫っていると確信しています」と、見通しを記している。

 チャトリCEOのFacebookでの投稿は以下の通り。

「ここ数年、ONEは世界中で急速に支持を広げる中で、悪意ある関係者による巧妙なオンライン攻撃やPR攻撃の標的となってきました。こうした攻撃の目的は、誤解を招く、あるいは事実と異なる情報を用いて、ONEの実態を歪めて伝えることにあります。

 2025年だけを見ても、私のディープフェイク動画(AI生成)から、SNSやフォーラム上でONEを貶めるために作られた無数の偽アカウント、虚偽情報に満ちた記事まで、さまざまなかたちで攻撃が行われました。一部の“ジャーナリスト”は、『ONEとAmazon Prime Videoとの米国での契約は今年終了する』といった虚偽の主張までしています。実際には、これは2027年半ばまで続く5年契約です。

 さらに、一部の関係者は、ONEの財務情報をあたかもグループ全体の業績であるかのように見せかけ、実際には単一の子会社の財務だけを取り上げて誤認を誘うような報道も行っています。こうした手法は、まるで汚れた政治的な中傷キャンペーンのようですが、私は政治家ではありませんし、ONEのメンバーもそうではありません(笑)。

 このような攻撃は過去にもあり、今後も起こり得るでしょう。もちろん、私やチームも憤りを感じることはありますが、グローバルな若いブランドとして、大胆で意味のあることに挑戦している以上、こうしたことはある程度避けられないものだとも理解しています。残念ながら、ONEの成功を快く思わない人たちも存在するのが現実です。

 明確に申し上げたいのは、ONEは決して完璧な組織ではないということです。私たちもミスをしますし、期待に応えられないこともあります。ある国での組織縮小を通じて、他の国での成長の余地を確保することもあれば、外的な事情によりイベントのスケジュールを変更せざるを得ないこともあります。また、どの企業・スポーツ団体にも言えることですが、年間を通じて一部の選手が不満を感じることもあります。私やチームは常に選手のためにベストを尽くしていますが、それでも時に判断を誤ったり、失望させてしまうこともあります。それでも、私たちは常に、関わるすべての方にとってWin-Winの関係を築けるよう、真摯に取り組んでいます。

 一部の選手の不満は正当なものであり、そうした場合は当事者と丁寧に向き合い、非公開の場で誠実に解決に努めています。一方で、すべての不満が客観的に妥当とは限りません。『自分は本来タイトルマッチに出るべきだ』『別の対戦相手の方が良かった』といった気持ちや、連敗の中で責任の所在を探してしまう心理、『もっと高額な報酬を受け取るべきだ』と考えるケースもあります。こうした感情は、正誤ではなく、それぞれの立場の違いによって生じるものだと受け止めています。

 財務面についても、グローバルなスポーツ団体をゼロから構築するには莫大なリソースが必要です。私たちは長年にわたり、限られた収益の中で、グローバルブランドへの投資、195か国の放送局や配信プラットフォームに向けたコンテンツ制作体制の構築、世界中からのスター選手の獲得、ファンベースの拡大、エコシステムを盛り上げる大規模なイベント開催などに注力してきました。

 2019年の投資ピーク以降、コストは着実に抑制され、収益は毎年増加し、現在も堅調に推移しています。その結果、月次ベースの損失も段階的に大きく改善され、黒字化への道筋がはっきりと見えてきました。

 もちろん、黒字化のタイミングについて、過去に過大な見通しをしてしまったことは否定しません。このビジネスは非常に変動が大きく、放映権契約、スポンサー契約、ブランドライセンス契約、政府との契約など、数百万ドル規模の契約の締結時期を正確に予測するのは困難です。しかし現在のトレンドは非常に前向きで、黒字化は間近に迫っていると確信しています。

 人気と収益性の指標として、ONEは世界各地でアリーナを完売させ、GoogleトレンドやSNSでも何度も話題となってきました。世界中のファンに愛されているスター選手と、魅力的な製品を私たちは確かに持っています。ONEのアスリートたちを応援してくださっている皆さん、どうかこの歩みに、これからも共に力を添えていただけたら嬉しく思います。

 ONEが創業当初から掲げてきたミッションは、現実のスーパーヒーローたちが、その人生を通じて希望や強さ、夢、そしてインスピレーションを世界中のファンに届けることです。彼らが困難を乗り越え、不可能を可能にしていく姿は、私たち一人ひとりに勇気を与えてくれます。

 皆さんの支えがあったからこそ、ONEはここまで成長することができました。私たちはこれまで、勇気と思いやり、そしてどんな逆境にも立ち向かう意志によって、世界中でかけがえのない広がりを築いてきました。私は信じています。最後には、善が悪に勝ち、愛が憎しみに打ち勝ち、そして真実がすべてを照らす力になると。

 家族や友人、そしてまだONEを知らない人たちとも手を取り合いながら、この取り組みをさらに広げていきましょう。世界中の人々に、私たちのアスリートたちが紡ぐストーリーを届けていけたら嬉しいです。なぜなら、私たちはONE(ひとつ)だからです」(チャトリ・シットヨートン)

 6月30日には、シンガポールに世界本社を置き続けながら、制作拠点についてはシンガポールからバンコクに移転すると発表したONE。同団体は毎週ルンピニー・スタジアムで『One Friday Fights』を開催しており、「事業上の重要性が着実に高まっている」との声明通り、これまで以上に立ち技に注力していくようだ。

 タイ国外での次回2つのイベントは、11月16日に東京で、そして2026年6月に米国コロラド州で開催される予定で、後者のイベントは当初今年8月に開催される予定だったが、メインイベントと他のいくつかのタイトルマッチが予定通りに開催できなかったため、26年6月に延期されたという。

 シンガポールの『ビジネスタイムズ』は6月30日に「2020年度の売上高は5,700万米ドルで、2021年度は6,800万米ドル、2022年度は8,400万米ドル、2023年度は1億2,800万米ドルと増加した。2024年度の売上高は1億4,300万米ドルと予想されている」と売上高について記している。

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