キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】“ママファイター”NANA「男子顔負けの迫力のある試合ができたらいいなと思う。娘みたいな年齢の相手には負けられない」

2025/07/10 11:07
【KNOCK OUT】“ママファイター”NANA「男子顔負けの迫力のある試合ができたらいいなと思う。娘みたいな年齢の相手には負けられない」

娘のMOMOもプロキックボクサー、戦うママのNANA(C)KNOCK OUT

 2025年7月20日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT.55』(U-NEXT配信)にて、KNOCK OUT-BLACK女子バンタム級3分3R延長1Rでザリーナ・イスラモバ(ロシア)と対戦するNANA(エスジム)。

 昨年6月の代々木第二大会以来のKNOCK OUT参戦となる彼女は、ここからKNOCK OUTでやりたいことがいくつもあるという。そんな中、ザリーナにはどう勝とうとしているのか?

世界に目を向けていきたい


──NANA選手のKNOCK OUT参戦は、昨年6月の代々木第二大会でのルシア・アプデルガリム戦以来、1年以上ぶりになるんですね。ちょっと意外な感じがしました。

「そうですね。私も、今年の4月に娘のMOMOのセコンドで行ってたりしたし、会場にはけっこう行っていたので、試合がそんなに久しぶりという感覚はなかったですね」

──そのルシア戦以後もけっこうコンスタントに試合をしていますよね。この1年の戦いをざっくり振り返ると?

「あっという間に流れるような1年だったので、戦績的に悪くはなかったんですけど、勝ちに徹した1年だったというか。1試合は負けてしまいましたけど(12月、RWSでのカラケッド戦)。でも1年かけて、53kgで戦えるように体を作ってきてたんですね。だから3月のミネルヴァ・スーパーフライ級(52kg)の防衛戦(上野hippo宣子戦)は減量がけっこうキツかったです。本当は、52kgで試合するのは昨年10月で最後にしようと思っていたのもあって」

──ただ階級を上げると、「対戦相手がいない問題」が大きくないですか?

「確かに日本では、この階級は少ないと思います。でも、もう年齢も年齢なので、世界に目を向けていきたいと思って。52kgでやっていけないこともないと思うんですけど、それよりも53kgで強い人たちとやっていきたいという思いの方が強かったですね」

──実際、12月のRWSでは53.5kg契約で外国人選手と対戦していますが、そこでの手応えはどうでしたか?

「あの試合に関しては体格差を感じました。ルシア戦では、対外国人でも全然フィジカル差とかは感じなかったんですけど、12月の試合では『1.5kgの壁は厚いな』と正直思いました。だから、階級を上げたらちょっとキツいのかなあとも思ってたんですけど、トレーニングしていく中で『自分の体はもっと強くできる』と思って、そこを生かしたいなということで階級アップに踏み切りました」

──では、フィジカルをかなり上げてきているということですね。

「そうですね。フィジカルも上げてますし、打撃の強さももっと欲しいなと思って、この半年ぐらい、ボクシングを習ったりもしてきました」


──その流れで言うと、今回のザリーナ・イスラモバ選手はやりがいのある相手?

「ありますね。フィジカルが強いというわけではないですけど、体は大きいですし、ロシア人は骨が硬いイメージがあるので、そこはちょっと怖いなと思いつつ。打撃はかなりうまくて強いし、全体的なバランスもいいので、ここで勝てれば、自分の中ではかなり大きいかなと思います」

──「ロシア人は骨が硬い」というイメージはどこから?

「浅井春香選手が言ってたんですよ。『ローがメチャメチャ重くて、痛かったよ』と脅してきて(笑)。だからビビってます」

──そんなザリーナ選手に対して、どう戦いたいですか?

「手足の長さを潰したいですね。あとは、自分もスピードがある選手だとは思わないですけど、スピードで負ける気もしないので、いいところで回転力を見せられたらいいなと思っています」

──最終的にはどう勝ちたいですか?

「たぶん『また負けるんだろうな』と思われてるだろうから、去年のルシア戦のようにひっくり返してやりたいですね。相手の心を折りたいです。ロシア人は心も強いと思いますけど(笑)。タイで練習していると聞いてますし、私はこの日本の暑さにまだ勝ててないので。しかも、彼女は前戦、RWSで負けているので、本当に勝ちに来るだろうなと思うんですけど、私も負けられないですから」


──今もいろんな団体のリングで試合をしていますが、「ここを主戦場に」という気持ちはそんなにない?

「そうですね。ただ、この前のカード発表会見の時にKNOCK OUTのベルトの話が出ていたし、男子のベルトは目の前で見ているので、「あれを巻けるんだったら獲りたいな』という気持ちがちょっと強くはなっています」

──実際、今大会では女子の試合が3試合組まれているし、KNOCK OUTの女子が徐々に活性化してきています。そこで活躍したいという気持ちもある?

「あります! すごくいい大会だと思うので、もっとたくさん出たいです。鈴木万李弥選手にリベンジもしたいですし、REDルールもやってみたいので、コンスタントに試合ができたらと思います。UNLIMITEDも面白そうですし」

──おお、そこにも興味があるんですか!

「難しそうですけどね。ただ、私は向いてはいるんじゃないかなと思います。戦い方とか乱暴さとか(笑)」

──確かに、そんな気はします(笑)。

「一番、暴れられるんじゃないかなと思いますね。相手がいればやってみたいですし、それがルシアとの再戦になっても面白いですし」

──今大会では、Kiho vs.森川侑凛の一戦も組まれていますよね。4月大会では2人ともいい試合をしていて。

「ああ、会場で見ました。Kiho選手の試合は、どちらかというとNaoサイドで見ていたのもあって、衝撃でしたね。『Kiho選手、持ってんなー』と思いました。あれだけ押されていたところから、あのハイキックが出ると思わないじゃないですか。でもそれが強さだなと思って。カッコよかったですね。私もそこに続きたいです」

──女子3試合の中でも一番インパクトを残したいという思いも強い?

「そうですね。たぶん、Kiho選手と森川選手の試合はけっこうドロドロな感じの女子らしい戦いになると思うので、私はそうじゃなくて、男子顔負けの迫力のある試合ができたらいいなと思っています。そこでちょっとレベルの差を見せたいですよね」

──では、勝つだけじゃなくて勝ち方がかなり大事になりますね。そうできる自信もかなりある?

「まだちょっと怖いですけど(笑)、試合当日まではうまく持っていけたらいいなと思っています。どっちの距離で戦えるかが重要で、一回コケたらダメだと思うので、前に前に出られたらいいなと思いますね」

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

「『気合いと根性』です。前に出続ければ、勝ちが見えるというところを見てほしいです」

──「気合いと根性」は、昨年末に引退した渡部太基選手がいつも言っていたフレーズですね。

「やっぱり、オジサン・オバサンは若い子相手に頑張ります! という感じで(笑)」

──いやいや(笑)。

「でも本当にそういう感じだと思います。娘みたいな年齢の相手には負けられないんで」

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