【RIZIN】伊藤裕樹がズールー対策に連続タックル「強く願うことができたなら、どう在るべきか自分に問う」──その答えは？

　2025年7月27日（日）『超RIZIN4 真夏の喧嘩祭り』（さいたまスーパーアリーナ）で開催される「RIZIN WORLD GP 2025 フライ級（57.0kg）トーナメント」で、エンカジムーロ・ズールー（南アフリカ）との対戦を選択した伊藤裕樹（ネックス）が「征矢貴直伝ズールー対策」として、連続タックルを披露した。 　トーナメント1回戦の抽選会前に、「個人的には1回戦からバチバチに盛り上がる試合をしたい。征矢（貴）選手とかとやると盛り上がるかな。あとはズールー選手と。あの試合を見て（堀口恭司とも）行けるなと思った」と、極真空手・ムエタイをバックボーンとするストライカーのズールーを指名していた伊藤。抽選会では、1番目に座ったズールーの横に、3番くじの伊藤が座り、両者の対戦が決定した。 ▼GP第1試合元谷友貴（37勝12敗1NC・35歳）※バンタム級で扇久保にスプリット判定負けヒロヤ（11勝13敗1分1NC・24歳）※伊藤にスプリット判定負け ▼GP第2試合ホセ・トーレス（13勝4敗1分・32歳）※神龍にスプリット判定勝ち扇久保博正（27勝8敗2分・38歳）※神龍、ズールー、元谷に勝利 ▼GP第3試合伊藤裕樹（18勝6敗・28歳）※神龍に判定負け、ヒロヤにスプリット判定勝ち、アーセンに判定負けエンカジムーロ・ズールー（16勝7敗1分・36歳）※堀口に判定負け ▼GP第4試合アリベク・ガジャマトフ（5勝0敗・23歳）※北方にKO勝ち征矢 貴（13勝6敗1分・30歳）※ドッドソンに判定勝ち ▼GP第5試合神龍 誠（19勝4敗1分1NC・24歳）※伊藤に判定勝ち、扇久保に判定負け山本アーセン（5勝7敗・28歳）※伊藤に判定勝ち 　試合後のU-NEXT公開番組で伊藤は、「もう完璧。狙い通りでした。ストライカーとやる方が盛り上がると思うので、ズール選手を選ばしていただいたんですけど、これも（パチスロの）朝の……抽選から全部イメージ通りでした。もう全部できてます」と、イメージ通りに事が運んだとした。 　大晦日の堀口恭司戦でフラッシュダウンを奪うなど、あわやの場面を作ったズールーについては、「堀口選手をそこまで追い詰めるくらい実力がある選手なんで、しっかり準備して倒しに行こうと思ってます」と警戒しながらも「倒す」と明言。 「やっぱ2回戦へ向けて盛り上げも大事だと思うんで。（投票で）落とされないぐらい、もう“糖分”高めで、まあ僕の一個前が多分ちょっと塩分が高いと思うので（扇久保vs.ホセ・トーレス）、僕はいい連鎖を作るように、糖分高めでを気持ちよく次に繋げたいと思います」と“塩漬け”の展開も予想される1試合前から一転、ストライキングで盛り上げたいとした。 　対するズールーも、リモートで「非常に興味深い抽選方法で凄くワクワクしましたが、自分が選ばれたことには思うところがあります。ただ、ストライカーvs.ストライカーの試合になるので、お客さんが満足するような試合を見せられると思います」と、伊藤に勝算があっての選択に含みを持たせながらも、打撃対決になると語っている。 　そして、抽選会後のSNSでは、榊原CEOから「（ズールー戦の）期待は膨らんでますよ。征矢選手のようにいきなりタックル行かないでくださいね」と釘を刺されたが、いまの伊藤のMMAのすべてを出さずに勝ち上がれるほど甘い相手ではないのも確か。そして、打撃も組みも極めも、すべてを融合させて相手を上回るのがこの競技だ。 　榊原CEOの念押し投稿に、同じく海外強豪のアリベク・ガジャマトフと対戦する征矢は、「裕樹、開幕タックル行こう。そして一緒に謝ろう」と、ユーモアを交えてタックル解禁を勧めている。征矢もまた、打撃でも組み技でもフィニッシュに向かうキツい戦いが求められていると理解している。 「練習しときます」と返答した伊藤はその後、「征矢貴直伝ズールー対策」として、仮想ズールーの練習相手4人に連続テイクダウンを披露。堀口がグラップリングを混ぜてズールーを攻略したように、自身も「倒す」ために“いきなりタックル”も辞さない構えを見せた。 　抽選会後には、「ストライカーで相性はいい感じ、結構試合的には噛み合うと思うんですけど、このGPはやっぱりレスリングの選手、組み技の選手が多いので、フィジカルもやって、“対組みの選手へのスタイルチェンジ”を今やってたところなんですが」とも明かしていた伊藤。 　と言いながらも、「今回、相手が強いストライカーなんで、まあ僕の得意なところで勝負しようかなと思ってます。ズールー選手と7月はもう“灼熱”よりも暑い試合をするんで、皆さん楽しみにしといてください」と結んでいる。 「トーナメントの1回戦後に準決勝、決勝とあるんですけど、そこは考えずにもう1回戦目から全力で勝ちに行く試合をして、お客さんもみんな盛り上がるように絶対勝つんで、皆さん応援よろしくお願いします」と、「必勝」と「盛り上がり」を両立させてのズールー撃破を誓った伊藤。 　Xでは、「夢も理想も現実も全て引き寄せの法則。強く願うことができたならどうなりたいかどう在るべきか自分に問う。そして正しく行動する。不可能なんて誰かが決める事じゃない。自分を信じて進むだけ。カッコよく生きようぜ。きっとうまくいく」と投稿している。 　願いをかなえるために「どう在るべきか」の答えは出たか。南アフリカ王者との1回戦を前に、戦うギャンブラー・伊藤裕樹は「脳内カイジのBGM流れてた」と狂宴に向かう。「勝たなきゃ誰かの養分」は、リングも外界も変わらない。トーナメント1回戦で伊藤はいかに勝つか。