10月20日(日)「PANCRASE 309」新木場スタジオコースト大会で、フェザー級 キング・オブ・パンクラス・タイトルマッチに臨む、王者・ISAO(NEVER QUIT)と挑戦者カイル・アグオン(SPIKE22)が17日、新宿PANCRASE事務所にて調印式を行った。
MMA24勝5敗4分のISAOは、2018年4月にアグオン戦後の松嶋こよみと対戦し、松嶋のヒザ蹴りによる反則勝ちで暫定王座戴冠も、そのヒザ蹴りの負傷で1年1カ月間の長期欠場。2019年5月の「PANCRASE 305」にて、当時・正規王者だったナザレノ・マレガリエ(アルゼンチン)を相手に暫定王者として対戦し、判定勝利。統一王者となっていた。
防衛戦の相手は、2017年8月に3Rスプリット判定で敗れているカイル・アグオン(MMA13勝7敗)。ISAO戦の勝利後、2017年12月に松嶋こよみに判定負けも、その後は田中半蔵、中島太一を相手にいずれもスプリット判定で勝利しており、競り合いのなかで白星を掴んでいる。
互いに手の内は知り尽くしている両者。前戦ではアグオンのジャブで顔を腫らしたISAOが終盤のアグオンのテイクダウンを受け惜敗しているが、今回は王者として5R戦でアグオンにリヴェンジを果たせるか。
ONE Championshipでの修斗王者との対抗戦が持ち上がるなか、ISAOはPANCRASE王者として、防衛戦というリヴェンジマッチに臨むことを決めた理由なども、会見で語った。
──まずは両選手に、王座戦に向けて意気込みお聞かせください。
ISAO カイル選手には一度負けて悔しい思いをしているので、しっかり、このタイトルマッチの舞台でリヴェンジして防衛したいと思います。
アグオン 最初の対戦ではプレッシャーがありました。試合を積み重ねて、もっといい試合ができるように取り組んできました。
──2017年8月に一度、対戦していますが、互いに印象を教えてください。
ISAO あのときはあまり戦略不足というか、結構、闇雲にいっていまったところがあったのですが、今回は、前の反省点をいかして練習してきたので大丈夫だと思います。
アグオン 前回の試合の再戦になりますが、とてもエキサイティングな気持ちです。互いに進歩してキャリアも積んできたので、2017年以上に、もう一段上のレベルで戦いたいと思います。本当にエンターテインメイントな試合になると思います。
──前回はスプリット判定でアグオン選手が勝利しました。今回はどのような試合になるでしょうか。
ISAO 勝たないと意味がないので、もちろんフイニッシュも狙って、まあ最悪判定でも泥臭くてもいいので、まずは勝ち切ることが大事だと思っています。
アグオン 前回の試合もかなり接戦でした。今回はフィニッシュまで持っていけるように戦いたいと思います。
──ISAO選手、前回はパンチをもらった印象が悪かった?
ISAO そうですね……顔も結構腫れてしまいましたし、まあ、カットはバッティングだったと思うのですが、ジャブを結構不用意にもらい続けてしまったのが良くなかったのかなと。それで焦ってしまったことで、さらに突っ込んでしまったところもあったので、そういうところを反省して、進化したところ見せたいです。練習をしっかり積んで、あとはしっかり調整して試合の日を万全に迎えるだけです。
──2年前とどんなところが変わりましたか。
ISAO 全体的にレベルアップしていますし、その場、その場で対応できる能力とか、フィニッシュできたらフィニッシュにいきたいという気持ちもあるので、そういうところも試してみたいです。
──今回は5分5Rの王座戦です。キーポイントは?
ISAO おそらくタフファイトにはなると思うので、お互いの削り合いじゃないけど、そういう最終的には気持ちの部分も出るんじゃないかなと思っています。
アグオン 今回の試合に向けて、新しいアイディアを開拓してきました。集中力を磨いて、4週間のフルキャンプを積み、ハードに練習をしてきました。互いに100%の力を出して、王座奪取に向けて試合に臨みたいと思います。
──フィニッシュを狙う、ということですが、競り合いに強いのがアグオン選手の強みです。競り合いの試合になったときにどこを大切に戦いますか。
アグオン フィジカルもメンタルも大事だけど、特にメンタルが大事だと思っています。ケージに向かいマットを去るときに、出来ることをやり残さない。マイドセットして迷わずファイトしたいです。
──この試合の1週間前に、ONEで修斗とPANCRASEの王者同士が対抗戦を行い、勝者に500万円という条件のもとで戦いました。ISAO選手はそこには出たくなくて、今回防衛戦に臨むことになったとも聞きます。あの場ではなく、今回、この試合に臨む信念を教えてください。
ISAO お金とかすごいいい条件の試合だったんですけど、やっぱり自分のなかの目標というか、行きたい場所、わが道を行くという、そういうものが揺るがなかったので、自分はONEの試合を蹴ってこっちを優先しました。ちょうど挑戦者もカイル選手ということで、やっぱり自分はリヴェンジ戦でしっかり防衛したかったです」
──もし対抗戦に出ていたら(修斗世界フェザー級王者は斎藤裕。2016年9月のVTJ 8thでISAOがスプリット判定勝利)相手は一度勝った相手でした。それも関係していましたか。
ISAO そうですね……それも多少はあるんですけど、やっぱりPANCRASEでしっかり結果を出して、目標とする上の舞台とかに向かっていければと思って(選びました)。
──グアムで武尊選手や卜部功也選手とも練習をしていた動画がアップされていました。どのような練習でしたか。
アグオン とてもグレートな体験だったよ。グアムでK-1王者のタケルやコウヤ・ウラベとスパーリングして、MMAじゃなくて、打撃だけだったけど、とても楽しかった。どちらかというとファイトではなく友情を深めるようなもので、彼らは英語じゃなく、僕も日本語を喋れないけど、マーシャルアーツという共通言語があるから、打撃だけでも楽しかったよ。
──アグオン選手にとって、PANCRASEのベルトとは?
アグオン 日本でPANCRASEのベルトを獲ることができれば、自分にとって特別な意味がある。ベルトを獲ること自体は、ハードワークの結果として獲れれば一番ですが、そのためにいろいろ犠牲を払ってきました。自分のベストを尽くすことができれば満足です。
──迎え撃つ王者としてはベルトを守るということについては?
ISAO そうですね、やっぱりチャンピオンは勝ち続けなくてはいけないので、勝ち続けて防衛するだけです。
【写真】アグオンのパートナーの山本美憂も帯同。ハム・ソヒ戦での傷も治り、「出血で金髪が染まるのは印象が悪くて相手も勢いづくし考えなくちゃいけない」と話した。