彼は即興でやってのける
ダナハーは、JJが所属するジャクソン・ウィンクMMA代表のグレッグ・ジャックソンと旧知の仲だ。あるセミナーで、ダナハー自身もJJからアドバイスを求められたことがあるという。
「私はジョン・ジョーンズに会うたびに、とても感銘を受けてきた。あるセミナーで柔術を教えたことを覚えているが、彼は本当に素晴らしい身体能力を持っていて、柔軟性に富んでおり、リーチをうまく使っていて、肉体的にも本当に素晴らしいスペックを持っていた。とても印象的な男だよ。最近、ふらっと通りすがりに挨拶して、すごくフレンドリーに接してくれた。私自身は彼と悪い経験をしたことがない。彼はいつも紳士的なんだ。一度だけ面白いことがあったのを覚えている」と、そのときのことを語る。
「彼はラシャド・エヴァンスと戦う準備をしていた。私はその時、あるアスリートと一緒に仕事をしていて、そのアスリートが私に『アームバーのやり方を教えてくれないか?』と聞き、ガードポジションからのアームバーを教えたんだ。その場にJJもいた。
ジョンはそのキャリアの中でテイクダウンされたことはほとんどないと思うし、彼がボトムポジションを取るのに費やした時間はとても少ない。ただ、ラシャド・エヴァンスとの試合は、長い間仲の良かった2人にとってかなり感情的な試合だった。彼らは間違いなく問題を抱えていた。だから彼は『よし、その方法を教えてくれ』と言ってきた。ジョン・ジョーンズは運動能力や才能に恵まれた人間だ。短期間のうちに、アームバーのポイントを習得した。そして『この動きで試合に勝つつもりだ』と言ってきた。いや、それは火曜日の夜だ。土曜日の夜には試合がある。私は、『ジョン、それはいい考えではない。新しい動きを取り入れるには時間が必要だ。ジョン、君は今までの人生でプルガードをしたことが無いだろう』と言った。彼は、『いや、僕はこれで試合に勝つ。絶対にやるんだ』と言うんだ。
試合に彼が出てきて、私はただ怯えながら試合を見ていたのを覚えている。ラウンドの終わりだったと思う。試合は残り15秒くらいしかなかったけど、彼はラシャドに跳びついたんだ。ジャンピングガードで。アームバーは出てこなかったが、でも、それがジョンだった。そのような自己信念は印象的だ」
ADCCやIBJJF世界ノーギ、EBIなど数多のグラップリング大会で優勝するなど、史上最高のグラップラーと呼ばれたゴードン・ライアンは、このジョン・ダナハー門下生だ。
そのゴードン・ライアンは、JJとも練習しており、“ボーンズ”の格闘センスを「彼の適応能力と変化する能力は本当に印象的だ」と評していたという。
「ライアンは『この男がチャンピオンになった理由がわかるよ。彼は何かを見せられたら、それに乗って、そこから即興でプレーするんだ。ルールに従うだけじゃない。何かを見せる。彼はそれを即興でやってのけるんだ。彼はとてもクリエイティブな人間だ』と言っていた」と、ダナハーは証言する。
Jon Jones VS Gordon Ryan | Breakdown #jonjones #bjj #mma #gordonryan pic.twitter.com/vIDZMlvgmu
— UPFRONT MMA (@upfrontmma) July 15, 2024
続けて「ジョン・ジョーンズのことを叩く人たちが信じられないよ。彼は間抜けなところもあるけど、素晴らしいファイターだ。私たちはただ、彼のファイティングスキルについて話しているだけだ」と語った。



