キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】宿命の対決は久井大夢が龍聖を返り討ち、久井はライト級転向を宣言。森岡悠樹が宿敵・壱をKOして王座奪取、ゴンナパーが重森陽太を壮絶KOで王座奪取、倉本一真が栗秋祥梧に完勝で初代王者に、軍司泰斗が初OFGで82秒KO!大沢文也が祖根寿麻に勝利して全ルール制覇を宣言、木下カラテが高塩竜司を踏みつけKO、古木誠也もカルロス・モタを豪快初回KO

2025/06/22 13:06
THE KNOCK OUT2025年6月22日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント(第16試合)KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇久井大夢(TEAM TAIMU/王者)延長R 判定2-0 ※10-9×2、10-10×龍聖(BRAID/挑戦者)※久井が初防衛に成功。本戦の判定は29-29×3。  久井はKNOCK OUTアマチュアで3階級制覇を達成後、2022年4月大会でプロデビューしてKO勝ち。12月の王座決定戦で3戦目にしてKNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座に就いた。2023年9月には大谷翔司に判定勝ちでKNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いて17歳にして2階級制覇を達成。2024年6月、龍聖とKNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級王座決定戦を争い、17戦無敗だった龍聖に初黒星を付けて三冠を達成した。  11月にロムイーサンに敗れるも12月の「KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定トーナメント」で優勝、再び同王座に就いた。他団体やカンボジアのクンクメールでも積極的に試合を行い、2025年2月にはIPCC世界-60kg王座をカンボジアで獲得。しかし、4月のIPCC世界-61kg王座決定戦でチョムラウンに判定負けを喫した。戦績は15勝(5KO)4敗。  龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー。2021年10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級初代王座に就いた。RIZIN、巌流島でも勝利し、2023年3月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者ペットセーンセーブと対戦し延長戦でダウンを奪って勝利。6月にはチュームーシーフーにダウンを奪われるも延長戦で逆転勝利、12月にはファク・スアレスをKO。  2024年4月にSBの川上叶に判定勝ちとデビュー以来の無敗記録を更新していたが、6月に久井大夢に判定負け。デビュー以来の無敗記録が「17」で途絶えた。12月にブライアン・ガビオに判定勝ちでISKA世界スーパーフェザー級(K-1ルール)王座を獲得すると、2025年3月のONE日本大会に初参戦し、スリヤンレックに完勝を収めた。戦績は19勝(11KO)1敗。  1R、久井はいつも通り前蹴りで先制攻撃。ローとカーフの蹴り合いから龍聖は左右の前蹴り、久井はジャブ。龍聖が飛び込んでのヒザ、右ストレート。サウスポーの久井に龍聖は右三日月を蹴る。ジャブ、ワンツーから左右のローを蹴る久井。龍聖の右ハイには左ローを返す。ジャブを突く久井は左カーフ、左インカーフを蹴っていく。龍聖もジャブ。  2R、龍聖の左ミドルに右カーフを返す久井。ジャブを突いて前に出る久井。ワンツーを打つと龍聖も右ストレート。ジャブを突く久井に龍聖はヒザを入れては組み付く。ジャブからの左ストレート、左カーフと攻める久井に龍聖はバックハンドブロー。龍聖が組み付いてくるところにはヒザ。インカーフが効いて龍聖は動きが悪くなったか、ヒット数で久井が上回ったか。  3R、龍聖は前蹴りからクリンチ。久井はジャブを突き、左ストレート。龍聖も打ち合いを見せるがヒザから組み付く。このヒザがローブローとなって中断。龍聖は前蹴りを多用してクリンチ。それでも左フックを打って前へ出る。左ストレートで迎え撃つ久井。龍聖はバックハンドブローを繰り出すがクリンチ。龍聖はヒザに持ち込み、足を止めての左右フックの打ち合いとなるも龍聖がクリンチ。バックハンドブローの打ち合いは両者ともかわす。  判定はドローで延長戦へ。ジャブを突く久井に龍聖はヒザ。右ミドル、ジャブからのヒザを多用するがクリンチが多い。ヒザを蹴っては組み付く龍聖。久井はワンツーで前へ出る。久井が左ディ、右フック。龍聖は足を止めて打ち合いに行くが組んでしまう。離れると久井が左フック。  判定はジャッジ1名が0-0だったが、2-0で久井が勝利。またしても僅差で久井が龍聖を返り討ちにした。  久井はマイクを持つと「龍聖選手との再戦でこうやって勝つことが出来て、壁を乗り越えられたと思っています。このベルトも防衛できたので次のステップに行きます。今回でスーパーフェザー級を卒業して次はライト級に行きます。僕はライト級でもチャンピオンになれると思うのでBLACKは大沢選手、REDはゴンナパー選手、僕とやりましょう。次の7月20日の後楽園ホール大会で僕のライト級デビュー戦をオープニングファイトでもいいのでやらせてください」と、ライト級転向を宣言した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第15試合)KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級タイトルマッチ 3分3R延長1R×壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム/王者)KO 3R 0分46秒 ※右フック〇森岡悠樹(北流会君津ジム/挑戦者)※森岡が新王座に就く。  沖縄出身の壱は空手をベースに持ち、ボクシングを経て上京してムエタイを始めた。2008年11月の『MuayThaiOpen』でLPJNバンタム級王座に就き、2019年12月に岩浪悠弥に敗れるまで14連勝をマーク。2022年11月に「第2代KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座決定トーナメント」を制して王者となった。2023年8月の初防衛戦で古村光に敗れて王座を失ったが、2024年4月のリマッチで王座奪還。6月にはムエタイの激闘王と呼ばれたチョークディーから勝利を収め、7月の『ONE Friday Fights』で初参戦初勝利。 「KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級トーナメント」では12月の決勝戦へ進出するも、森岡にKO負けを喫した。2025年3月に『MuayThaiOpen 50』で2RにKO勝ち、ルンピニージャパン認定スーパーバンタム級王座を獲得するも、4月にはONEの2戦目でマイサンカンに2度のダウンを奪われ1度は取り戻すも逆転ならず判定負け。戦績は29勝(11KO)11敗1分。  森岡はKNOCK OUTを主戦場とし、2023年に『スックワンキントーン』にてスーパーバンタム級トーナメントを全試合KOで制して自身初のベルトを獲得。8月にはK-1 GROUPとの対抗戦で内田晶を初回KOに仕留めて殺傷能力の高さを証明したが、9月に古木誠也に初回KO負けを喫した。2024年5月の『ONE Friday Fights 62』に初参戦すると、ペイマン・ゾルファガリにダウンを奪われる劣勢もノーモーションの右ストレートで逆転KO勝ち。  6月にシュートボクシングに初参戦するも山田虎矢太にTKOで敗れたが、「KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級トーナメント」では12月の決勝に進出し、壱にKO勝ちで優勝。2025年4月にはREDバンタム級王者・乙津陸を初回KOに破った。戦績は19勝(11KO)10敗2分。  1R、まずはサウスポーの壱が左ミドル、すぐに森岡が右ミドル。壱が左ローを蹴れば森岡も右ローを返す。森岡は右ローを蹴っていき、壱は左ミドルを蹴って回り込む。森岡は壱の左ミドルに右フックを返してこれでダウンを奪う。  壱は立ち上がるとワンツー、森岡が襲い掛かり、左フックをヒットさせると壱の左フックをもらいながらも右フックでダウンを追加。左右フックで倒しにかかる森岡。壱も負けじと左を打ち返す。森岡は右ヒジも連打。両者左右フックを回転させてどちらが倒れてもおかしくない距離で打ち合う。  2R、森岡が右インロー、壱が右フックを放つと一瞬棒立ちとなった森岡だが、すぐに左右フックで逆襲。森岡が左フック、コーナーを背負った壱に右フックを見舞ってダウンを追加。壱は立ち上がると左ミドル、左右のパンチで前へ出ていく。森岡は右ヒジ。前へ出て逆転を狙いフックを繰り出していく壱。  3R、壱がいきなり仕掛けるが、右ストレートを空振りしたところに右フックをもらってまたもダウン。森岡はジャブ、左右フック。右フックで壱が後ろに倒れ、5度目のダウンを奪って森岡のKO勝ちとなった。  新王者となった森岡は「どうですか、皆さん。これがKNOCK OUTなんですよ。まずはキックを始めてからずっと教えていただいた先生、ありがとうございます」と周りの人たちにお礼。「KNOCK OUTの絶対王者になれるか分からないですけど、誰よりも面白い試合をする、そういう王者になります。絶対KO決着でKNOCK OUTを盛り上げるのでよろしくお願いします」と、王者としての方針を示した。 [nextpage] ▼第14試合 KNOCK OUT-REDライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R×重森陽太(クロスポイント吉祥寺/王者)KO 3R 0分24秒 ※右フック〇ゴンナパー・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックスジム/挑戦者)※ゴンナパーが新王座に就く。  重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレックから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。  2023年8月からはKNOCK OUTを主戦場にし、2024年6月にレンタを破り国内最強を証明。9月には『ONE Friday Fights』に初出場、シン・ドンヒョンにKO勝ちした。さらに10月はマルコス・リオスに延長戦で判定勝ち、11月にカンボジアでのクンクメールとの対抗戦でも勝利した。12月にはUNLIMTEDルールに初挑戦したが倉本一真にTKO負け。2025年4月のクンクメールで判定負けと連敗中。戦績は42勝(18KO)10敗6分。  K-1グループからの参戦となるゴンナパーは、タイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1グループに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代Krushライト級王座に就き、3度の防衛に成功した。2020年12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に君臨したが、2021年7月の初防衛戦で朝久泰央に判定2-1で敗れ王座を失った。  2022年6月の『THE MATCH 2022』では白鳥大珠を1R2分42秒、右フックでマットに沈めた。2024年4月、1年8カ月ぶりにKrushで復帰戦を行い塚本拓真に判定勝ち。7月のK-1では与座優貴に1R2分30秒でKO負けを喫した。9月のKrushで体重超過はあったが上野空大を3RでTKO。2025年2月にKNOCK OUT初参戦を果たすと古村匡平に判定勝ち。戦績は117勝(26KO)31敗3分。  1R、重森がジャブ、前蹴り。ゴンナパーの左ミドルをかわしての右ミドル。ゴンナパーは前に出ていって左ミドル、左ボディストレート。重森は左へ動きながらヒジを狙う。ゴンナパーが左ミドルを蹴ると重森はキャッチしてのパンチを打つ。どんどん前へ出るゴンナパーに重森は左へ動きながらジャブ、右ミドル。ゴンナパーがワンツー、ヒザで前へ出ると重森は振り下ろすヒジで迎え撃つ。  2Rが始まってすぐ、ゴンナパーの左ヒザを上げてのフェイントからの左ストレートで重森がダウン。左ミドル&左ストレートで前へ出るゴンナパー。さらにヒジ、左ストレート、左カーフと重森を追い込んでいく。重森は右ミドル、前蹴りを返すもゴンナパーは左ボディストレートとヒジ。ロープを背負って右ミドルを蹴る重森だが、ゴンナパーが左右フック、ボディ、左ミドルで下がらせる。重森の横蹴りに飛び二段蹴りを繰り出すゴンナパー。  3R、ジャブを突く重森にゴンナパーは左ミドル、重森が右ハイを2発蹴った直後、ゴンナパーがテンプルへ右フック一閃。重森は硬直したように横倒しになり、頭部をマットに強打。ゴンナパーがKOでタイトルを奪取した。  ゴンナパーはマイクを持つと「皆さん、こんにちは。今日はとても嬉しいです。もう一度格闘技の世界へ戻ってこれて、もう一度ベルトを巻くことが出来て本当に嬉しく思っています。自分の体力が続く限り自分が出来ることを精一杯やり続けたいと思います」と語った。 [nextpage] ▼第13試合 KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級王座決定戦 3分3R延長1R×栗秋祥梧(KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺)判定0-3 ※28-29×3〇倉本一真(リバーサルジム新宿MeWe/MAJESTIC)※倉本が初代王座に就く。  栗秋は九州で活躍後、2018年10月に上京してクロスポイント吉祥寺に入門。天性の格闘技センスを生かした左の攻撃を武器とし、飛びヒザ蹴りは一撃必倒のキレと破壊力を秘めている。2023年9月にK-1 GROUPから乗り込んできた第6代Krushフェザー級王者・玖村修平を初回KOに降して評価を一気に高めたが、2024年2月の『ONE Friday Fights』初参戦で判定負け。4月のシュートボクシングでは山田彪太朗に判定負けと連敗。  しかし、6月にKNOCK OUT-UNLIMITEDルールで中村優作を1RでKOし、大きなインパクトを残した。10月にはチュームーシーフーを延長戦で破りKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座に就いたが、12月のUNLIMITEDではカルロス・モタに判定負け。キックボクシング戦績は46勝(25KO)23敗3分。 倉本は全日本レスリング選手権大会男子グレコローマン59kg級・60kg級で3連覇を達成。2017年2月に修斗でMMAデビューを果たし、MMA戦績は10勝4敗。近年は加藤ケンジ、魚井フルスイング相手に連勝も、元谷友貴、太田忍に連敗。2025年4月にヤン・ジヨンと激闘を演じ、判定2-1で勝利している。12月にKNOCK OUT初参戦を果たしUNLIMTEDで重森陽太と対戦、2R2分43秒でTKO勝ちした。  1R、倉本が右ローを蹴ると栗秋はすかさず左フック。倉本が右カーフ、組み付いてボディロックからフロントスープレックス。すぐに立った栗秋は左フック。左フックの連打で前へ行くと倉本がボディロックでロープへ押し込み、栗秋がロープとの外に出てしまい一時中断。  再開後、倉本のニータップからの組みは切った栗秋。シングルレッグから倉本がテイクダウンし、ヒザとパウンド。栗秋は下から蹴り上げるが、倉本が踏み付け。すぐに立つ栗秋。倉本が頭を下げるフェイントをすると栗秋はハイキックを見せる。ニータップからのテイクダウンに成功した倉本はサイドからヒザ、ヒジ。ブレイク。栗秋が左右フックで前に出る。  2R、栗秋がジャブから左ハイ、倉本がシングルでテイクダウンし、抱き着く栗秋を持ち上げて投げる。ブレイク。シングルからボディロックの倉本に栗秋はバックを取りに行くが下にされる。倉本はヒザの連打を見舞う。ブレイク。倉本の右フック、シングルレッグには栗秋がすぐに立ち上がる。  栗秋の右ロー、倉本はその蹴り足をキャッチしてテイクダウンし、ヒザ、踏み付け、立ち上がり際にもヒジ。栗秋が立ち上がるとすぐにダブルレッグでテイクダウン。倉本が圧倒してラウンドを終えた。  3R、倉本がダブルレッグでテイクダウン。抱き着く栗秋を持ち上げる倉本は、再び寝かせるとバックを奪って背後からのパンチ、ヒザ。ブレイク。倉本がボディロックから栗秋をテイクダウンしてパウンド。ブレイク。組みに来る倉本に栗秋はヒジを狙うがテイクダウンされる。  立ってもすぐに倉本にテイクダウンされる栗秋は下からヒザ。最後は倉本がダブルレッグからリフトアップしてサイドを奪い、圧倒して試合を終えた。  判定は3-0で倉本が勝利。プロ転向後、初のベルトを腰に巻いた。  倉本はマイクで「KO出来なくてしょっぱい試合してすいません。栗秋選手強かったのでこうなっちゃったんですけれど、自分が初代のベルト巻いちゃって。自分のことが分かっていないお客さんも多いとと思いますが、UNLIMITED頑張るので。MMAもUNLIMITEDも両方見てもらえれば嬉しいです。また自分がKNOCK OUTを盛り上げていきます」とアピールした。 [nextpage] ▼第12試合 KNOCK OUT-REDフェザー級 3分3R延長1R〇軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/第5代K-1 WORLD GPフェザー級王者)KO 1R 1分22秒 ※左ボディブロー×ペットルンルアン・ソーチャールワン(タイ/ソーチャールワンジム/元ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級王者)  軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2021年12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦し、第5代王座に就いた。2022年8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」で優勝。2023年3月にはムエタイのトップ選手ヴューを判定に破り、初防衛に成功した。  2025年3月にRISEフェザー級王者・門口佳佑に延長戦の末に判定勝ちで13連勝を達成。しかし、9月の2度目の防衛戦で寺田匠に延長戦で判定負け、K-1王座を失った。10月には「JAPAN MARTIAL ARTS EXPO」にてクリスチャン・ボグダンを大差の判定で破り、ISKAオリエンタルルール・インターコンチネンタル・スーパーフェザー級王座を獲得している。戦績は26勝(6KO)6敗1分。 ペットルンルアンは戦績50勝18敗2分、175cmと長身で首相撲を得意とする。2023年3月に小笠原瑛作と戦ったロンナチャイ、2024年5月に大和哲也と戦ったゲーウガンワンらとしのぎを削ってきた一流選手だ。  1R、軍司は左インロー、ペットルンルアンが右ローを蹴ってくるとジャブを合わせる。右カーフを連発した軍司がパンチに行くとペットルンルアンは組む。軍司は組んでくるペットルンルアンに左ボディ。  ブレイク後、軍司がワンツーでペットルンルアンのガードを上げさせて左ボディを2連発すると、ペットルンルアンは悶絶してダウン。立ち上がることは出来ず、軍司の秒殺KO勝ちとなった。  リングサイドには武尊の姿も。軍司はマイクを持つと「初めまして。僕の第2章、OFGムエタイどうでした? 今回本当に強い相手で練習からワクワクしていて新鮮な感じで。8か月ぶりの試合だったので、KNOCK OUTさんにオファーもらって感謝していて。  これからの時代、OFGムエタイが絶対に来ると思っているので、やりたいと思っている選手、面白いのでぜひやりましょう。本当はヒジで倒し戦ったんですけれど、出来なかったのですぐに試合できるので8月、9月あたりに組んでください」と、連戦を希望した。 [nextpage] ▼第11試合 スーパーファイト KNOCK OUT-UNLIMITED -63.0kg契約 3分3R〇大沢文也(ザウルスプロモーション/KNOCK OUT-BLACKライト級王者)判定3-0 ※30-27×3×祖根寿麻(ZOOMER) 大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」で準優勝。2022年4月に瓦田脩二を破り、第7代Krushライト級王座に就くも2023年6月の初防衛戦で里見柚己との再戦に敗れ、王座を失った。2024年12月、KNOCK OUT初参戦を果たすとUNLIMITEDルールでバズーカ巧樹に判定勝ち。2025年5月、大谷翔司との再戦を判定3-0で制して第4代KNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いた。戦績は33勝(3KO)21敗3分1無効試合。 祖根は初代DXFCバンタム級王者、TENKAICHIバンタム級王者、第7代修斗環太平洋バンタム級王者。MMAで石原夜叉坊、魚井フルスイング、金太郎らに勝利を収め、佐藤将光、手塚基伸、ヒロ・ヤマニハらとも対戦。2018年8月にRIZIN初参戦を果たし、元谷友貴、2019年8月にジャスティン・スコッギンス、2021年大晦日に太田忍と対戦した。また、2017年8月にKrushで秀亮、2021年11月には皇治とキックボクシングルールで対戦している。2022年7月に『RIZIN.36』で引退式を行ったが、約3年ぶりに1日限定で格闘家に復帰するという。  1R、大沢が右ロー、祖根は打撃を見せながら前へ出てダブルレッグもこれは大沢がロープを背にして防ぐ。大沢がジャブと右カーフ、祖根は再び打撃を出しながら前へ出て組むがこれもブレイクに。  大沢はジャブと右カーフ、左三日月も蹴る。祖根のテイクダウンをディフェンスするとパンチの連打を見せる大沢。祖根は何度もテイクダウンに行ったが、一度も寝かせることが出来なかった。  2R、大沢が右カーフ、右ロー。祖根が前に出てくると大沢はロープやコーナーを背にしてテイクダウンを防ぐ。大沢の右ローに祖根が左フックで前へ出たところでバッティングとなり、試合は中断。再開後、組んでくる祖根にヒジを合わせる大沢。  祖根が後頭部から出血すると大沢は「ヒジで切った」とアピール。祖根は大沢の蹴りにシングルレッグを合わせたが、大沢はガブってブレイクを待つ。大沢の三日月蹴りに、一瞬身体を曲げる祖根。大沢は右ヒザも入れる。大沢のヒジは後頭部だったため警告が与えられた。  3R、フックから組みに行ってボディロックする祖根だが大沢はロープを背にして防ぐ。しかし、2度目のボディロックで祖根がテイクダウン。これはブレイクになってしまう。スタンドに戻ると大沢がジャブ、左ミドル。祖根は蹴り足をつかんでのテイクダウンに行くも大沢はすぐに立ち上がる。祖根はテイクダウンに成功しても大沢に組み付かれてブレイク。  判定は大沢がフルマークの勝利。大沢はマイクを持つと「俺が負けるとか、祖根くんの勝利を予想していたこのクソラウンドガールとアンジーひより、見たかバカ!」と、またしても悪態をつく。 「祖根くんめっちゃいい人で元々仲がいいんですけれど、普通に考えてくださいね。僕はこのルールが祖根くんがちょっと有利なルールだったとしても、祖根くんは3年以上も試合してないし、3年半もブランクがあります。それなのに僕と試合してくれてそれがそれだけ勇気があるということか。本当に勇気のいることだと思います。祖根くんありがとう。ひとつお願いがあります。この階級でUNLIMITEDのベルトを作ってください。BLACKのチャンピオンになりましたがREDも狙います、UNLIMITEDも狙います。3個ベルト俺がベルトもらいます。KNOCK OUT最高!」と、ポズドニアコフに続いて全ルール制覇を宣言した。 [nextpage] ▼第10試合 KNOCK OUT UNLIMITED -67.0kg契約 3分3R×高塩竜司(KIBAマーシャルアーツクラブ) KO 2R 2分04秒 ※フットスタンプ〇木下カラテ(和術慧舟會HEARTS)  高塩は元栃木県警職員で、2015年12月にMMAプロデビューして以来、約10年間DEEPで戦ってきた。2015年12月のDEEPフューチャー キングトーナメントライト級優勝。2018年に神田コウヤを右ストレートからのパウンドでTKO、2019年に樋口武大の寝技を凌いでトップからのパウンドでTKO勝ちを収め、2020年には朝倉未来一年チャレンジの西谷大成に判定勝利している。直近のMMAでは2連敗中、2025年3月にUNLIMITEDルール初挑戦も木村亮彦に判定負けを喫した。MMA戦績10勝(5KO)15敗2分。 フルコンタクト空手ベースの木下は、2023年6月にRIZIN初参戦。元K-1王者の久保優太にスプリット判定で惜敗も、2024年3月のDEEPでは五明宏人との空手対決で1R KO勝利。2024年7月には、体重超過した前DEEPフェザー級王者・神田コウヤに判定2-1で勝利し、3連勝。しかし、9月の『RIZIN.48』でカルシャガ・ダウトベックの左ストレートに1R KO負けを喫した。12月の『Black Combat 13』でもキム・ミンウに初回TKO負け。打撃が活かせるUNLIMITEDルールで再起への弾みをつけるか。  1R、高塩はいきなり組みにいって一本背負い。これは防いだ木下だが高塩が2度目の一本背負いでテイクダウンする。すぐに立ちあがる木下をさらに一本背負いで投げようとした高塩だが、木下がバックを奪う。これはブレイク。  木下が右ハイキック、高塩がシングルレッグに来ると木下がガブって頭部へのヒザを連打。マウントを奪うがブレイク。前に出る木下が左フックを放ったところに高塩が右フックでダウンを奪う。しかし、ここで高塩がフロントチョークに行ってしまい、ブレイクに。大チャンスを逃してしまった。  左右フックで前に出る高塩。木下は右アッパー、ヒザ。組んで投げようとする高塩だが木下に防がれ消耗が激しい。木下が左右フック、高塩も左右フックで前へ出るがスピードがない。木下が左フックからの右フック。  2R、パンチを打ちに行く高塩が飛びヒザ蹴りから組んで首投げに。両者ロープの外に飛び出しそうになり、ブレイク。高塩のパンチに木下がシングルレッグ、高塩を寝かせるとパウンドを打つ。左のカウンターを決めた木下は組んできた高塩にヒザ、シングルレッグに行こうとする高塩にサッカーキックとヒザ。上からガブってのパンチ。  ブレイクで立ち上がると木下が左ストレート、高塩の右フックをかわした木下が倒れた高塩にパウンド、そして踏み付け。ここでレフェリーがストップをかけた。  木下はマイクを持つと「押忍! ありがとうございました。ヘタクソな試合をしてしまったんですけれど、凄いですね、このルール。思っていたより疲れちゃったけれど頑張りました。押忍」と語った。 [nextpage] ▼第9試合 KNOCK OUT-UNLIMITED -58.0kg契約 1R3分・2R2分・1R1分×山野邉嵐(TRIBE TOKYO MMA)KO 2R 1分33秒〇平川蓮斗(和術慧舟會HEARTS) 4月の『KNOCK OUT REBELS SERIES.2』で行われた「UNLIMITED 61kg 1DAYトーナメント」で優勝した山野邉が平川と対戦。  1R、両者きびきびとした動きから平川がワンツー、山野邉は右フックを放つ。平川のワンツーが見事に決まり、山野邉はダウンを喫するがすぐに立ち上がり打ち合いへ。しかし平川の右フックでグラつき、倒れると平川がパウンドとヒザ。  立ち上がる山野邉も左フック、右ストレートで応戦するが、平川の右ストレートをもらってフラつく山野邉。平川が左フック、右ストレートと攻め、山野邉のフラつきながら打ち返す。平川は攻め疲れたか、組んでのヒザ。パンチのスピードが遅くなり始めた平川に山野邉が左右フック、右ハイ。  2R、右目上を切った山野邉にドクターチェック。再開後、平川がワンツーを当てながら前に出る。ワンツーの連打を浴びる山野邉は右ロー、平川の右フックに右フックを合わせに行く。再び山野邉の右フックが当たった力後、平川の返しの右ストレートで山野邉がダウン。組み付く山野邉だがブレイクに。  山野邉は組んでバックを奪い、顔面を蹴り上げるが直後に平川の右フックをもらってダウン。ここでレフェリーがストップした。  平川はマイクを持つと「初めまして。次の大会、もっと強いヤツと喧嘩したいので強いヤツと試合組んでください」とアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 スーパーファイト KNOCK OUT-BLACKウェルター級 3分3R延長1R×漁鬼(SHINE沖縄) 判定0-3 ※27-30×3〇ユリアン・ポズドニアコフ(ウクライナ)  漁鬼は沖縄のアグレッシブファイターで、TENKAICHIウェルター級王者、BEAST同級王者。2022年7月、KNOCK OUTに初参戦すると中島弘貴に延長戦でTKO負けも接戦を演じ、20244年2月には渡部太基に勝利。6月のエミール・アラゾフ戦では判定負けした。10月のKNOCK OUT-BLACKウェルター級王座決定トーナメント準決勝では中島玲に判定負けも1Rにダウンを奪った。  2025年2月、西川康平を初回でKO。5月には中島弘貴との再戦でダウンを奪って勝利、KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級暫定王座に就いた。試合後のマイクで「来月、中島玲とユリアンが試合をするらしいので、勝った人とぜひやらせてください」とアピールしていた。戦績は9勝(3KO)6敗1分。  1R、ポズドニアコフはサウスポーになると左ミドルを連打、オーソドックスに戻ると左右フックで前に出る。漁鬼は右ストレートを打って行くが、ポズドニアコフはサウスポーになっての左ミドル、左ボディ、ヒザとレバーを攻めていく。  駆け足するようなパフォーマンスを見せてワンツーを打って行くポズドニアコフ。漁鬼が左右フックを繰り出すとバックキックを見せる。左ボディ、ワンツー、右ハイとポズドニアコフが攻め込む。  2R、ポズドニアコフのジャブ、左右フックに漁鬼はワンツーで前へ出るがポズドニアコフに組まれる。ワンツー、左フック、組んでのヒザ、さらに飛びヒザと攻めるポズドニアコフ。的確に当て、技も多彩なポズドニアコフに漁鬼は右カーフと左右フックで対抗するが、ポズドニアコフは右カーフから顔面へのヒザ蹴り。上下にも攻撃を散らせる。  飛び込んでの左ボディから左ミドル、漁鬼は右フックをヒットさせるがポズドニアコフはすぐに前へ出てパンチとヒザ。ジャブもいいタイミングで漁鬼の顔面を捉える。  3R、ポズドニアコフは左ボディ。ここで漁鬼は左右フックで前へ出るが、ポズドニアコフの左ボディ、左ミドルで押し返す。ワンツーからヒザ、左右フックからの左ボディ、コーナーに詰めた漁鬼に右ストレート、左フック。漁鬼は思い切り左右フックとアッパーを振り回すが、ポズドニアコフは下がらず左フックとヒザ。漁鬼は最後まで諦めずパンチで攻めていったが、ポズドニアコフは後ろ蹴り。  ポズドニアコフがフルマークの判定勝ち。するとリング上に、当初ポズドニアコフと戦う予定だった中島玲がマイクを持って上がり、「ユリアン、タイトル懸けてやろう。俺が倒す。俺が倒すから、絶対に勝つから」と改めてタイトルマッチで戦おうとアピール。ポズドニアコフは「次は怪我をしないようにしっかりと試合をしましょう。僕はこのKNOCK OUTでRED、BLACK、UNLIMITED全てのベルトを獲りたい。漁鬼選手のこともめっちゃ好きになりました。ナイスガイで日本の漢って感じでした。日本大好きです」と、KNOCK OUTの全ルール制覇を目標に掲げた。 [nextpage] ▼第7試合 KNOCK OUT-BLACKフェザー級 3分3R延長1R〇古木誠也(フリー/初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者)KO 1R 1分35秒 ※左フック×カルロス・モタ(ブラジル/元LFAフライ級王者) 古木はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴があり、持ち前の破壊力で2022年12月に工藤“red”玲央を初回KOしてKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座に就いた。2023年8月、小倉尚也を初回KOで破り王座初防衛に成功。しかし、2024年12月のドスティン・オルティス戦で体重超過。保持していたKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座を返上した。2025年4月、階級をフェザー級に上げての第一戦で辰樹を2RでKOした。戦績は12勝(9KO)3敗。 モタは2016年7月にMMAでプロデビュー。ブラジルで8連勝後、2019年11月から『LFA』に参戦。同大会のフライ級王者になっている。さらに2022年8月には『UFC Fight Night』にも参戦を果たした(判定負け)。2024年12月のKNOCK OUTに初来日し、KNOCK OUT-UNLIMTEDルールで栗秋祥梧と対戦。テイクダウン&パウンドで圧倒しての判定勝ちを収めている。MMA戦績8勝2敗。  1R、古木が右カーフを蹴るとモタは飛び後ろ廻し蹴り。モタが左ボディからの左フックを繰り出すが、古木が右フックを返すと一発でダウンに。  前に詰める古木にモタはバックキック、ワンツー、ステップで下がりながらジャブ、右ストレート。古木は左ボディ、左ハイ、コーナーへ詰めて連打。下がるモタをジグザグに動きながら追いつめ、連打でコーナーへ追い込み、最後は左フックでなぎ倒してKO勝ち。古木が衝撃的なKOで異種格闘技戦を制した。  古木はマイクを持つと「遠くから来ていただいたカルロス選手ありがとうございました。チャンピオンを目指してこれからもアツい試合をします」と、表情をひとつも変えずクールに語った。 [nextpage] ▼第6試合 スーパーファイト KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級 3分3R延長1R〇乙津 陸(KNOCK OUT クロスポイント大泉/KNOCK OUT-REDバンタム級王者)KO 3R 2分24秒 ※3ノックダウン×石川直樹(KICKFUL GYM/四冠王) 乙津は2021年10月にプロデビュー。2022年12月に第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦に臨んだが、心直に判定で敗れてプロ初黒星。バンタム級に階級を上げて2023年8月のKNOCK OUT-REDバンタム級王座決定戦では心直にリベンジして初戴冠を果たした。11月には初のオープンフィンガーグローブマッチに挑んだがサンチャイに惜敗。2024年2月、Krushに乗り込んで齊藤龍之介に延長Rで勝利もアゴを骨折して長期休養に。2025年4月に復帰するも森岡悠樹に初回KO負けを喫した。戦績は10勝(4KO)3敗。 石川は元・新日本キックボクシング協会フライ級王者、元ジャパンキック同級王者、スックワンキントーン認定スーパーフライ級王者の三冠王で、ジャパンキックでは2019年5月のプレ旗揚げ戦、8月の旗揚げ戦ともにメインを務めたエースだったが、2021年9月からフリーに。10月のRIZINでは吉成名高にTKOで敗れている。フリーとして様々なリングで試合を行い、2024年6月にフランスでニコラス・リヴァースにKO勝ち、ISKAインターコンチネンタルK-1ルールフライ級王座を獲得した。首相撲からのヒザ蹴り・ヒジ打ちを得意とする。2025年5月11日のNJKFで大岩竜世を破り、現在10連勝中。戦績は35勝(14KO)10敗8分。  1R、右カーフの蹴り合い、石川はさっそく得意の首相撲からのヒザを使う。乙津はジャブ、右カーフ。石川は乙津が入ってくるタイミングで前蹴り、ヒジ、ヒザを合わせに来る。  2R、乙津は右カーフを蹴って右ストレートにつなぐ。石川が前に出てくるとバックステップ。出入りする乙津が右カーフと右ストレート、石川が前へ来るとジャブを合わせる。それでも捕まえてガッチリとロックしてのヒザ蹴りを入れる石川。ここから石川の首相撲地獄が始まり、乙津は何度も捕まってヒザをもらう。組み際にはヒジ。ボディにヒザをもらった乙津は足をすくって投げる。石川はボディだけでなく顔面にもヒザ。  3R、乙津は右カーフから右フック、石川が出てくるところに右フックをヒットさせると石川がフラつく。それでも首相撲に持ち込む石川。ジャブで前に出る石川にジャブ、左フックの乙津。圧を強める乙津は、石川が組んでヒザを蹴ってきたところに左フックを合わせてダウンを奪う。  前へ出る乙津が右フックをヒットさせ、さらに左フック。バックスピンエルボーを出す石川だが、乙津の右ショートをもらって2度目のダウン。右フックでフラついた石川に乙津が左右フックのラッシュ、最後は左フックで石川が崩れ落ち、乙津の見事なKO勝ちとなった。  乙津はマイクを持つと「とりあえず勝ちました! 前回復帰戦で今日タイトルマッチやる森岡選手にKO負けしちゃって凄く考えさせられることあって。今日、KO出来て本当に嬉しいです。先週の土曜日に21歳になったので、ケーキ喰えなかったのでKOボーナスで豪華なケーキを食べたいと思います。自分、55kgでも戦えるし、勝てることを証明できたのでこれからも乙津陸の応援よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第5試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級 3分3R延長1R×前田大尊(マイウェイジム)KO 3R 2分31秒 ※右飛びヒザ蹴り〇福田拓海(KNOCK OUT クロスポイント大泉) 前田は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで4冠王に。プロでは2023年7月に一航からハイキックでダウンを奪っての勝利で名を挙げ、2024年2月にはWBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座決定戦も行っている(判定負け)。「KICKBOXING JAPAN CUPスーパーバンタム級トーナメント」の1回戦では一航を返り討ち、12月の準決勝で壱・センチャイジムに敗れた。戦績は9勝(1KO)4敗1分の19歳。  福田は2021年第40回K-1アマチュアBクラス60kgトーナメント優勝、2022年KNOCK OUTアマチュア・アダルト60kトーナメント優勝を経て2022年8月にKNOCK OUTでデビュー。3連勝を飾ったが4戦目で祐輝にKO負け、6戦目で古木誠也の相手に抜擢されたがKO負けを喫した。2024年12月に遊羅に初回KO勝ち。5勝(3KO)2敗1分で2敗はいずれもKO負けという倒すか倒されるかのスタイル。  両者は2025年4月の前戦で対戦し、延長戦でも決着がつかずドローとなっていた。  1R、前田がジャブからバックハンドブロー、互いに右カーフを蹴り合う。福田が右カーフから右ミドル。前田はバックハンドブロー、バックキックと回転技を多用する。前田が右ストレートをヒットさせ、前へ出る。両者カーフの蹴り合い、前田はバックハンドブローを当てる。  2R、左右フックからの右ローで攻める前田。前に出る福田が右ミドルと右カーフ、前田はジャンプしてそのカーフをかわす。蹴りを多用する福田が前に出ていく。前田は左カーフからバックハンドブローをヒットさせるが、福田は全く下がらない。右で蹴りまくる福田に前田は右ストレート。  3R、ジャブと右カーフ、前蹴りで前に出る前田。ヒザも入れる。福田は徹底した右ローとカーフだが、いきなり飛び蹴りも繰り出した。前田は右ミドル、バックキック。フック連打からの右ローも前田がヒットさせ、バックハンドブローを繰り出す。福田の右をもらった前田だがジャブで体勢を立て直す。前田が左ボディ、左フックからの右ロー、右ボディストレート。するとここで福田が突然の右飛びヒザ蹴り! これが見事にヒットし、前田は大の字に。豪快なKOに代々木は大きく沸いた。  福田はマイクを持つと「ベストKOは俺でしょう。こんな逆転の飛びヒザないっしょ。もう文句ないっしょ、俺タイトルマッチで。前田くん、めちゃくちゃ強くてプレッシャーハンパないので自分を褒めたいです。あとBLACKで一人残ってるのはセミファイナルで試合をする人だけなので、皆さんも俺がBLACKのベルト巻くところ見に来てくれないですか。俺の友だち、パーティーしようね」と、タイトルマッチをやらせてほしいとアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 KNOCK OUT-BLACKライト級 3分3R延長1R×セーンダオレック・スターライトジム(タイ/スターライトジム)KO 2R 2分00秒 ※左ストレート〇髙橋亨汰(髙橋道場)  セーンダオレックは21歳にして161勝37敗5分と200戦以上の経験を持つサウスポー。現在は日本のY'ZDジムでトレーナーを務めながら、試合出場している。KNOCK OUTには2024年4月に初参戦すると重森陽太に判定で敗れたが、6月に大谷翔司から左ストレートでTKO勝利を奪った。12月の第3代KNOCK OUT-BLACKライト級王座決定戦での大谷との再戦では2RでTKO負け。  髙橋は極真空手出身で、兄は極真会館第12回全世界空手道選手権大会4位の高橋佑汰。2015年10月にキックボクシングデビューし、多彩な蹴り技で2019年7月に日本ライト級王座に就いた。2023年2月にはWKBA世界62kg王座も獲得。ひとつの引き分けを挟んで17連勝で2024年8月にKNOCK OUTへ本格参戦を果たしたが下地奏人に延長Rで敗れた。2025年2月、折戸アトムを3RでKOして再起。戦績は25勝(12KO)4敗2分1無効試合。  1R、両者サウスポー。髙橋はステップを踏んで左ローを蹴っていき、左ストレート。奥足への右ローも蹴る。セーンダオレックのミドルをキャッチして流し、逆にミドルを蹴る髙橋。左ローと左カーフを蹴る髙橋は左ストレートも当てる。セーンダオレックは左ミドル。至近距離でフックの打ち合いになるとセーンダオレックが左フック。髙橋が距離を支配した。  2R、左右ミドルを蹴るセーンダオレックに髙橋は奥足への右ロー。セーンダオレックのミドルをキャッチしてのミドルの蹴り返しも使う。前に出てくるセーンダオレックは左ストレートを強打。左ミドルを右手でキャッチした髙橋は左ストレートのカウンターを入れてダウンを奪う。  再開すると髙橋は飛び蹴り。セーンダオレックも打ち合いに出るが、髙橋が左ストレートを直撃させる。吹っ飛ぶようにダウンしたセーンダオレックは失神。髙橋の豪快KOとなった。  髙橋はマイクを持つと「セーンダオレック選手は本当に強い選手で起毛も怖くて眠れなかったんですけれど、今日勝てて本当に良かったです。あと1戦くらい挟んでも、いきなりタイトルマッチでもいいのでぜひお願いします」と、涙ぐみながらタイトル挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級 3分3R延長1R×MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM)反則 2R 2分34秒〇蛇鬼将矢(team阿修羅道/TOPGUNGYM)  MASATOは九州で腕を磨き、WPMF日本ウェルター級王座、M-1 JAPANスーパーウェルター級王座を獲得。KNOCK OUTでは渡慶次幸平、津崎善郎に敗れているが2023年11月にはクンタップに勝利。2024年6月には杉原新也に判定勝ち、10月は高橋幸光にも判定勝ち。戦績は13勝(5KO)8敗2分。  蛇鬼は地下格闘技出身で、2020年10月にNKBウェルター級王座を戴冠。RISR、RIZIN、NARIAGARIと渡り歩き、2023年11月に『BreakingDown』に初参戦。“Mr.BreakingDown”の異名を持つ川島悠汰をキックルールでKO。2024年2月には外枦保尋斗に判定勝ちで2連勝をあげ、2024年3月に念願のRIZIN再出場を果たしたがRISEの憂也にKO負けを喫した。12月1日、KNOCK OUTに初参戦を果たすも中島弘貴に判定負け。12月30日にMASATO BRAVELYと引き分け、2025年2月に津崎善郎にTKO負けとそろそろ白星が欲しいところ。戦績は11勝(5KO)12敗3分。  前回はMASATOのアイポークで蛇鬼が試合続行不可能となり、ドローとなっている。  1R、MASATOは軽快な動きから前蹴りを連発、ヒザを上げ下げしてのフェイントも使う。蛇鬼は右カーフ。MASATOは蛇鬼が入ろうとするところに縦ヒジを合わせに行く。前足と後ろ足の両方で前蹴りを出し、蛇鬼を近付けさせないMASATO。ワンツー、飛びヒザも繰り出す。蛇鬼はなかなか入れず、MASATOが距離を支配したラウンドとなった。  2R、蛇鬼が左右フックで強引に距離を詰める。右カーフも蹴る。MASATOは右ミドルハイ、前蹴り。右ミドル、ワンツーのMASATOは近付くと組んでしまい蛇鬼にパンチを打たせない。蛇鬼は“打ってこい”とカモンゼスチャー。蛇鬼が右ストレートを打って入り込んだところで、手を伸ばして顔を抑えたMASATOの指が蛇鬼の左目に入って中断。痛みに声をあげるほどの蛇鬼。 「やる」と試合続行を訴える蛇鬼だが、ここでレフェリーがストップ。故意ではないが試合続行不可能に追い込んだことでMASATOの反則負けとなった。 [nextpage] ▼第2試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級 3分3R延長1R〇辰次郎(Sports 24)判定3-0 ※29-28、30-29、30-28×河崎鎧輝(真樹ジムオキナワ)  1R、前に出る辰次郎に左ミドルを蹴っていく河崎。辰次郎は右カーフ。辰次郎はスイッチしての左ストレート、河崎は左右フックで飛び込む。辰次郎の顔面前蹴りがヒットし、続いて後ろ蹴りも。辰次郎がワンツーで前へ出た。  2R、左ハイでけん制する河崎に辰次郎は飛び込んでの左フック。再び顔面前蹴りも放つ。辰次郎の飛びヒザ蹴りをキャッチした河崎はそのまま投げる。ヒザ、前蹴りで河崎を下がらせた辰次郎は飛びヒザ蹴り。辰次郎は首相撲からのヒザ蹴りを連打して注意を受ける。辰次郎は顔面前蹴り、後ろ廻し蹴りを繰り出すがこれは河崎がかわした。  3R、前蹴りから左ミドル、右カーフの辰次郎に河崎は左フックで飛び込む。辰次郎の右ローに河崎はワンツー、バックハンドブロー。辰次郎はクリンチが多い。辰次郎はヒザ蹴りも連打して警告を受ける。河崎が左ミドルを2発、辰次郎もすぐに蹴り返してヒザへつなぐ。河崎が左目上から流血したためドクターチェックに。再開後、パンチで河崎が飛び込んでいったが試合終了。  両者決め手がない試合となったが、判定3-0で辰次郎の勝利。勝者にも笑顔はなかった。 [nextpage] ▼第1試合 KNOCK OUT-RED-58.0kg契約 3分3R×茂木豪汰(上州松井ジム)KO 1R 1分17秒 ※右フック〇祐輝(OU-BU GYM)  1R、サウスポー同士。ワンツーの祐輝にモギは左ミドル、左ロー。左ミドルをキャッチした茂木が左ストレート。ワンツーを出しながら前へ出た祐輝が右フックをアゴにヒットさせ、茂木がもんどりうってダウン。立ち上がろうとするも立ち上がれず、  祐輝の初回KO勝ち。「いろいろ覚悟決めていました。これからはKNOCK OUTと共に、強い選手がいてキャラクターが濃い選手がたくさんいるんですけれど、その一人になれるように自分も頑張ります」とアピールした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 KNOCK OUT-BLACKライト級 3分3R〇アックス斧田(KIBAマーシャルアーツクラブ)KO 1R 0分24秒 ※左フック×隼大(Y’ZD GYM)  1R、サウスポーの隼大は前に出てくる斧田に左ストレート、組んでのヒザ。隼大が左右フックで斧田にロープを背負わせるが、斧田がカウンターの右フック。これがモロにヒットし、隼大は失神して前に倒れた。  わずか24秒でのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 KNOCK OUT UNLIMITED-61.0kg契約 1R3分・2R2分・1R1分×福里優生(KNOCK OUT クロスポイント大泉)判定0-2 ※27-30、28-28、28-29〇松本飛雅(パラエストラ広島)  1R、福里が強い左フックから組み付くがブレイク。福里がワンツー、松本も右ストレートから組み付くが自分から離れる。ワンツーから左フック、組み付く松本はクリンチからのパンチ、ヒザ。福里はヒジを見せるが松本が強い右ストレートをヒットさせる。松本がワンツーで前へ出て、ラウンド終了間際に左フックでダウンを奪い、パウンドを打ち込む。  2R、松本がジャブで前へ出ると福里が左フックで迎え撃つ。倒れ込んだ福里だったが、蹴り上げから上になってパウンド。ブレイク。松本が右ボディ、ヒザ。ワンツーで前へ出る松本を福里は前蹴り。打ち合いで福里が左フックをヒットさせる。  3R、松本が前蹴りで崩した福里に組み付きに行き、バックを奪ってテイクダウンを狙うが福里は離れる。福里が左右フックからボディロックでテイクダウン。踏み付け。サッカーキックは松本がかわして立ち上がる。  判定2-0で松本が勝利を収めた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 KNOCK OUT-UNLIMITED -63.0kg契約 1R3分・2R2分・1R1分×高木晟至(TEAM REI)判定0-3 ※28-29×3〇中村悠磨(和術慧舟會HEARTS)  両者デビュー戦。1R、185cmと長身の中村が右ストレートをヒットさせ、高木が倒れ込む。すかさずグラウンドに行く中村だが高木が立ち上がる。中村の左フックで再び倒れ込む高木に中村はヒザ蹴り、高木が足を抱えて上になるが中村が蹴り上げで阻止。ブレイク。高木がダブルレッグからパウンドもブレイク。高木がジャブを突き、ワンツーを伸ばすと高木がダブルレッグでテイクダウンもブレイク。  前に出る中村に高木が右フックをヒットさせ、中村が首相撲からヒザを突き上げる。テイクダウンに行く高木だがまたもブレイクに。中村がパンチの連打で高木にロープを背負わせる。  2Rは2分。ワンツーの中村に高木がダブルレッグからサッカーキック、踏み付け。立ち上がる中村に組み続ける高木だがブレイク。ワンツーで前に出る中村に高木がダブルレッグでテイクダウンもブレイク。ジャブを突きながら前へ出て右ストレート、左フックを打つ中村。ダブルレッグは中村に受け止められてヒザをもらう。  3Rは1分。かなりの消耗が見える高木はダブルレッグでテイクダウンに成功。マウントを奪ってパウンドを打つがブレイクに。高木のダブルレッグを切った中村に、すぐ高木がダブルレッグに行くがテイクダウンは出来ず試合終了。  判定3-0で中村が勝利した。
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