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インタビュー

【RIZIN】秋元強真との19歳対決はあるか? 武田光司を2R TKOに下したジ・ヒョクミン「4、5戦してUFCに行くのが目標」、武田「体のメンテナンスをしないと…」──秋元はヒョクミンに「調子乗んなよ」

2025/06/03 12:06
 2025年5月31日(土)韓国仁川のパラダイスシティにて『RIZIN WORLD SERIES in KOREA』が開催された。 ▼第5試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇ジ・ヒョクミン(Chuncheon Team Mad)5勝1敗 ※Blackcombat2勝1敗 65.80kg[2R 4分13秒 TKO] ※左ヒザ→左右連打×武田光司(TRIBE TOKYO MMA)17勝8敗 65.79kg  武田は、グレコローマンレスリングベースで高校5冠。2017年のプロMMAデビュー後、18年10月にDEEPライト級王者に。19年4月のRIZINデビュー戦ではダミアン・ブラウンを相手にキャリア初黒星を喫したものの、川名雄生、久米鷹介に連勝。22年初めにDEEP王座返上後は、スパイク・カーライル、ガジ・ラバダノフ、ルイス・グスタボ、トフィック・ムサエフという強豪相手に3連敗。24年3月のフェザー級初戦で萩原恭平に完封勝利も、6月に無敗のラジャブアリ・シェイドゥラエフに1R 一本負け。大晦日の前戦ではローブローを受けて新居すぐるにテクニカル判定勝ち。MMA17勝7敗。  ジ・ヒョクミンは、BLACK COMBAT推薦選手。19歳の新鋭。中1でキックボクシングの全国大会での優勝をきっかけにMMAファイターに。柔術紫帯。22年7月にプロMMAデビューし1R TKO勝ち。23年からBlack Combatに参戦。チョ・ギュジュンに1R TKO負け後、24年8月、チェ・ウンビンに3R TKO勝ち。12月に日本の宮平修太郎にも3R TKO勝利を収めている。武田の強烈なレスリング力を前に、サウスポーから放たれる殺傷能力の高い左を武器に、粘り強いグラウンドも併せて母国で金星を掴むか、注目されていた。MMA4勝1敗。  試合は、初回にケージレスリングでテイクダウンからバッククリンチの武田がコントロールも極めには至らず。2Rから、武田の組みを切り始めたジ・ヒョクミンが、消耗した武田の組みにヒジ、左ストレート、さらにレスリングに対して首相撲ヒザを効かせて、最後は連打で武田をマットに沈めた。  試合後、19歳のジ・ヒョクミンは「BLACK COMBATのジ・ヒョクミンです。生涯最高の勝利です。勝って三浦孝太と試合を、と言いたかったのですが、三浦選手が負けたので言い辛くなりました。日本の最高のイケメン、韓国最高のイケメンのこのジ・ヒョクミンと対戦するのはいかがでしょうか」と語り、ケージサイドの彼女を紹介していた。  試合後に、負けた三浦を指名した理由を、「僕の彼女が三浦孝太しか見てないんですよ。それで嫉妬した」と明かしたジ・ヒョクミンは、「負けちゃったので、戦うことはもうないと思います」ときっぱり。  また、同じ19歳の秋元強真との対戦について聞かれると「いま知りました。呼んでいただければ今回と同じくKOして見せます」と自信を見せている。  一方で、メディアから対戦を煽られた秋元は、自身のYouTubeで「俺のことKOするとか言ってた。調子乗んなよ。別に三浦孝太選手をバカにしてる訳じゃないですよ。ただ実力的に言ったら僕の方が今は全然上じゃないですか?『三浦選手と試合したい』と言ってて、僕をKOなんて無理に決まってるから! 同じ感じにされたくないですね、マジで。僕はストライカーだから言うんですけど、あの打撃で俺の事をKOするなんて言いやがってと思っちゃうけどね」と、KO宣言に怒りを表している。2024年5月のアラン・ヒロ・ヤマニハ戦以来の国際戦はアジア勢との戦いとなるか。  MMA戦績で大きな差がある武田との試合のオファーを陣営が『武田は強すぎるから、次の機会に挑戦しよう』と回避を勧めるなか、「相手が強かったとしてもそういう相手に今回勝てなかったらUFCにも行けないし勝てない」と語り、武田戦を決めた勝者ジ・ヒョクミンと、武田の試合後のコメントは以下の通りだ。 ジ・ヒョクミン「うちのジムの練習の方がキツかった」 「(日本語で)ありがとうございます」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「相手は完全にベテランの選手じゃないですか。誰が見ても『武田選手が勝ち、ジ・ヒョクミンは負けるだろう』と言われ続けていたでしょう? でも、どうですか、彼は倒れ、私は負けませんでした。今すごくすごく、嬉しいです」 ──武田選手と実際に戦った印象を教えてください。 「グラップリングはさすがにベテランでした。ただやってみて思ったのは、うちのジム( Chuncheon Team Mad)のコーチの方がもっと厳しいというか、練習の方がキツかったです。打撃については、僕の打撃の練習パートナーが “Sirasoni”(バン・ソンヒョク)で、今Black Combatのフェザー級チャンピオンなんですよ。だから打撃の面でも全然問題なく、むしろかなり余裕を持って対応できたのでKOまで持っていけたと思います」 ──4月に行われた本大会の記者会見にも不参加だったと思いますが、今回初めてRIZINに参加した印象は? 「RIZIN、めちゃくちゃ良かったです。本当にまた出たいです。チャンスがあるなら、RIZINのメインにぜひ呼んでほしいです」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「これから4、5試合してUFCに行くのが目標です。でもそのあいだにBlack CombatかRIZINの舞台にどちらでも呼んでいただけたら嬉しいです。特にRIZINのメインのリングに立ってみたいです」 ──あなたと同じ19歳の秋元強真という選手をご存じですか? 「すみません、いま知りました」 ──同い年であり秋元選手も強い選手(バンタム&フェザー級)なのですが、RIZINで対戦してみたいですか? 「呼んでいただければ今回と同じくKOして見せます」 ──試合後のマイクで三浦孝太選手と戦いたいとのことでしたが、今も対戦したい気持ちがありますか? 「いや、もともと三浦孝太が勝ったらやろうと思ってたんですけど、負けちゃったじゃないですか。そもそも彼と戦いたかった理由は、僕の彼女が三浦孝太しか見てないんですよ。それで嫉妬して“これはもうKOして見せるしかない”と思ったんですが……負けちゃったので、戦うことはもうないと思います」 ──コーチが今回の相手の武田選手はすごく強いので「今回じゃなくて次の機会を目指そう」と言っていた、という話を聞きましたが、どう説得したのですか? 「僕は説得はしていないです。というより館長は『武田選手は強すぎるから、次の機会に挑戦しよう』と。でも自分は『RIZINですよ? やりたいです』と答えました。相手が強かったとしてもそういう相手に今回勝てなかったらUFCにも行けないし勝てません。選手を選んで戦うのは自分のスタイルじゃありませんし。だから『戦いたいです』と言ったのですが、ずっと止められていました。でも自分は『やりたいです、勝てると思います』と強い気持ちで押し通して、館長も『わかった、やりたいようにやれ。それなら全力でサポートする』と言ってくれました」 ──1、2Rではレスリングで少し押されているようにも見えましたが、実際どうでしたか? 「予想して準備していた通りに出てきたので大丈夫でした。首を押し出す練習ばかりしていて、バックを取られても手首を押して外す練習をしていたんですが、まさにその通りの展開でした。正直、1Rは全くキツくなかったです。相手の息がとても荒くて、“あ、もう疲れてるな”と感じたので、このまま首を押しながら動けばいいと思いました。1Rでも打撃の道は見えてましたけど、あえて入らず、相手のスタイルを見極める時間にしました。そして2Rで打撃に行くつもりでした」 ──私もですが、多くの人が、ヒョクミン選手が負ける可能性が高いと思っていました。 「僕も自分が勝つとは選ばなかったかもしれません(笑)。武田光司が勝つと思っていました。でも、試合中はずっと自分を信じて戦いました」 ──今回、大会前の記者会見にも、計量のイベントにも不参加でした。それでも結果的に勝利し、ここで勝者インタビューをしているわけですが、何か問題はありましたか。 「記者会見に出られなかったのは、日程が出る前にタイ合宿を決めていて、飛行機と宿まで予約済みでした。(会見に出席していたら)300万ウォンの損失が出てしまうので、僕はファイターでお金がありませんから無理でした。公開計量に参加できなかった理由は、減量がうまくいかず、ホテルで2時間追加で減量したら心臓にかなり負担がかかってしまって。息をするだけでも心臓が痛く、食べても痛みが続きました。結局、計量後は車椅子で病院に運ばれました。その回復のために公開計量には出席できませんでした」 ──そのような経験を今回して、階級転向について悩みは出てきませんでしたか? 「今回は1週間前から急遽減量を始めました。本来なら3週間前から始めるんですが、釜山やタイ、ソウルを行き来して練習していて、減量に集中できなかったのです。1週間で10kg減らしたので、減量の(スケジュールの)問題があったと思います」 ──あるファンが「ジ・ヒョクミン選手はどんな選手にも勝てるし、どんな選手にも負ける可能性がある」と言っていましたが、それについてどう思いますか? 「まあ、間違ってはいないですね。格闘技ってそういうものじゃないですか? 誰が勝つかわからないものです。だから僕はどんな相手でも勝てると思って、自分を信じて戦います。でも、まれにすごい新人が出てきて僕に勝つかもしれない。でもその確率は1%もあるかないかだと思います。負ける可能性もありますが、その確率はかなり低いと思っています」 ──ところでこれまで日本に来たことはありますか。 「美味しいものを食べに行ったくらいです」 ──何が美味しかったですか。 「日本のごはん(白米)は本当に最高です」 ──また試合しに来て、日本のご飯を食べてください。 「ぜひぜひ、本当に行きたいと思います、美味しいお店がたくさんあって行きたいところもたくさんあるし、また行くしかないですね」 [nextpage] 武田光司「まだまだ下積み積まなくてはいけない自分もいる」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「負けました。それだけです」 ──ジ・ヒョクミン選手と実際に戦った印象を教えてください。 「ちょっと言葉がでないですね、すみません。でも本当に強かったです、それだけです」 ──今回、初開催の韓国大会ということで、その雰囲気や、今までと違うRIZINの環境が試合に影響したのか、影響が特になければRIZIN韓国大会についての印象を教えてください。 「すごい韓国という国は、僕らももちろんそうなんですけど、自国でのRIZIN開催をやっぱ背負っているのがすごいものが伝わりましたし、そんな場所でRIZINに出られて、ありがとうございます、という。そんな感じです」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「本音を言うと、ちょっと体がボロボロで、いろいろと。で、あちこち体のメンテナンスをしっかりしないと万全の状態で行けるものも行けなくなってしまうところもあるとは思うので、ちょっと1回、体のケアをメインに──今後の展望とかも、もちろんやっぱ言いたいこともありますけど、こういう負け方をしてしまった以上は、こういう大きい舞台に出られている自分もいますけど、客観的に見たらやっぱりまだまだ下積み積まなくてはいけない自分もいると思っているので──だからまずは体のケアを優先に長南(亮・TRIBE TOKYO MMA代表)さんといろいろ話をして、そこからですね。ドン底だと思っているので、自分の立ち位置が。ドン底から這い上がるか、ドン底で終わるかは自分次第だと思っているので仲間たちと一緒に乗り越えて行きたいなと思います、押忍」
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