MMA
インタビュー

【UFC】メインを戦うエリン・ブランチフィールド「5R経験の差がある。“チャンピオンラウンド”に入ったときに身体がどう感じるか、どうプッシュするかが分かってる」=6月1日(日)ラスベガス

2025/06/01 11:06
 2025年6月1日(日)、朝8時から米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night: Blanchfield vs. Barber』(U-NEXT配信)が開催されている。メインでは女子フライ級トップランカー対決が組まれた。 ▼女子フライ級 5分5Rエリン・ブランチフィールド(米国)13勝2敗(UFC7勝1敗)4位メイシー・バーバー(米国)14勝2敗(UFC9勝2敗)14位 ※UFC6連勝中  ブランチフィールドは、UFC7勝1敗。その黒星は、タイトルに挑戦したマノン・フィオロに昨年3月に判定負けしたもののみ。  グラップリングのEBIのトーナメントでも優勝経験を持ち、2024年11月に元ストロー級王者のローズ・ナマユナスを5R戦の後半を制して判定勝ち。女子フライ級最年少ランカーの26歳だ。  対するバーバーは、無敗でUFCデビューし、現在UFC6連勝中。強いフィジカルと、パンチのコンビネーションが武器。元タイトル挑戦者のジェシカ・アイに判定勝ち後、アンドレア・リーにスプリット判定勝ち。そして2023年6月にはアマンダ・ヒバスとの壮絶な打撃戦を2R TKOで制した。2024年3月の前戦では、ケイトリン・ サーミナラに判定勝ちしている。27歳。  勝者は女子フライ級王座戦線にからむのは間違いない20代対決に臨む、ブランチフィールドに本誌とU-NEXTインタビューで話を聞いた。 メイシーはアグレッシブで勢いはあるけど、ちょっと雑なところもある ──メイシー・バーバー選手との試合に向け、いつものMK Muay Thaiで練習してきたようですね。 「私はニュージャージーで練習していて、いくつか小さなジムを回って練習してるんだけど。MK Muay Thaiもそのひとつで、あとはSilver Fox BJJと、レスリングの出稽古もやってる。それぞれのジムにパートナーがいて、ローテーションで全部回ってセッションしてる感じ」 ──その各セッションをまとめるのは? 「ヘッドコーチと私自身よ。いつも全部の分野をまんべんなくやってるけど、今回は特に打撃を重点的に磨いてきた。でも柔術とレスリングもちゃんとやってる」 ──前回11月のローズ・ナマユナス戦では、3R目から立て直しましたよね。あの時、何がきっかけで流れを変えられたのでしょうか。 「リズムよ。あの時は、私がローズのリズムに合わせちゃってたから、タイミングを調整して、自分のペースに持ち込まなきゃって気づいたの。3R目からはその意識で出て、リズムを変えて、自分の打撃もうまく使えるようになって、テイクダウンにも繋がったの」 ──なるほど。5R戦ならでは駆け引きですね。今回の対戦相手のバーバー選手についてもお聞きしたいのですが、お二人は年齢も近く、プロデビューもほぼ同時期ですよね。初めて彼女を認識したのはいつ頃で、どんな印象を持っていますか? 「メイシーのほうが少し先にUFCにいたんだよね(2018年)。コンテンダーズシリーズで見かけて、そこからUFC入りしてるのを覚えてる。私は当時Invictaで戦っていて、自分もUFC入り目指してた頃だったから、ずっと前から彼女のことは見てたよ。彼女はアグレッシブなスタイルで、勢いはあるけど、ちょっと雑なところもある、と感じている」 ──少し雑というのは、テイクダウンディフェンスやグラップリング面でしょうか? 「グラップリングもそうだし、打撃も。パワーはあるけど、すごく綺麗なテクニックって感じではないかな」 ──たしかに。一方でアマンダ・ヒバス選手との試合を観ると、喧嘩強さも感じます。キックを突いて、すぐに殴りかかれる。ああいったアグレッシブなスタイルについてはどう感じていますか? 「そうね。ああいうスタイルには巻き込まれちゃダメだと思う。彼女はバチバチの打ち合いを望んでくるだろうから、私はもっとテクニカルに、自分の戦い方を貫かないといけない」 ──今回の試合会場となるAPEXは、通常のオクタゴンよりも少し小さいですよね。その点で、テイクダウンを狙うあなたにとって有利に働くと思いますか? 「ケージが小さいとどうしても接点のあるアクションが増えるし、お互い距離が近くなるから逃げ場がないんだよね。だから、私にとってはテイクダウンは取りやすくなると思う。一方、大き目のフックを多用する彼女はかなり攻撃的なファイター。ただ、これが彼女にとって初めての5R戦なので、最初は少し控え目になる可能性もあるけど、いずれその攻撃性が表れると思う」 ──その点、あなたは直近で2度、5ラウンド戦を経験しています。後半のラウンドで流れを掴んで勝利した試合も。その経験は今回の試合にも活きると思いますか? 「はい。5ラウンドの経験はすごく大きいと思う。特に最後の2ラウンド、いわゆる“チャンピオンラウンド”に入ったときに、自分の身体がどう感じるか、どうプッシュするかが分かってるからね。本当にいい経験になった。それは彼女が準備できていないこと」 ──そのテイクダウンからのグラップリングですが、スタンディングに比べ、観客に好まれないこともあります。モントクレア州立大学でスポーツメディアを学ばれていたあなたにとって、この現象を改善するのに何が必要だと考えますか。 「グラウンドの展開って、最近は少しずつ人気が出てきてるけど、やっぱり一般のファンは何が起きてるのか分かりづらいと思うんだよね。だから、メディアとしてはもっと『今何が起きてるのか』、そのポジションの意味、動きの意味を伝えて、観客に理解してもらう努力が必要だと思う」 ──今回の試合は、勝者がタイトル戦線に絡む可能性のある一戦です。あなたにとってこの試合はどんな意味がありますか? 「私にとってはタイトルへのもう一歩って感じ。メインイベントでまた5Rっていうのも、自分のキャリアにとって大事な経験だと思うし、今後のためにもすごく意味があると思ってる」 ──勝利を手にするための鍵は? 「いつもと同じ鍵だと思う。単に『規律を守り、自分の試合を戦い、技術的に戦う』ということ」 ──ではタイトルマッチを手繰り寄せるためには? 「良いパフォーマンスを見せること。この段階ではそれが重要だと思う。勝つことだけでなく、“どう勝つか”が重要なので、印象的な方法で、フィニッシュして勝つことを計画している」 ──1カ月前の女子フライ級王者ワレンチナ・ シェフチェンコと、2位マノン・フィオロの試合をご覧になってどう感じましたか。 「ワレンチナはあの夜本当に良かったと思う。彼女は以前の自分に戻ったように見えた。距離を保ち、カウンターを非常に上手く決めて。一方のマノンは少し強引に攻めてきたように見えた。通常はポイントファイターで、動きを多用するタイプなのに。ワレンチナはほぼ自分のペースに引きずり込もうとしていて、さらに打撃で上回っていた。マノンはテイクダウンをいくつか決めたものの、それ以上はほとんど出ず。私はワレンチナが本当にその試合を支配していたと感じたわ」 ──あなたとワレンチナとの試合では何が起こると思いますか? 「そのときは絶対に勝つつもり。彼女のタイトルを奪いたい。彼女はスポーツ界、特にフライ級部門で伝説的な存在だから、それが私の計画よ」 ──日本ファンに向けてメッセージを。 「もちろん! 日本の皆さん、いつも応援ありがとう。大好きです! ぜひ私のメンイベントのU-NEXTで見てください!」
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