MMA
レポート

【RTU】1日目のトーナメントは日本人が1勝3敗。青井人とチャンミンが互いに腰を落とす熱闘もチャンミンがスプリット判定勝ち、中村京一郎がカウンターのヒザ蹴り一閃KO勝ちでカイウェンと激突に。吉田開威が1R TKO負け、山内渉が2R TKO負け。ワンマッチで松田亜莉紗が昨年準優勝シャオツァンにスプリット判定勝ち!

2025/05/22 19:05
 2025年5月22日(木)&23日(金)の2日間に渡り20時から、4階級32名の選手が出場するトーナメント、『ROAD TO UFC シーズン4』オープニングラウンドが開催された(※エピソード3&4リポート)。  21日と22日の前日計量では、出場する全選手が計量をパス。日本では『U-NEXT』および『UFC Fight Pass』にてライブ配信(見逃し配信中)された。 [nextpage] ROAD TO UFC シーズン4 エピソード2 速報 ▼第5試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R〇リー・カイウェン(15勝6敗、中国)146lbs/66.22kg※2024年2月のRTUでイージャーに一本負け[2R 3分21秒 TKO]×ソ・ドンヒョン(8勝2敗1分、韓国)145.5lbs/66.00kg※2023年12月のDEEPで上迫博仁に判定勝ち  1R、オーソドックス構えのソ・ドンヒョンが右ミドル、インロー。サウスポー構えのリー・カイウェンも左の蹴りを返す。右ミドルを返すソ・ドンヒョン。ワンツーの右のソ・ドンヒョン。リー・カイウェンは蹴りに繋ぐ。前足を蹴るソ・ドンヒョンの右ローに右を狙うリー・カイウェン。右ボディストレート、右インローを強く突くソドンヒョン。リー・カイウェンの右内腿を赤くさせる。  2R、オーソにスイッチするカイウェンは右ロー。サウスポー構えに戻すと、ドンヒョンが左右ローで前足を削る。インロー、外カーフを突くカイウェンに、強い右ミドルを突くソ・ドンヒョン。頭を下げて入ろうとするカイウェンに左ハイも。  左右ローでカイウェンの前足を蹴るドンヒョン。サウスポーに戻したカイウェンは左で前に。そこにドンヒョンは右ストレートを突く。蹴りでコントロールするドンヒョン。カイウェンはオーソに構えると、左から右を突くソ・ドンヒョンに、カイウェンは右から左をかぶせて、さらに右アッパー! ソ・ドンヒョンが崩れ亀に、パウンドのカイウェンにレフェリーが間に入った。これでカイウェンは準決勝で中村京一郎と対戦に。  ローを効かされながらもパンチで試合をひっくり返したカイウェンは、「僕のパンチはクソ速いんだ。わかるだろ? でも、時々考えるんだ。たくさんの時間について考えるのが好きなんだ。(ホームでの再びのRTUに)このチャンスを逃すわけにはいかない。絶対に。またこの場所に戻ってくることができて本当に嬉しい。ファッ●ンジャパニーズ、お前には死が待っているからな」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 フライ級(56.7kg以下)5分3R〇アグラリ(12勝1敗、中国)125lbs/56.70kg[1R 0分37秒 TKO]×ムリドル・サイキア(8勝1敗、インド)125.5lbs/56.93kg  1R、中国のアグラリが中央に。サイキアはワンツーから左ミドルを蹴る。アグラリの右ストレートがサイキアをとらえる。  左ボディ打ちから右の対角を突くアグラリ、サイキアのクリンチを剥がして、右フック! ケージにもたれかかり崩れ落ちたサイキアは、戦意喪失気味に目を押さえて手を振った。  アグラリはこれで10度目の1Rフィニッシュ。 [nextpage] ▼第3試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R×青井 人(14勝6敗1分、日本)144.5lbs/65.54kg[判定1-2] 27-30×2, 29-28〇ユン・チャンミン(8勝2敗1分、韓国)146lbs/66.22kg※ONEでキアヌ・スッバ、キリル・ゴロベッツに判定勝ち後、2024年12月のZFN2でDouble GFC二階級制覇のパク・チャンスとドロー  青井は14勝5敗1分の28歳。2024年3月に『ROAD TO UFC シーズン2』に出場した神田コウヤからスプリット判定勝ちでDEEPフェザー級王座を獲得。12月には元王者の芦田崇宏と対戦。  芦田の左ハイをかわしてすぐの左フックでのけ反らせて尻餅を着かせると立ち際にサッカーキック。さらに四つん這いになった芦田に右アッパーを当ててパウンド、2RでKO勝ちしている。DEEPフェザー級GPが開催されるなか、RTUを選択し、ユニファイドにはない攻撃で仕留めた青井は、『ROAD TO UFC』でどんな試合を見せるか。青井のセコンドには中蔵隆志BLOWS代表と“ニコイチ”と言う、練習仲間の福田龍彌がつく。  対するは、『格闘代理戦争』で秋山成功推薦選手として出場し優勝したユン・チャンミン。ONEでプロデビューし7勝2敗。昨年ONEを離脱し、12月にコリアンゾンビ主催のZFNに出場し、パク・チャンスと1-1の痛み分けドローとなっている。31歳。  1R、ともにオーソドックス構え。青井が右で飛び込むも、かわして組んだチャンミン。ケージに押し込み、投げる青井だが、しのぎ立つチャンミン。押し込まれた青井はスイッチで戻して立ち上がり。  右の関節蹴りのチャンミン。青井は右を突く、右ストレートを当てたチャンミンに右を返しに行く青井。チャンミンがバランスを崩すと思わずサッカーキックに行こうとするが、思いとどまる。  組んだチャンミンの小外テイクダウンに、ハーフから脇差し立つ青井。そこにがぶりを狙うチャンミンだが、青井は立ち上がり。青井の入りに右を合わせたチャンミン! 青井は怯まず前に出る。  2R、左ジャブのチャンミンの右に、右フックを合わせに行く青井。しかしチャンミンはワンツーの右! 腰を落とすも戻した青井。左インローのチャンミンに、青井もインロー、右を狙う。チャンミンの跳びヒザからの詰めをさばいて回って中央に。  顔面から出血する青井だが、ワンツーの右をブロック上に。しかし青井の右に今度はチャンミンが腰を落とす。詰める青井にチャンミンは組み。それを剥がしてスタンド勝負の青井。チャンミンは左前蹴りを腹に突く。互いにビッグラウンドも、圧力をかけたのはチャンミン。  3R、左ジャブ、左ローのチャンミン。青井の入りにダブルレッグも切る青井が前に。右ハイ、左フックは空振り。チャンミンの右がかすめる。  ジャブ、右前蹴り、左インローのチャンミン。青井も左ジャブのダブルだが、遠い。ジャブ、前蹴りで牽制するチャンミン。青井は右跳びヒザもかわすチャンミンは右ストレート。かわす青井はワンツーの右をブロッキング上。  ジャブ&ローのチャンミンに左から右を振る青井だが、かわされる。アウトボクシング気味なチャンミンに、青井は前に。そこにダブルレッグのチャンミン。がぶる青井はバックを奪うが、首を守るチャンミンが腰をずらしてスクランブル。ホーン。  判定はスプリットに割れ、1者が29-28で青井を支持も、2者が30-27でチャンミンが勝利。チャンミンは「この試合は、僕にとって本当にタフな試合だった。これまで疑いもあったし、失望もしたけど、ここで勝てて本当に嬉しい。今日のこと、今日の試合のことだけを考えていた。これからのことは、自分の試合だけに集中する」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 フライ級(56.7kg以下)5分3R×リオ・ティルト(8勝0敗、インドネシア)125lbs/56.70kg[1R 1分26秒 KO]〇アーロン・タウ(8勝1敗、ニュージーランド)126lbs/57.15kg※タウは、2024年9月のDWCSでエライジャ・スミスに判定負け。UFCと契約したスミスはヴィンス・モラレスに判定勝ち。  1R、強い左ジャブを突くタウ。ティルトの右前手をかわして左を突くと、ティルトの首を押さえて崩してテイクダウン。バックマウントを奪い、ヒジ! タウがTKO勝ち。評判通りの強さを見せた。準決勝でイン・シュアイと対戦に。 [nextpage] ▼第1試合 ライト級(65.8kg以下)5分3R×アジズ・ハイダロフ(21勝7敗、タジキスタン)155.5lbs/70.53kg[判定3-0] ※27-30, 28-29×2〇マンシャー・ケラ(9勝0敗、インド)155.5lbs/70.53kg  1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるハイダロフに、ケラは右ストレートを狙い、シングルレッグで崩しもトップはハイダロフ。ともにスクランブルから立ち上がり。  左で差すハイダロフは右ヒザ。ケラの右をさばいて廻し蹴り。圧力をかけ続ける。左の腹への蹴りのハイダロフにケラはサークリング。右ローを返すケラはシングルレッグも、すぐに差し上げるハイダロフはヒザ。左で差してクリンチボクシング。ケラは体を入れ替え、やぐら投げ。下のハイダロフはストレートフットロックを狙ってホーン。  2R、右ローのケラ。左インローのハイダロフは跳びヒザも、掴んだケラがボディロックテイクダウン。左で差して脇差しパスでサイドを奪う。肩固めを狙い、反対サイドに飛んだサイドに。スクランブルするハイダロフにバック、ボディトライングルでマウント。さらに足を解いてマウンドからパウンド!  3R、先にじりじりと詰めるハイダロフがシングルレッグ、片足を抱え、中央に引き出そうとするが、足を抜いたケラ。ハイダロフの右ローにカウンターの右を合わせる。またもハイダロフは右ローに右ストレートを合わされる。  しかし、ケラの左に右を合わせるハイダロフは、サウスポー構えから左ストレート! ケラもスタミナ厳しいか。下がるケラを追うと、ケラは組み。ハイダロフは右アッパー、右フック。判定3-0(30-27, 29-28×2)で、ケラが勝利した。 [nextpage] ROAD TO UFC シーズン4 エピソード1 速報 ▼第5試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R〇セバスチャン・サレイ(8勝1敗、豪州)146lbs/66.22kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×バーエゴン・ジェライスー(19勝7敗、中国)146lbs/66.22kg  1R、ともにオーソドックス構え。先に詰めて右で差して組むジェライスーだが、サレイは突き放す。ジェライスーのワンツーをかわして左を突く。  遠いワンツーのサレイに、ジェライスーは左右ボディ。サレイもワンツーをガード上に突き、詰めてきたジェライスーを組んで崩して離れる。  右後ろ廻し蹴りのサレイ。かわしたジェライスーはシングルレッグテイクダウンもすぐに立つサレイ。サレイのラウンド。  2R、開始早々に右で前に出るジェライスーをさばいてワンツー、右ハイをまとめるサレイ。さらにワンツースリー。ブロッキングのジェライスーは左ミドルを返す。さらに右ローも、そこにサレイは左を合わせる。  サレイの蹴り終わりに組んでバッククリンチも、離れるサレイ。左ストレートから右の入り、さらに右の二段蹴りも。  ガード上にもらうジェライスーは攻めあぐねる。シングルレッグも切るサレイは左ミドルをガードの腕に。前に出続けて右ストレートからシングルレッグのジェライスーだが、足を抜くサレイ。サレイのラウンドに。  3R、遠間から崩さずにダブルレッグのジェライスーを切るサレイ。ジェライスーのワンツーをかわしてともにサウスポー構えに。オーソに戻した両者。ジェライスーの入りに右アッパー。近づくと首相撲ヒザ。ケージに詰めてダブルレッグのジェライスーの左腕をキムラクラッチのサレイは外して左を入れて離れる。  ダブルレッグのジェライスーに金網に上体立てるサレイはバックに回ろうとするジェライスーに回させず。なおもシングルレッグで崩しに行くジェライスーだが、立ち上がるサレイは、クラッチさせずに突き放し。  大きな右後ろ廻し蹴りを見せたサレイ。その打ち終わりに組んでテイクダウン狙いのジェライスーを切ってホーン。判定3-0(30-27×2, 29-28)で豪州のサレイが勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 フライ級(56.7kg以下)5分3R〇イン・シュアイ(18勝5敗、中国)125lbs/56.70kg[1R 4分38秒 TKO]×吉田開威(6勝2敗、日本)125.5lbs/56.93kg  MMAストライカーの吉田は、6勝1敗の25歳。空手道剛柔流朋武館所属。サウスポー構えも空手に左右無しで硬式空手世界王者からMMAに転向。GLADIATORを主戦場とし、中国WKG&M-1 Globalにも参戦。2024年10月の上田祐起戦でスピニングバックエルボーによる2R TKOでMMA6連勝をマークした。  しかし、2025年1月にシンバートル・バットエルデネとのGLADIATORバンタム級暫定王座決定戦で、シンバートルが体重超過するなか、1Rセンタク挟みで敗れ、MMA初黒星を喫した。今回のROAD TO UFCには階級を下げてフライ級で出場する。計量は56.93kgで無事、クリア。  対するシュアイはオーソドックス構えのスイッチヒッターでMMA17勝4敗。2024年5月のROAD TO UFCでは、1回戦でキル・サホタにスプリット判定負け。その後、2024年7月にWLM Wulin Leagueで当時まだプロ1勝の中国選手にリアネイキドチョークで一本勝ちで再起を遂げている。  UFC PI上海開催、ホームで期待がかけられるシュアイを相手に、日本の吉田はMMAのなかで自身の空手を貫けるか。  1R、ともにサウスポー構え。吉田の蹴りに右前手を合わせるイン・シュアイ。吉田の蹴り終わりにシングルレッグテイクダウンに入るが、ケージですぐに立て直す吉田。  関節蹴りも突く吉田。しかし左の蹴りにイン・シュアイの右オーバーハンドがヒット! 吉田のローブローにも構わず、続けて右を突き、右ハイも当てる。  イン・シュアイの入りに右前手を狙う吉田。さらに左の飛び込みもイン・シュアイはブロッキング。吉田が右前足を上げて入ろうとしたとことに、イン・シュアイは左オーバーハンドで飛び込み!  吉田がまともに受けて後方にダウン。そこに鉄槌をまとめるイン・シュアイ。吉田は両足を効かせようとするが鉄槌が顔に届いたところでレフェリーが間に入った。勝者は試合後「夢みたいだ。練習してきたことをやれた。去年はコンサバすぎたから、今年は全力でやるつもりだった、母国の中国での試合だからね。これが俺のスタイル、中国のみんな俺みたいにやるべきことやるんだ」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R〇中村京一郎(6勝1敗、日本)144.5lbs/65.54kg[2R 2分24秒 KO]×パク・オジン(8勝2敗1分、韓国)146lbs/66.22kg※2024年9月にBlack Combatでナム・ウィチョルに1R KO勝ち。GLADIATORで田中有に一本勝ちのジョン・ハングクに12月に判定勝ち。2年ぶりフェザー級戦  中村京一郎は5勝1敗の26歳。GRACHANでキャリアを積み、2024年に行われた非公式戦の『格闘代理戦争』に岡見勇信&中村倫也推薦選手として出場し優勝した。GRACHANではランキング1位。原口伸との対戦も計画されたが、中村が指の骨折で実現せず。  前戦は、2024年10月の『POUNDOUT1』で鍵山雄介と対戦し1R KO勝ちで5連勝中だ。『格闘代理戦争』優勝で得たRIZIN出場権を行使せず、RTU出場を決めた。  対するパク・オジンはBlack Combatで活躍し9勝1敗1分の23歳。2023年からライト級に上げており、2024年9月にBlack Combatでベテランのナム・ウィチョルに1R KO勝ち。GLADIATORで田中有に一本勝ちのジョン・ハングクに12月に判定勝ち。今回2年ぶりにフェザーに落としての試合となる。  オーソで183cmの長身グラップラーのオジンは、柔術紫帯。組んでケージレスリング、テイクダウン、バックの攻防に長けた選手だ。対するサウスポー構えの中村は強打に、強いテイクダウンディフェンス、そして強いハートを持っている。  1R、ともにサウスポー構え。パクは右インロー。中村は左ローを返す。右ミドルのパクに左ミドルの蹴り返しの中村は左ボディストレート。パクは右サイドキック、右には中村が左をかぶせにいき、左ローをダブルで当てる。  パクのローシングルを切って立ち際に左右を狙う中村。詰めるパクの組みを切って左ボディストレートはパクがバックステップ。右インロー突く中村。左からワンツーで前に。さばくパクに左ロー。さらに右ボディ。しかしパクが右サイドキックで尻餅を着かせる。  右ジャブから右ハイ、左ローで牽制のパクの組みを、中村は切るが、パクがサイドキック、互いにローでホーン。  2R、右ジャブのパクに、中村の左ローがローブローに。中断後、すぐに再開。右インローのパクは右ハイも。中村の蹴りを掴んでニータップも崩れない中村は、足を抜いて詰めて左ストレート。ここはさばいたパク。左ハイをかわすが、互いにミドルの打ち合い。パクはオーソにスイッチ。  中村は左を突いて前に。かわしたパクが右で前進しテイクダウンに入るが、そこに中村はケージを背にして左ヒザ! クリーンヒットして前のめりに倒れたパクに中村は鉄槌2発、失神。すぐにレフェリーが入った。  試合後、中村は「考えずにフィーリングで行った。マイ・ユニバース。(ライバルは?)分からない。一人ひとりが持っている世界観を出せれば勝っても負けてもいいんじゃない」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 フライ級(56.7kg以下)5分3R×山内 渉(7勝2敗、日本)124.5lbs/56.47kg[2R 0分26秒 TKO]〇ナムスライ・バトバヤル(8勝1敗、モンゴル)126lbs/57.15kg※1敗は現UFCのニャムジャルガル・ドゥメンデムベレルにMGL-1FCフライ級王座決定戦で逆転負け  山内は、修斗で6連勝後の2023年11月の修斗世界フライ級王座決定戦で、新井丈と年間ベストバウト級の死闘を繰り広げるも3R TKO負け。怪我とダメージを抜いての11カ月後の2024年10月に髙谷裕之が旗揚げした『POUNDOUT』第1回大会で松場貴志に判定勝ち。そこから半年を経て、いったんは諦めかけていたROAD TO UFC出場が決まった。  1R、序盤からナムスライは右、バックフィストで前進も、山内はしっかりジャブ、右ローを返し、組みにも首相撲から切り。離れ際に右アッパーも。しかしすぐに追うナムスライ。間合いを保つ山内に、左前蹴りの山内。  それを掴んでテイクダウンのナムスライはすぐにマウントも、山内はスクランブルで立ち上がり、ナムスライの右を被弾するも、山内も顔を背けている。互いの組み際の右を被弾。山内はヒザを突くが、それを掴んでテイクダウンのナムスライは上四方で押さえ込み。  山内は右で差して尻をずらして立ち上がり。右の蹴りで滑ったナムスライに、山内は右から左! さらに右で前進して当ててホーン。ナムスライのラウンドか。  2R、右ローを当てた山内。ナムスライはサウスポー構えで左ローも、山内も右インロー。さらに右も、ナムスライは左を返すと前に。山内の右にカウンターの右を合わせてダウンを奪うと、少し間を置いて鉄槌。レフェリーが間に入った。  フィニッシュ率100%を継続させたナムスライは「相手の唯一の負けは右フックによるものだったからしっかり研究していた」と語った。 [nextpage] ▼第1試合 女子ストロー級(52.2 kg以下)〇松田亜莉紗(7勝0敗、日本)115lbs/52.16kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×フォン・シャオツァン(10勝4敗、中国)116lbs/52.62kg※2024年RTUで本野美樹に判定勝ち。シー・ミンに3R KO負け。  松田亜莉紗は6勝0敗。中国のフォン・シャオツァン(10勝3敗)と対戦する。2022年8月にプロMMAデビューした松田は、2024年10月の前戦で地元・大阪でエリザベスを相手に1R TKOで完勝。6連勝をマークした。  対するシャオツァンはRTUシーズン3で本野美樹に判定勝ちも、決勝でシーミンの右ハイキックに3R TKO負けでUFCとの契約ならず。今回のシーズン4で再挑戦となる。  1R、ローから入る松田、中央を取るシャオツァンも左インロー。その2発目に組んで松田が右で差して押し込み。左小手で右を差し上げるシャオツァンは体を入れ替える。  四つ組から右で差すシャオツァンをフレームを作り体を入れ替えた松田、右で差して小外がけテイクダウン! いったん体を離してパウンドに。しかし蹴り上げのシャオツァン。スペースが出来たところで立ち上がり。組んで右足を対角のヒザ裏にかける松田。すぐに右で差して押しこむと、離れた両者の拳が交錯する。  2R、詰めるシャオツァンが左ハイ。かわした松田を詰めて左ミドル! 音を立ててボディに受けた松田はサークリング。シャオツァンは左ロー。さらに左ミドルハイを腕に突く、さらに左ストレート。松田はシングルレッグからケージに押し込むがすぐに体を入れ替えるシャオツァン。  右小手の松田。離れるシャオツァンは左ミドルを音を立ててハードヒットさせると、下がる松田は回ってボディロックから小外がけテイクダウン! フルガードのシャオツァンに中央に入ってときおり、パウンド。ブリッジで返してきたシャオツァンに松田は三角絞め! ヒザ裏で足を組んで絞めて下からヒジも突く。  3R、サウスポー構えのシャオツァンに左回りの松田、遠間からシャオツァンの左の前蹴りがかすめる。さらに左前蹴りに組んだ松田は右で差して押し込み。さらに左差し、右差しに変えるがクラッチは組めず、突き放すシャオツァン。  中蔵代表の「やるんだろ?」の声に、シャオツァンの左の蹴りに右オーバーハンドを合わせてトップを奪った松田! シャオツァンの下からの三角、腕十字をずらしてトップに! ハーフから脇差し体を入れ替えようとするシャオツァンにバック狙うも下になる松田。インサイドガードのシャオツァンは中央にステイして細かいパウンド。残り10秒で上体を立ててパウンド狙いのシャオツァンに、松田も巧みにディフェンス。  1、2Rのシャオツァンの左の蹴り、ストレートのクリーンヒット。松田の三角絞め、右オーバーハンドはどこまで評価されるか。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)で松田がアウェーで勝利。中蔵代表とがっちりハグをかわし、判定では意外な表情を浮かべていた松田は、涙を流した。
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