海外選手でも日本選手でも、強い奴は強い。その強い奴が集まっているだけ
──ところで、さきほどの「狩る」という表現もですが、盟友の福田龍彌選手と共通する言語表現が多い印象があります。その福田選手、先日の防衛戦での勝利(※牛久絢太郎を相手にダウンを奪う判定勝ちでバンタム級王座初防衛)が凄かったですね。
「そうですねー! 強かったです!」
──モチベーションになりましたか、背中を押されるような。
「そうですね、“バトン渡したで!”みたいな」
──一緒に狩猟にも行くのですか?
「はい、行きました!(経験できて)とても良かったです」
──そんなハンターの青井選手が、UFCを見据える上で、特にフェザー級はスターが揃っていますが、注目していたり、手を合わせてみたい選手はいるのですか?
「そうなんですよ。強い人ばっかりなんですよね! イリア・トプリア選手、ものすごく強いじゃないですか(※フェザー級王座返上でライト級転向)。マックス・ホロウェイ選手も。そういう面では、その辺のトップ選手はやっぱ気になりますね。かっこいいですよねー、トプリア選手。組技も寝技もすごい強いみたいだし、めちゃくちゃ打撃もあるじゃないですか。やっぱかっこいいですよね、憧れますよね、ああいうスタイルは」
──そういうコンプリートファイターを目指しているのですか?
「いや、目標や願望としては思っていないですね。何か『自分』を出せたらなとは思います。自分の良さ、青井人っていうのを、作っていきたいんで。日々、プライベートの、格闘技以外の時でも自分をしっかりと持って、良くしていくっていう面では気をつけてるんで。そういうのが、ファイトスタイルに現れるとは思ってるんで、それを含めて『青井人のファイトスタイル』を作っていきたいですね」
──青井選手は若い頃からすぐにMMAの練習からスタートしたのかと思うのですが、どんなきっかけだったのか、教えていただけますか?
「そうですね。中学2年の終わりぐらいから始めました。きっかけは、ただの興味本位からですね。自転車を漕いでたら『総合格闘技道場』みたいな看板が見えて、やってみたいなって。それで練習しているうち、高校生の終わりぐらいに『ちょっと試合に出てみよう』となり、出たら勝てて(笑)。そのまんま、どうしよう……、みたいな。やることもないし、勉強もできないから……、頭悪いんですよ(笑)。だから、総合格闘技でプロとしてやっていきたいと思い、そうなりました。結構怖がりですし、緊張しいなんで、有名になりたいであるとか、そういうことは全くなかったんですけど」
──緊張したり怖がっているというよりは、どの局面でも冷静と言いますか。スカッと勝つにせよ、しんどい場面にせよ、表情がクールな印象があります。
「いろんな感情を表に出すと自分が乱れちゃうと思うし。だからもうなんか“スンッ”って感じで行きたいんですよね。それは常日頃思っていて。ただ、試合では、何も思ってないです、“淡々と”というぐらいしか」
──今回、どんな試合をしたいと思いますか? また、自分が予想する展開は?
「自分の中ではやっぱり後悔のない試合をすること、あとは格闘技の本質である、しっかり相手を狩るっていうのを見せたいですね。だからそれをできるように試合したいんで。まあ、そこをどうなるかの予想はちょっとつけられないですけど、見てもらってのお楽しみって感じで(笑)。ハハハ、自分でも分からないんで」
──結果は分からないものだけれども、最後まで、狩りに行く、獲物を仕留めるつもりであるということですよね。
「勝っても負けても、そういう試合をしたいですね。やっぱりこう、“強い選手がいるな”とは思うんですけど。結局、海外の選手でも日本人選手でも、強い奴は強いんで。だからまあ、強い奴が集まっているだけとしか思ってない。そこに自分が挑戦するのが楽しみって感じなんで、あとは蓋を開けてみてからのお楽しみって感じですね!ハハハ」
──応援しているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「今回、僕以外も日本人選手が出るんですけど、しっかりとみんなで日本を背負って世界に挑戦していくんで、応援よろしくお願いします」




