キックボクシング
インタビュー

【RISE】ライト級新王者は? 秀樹「5Rもやりたくないので、早めに倒したい」vs 白鳥大珠「夢の中ではすでに一度秀樹選手に勝っています」=2月3日(日)『RISE130』後楽園

2019/01/29 13:01
2月3日(日)『RISE130』後楽園ホール大会の「ライト級(-63kg)王座決定戦」で、秀樹(新宿レフティージム)と白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が対戦する。(※追記あり「メインのライト級新王者がWORLD SERIES -61kgトーナメントに参戦」) 同王座を保持していた不可思が階級アップのため王座を返上。これを受け、同級1位・秀樹と2位の白鳥が王座を争うことになった。 秀樹は2018年に開催された「KNOCK OUTスーパーライト級トーナメント」で、WBCムエタイ日本スーパーライト級王者・山口裕人、英雄伝説64kg級アジア王者・マサ佐藤を破り決勝に進出。決勝で不可思に敗れ優勝は逃したものの、11月のRISE両国大会では国際戦に勝利。満を持しての王座戦となる。 対する白鳥は高校3年時にWPMF日本スーパーフェザー級王者となった後、2015年にプロボクシングに転向。8勝(5KO)3敗の戦績をあげ、2018年6月にボクシングから再びキックボクシングにカムバックした。復帰後は2戦連続で1RKO勝利、さらに2018年11月の両国大会では階級をライト級に上げ、北井智大からダウンを奪っての判定勝利。今回の王座決定戦へと駒を進めた。 「RISE王者になってRISE WORLD SERIESやONE Championship出場のチャンスを掴みたい」という秀樹と、「秀樹選手に勝ったら不可思選手とやってもいいんじゃないか」という白鳥。それぞれの野望に突き進むのは、秀樹か白鳥か。 ◆秀樹「妻いつかとは毎日練習映像を見てもらったり、以前にも増して密なコミュニケーションをとるようにしています」 ──まずはいろいろあった2018年を振り返っていただけますか。 秀樹 昨年の目標はRISEの王者になり、保持しているK-1グローバル王座の防衛戦をやり、KNOCK OUTの王者になる。その3つだったけど、何ひとつ達成できなかった。悔しい年ではあったけど、強い選手と試合をすることができたので成長できた部分はあると思います。 ──昨年の大晦日は何をしていました? 秀樹 その時点でもう今回のタイトルマッチが決まっていたので、年末年始も関係なく、新宿レフティージム恒例の練習三昧でした。年末から僕の実家のある千葉県佐倉市の実家に家族で戻っていたけど、僕はそこから電車でジムに通っていました。 ──年末年始の電車はいつもとは違い、まったりしたムードが漂っている。そういう中でひとり気を張っていた? 秀樹 ジムに行くのも練習だと思っているので、まわりのほんわかした空気に呑まれないように集中していました。車内では試合の動画を見たり、イメージトレーニングをしたりして過ごしました。1秒たりとも無駄にしていないつもりです。 ──その大晦日には今回空位のRISEライト級王座を争う白鳥大珠選手がウザ強ツヨシ選手と闘っています。気にならなかった? 秀樹 気にはなっていたけど、別にその試合を見たからどうこうというのはなく、「普通に勝つだろうな」と予想していました。白鳥選手が勝ったという速報は練習中に聞いた記憶があります。 ──KNOCK OUTでは王座を争った不可思選手がRISEライト級王座を返上したことについては? 秀樹 「階級アップのため」という理由を聞いたけど、自分もライト級王座を獲ったら追いかけたい。リベンジしないといけないです。 ──再戦するとしたらどこの舞台で? 秀樹 ルールにこだわりはない。ただ、KNOCK OUTのリングで負けたので、できればKNOCK OUTでやり返したい。長いスパンが必要だと思っていますけど。 ──今回王座を争う白鳥選手は昨年までスーパーフェザー級戦線を主戦場にしていました。対戦相手として意識するようになったのはいつ頃から? 秀樹 減量苦という噂は聞いていたので、のちのち上がってくるだろうと普通に思っていました。 ──知っての通り、白鳥選手はボクシングからのUターン組。ボクシングをやる前は高校生ながらWPMF日本王者でした。 秀樹 WPMF王者の頃は全く知らなかった。(昨年再デビューしてからは)「TEPPEN GYMに所属しているイケメンで強い奴がいる」という話を聞いて初めて知った感じです。 ──自分の方がイケメンという意識は? 秀樹(苦笑しながら)それは全く思っていないですね。 ──今回は結構珍しいサウスポー同士の一戦となりました。 秀樹 そこは意識しています。実は僕、アマチュア時代に遡っても、サウスポーと闘うのは初めてなんですよ。でも、幸いまわりにはサウスポーの練習相手がいっぱいいる。浜川会長も引退した清川(祐弥=前REBELS-MUAYTHAIフェザー級王者)さんもそう。大学時代も周囲は7割がサウスポーという環境だったので問題はないです。実際に拳を交わしてみないとわからない部分もあるけど、白鳥選手のリーチだけは気をつけたい。向こうの方が若干背は高いみたいだけど、全く問題なく闘えると思います。 ──共通項としては、ともに2018年に北井智大選手と闘っています。比較したり、向こうの試合内容を意識することは? 秀樹 北井選手と闘った時の自分と現在の自分はまた違うと思うので、あんまり意識することはないですね。 ──今回はタイトルマッチなので、3分3Rではなく、3分5Rで争われます。 秀樹 5Rもやりたくないので、途中で倒したい。早ければ早いほどいいですね。 ──どんな試合になると予想する? 秀樹 最初は探り合いになるかなと思うけど、僕は倒しにいきたいです。 ──嫁のいつかさんからのどんなゲキを飛ばされている? 秀樹 以前よりコミュニケーションをとる頻度は多くしています。ジムワークが終わったあとも「今日はこういう練習をした」という話を共有するようにしてます。 ──意外な話ですね。今までも関係が密な夫婦だと思っていたけど、それ以上に深くなっていると。 秀樹 ハイ。今回は自分の練習動画も全部見せて、「もっと俺のことをもっとわかってくれ」という感じになっています。(いつかもWPMF世界王者だったので)プロとしての意見をもらえるのは非常にありがたいですね。 ──王座を奪取したら、それからどんな1年にしたい? 秀樹 RISE王者になったら、いろいろなチャンスが出てくると思う。直近だとRISE WORLD SERIESとかONE Championshipに出るチャンスが出てくるかもしれない。そういうチャンスをモノにしたいですね。 ─────────────────── ◆白鳥大珠「戦略は何種類かあるけど、たぶん当たる気がします」 ──2018年12月31日、『RIZIN 平成最後のやれんのか!』で急きょ決まったウザ強ヨシヤ戦はどうでした? 白鳥 とりあえず念願だった大晦日の格闘技イベントに出られたという感じでした。 ──ただ、大会のスタートは午前9時。白鳥選手の試合は第3試合だったので、9時台に始まりました。 白鳥 そうなんですよ。そこが心配だった部分で。会場には朝6時45分集合でした。そこから長い1日が始まるという感じでしたね。結局カウントダウンまでいましたから。 ──18時間くらいさいたまスーパーアリーナに滞在していた? 白鳥 そうですね。しかも前日は3時間くらいしか寝られなかったんですよ。すごくワクワクして、目を瞑っても寝られなかった。今までそんなことはなかったんですけどね。 ──入場ゲートを歩いた時に見た景色は? 白鳥 パッと大きな会場が広がっているじゃないですか。あんな景色は見たことがなかったので、これだなと思いました。『大晦日のイベントに出たい」と言い続けて本当に良かったと思いましたね。 ──PVでフジテレビへの就職が決まったと紹介されたウザ強選手はどうでした? 白鳥 正直、試合前はなめていましたので、気を抜かないようにと思いながらリングに上がりました。実際にやっていて問題はないと思ったけど、やりにくさだけは感じました。ピョンヒョン動くので、なかなか的を絞れなかったですね。 ──2Rにはボディへのヒザ蹴りで白鳥選手が2度ダウンを奪いましたが、3Rには右フックでダウンを奪い返されるという展開になりました。 白鳥 2Rが終わった時点で、これはいけると思ったので気を抜いてしまいました。3Rにもらった右フックは効いてなかったです。一瞬耐えようと思ったけど、もっていかれてしまった。鼻血も出て見栄えも悪かったので、試合を止められないようにしなければと思いました。ダウンを喫したのは3年ぶりだと思います。 ──その後右跳び膝蹴りでウザ強をKOした時にはホッとした? 白鳥 安心したというよりはやってしまったという気持ちの方が大きかったですね。 ──去年はキックにUターンして4戦闘いました。どの一戦が最も印象に残っている? 白鳥 RISE129で実現した北井智大戦ですかね。その前の2戦はいずれも1R KOで終わったけど、北井選手には3Rまで粘られました。ただ、自分の力を出し切ることができたかなと思える一戦だったんですよ。技術的には見せられなかった部分もあるけど、3Rを通してやり切った感はありましたね。 ──その北井選手とは今回タイトルを争う秀樹選手も闘っています。 白鳥 ダウンを取りあったんですよね。気になるので、試合映像を見てみたいです。 ──以前から秀樹選手をいずれ闘う相手として意識していた? 白鳥 以前は全く意識していなかったけど、北井選手に勝った時点で自分が63㎏で闘うならやることもあるだろうなと思いました。 ──昨年話を効いた時、スーパーフェザー級で闘うのか、あるいはライト級で闘うのか。悩んでいました。 白鳥 正直、60㎏まで落とすのは難しい部分があります。減量が10㎏あるので。やれといわれたらやるけど、そんなに落としてやらなくてもいいかな、と思っています。 ──ライト級王座を返上した不可思選手と闘うことはあると思っていた? 白鳥 もう少し自分が勝ち進んだらやるかなと思っていました。でも、どうなんですかね。ここで秀樹選手に勝ったら、不可思選手とやってもいいんじゃないですかね。契約体重64㎏とかで。現時点では65㎏契約だったらちょっと……。その境界線はなんとなくある。そこの1㎏の差は意外と大きくて。 ──今回はサウスポー同士の一戦です。 白鳥 最後にサウスポーとやったのは(ボクサー時代の)2016年のクリスマスの時です。その時もKOで勝っているけど、自分の得意のパンチが入るのでやりやすいです。秀樹選手との対戦が決まってから、よくサウスポーと練習するようにしています。ウチのジムにもいるし、ほかからも来てもらっているので問題はないと思います。 ──秀樹選手の印象は? 白鳥 カウンターやストレート系がうまいという印象がある。そこは気をつけたい。あと伝え聞くところによると、蹴りも重い。(白鳥の方が5㎝高いが?)身長差? 関係ないかもしれない。身体自体は向こうの方が大きいので。 ──ここをついたらいけるという戦略もある? 白鳥 あります、あります!! 何種類かあるけど、その技術を上げる練習をしています。たぶん当たる気がします。 ──前回は念願の大舞台で今回はメインのタイトルマッチ。モチベーションは上がる一方ですね。 白鳥 ハイ。今回はコスチュームも一新するので、テンションもどんどん上がっています。新しいコスチュームは自分がお世話になっているデザイナーやスタイリストの方にお願いして決めました。デザインにしろ、色にしろ、たぶん今までキック界にはないような感じのものになると思います。 ──楽しみにしています。 白鳥 実は夢の中ですでに秀樹選手とは試合をしているんですよ。内容は覚えていないけど、チャンピオンベルトは自分の腰に巻かれていたのでホッとしました。目覚めた時には気分が良かったですね。(聞き手・布施鋼治)  ◆メインのライト級新王者がWORLD SERIES -61kgトーナメントに参戦! 今大会のメインイベントで行われるライト級王座決定戦『秀樹vs白鳥大珠』の勝者が、3月10日(日)大田区総合体育館で開催される『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2019 1st Round』の-61kg世界トーナメントに参戦することが決定した。RISE・伊藤隆代表は「両者にはライト級のベルトとWORLD SERIES 61kgトーナメント最後の一枠を争ってもらう事に決めました。二人ともトーナメント参戦の意思は確認済みで粉骨砕身の覚悟でタイトルマッチに挑むと思います。この試合がライト級新王者決定戦、そしてWORLD SERIES参戦選手として相応しい試合になる事を期待してます」とのコメントを発表している。タイトルマッチに加え、世界トーナメント出場を懸けたメインイベントに注目だ。
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