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【PFL】ライト級王者ラバダノフが元UFCディアケイジーを32秒TKO! バーネルをTKOしたウィルソンと再戦へ、デイビスがコラードをヒジ葬でプリムスと対戦に。ミドル級はカサンガネイ下したエドワーズがシルヴェイラと対戦、“ヘラクレス”ロスタが一本勝ちで準決勝でジェフリーとの再戦に

2025/04/19 07:04
 2025年4月18日(日本時間19日)に米国フロリダ州オーランドのユニバーサルスタジオフロリダにて『2025 PFL WORLD TOURNAMENT 3: FIRST ROUND』(U-NEXT配信)が開催された。前日計量は全選手がパス。  第1週目のフェザー級&ウェルター級(菊入正行参戦)、第2週目のバンタム級&女子フライ級(渡辺華奈参戦)に続く、第3週目は、日本でも試合した世界王者ガジ・ラバダノフが参戦するライト級とミドル級の1回戦が組まれた。 PFL 2025 World Tournament: First Round 3 速報 ▼ミドル級トーナメント1回戦 5分3R×インパ・カサンガネイ(米国)185.6lbs(84.18kg)[2R 2分14秒 TKO] ※パウンド〇ファビアン・エドワーズ(英国)185.6lbs(84.18kg)  両親がコンゴからの移民のカサンガネイは、今大会の会場のフロリダ出身。アメフトからMMAに転向し、18勝5敗でPFL8勝2敗。  2020年のDWCSで勝利し、UFCと契約し、オクタゴン2勝2敗で、2023年、PFLに参戦。階級上のライトヘビー級で優勝。2024年2月にBellatorでジョニー・エブレンと激闘もスプリット判定負け。しかし、4月開幕のPFLでアレックス・ポリッツィ、ジェイコブ・ネドをTKOに下し、準決勝でジョシュ・シウベイラに判定勝ち。決勝でドブレジャン・ヤシムラドフと対戦し、KO負けで連覇ならず。今回は適正のミドル級でトーナメント出場となる。31歳。  元UFCウェルター級王者レオン・エドワーズの実弟のファビアン・エドワーズは、MMA13勝4敗(Bellator9勝3敗、PFL0勝1敗)。  2023年5月に元Bellator王者ゲガール・ムサシに判定勝ちすると、同年9月に王者ジョニー・エブランに挑戦も3R KO負け。2024年3月にアーロン・ジェフリーに判定勝ちで再起を遂げると、2024年10月にエブレンと再戦。判定負けしている。32歳。  1R、エドワーズの左右に右で差して組んだカサンガネイ。体を入れ替えたエドワーズを両脇差しで再びケージを背負わせるカサンガネイ。背中でクラッチして崩そうとするが小手で投げるエドワーズに残す両者。エドワーズはダブルレッグも離れる。  サウスポー構えのエドワーズにオーソのカサンガネイは右ハイ! さらにワンツーで前に。左で差して左ヒジ&ヒザ! 四つから押し込むエドワーズがヒジを突いて離れる。  サウスポー構えから左三日月蹴り、右関節蹴りのエドワーズ。カサンガネイのワンツーをさばきジャブの刺し合いで勝る。エドワーズのラウンドに。  2R、カサンガネイが右瞼のカットをドクターチェック。再開。左ハイ、右ローの対角線攻撃のエドワーズ。カサンガネイはワンツー、右! 一瞬、バランスを崩したエドワーズだが、カサンガネイの入りにヒジを狙う。  左前蹴りを腹に突くエドワーズ。カサンガネイの左右連打に、エドワーズは下がりながらも左ヒジ!   さらに左右ラッシュで反対側コーナーまで押し戻すとヒザを突いて前進、カサンガネイの左に左を合わせて崩すと左右ラッシュでカサンガネイをダウンさせてパウンド連打。レフェリーが間に入った。  カサンガネイをTKOに下したエドワーズは、兄レオンとケージ上でハグ。  ミドル級トーナメントでは準決勝で3年連続3度目のシルヴェイラと対戦に。勝者は「いい気分だが、まだ試合は終わっていない。(リプレイを見ながら)もっと前にヒジありルールを入れるべきだった」と語り、シルヴェイラとのフェイスオフに臨んだ。 [nextpage] ▼ライト級トーナメント1回戦 5分3R〇ガジ・ラバダノフ(ロシア)156lbs(70.76kg)[1R 0分32秒 TKO] ※パウンド×マーク・ディアケイジー(英国)155.2lbs(70.39kg)  ダゲスタン出身、PFLライト級トーナメント2024王者のラバダノフは24勝4敗2分(Bellator5勝0敗、PFL5勝0敗)。2022年大晦日に 武田光司に判定勝ちするなど、 2022年3月のジェイ・ジェイ・ウィルソン戦以降、6連続判定勝ちだったが、2024年8月のPFLトーナメント準決勝でマイケル・デュフォートを2R KOに下すと、11月の決勝でもブレント・プリムスを3R KOで優勝。連続KO勝ちでフィニュシュ力を増している。今回のトーナメントで唯一、昨年の100万ドル獲得者がトーナメント出場となる。31歳。  キンシャサ出身、英国のディアケイジーはMMA18勝7敗で、UFC8勝7敗と勝ち越し。2連勝からマイケル・ジョンソン、ヨエル・アルバレスに敗れ、2023年11月にカウエ・フェルナンデスにスプリット判定勝ちでUFCとの契約満了。2024年9月のBellator Champions Seriesロンドン大会でティム・ワイルドに判定勝ち。32歳。  1R、オーソのラバダノフに、サウスポー構えのディアケイジー。右関節蹴り、回転蹴りも見せるディアケイジー。  しかし、続くディアケイジーの左ミドルを左手で外に流したラバダノフは、左から右を振ってディアケイジーのバランスを崩すと、中腰で強いパウンド! 連打から右を浴びて失神したディアケイジーにレフェリーが間に入った。  秒殺TKO勝ちのラバダノフは、口に指を当てて“騒がない”とポーズ。ケージ内でのインタビューでは「フェイスオフの前に少しお互いを理解していなかったと思う。これはスポーツだ。僕は対戦相手すべてに敬意を払っているし、昨日の計量前にも対戦相手と取り決めをした。少し話してみるよ。僕にはもっとモチベーションがある。。まだまだやらなきゃいけないんだ。もちろん、彼の試合は見てきたし、彼の蹴りはとてもいいものだし、たくさんの蹴りを出すから、準備していたんだ。(追撃について)僕はファイターだけど、彼には彼のファンがいる。そして、僕はこの男のことを理解しているし、そうしたくなかったんだ。僕たちはスポーツマンであり、このようにお互いをサポートし、理解し合わなければならない。(準決勝に向けて)僕はたくさんの準備をする。ここに来て、人々を終わらせる」と語った。  勝者のラバダノフは準決勝で“マリオキッド”ウィルソンと対戦に。両者は2022年3月にBellatorで対戦。ラバダノフが判定で勝利している。  [nextpage] ▼ミドル級トーナメント1回戦 5分3R×サディブ・シー(スウェーデン)185.8lbs(84.27kg)[2R 3分29秒 ダースチョーク] ※右オーバーハンド→ダースチョーク〇ダルトン・ロスタ(米国)185.4lbs(84.09kg)  1R、オーソのロスタに。サウスポー構えのシー。左ジャブのロスタが詰めて右ハイをガード上に。さらに右オーバーハンドからダブルレッグへ。両足を並行に広げて差し上げるサディブ・シーは右小手。左で差して押し込むロスタは、クラッチ組んでこつこつ右ヒザ。ローブローか顔をしかめたサディブ・シーを追うロスタ。サディブ・シーもヒザ、左ミドルで応戦。ロスタは右インローを当ててから右オーバーハンドを当ててダブルレッグテイクダウンから拳を振り下ろしてゴング。ロスタのラウンドに。  2R、右前蹴りを突くサディブ・シー。オーソから左の蹴りを上下に突くロスタは詰めて右オーバーハンドの跳びこみを当てて、一気にテイクダウン!  サイドを奪うと右ヒジ。さらに右腕でアメリカーナ狙い。戻したサディブ・シー。サイドから押さえ込むロスタはノースサウスチョーク狙いからダースチョークに移行し、片足をかけて逃さずタップを奪った。  ケージに登ったATTの“ヘラクレス”ロスタはマッスルポーズ。エナジードリンクを2缶受け取り、プルリングを引っ張り両手で勝利のジュースを頭から浴びた。10勝1敗としたロスタは、準決勝でキャリア唯一の黒星を喫したジェフリーと対戦へ。 [nextpage] ▼ライト級トーナメント1回戦 5分3R×マッズ・バーネル(デンマーク)155.8lbs(70.66kg)[3R 4分42秒 TKO]〇ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)156lbs(70.76kg)  1R、サウスポー構えのウィルソンはいきなりダブルレッグへ。差し上げたバーネルは体を入れ替えダブルレッグからバッククリンチ、背後から足を刈って崩して左のパンチ、アームロック狙いのウィルソンを後方に崩してテイクダウン! 下から足を効かせてヒジ打つウィルソンは左で差して立ち上がり正対。  ケージに押し込むバーネルは両差しにて小外も、残したウィルソンが右を当てて、左右ラッシュ。さらに右前蹴りを腹に。クリンチで前に出たバーネルに体を入れ替え跳びヒザ、ダブルレッグテイクダウンはウィルソン! パスガードでサイド、ニーインでニアマウントに。トップからヒジを突きゴング。  2R、先に上下に突いたウィルソンがダブルレッグテイクダウン。下から左で差してくるバーネルに、ウィルソンはトップからギロチン狙いで再び背中を着かせると、右で小手巻きから左ヒジ! ラウンドの大半をコントロール、パウンドする。  3R、早々にケージに詰めてダブルレッグテイクダウンはウィルソン。バーネルをハーフで押さえ込んで背中を着かせてパウンドで削ると、左手で頭を押さえて、右手で鉄槌連打! レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼ライト級トーナメント1回戦 5分3R×クレイ・コラード(米国)155.4lbs(70.48kg)[1R 2分12秒 TKO] ※右バックエルボー→連打〇アルフィー・デイビス(英国)155.8lbs(70.66kg)  コラードは25勝14敗1NC(UFC1勝3敗、PFL7勝6敗)の32歳。ボクシングでも9勝6敗3分の戦績を持つ。  Bellatorデビュー戦で元UFCライト級王者アンソニー・ペティス、翌年には同じくUFCでトップランカーだったジェレミー・スティーブンスに判定勝ち。2023年4月に西川大和に判定勝ちするなど決勝進出もオリヴィエ・オバメルシェに判定負け。2024年2月にA.J.マッキーにも一本負けしたが、4月PFLでは元Bellatorライト級王者のパトリッキー・ピットブル・フレイレに2R KO勝ち。トーナメント2戦目でマッズ・バーネルに判定負け。決勝トーナメントでもブレント・プリマスに判定負け。  キックボクシング出身、英国のデイビスは17勝5敗1分の33歳。Bellator8勝1敗1分、KSWで1敗。アレクサンドル・シャブリーに敗れたが、その後3勝1分。2024年11月の前戦ではマンスール・ベルナウイに3R リアネイキドチョークで一本負けしている。  1R、ともにオーソドックス構え。ワンツーのコラードに、オーソから左ハイをガード上に当てるデイビス。詰めるコラードは左で差して、蹴りの得意なデイビスの左足を踏みつけ。右ヒザで離れる。  バックスピンキックを腹に突くデイビスに間合いを詰めるコラード。デイビスは回転バック右ヒジをヒット! コラードがダウンしたところに左右を連打。腰を落とすコラードにさらに連打から左フックを当てるとさらにグラつき、レフェリーが間に入った。  勝利のデイビスはブレイキンを見せた。準決勝ではプリムスと対戦に。 [nextpage] ▼ミドル級トーナメント1回戦 5分3R〇ジョシュ・シルヴェイラ(米国)185.6lbs(84.18kg)[判定3-0] ※29-28×3×マイク・シップマン(英国)186lbs(84.36kg)  1R、サウスポー構えのシルヴェイラに、オーソのシップマンからワンツーで詰めて組みに。シルヴェイラは体を入れ替えてヒジ打ちで離れる。  右を突いてシングルレッグのシップマンにケージ背にヒジを突くシルヴェイラ。左で差して押し込むシップマンのヒザに合わせて体を入れ替えるシルヴェイラ。突き放すシップマン。シルヴェイラはヒザ蹴り。シップマンは右フック、左前手を強振もかわすシルヴェイラと組みに。右で差して押し込むシップマンにギロチンチョークからニンジャチョークのシルヴェイラ!  仰向けになって抜くシップマンのスクランブルに再びギロチンチョークはシルヴェイラ! クローズドには入れられなかったシルヴェイラ。仰向けでシップマンは大丈夫とサインするが、シルヴェイラのラウンドに。  2R、右スイングのシップマンは左フックも強振。ブロッキングのシルヴェイラに組むが、体を入れ替えられると離れる。シルヴェイラの右に組んでクリンチボクシングはシップマン。左右フックにシルヴェイラは首相撲ヒザ。シップマンの崩しも残すが、両差しで押し込むのはシップマン。しかしここでトップを奪ったシルヴェイラに、左小手で立つシップマン。シルヴェイラはダブルレッグから頭を外に出して崩してゴング。2ラウンドは拮抗。  3R、左右を突いて前に出るシップマン。左前手フックをかわしたシルヴェイラは右ヒジを狙う。シップマンの打ち終わりにシングルレッグを狙うシルヴェイラ。切るシップマンにテンカオを突き、組んで左で差して投げてテイクダウン!  中腰からパウンド、右ヒジ。下からキムラ狙いのシップマンを潰して右で枕で再び背中を着かせると、片足抜いてハーフ、マウントに。ハーフに戻すシップマンだが、押さえ込んで右ヒジ、右パウンド連打のシルヴェイラがニアマウントからパウンドをまとめて、最終ラウンドを確実に自身のモノにした。  判定3-0(29-28×3)で1、3Rを取ったシルヴェイラが勝利。メインのカサンガネイvs.エドワーズの勝者と準決勝で対戦へ。 [nextpage] ▼ライト級トーナメント1回戦 5分3R〇ブレント・プリマス(米国)155.6lbs(70.58kg)[3R 4分52秒 リアネイキドチョーク]×ヴィニシウス・センシ:155.8lbs(70.67kg)  1R、サウスポー構えのセンシ。オーソのプリムス。センシの跳びヒザを掴んでテイクダウンを奪うプリムスが終始トップ。立つセンシの背中に乗り、バックからリアネイキドチョーク狙い。プリムスがラウンドの4分近くをトップでコントロールしたラウンド。  2R、ここもヒザ蹴りをキャッチされて早々に下になるセンシ。サイドからバック、キムラも狙うプリムスに、立ち上がるセンシが小外から浴びせ倒して上に。  下のプリムスはラバーガードで固めるが頭抜くセンシが細かいパウンド。しかし、腰を抱くセンシは腕を巻かれてダブルバーガーを狙われる。再びセンシが頭を抜いて細かいパウンド。  3R、センシの右から左に打ち合うプリムスだが軸がブレるように。しかし、プリムスはケージに詰めて尻下でクラッチして中央に向けたダブルレッグテイクダウン。振りかぶって右をパウンドするとバック、4の字ロック。残り8秒でリアネイキドチョークを極めた。  プリムスは試合後、「センシには元気を出せ、7日前のショートノーティスで戦ったんだ、と言った。今大会で一番タフな相手だと思っていたセンシのために練習したんだ。だから、誰に対しても準備はできていたと思う。でも、ヴィニシウス、頭を高く上げてくれよ。お前は本当にタフだ。最初の1分で彼の首を絞めるかと思ったよ。主、家族、コーチ、練習仲間に感謝したい。(映像を見ながら)初回に極められなかったのは、レフェリーと話していたんだけど、彼は親指をグローブの中に入れていたんだ。でもヴィニシウスはタフだよ。よくやったよ。俺なら全財産を賭けるね。1ラウンドで絞め落とすつもりだったけど、そうならなかった。そう、あいつは超うまくて、超タフなんだ。レイ・セフォー、PFLのみんな、ありがとう」と語った。  プリムスは続くコラードvs.デイビスの勝者と対戦する。 [nextpage] ▼ミドル級トーナメント1回戦 5分3R〇アーロン・ジェフリー(カナダ)185.4lbs(84.09kg)[判定2-1]×ムラッド・ラマザノフ(ロシア)185.2lbs(84.00kg) [nextpage] 【中止】 ▼ライト級トーナメント1回戦 5分3Rロバート・ウォルトリー(米国)154.6lbs(70.12kg)アントニオ・カルーゾ(豪州)155.6lbs(70.57kg)
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