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【PFL】ウェルター級1回戦で菊入正行がTKO勝ち、完封勝利のストーリーと準決勝で対戦へ! ジャクソンがコレシュコフにRNC失神一本勝ちで9戦無敗ジーンと対戦に。フェザー級1回戦ピネドがボリッチに初回TKO勝ちでブラガと因縁対決へ、ハイブラエフがケネディに辛勝、初回一本勝ちのテキュンと対戦に

2025/04/04 09:04
 2025年4月3日(日本時間4日9時~)米国フロリダ州オーランドのユニバーサル・スタジオ・フロリダにて、優勝賞金50万ドル(約7200万円)をかけて戦う『PFL 2025 World Tournament: First Round 1』(U-NEXT配信)の8階級8人制トーナメントの1回戦が行われた。  日本からウェルター級に元PANCRASEウェルター級王者の菊入正行(NEVER QUIT)が参戦、1回戦でヤニス・バサールに2R 負傷TKO勝ち。同じく1回戦でジョセフ・ルシアーノをテイクダウンから完封したローガン・ストーリーと準決勝で対戦が決まった。次週の12日には、女子フライ級で渡辺華奈が出場。ジェナ・ビショップと対戦する。 [nextpage] 『PFL 2025 World Tournament: First Round 1』速報 ▼ウェルター級トーナメント1回戦 5分3R ※選手名から前戦〇ジェイソン・ジャクソン(ジャマイカ)19勝5敗 第10代Bellator世界ウェルター級王者 170.8lbs[2R 4分21秒 リアネイキドチョーク]×アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)18勝6敗 第4代Bellator世界ウェルター級王者 171.0lbs  1R、ともにオーソドックス構えから右ローはジャクソン。カーフを当てて前に出るとコレシュコフの打ち返しに左で差して押し込組み。金網背に凌ぐコレシュコフは両差しにして体を入れ変えて左ヒザ。回して再び四つで押し込むのはジャクソン。  金網背に高いヒザを当てて体を入れ替えたコレシュコフだが、ジャクソンは右の蹴り、左ストレートで前に出てダブルレッグへ。すぐに差し上げるコレシュコフは四つに組んでシングルレッグへ。  足を抜いたジャクソンに組みに行くが、下からジャクソンはシングルレッグで崩してゴング。ジャクソンのラウンドか。  2R、コレシュコフの組みをがぶりヒジのジャクソン。コレシュコフの立ち際に左足をかけてバック狙いに。亀になって立とうとするコレシュコフに右ヒジを落とす。  立ち上がるコレシュコフにバッククリンチから右アッパー、小内刈テイクダウンで右パウンドも、後頭部への打撃でコレシュコフが出血でストップ。  後頭部が割れているコレシュコフ。ドクターチェック後、再開。ジャクソンに口頭注意。  ワンツーのコレシュコフにダブルレッグテイクダウンはジャクソン! コレシュコフは気持ちが折れたか、そのまま右ヒザを越えてマウントを奪ったジャクソンはパウンド、背中を見せたコレシュコフにリアネイキドチョークを極めて失神させた。  試合後、ジャクソンは「柔術を練習してきた。今年はサブミッションを極める。(準決勝で対戦するサッド・ジーンに)俺はキラーだ、覚悟しておけ」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級トーナメント1回戦 5分3R〇ヘスス・ピネド(ペルー)24勝6敗1分 145.4lbs[1R 3分43秒 TKO]×アダム・ボリッチ(ハンガリー)19勝3敗 145.6lbs  フェザー級1回戦で優勝候補同士がいきなり激突!  ピネドは、2023年のPFL優勝者。ガブリエル・ブラガにスプリット判定負け後、ブレンダン・ラウネーンにKO勝ち、決勝でブラガと再戦し、3R KOで優勝を遂げた。2024年はパトリシオ・ピットブルとジェレミー・ケネディ戦を欠場、1年4ヶ月ぶりの試合となる。28歳。  ボリッチは、2022年にパトリシオの王座に挑戦も判定負けで戴冠ならず。2024年のPFLリーグ戦では、エンリケ・バルゾラに判定勝ち後、2戦目のブレット・ジョンズ戦は欠場した。31歳。  1R、サウスポー構えのピネドにオーソのボリッチから圧力かけると右ハイを突く。ガードのピネドは前後のステップで右外足へ。ワンツーの動きを見せるボリッチ。ピネドの入りに左前手を突き、右ミドルも。  頭を振って左右で入るピネドをさばくボリッチは右インロー。ピネドも左オーバーハンドを見せる。左を突いてボリッチを回らせるピネド。  ボリッチも左回りで左を突くが、詰めるピネドもワンツーから左ストレート! 下がったボリッチを詰めてバッティングもあるなか、右でダウンを奪うとパウンド! 亀になって動けないボリッチにレフェリーが間に入った。  1年4カ月ぶりの復帰戦で初回TKO勝ちしたピネドはペルー国旗を掲げ、「コーチたちと準備万端だった。(ブラガは)いいヤツでいい選手で嫌いじゃないけど、次の試合も準備が出来ている」と語った後に、ブラガとフェイスオフ。煽るブラガに対し、鷹のような目でブラガを睨みつけた。 [nextpage] ▼ウェルター級トーナメント1回戦 5分3R〇ローガン・ストーリー(米国)17勝3敗 元Bellator世界ウェルター級暫定王者 171lbs[判定3-0] ※30-27×3×ジョセフ・ルシアーノ(豪州)10勝3敗 元Eternal MMAウェルター級王者 170.4 lbs※マゴメド・ウマラトフ(ロシア)は計量ミス  ウェルター級でローガン・ストーリー(米国・171lbs)と対戦予定だったマゴメド・ウマラトフが計量失敗。ジョセフ・ルシアーノが代わりに参戦。ルシアーノは元Eternal MMA王者でONE Warrior SeriesではANIMAL☆KOJIに勝利。2024年9月の前戦Bellator Champions Seriesではスティーブン・ヒルに2R アナコンダチョークで一本勝ちしている。  ストーリーは、2024年4月にシャミル・ミサエフに2R TKO負けも、6月の前戦でルカ・ポクリに判定勝ちで再起を遂げた。  先に勝利した菊入正行が見守るなか、ストーリーとルシアーノが対戦。  1R、ともにオーソドックス構え。ルシアーノの右前蹴りの打ち終わりに角度をつけたローシングルから崩してバックについたストーリー。右の送り手を掴んでコントロールして崩すが、ルシアーノも右小手で立ち上がり。  ストーリーはボディロックから小内刈テイクダウン。ルシアーノはフルガードもストーリーは左差しでパスへ。亀になるルシアーノにバッククリンチから崩していく。ケージを使って立つルシアーノは突き放して右カーフ、左ヒザ、右前蹴りでゴング。  2R、右フックのストーリーに、右前蹴りを2度突くルシアーノだが、左の蹴りに合わせてストーリーは組んでテイクダウン。  右脇に頭を入れて肩固め狙い。ハーフに片足だけ出ると、こつことパウンド、ヒジ。ルシアーノは右目尻から出血。削ってマウントを奪うと右ヒジ! ルシアーノは腰を切ってフルガードに戻すも下のままゴング。  3R、前蹴り、左ジャブのルシアーノの打ち終わりに組んで振ってバッククリンチのストーリー。亀のルシアーノは片ヒザ立ちから立ち上がるが、そこで再び崩すストーリー。バッククリンチから片足をからめて肩、胸でルシアーノを押さえて崩す。  ルシアーノは仰向けを狙いながら立ち上がりを試みるが、ストーリーはルシアーノを動かせてコントロール。正対して座るルシアーノの立ち際に左のパウンドを入れてゴング。  判定3-0(30-27×3)のフルマークでストーリーが勝利。試合後に、準決勝で対戦する菊入とのフェイスオフに臨んだ。 [nextpage] ▼フェザー級トーナメント1回戦 5分3R〇モブリド・ハイブラエフ(ロシア)22勝0敗1分1NC 145.4lbs[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ジェレミー・ケネディ(カナダ)19勝6敗 145.8 lbs  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央から詰めるのはケネディ。右ストレートを当ててハイブラエフを崩すと左で差してケージに押し込み、右ヒジ。さらに左腿に鉄槌。  左で差して右ヒジを当てたケネディは、ハイブラエフに鼻血を出させるとさらに放し際に右ヒジ。ハイブラエフの跳びヒザをかわして左右、右ヒザも。いったん離れて、さらに圧力をかけるケネディは右ヒジを狙い、右カーフも。  ケージを背にするハイブラエフにダブルレッグでクラッチして持ち上げてテイクダウン! 尻を着くハイブラエフは口で息をして立ち上がる。ケネディのラウンド。  2R、ハイブラエフの左右をかわすケネディ。ハイブラエフは左ボディから右フックの対角線攻撃を狙う。左ボディストレートの後に右ストレートを当てたハイブラエフ! さらに左跳びヒザでダウンを奪うハイブラエフ! 立ち上がるケネディに右の連打! ケネディは右額から出血。  詰めるハイブラエフはダブルレッグテイクダウン! ケージ背に座るケネディを横に寝かせてリストコントロールへ。立ち上がるケネディはバッククリンチから細かいヒザでゴング。ハイブラエフが取り返したラウンド。  3R、先に中央を取り、詰めるケネディに、組むハイブラエフ。ヒザを突くケネディが体を入れ替えて、ヒザ。ケネディを回したハイブラエフはヒザを打ち合い、脇を潜り、バッククリンチからヒザを突く。ここも体を入れ替えたケネディがヒジ。  ハイブラエフも入れ変えるとダブルレッグからバック狙い、ここで離れてワンツーのケネディが押し込みヒザ。左で差して押し込み、しかし体を入れ替えたハイブラエフ。クラッチを切るケネディに、ハイブラエフが脇を潜ってバッククリンチについてゴング。  判定2-1(29-28×2,29-29)でハイブラエフが接戦を勝利。2023年6月のタイラー・ダイアモンド戦以来、1年10カ月ぶりの復帰戦で白星を掴み、MMA戦績を22勝0敗1分1NCとした。ハイブラエフは準決勝でキム・テキュンと対戦に。 [nextpage] ▼ウェルター級トーナメント1回戦 5分3R×ムハメド・ベルハモフ(ロシア)17勝3敗 171.0lbs[1R 4分25秒 TKO] ※左フック〇サッド・ジーン(米国)9勝0敗 170.8lbs  1R、サウスポー構えのベルハモフ。オーソのジーンは右を突く。右前手を右に回って着くベルハモフはテイクダウンのファイント。ジーンの詰めにシングルレッグテイクダウン。立ち上がるジーン。  左ジャブのジーンに左インローのベルハモフ。右インローを返すジーン。ベルハモフはニータップの動き。ジーンは右ストレート、前蹴りを腹に突く。しかし、ジーンはベルハモフの右ジャブをかわして左前手のフック! ダウンしたベルハモフに“シルバーバック”は鉄槌連打、レフェリーが間に入った。  アメフト出身でMMA9戦無敗としたジーンは、5つ目のKO・TKO勝ち。試合後、「常にフィニュシュを狙っている、カウンターストライカーだからね。2年前にここに来る予定だったが、準備不足だった。最後は相手がゆっくり手を動かしていたから狙っていた。次の相手は可哀そうに、俺にボコられるから」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級トーナメント1回戦 5分3R〇ガブリエル・ブラガ(ブラジル)16勝2敗 144.4lbs[1R 4分37秒 リアネイキドチョーク]×フレデリック・デュプラ(カナダ)8勝2敗 145.6lbs  1R、開始早々ダブルレッグで組んだデュプラはケージに押し込み、小外でサバ折テイクダウン。がぶりからブラガの立ち際に得意のアームインギロチン!  クローズドガードに入れて絞るが、首を抜いたブラガがトップからパウンド! ニンジャチョーク狙いからバックに。  デュプラは力を使ったか。背中を譲るとブラガはパームトゥパームでリアネイキドチョーク狙い。最後は左手で組み直してアゴ上から絞めて食い込ませてタップを奪った。  初の一本勝ちをマークしたブラガは、「相手がデュプラに変わった瞬間にギロチン防御の練習はしていた。トーナメントほかのみんなは恐怖を見ることになる」と語った。 [nextpage] ▼ウェルター級トーナメント1回戦 5分3R×ヤニス・バサール(ギリシャ)9勝3敗 170.6lbs/77.38kg[2R終了時 TKO] ※バサールが負傷〇菊入正行(日本)11勝2敗1分 169.4lbs/76.83kg  ウェルター級世界トーナメント1回戦では、菊入正行(NEVER QUIT)が、Cage Warriors王者で2024年TUFミドル級トーナメントにも出場したヤニス・バサール(ギリシャ)と対戦。2日(日本時間3日)の前日計量をともにパスした。   元PANCRASEウェルター級王者の菊入は4連勝中。国士舘大学1年の2014年に全日本学生キックでミドル級王者となったストライカーで、PANCRASE王座戴冠後、2023年4月の『Bellator 295』でBellatorデビューし、アレクセイ・シュルケヴィッチに2R KO勝ち。2度の網膜剥離の困難を乗り越え、2024年9月に1年5カ月ぶり復帰。ハーマン・テラドに3R TKO勝ちでBellator2連勝を飾っている。日本人にとって体格的に厳しいウェルター級でスタンドで勝負が出来て、MMAレスリングも強さを増している。  バサールは8連勝で2023年にCage Warriors王者に。2024年3月の前戦TUF32で現UFCのロバート・ヴァレンティンに1R TKO負け。Titan FC、Brave CFでも勝利するなど海外マット経験が豊富で、今回がPFL初参戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。ガード高く構えていきなりダブルレッグのバサール。クラッチしたバサールに右で差して崩した菊入。すぐに立つバサールに右で差して押し込みも体を入れ変えるバサールはシングルレッグ。尻を着いて右差しですぐに立つ菊入が押し込み。  みたび体を入れ替えシングルレッグのバサールを右で差し上げ、体入れ替えヒジ、右ストレートの菊入。右で押し返すバサールは左ミドル。菊入もスイッチして左ミドル。ワンツーを返すバサールはダブルレッグ。金網背に小手巻く菊入が体を入れ替え、左ヒジ、右ストレート!  ワンツーから左右ボディ打ち! しかし、バサールの右から左をもらい、菊入が後退。回って間合いを取り直してダブルレッグに入って差し上げるバサールを足払いで崩してゴング。終盤にもらったが、そこまでの打撃で菊入のラウンドか。  2R、右カーフのバサール。左ミドルからシングルレッグ。崩しに片足立ち、左小手、右で差して体を入れ替えた菊入に右フックで離れたバサール。菊入はシングルレッグ。差し上げるバサール。放し際に右アッパーから左。ガードするバサールは左ボディで飛び込み。  菊入も左ミドルを返して組んでニータップでテイクダウン。すぐに立つバサール。右で差して押し込む菊入。左右ヒザを突き、左ヒジで離れる。  ブロッキングのバサールに離れた菊入。ボディに蹴りを入れてダブルレッグテイクダウン! 左でギロチン狙い立つバサールに右差し、左差しで押し込む菊入。  体の入れ替えに投げに行く菊入をバサールが浴びせ倒してゴング。菊入のラウンドだが終盤に下になったイメージがどうとられるか。僅差のラウンドに。  3Rのゴングもバサールは右ヒザを押さえて立ち上がれず。菊入が1回戦を突破。5連勝をマークした。 [nextpage] ▼フェザー級トーナメント1回戦 5分3R×ネイサン・ケリー(アイルランド)11勝4敗 146.0lbs[1R 4分53秒 リアネイキドチョーク]〇キム・テキュン(韓国)11勝1敗 145.2lbs  テキュンは2022年10月の『BRAVE CF 64』でロマン・ボガトフと空位のフェザー級王座を争いスプリット判定負けで戴冠ならず、初黒星を喫したが、2024年1月の『UAE Warriors 47』で1年3カ月ぶりに復帰。カルロス・ジョン・デ・トーマスに1R TKO勝ち。この前戦では158ポンド(71.66kg)契約で戦っている。  1R、サウスポー構えから左ハイのテキュンはケリーを崩すとケージに押し込み左で差して四つ組み。右足でテキュンの足を踏む。体を入れ替えたテキュンは小外狙い。戻したケリーは右ヒジで離れる。  左ストレートでダウンを奪ったテキュンはバックについて4の字フック。パームトゥパームで右手でネッククランク、左手に変えて組み直してから最後に右腕でリアネイキドチョークを極めた。  試合後、感極まった表情を見せたテキュンは、The Fighting Nerds teamの壊れた眼鏡をかけてみせた。
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