重いミドルキックで炸裂音を響かせた野杁
2025年3月23日(日)さいたまスーパーアリーナ『ONE 172: TAKERU vs. RODTANG』（U-NEXTで独占PPVライブ配信）にて、タイトルマッチに挑む3選手が11日（火）都内にて公開練習を行った。
第13試合のONEフェザー級（70.3kg）キックボクシング暫定世界王者決定戦3分5Rで、タワンチャイ・PK・センチャイ（タイ/ONEフェザー級ムエタイ世界王者）と対戦する野杁正明（team VASILEUS）。
公開練習ではシャドーの後、ミット打ちで重いミドルキックで大きな音を響かせ、速いワンツー、そして得意の左ボディをめり込ませた。
「連戦が続いていて（※12月、1月と試合）正直疲れているんですけれど、今回絶対に勝てないと言われている相手なのでそういう意味でも準備期間が楽しく過ごせているし、ワクワクしかないので、疲れているけれど準備期間で作ったものを当日出せるのを自分自身が凄く楽しみです」と、純粋に試合が楽しみだとする。
フェザー級ムエタイ世界王者に君臨し、スーパーボンをもKOしているタワンチャイを野杁は格上と認める。「ONEのデビュー戦でシッティチャイとやって。その時も上の選手に挑戦する形ではあったけれど、今回タワンチャイと決まって10-0とか9-1で負けると言われているので、僕がここまで不利予想は今までなかったので楽しみです」と、圧倒的不利と予想される状況で強い相手と戦えるのが楽しみで仕方がないと笑顔を見せる。
それだけ燃えているのかと聞かれると「気がラクです。純粋にそういう試合をやりたかったので。やっと出来るし、何も失うものがないので、僕が勝ったらどういう反応になるのか楽しみで仕方ないです」と、待ち望んでいたシチュエーションに心が踊るようだ。
今回は3分5Rで、野杁が慣れ親しんだ3分3R延長1RのK-1ルールとは違う。しかし、野杁は「僕は5Rの方が得意ですね。今回5Rで本当に良かったと思っていて。試合を見てもらえれば分かると思いますが、ムエタイルールならまた別ですけれど、タワンチャイ選手とキックボクシングルールでやるなら5Rの方が僕の勝率が上がると思っています」と意外な答え。
タワンチャイは長年ムエタイの3分5Rで戦い、駆け引きやペースを熟知しているが、それでも自分が有利だと思うのかと問われると「はい。安心してください」と自信に満ち溢れた表情で断言した。
タイトルに挑む心境については「僕がONEに来た理由はONEのベルトを獲ること。暫定ですけれどベルトには変わりがないので。それと目標は武尊くんと一緒にONEのベルトを獲ることなので、ロッタン選手とはノンタイトルで戦いますがしっかり勝ってもらって、次はスーパーレックにリベンジして欲しいベルトを巻いてもらって。僕も次は統一戦になると思うので一緒に獲りたいですね」と、揃ってONE世界王者になることが一番の大きな目標だと話す。
このビッグマッチで日本のファンにどんな姿を見せたいか、との質問には「今回の大会は日本人選手が世界に通用するということが大事な試合になると思うので、海外の強豪たちと日本の選手が戦って、今の日本人選手が海外に通用するうことを証明しないといけない。そしていい形でメインに繋げないと行けないと思うので、僕はそこです」とのテーマを掲げる。
タイトルを獲ったらその先に何を見ているか、と聞かれると「ちょっと休みたいです(笑)。ずっと試合が続いているのでちょっと休みたいですね。でも、獲ったら獲ったで暫定王者なので、その上のスーパーボンが待っている。そこはONEと流れに任せます。タワンチャイ選手に勝ってベルトを獲ったら世界に名が売れると思うし、改めて野杁正明の強さを証明できると思うので、次は流れに任せます」とした。
最後に、野杁は「僕自身がワクワクする選手とやっと対戦できるので、当日はさらに強い野杁正明を見せることを約束します。メインの武尊くんにつなげるために勝ちます」と誓った。
