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【ONE】『Friday Fights』の100回記念大会にムアンタイ、スアキム、パンパヤック、重森陽太、青柳克明ら出場。注目はボクシング19戦無敗のロッタンの義理の弟

2025/03/09 01:03
 2025年3月14日(金)タイ・ルンピニースタジアムで開催される『ONE Friday Fights 100』は、100回記念のビッグマッチとして開催される。 『ONE Friday Fights』はムエタイ2大殿堂のひとつルンピニースタジアムにて2023年1月20日に第1回大会が開催され、ほぼ毎週金曜日に行われてきた。  メインイベントでは、“エルボーゾンビ”ことムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)がイブラギム・アブドゥルメチドフ(ダゲスタン)とキャッチウェイト(-62.14kg)ムエタイ3分3Rで対戦。  ムアンタイは2010年頃からルンピニーのトップ選手として活躍しているベテランで、2015年5月の初来日では梅野源治にTKO負け、2019年10月のONEでは健太に判定勝ちしている。『ONE Friday Fights』には第1回大会から出場、5回もボーナスを獲得している。クラップダム(KO勝ち)、ニコ・カリロ(TKO負け)、ヨードレックペット(判定勝ち)、ナビル・アナン(判定負け)、コンスック(KO勝ち)とトップ選手たちと対戦してきた。ONEでの戦績は8勝4敗。  アブドゥルメチドフはロシア国内でキックボクシング王者に3度輝き、2024年8月にONE初出場。ムアンタイのチームメイトを2RでKOすると、11月にはドゥアンソンポンも1RでKOしている。  コー・メインでは、シンサムット・クリンミー(タイ)がニキー・ホルツケン(オランダ)とキャッチウェイト(-79.37kg)キックボクシング3分3Rで対戦。  シンサムットはムエタイジムを営む家庭に生まれ、4歳から練習を開始。兄は海外で活躍し来日経験もあるスッドサコーン。21歳で徴兵されるとボクシングでナショナル王者にも輝き、2019年の国際ミリタリースポーツカウンシルでのトーナメントではオリンピックボクサー2人から勝利を収めた。  兵役を終えてムエタイに復帰すると2022年3月にONE初参戦を果たし、ニキー・ホルツケンをカウンターの右でKOした。2022年10月にはONEムエタイ世界ライト級王座決定戦をレギン・アーセルと争い、判定2-1の僅差で敗れ、2023年3月の再戦でのタイトルマッチではKOで返り討ちにされた。その後は2蓮敗を喫したが、1月にナウゼット・トルヒーリョを初回KOで破り復活。キックボクシングルールは今回が初。  41歳のホルツケンは元GLORY世界ウェルター級王者。10歳でボクシングを始め、キックボクシング、ムエタイも習得。ラモン・デッカーに師事し、K-1でブアカーオ、SBでアンディ・サワーらと対戦。2013年12月のGLORY東京ではウェルター級トーナメント優勝、初代王座についた。2018年11月からONEに参戦し、これまで5勝(4KO)4敗。2024年1月のONE日本大会では秋山成勲とMIXルールで対戦し、1Rのボクシングルールで秋山をKOしている。  4敗のうち2敗はレギン・アーセルの王座に挑戦して敗れたもので、さらに1敗は今回対戦するシンサムットに2022年3月の対戦でKO負けを喫したもの。3年ぶりの再戦となる。  スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)はキャッチウェイト(-63.50kg)ムエタイ3分3Rで、コムアウット・FAグループ(タイ)と対戦。  スアキムはルンピニースタジアムのバンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級の三階級制覇王者で、2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日。那須川天心への最強の刺客として大きな話題を呼んだが、那須川に5R判定負け。2019年7月には『RISE』で那須川と再戦したが、胴廻し回転蹴りで目尻を切り裂かれて流血、3R1分25秒、TKOで敗れている。  2019年12月に日本の『BOM』でチャンヒョン・リーにTKO勝ちし、BOMスーパーライト級王者になった。しかし、2020年4月に突然の引退宣言。2023年7月、ONEで現役復帰を果たすもキリル・ホムトフにKO負け。9月にサマン・アシュリをKOして再起を果たすも2024年1月にはアレクセイ・バリカにKO負けを喫した。4月のデニス・デミルカプ戦では劣勢からの逆転KOに成功し、9月にはオーティス・ワグホーンとの接戦を制した。  コムアウットはONEで6勝2敗。ヨードレックペットには敗れているが、パンリットやアバターからは勝利を収めている。  パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)がマジッド・サイダリ(イラン)がフライ級ムエタイ3分3Rで対戦。  パンパヤックは2012年にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座、2013年に同ライトフライ級王座を奪取して2階級制覇を達成。2014年にはルンピニースタジアム認定バンタム級王座、2015年に同フェザー級王座を奪取してこちらでも2階級制覇を達成している。2013年から2015年タイスポーツ記者協会の年間最優秀ファイター賞を3年連続受賞(史上唯一)。  2019年9月からONEに参戦し、RISEフェザー級王者(当時)工藤政英を破ると2024年12月までは4勝2敗。この2敗はいずれもスーパーレックに付けられたもので、スーパーレックとは4勝3敗1分。また、スアキムに2勝、サムエーに2勝、プラジャンチャイとは1勝1敗というトップの実力者。しかし、前戦でロシアのイゴール・ベクレフにKO負けを喫した。  対戦相手のサイダリは今回がONE初参戦。“トラクター”の異名を持つハードパンチャーで、15戦のうち11試合でKO勝ち。『フェアテックスファイト』と『ムエタイエクストリーム』で初回KO勝ちを重ね、ONE出場のチャンスを得た。  ジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリー(タイ)は、フライ級ムエタイ3分3Rでデニス・ピューリック(カナダ/ボスニア・ヘルツェゴビナ)と対戦。  ジャオスアヤイはタイ国BBTVスタジアム・フェザー級8位として、2019年11月の「第3代K-1フェザー級王座決定トーナメント」に初来日。1回戦で安保璃紅を必殺の飛びヒザ蹴りでKO、準決勝でも卜部弘嵩との延長戦に及ぶ激闘の末に勝利。決勝こそ江川優生の左ボディに沈んだものの、鮮烈なインパクトを残した。2020年3月『K'FESTA.3』で小澤海斗からも勝利を収めている。2022年8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で玖村修平にKO負けを喫した。 『ONE Friday Fights』には2023年6月から参戦し、初戦のペットスクンビットには初回KO勝ちも、8月の2戦目ではコンスック・フェアテックスに判定負けを喫している。11月にはパイダンをKO、12月はラジャのスーパーフェザー級王者ペットスクンビットから判定勝利を収めた。2024年4月はゴントーラニーに判定負けしたが、5月にプンルアンを左フックで初回KOに仕留めた。9月にはスリヤンレックと大激闘の末に判定勝ち。2025年1月にはヨードレックペットを2RでKOしてみせた。戦績は81勝(29KO)39敗2分。  ピューリックは2015年1月にK-1に初来日、卜部功也にKO負け。2022年5月の『ONE 157』でONE初参戦を果たし、シャーゾット・カブトフに判定負け。8月にタギール・カリロフに判定勝利、2023年5月にヨードレックペットにTKO負け、12月にニューイエンにKO勝ちと勝ち負けを繰り返し、2024年4月にジェイコブ・スミスに判定勝ちも2024年6月にロッタンに判定負け。ブアカーオが所属するバンチャメークジムでムエタイを学んだほか、テコンドー、空手、MMAの経験もある。  注目選手は、キャッチウェイト(-63.5kg)キックボクシング3分3Rでスーパー・ヤイ・チャンと対戦するセーンアティット・ルークサイコーンディン(タイ)だ。  セーンアティットはプロボクシングで19戦無敗(9KO)、WBAアジア・スーパーライト級王者となっている。今年初めにONEと契約し、今大会でデビューを迎えることになった。ロッタンとは義理の兄弟となる。  チャンはラウェイ出身の20歳で、2024年8月にONEデビューすると判定負けも、2025年1月には初回KO勝ちを飾った。  そして、日本からは重森陽太(クロスポイント吉祥寺)と青柳克明(日本)が出場。  重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレックから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。  その後は所属を変えて8月のKNOCK OUTに参戦したが、バットマンに判定負け。11月にオープンフィンガーグローブ戦に初挑戦し、ルンペットを2RでTKOに破った。2024年2月の『RWS JAPAN』ではサミンデットに判定負けを喫したが、4月はセーンダオレックから左フックで2度のダウンを奪って勝利すると6月にレンタを破り国内最強を証明。9月には『ONE Friday Fights』に初出場、シン・ドンヒョンにKO勝ちした。さらに10月はマルコス・リオスに延長戦で判定勝ち、11月にカンボジアでのクンクメールとの対抗戦でも勝利している。12月にはUNLIMTEDルールに初挑戦したが、倉本一真にTKO負け。戦績は44勝(19KO)8敗6分。  今回は初参戦のアリ・コユンチュ(トルコ)とキャッチウェイト(-63.5kg)ムエタイ3分3Rで対戦。  青柳はMMA5勝3敗。16歳から台湾に留学。ボクシング、キックの試合経験も持ち、カルロス・トヨタ柔術台湾からBMF Space所属でMMAに出場。2018年6月の中国CWMでプロMMAデビュー。日本ではZSTで1勝後、2023年6月の『KROSS×OVER CAGE FIGHT』でJ.セロウ若林に反則のヒザ蹴りDQで敗れるも、以降は台湾WOTDで2連勝。2024年7月『ONE Friday Fights 69』で韓国のチョン・ジュンヒに右から左フックでダウンを奪い、パウンドで1R TKO勝ちしボーナスも獲得。10月にはイ・ジュンファンにも1RでKO勝ちしている。  今回はチャン・ソンギュ(韓国)とバンタム級MMA5分3Rで対戦する。ソンギュは2024年9月にONE初出場。デビット・クークにスプリット判定で勝利している。
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