ムエタイ&キックボクシング統一王者プラジャンチャイはこれが最後のストロー級防衛戦となるのか(C)ONE Champiosnship
2025年2月7日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Fight Night 28: Prajanchai vs. Barboza』(U-NEXT配信)では、メインイベントのONEストロー級ムエタイ世界タイトルマッチを筆頭にムエタイ5試合が行われる。
ONEストロー級ムエタイ世界タイトルマッチ3分5Rは、王者プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)がエリス・バダ・バルボーサ(英国)の挑戦を受け2度目の防衛戦に臨む。
プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人。
2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちでストロー級ムエタイ世界王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年6月にサムエーをKOして暫定王座に就くと、12月にラシリとの王座統一戦を初回KOでリベンジに成功し、王座返り咲きを果たした。さらに2024年6月には“人生無敗の男”ジョナサン・ディベラに挑戦し、判定勝ちでストロー級キックボクシング世界王座も奪取している。戦績は340勝52敗3分。ONEでは6勝1敗。また、プロボクシングでも3戦3勝。
元WBCムエタイ欧州王者バルボーサはフェアテックストレーニングセンターでムエタイの修行を積み、2023年12月からONEに参戦。初戦は両者計量失敗によるキャッチウェイト戦に変更され、トンプーンにボディブローでKO勝ちしたが、試合後に禁止薬物の陽性反応が出たため無効試合に。2戦目は2024年7月で、アリーフにスプリット判定で勝利した。プラジャンチャイに挑戦するには実績不足な感は否めないが、大番狂わせを起こすことが出来るか。
なお、プラジャンチャイはフライ級に階級を上げることを示唆しており、「フライ級に転向したら初戦で武尊と戦いたい」と発言。この試合を最後にフライ級に転向となれば新たな敵が武尊の前に立ちはだかることになる。
第10試合ではゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)がノンオー・ハマ(タイ)とフライ級ムエタイ3分3Rで対戦。
ゴントーラニーは2018年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年に同ライト級王座に就いているサウスポー。サオトーとサオエークにも勝利し、2021年4月にギンサンレックに敗れるも2022年3月の再戦ではTKO勝ちで制している。2023年2月の『ONE Friday Fights 6』に初参戦すると、ギンサンレックを左フックでKOして返り討ちにし、その後は内藤大樹やジャオスアヤイを相手に破竹の6連勝。しかし2024年6月、スーパーレックに判定で敗れて連勝がストップ。その後はタギール・カリロフ、ナックロップに再び連勝している。71勝16敗。同級4位。
ノンオーは38歳で266勝57敗10分の驚異的な戦歴を誇り、ルンピニースタジアムでスーパーバンタム級からライト級まで四階級制覇、ラジャダムナンスタジアムのベルトも獲得している、まさにムエタイの伝説的存在だ。2019年2月にONEムエタイ世界バンタム級王者となり、鈴木博昭、セーマペッチ、ロードレック、リアム・ハリソンらを相手に7度の防衛に成功して絶対王者と呼ばれていたが、2023年4月の8度目の防衛戦でジョナサン・ハガティーにKOで敗れ王座陥落。12月にはニコ・カリロにもKO負けしてまさかの連敗を喫したが、2024年4月にクラップダムを技術で封じ込めて判定勝ちで再起したのも束の間、9月にカムラン・ナバティに判定負けを喫した。今回よりフライ級に階級を下げる。
第8試合のフライ級ムエタイ3分3Rでは、ショーン・クリマコ(フィリピン/米国)とディエゴ・パエス(コロンビア/米国)が対戦。
クリマコは2024年5月の『ONE Fight Night 22』に初参戦すると、ホスエ・クルスを1RでKO。9月の『ONE 168』で本戦初出場を果たすもジョハン・エストゥピニャンにKO負け。パエスは今回がONE初参戦。
【写真】前回の対戦はロボがパンチでセーマペッチをマットに沈めた
第5試合のバンタム級ムエタイでは、フェリペ・ロボ(ブラジル)とセーマペッチ・フェアテックス(タイ)が対戦。
ロボは2020年9月からONEに参戦すると、ヨードパノンムラン、ロートレックに判定勝ち。2022年3月、挑戦者の欠場を受けて急遽当時の王者であるノンオーの挑戦者に抜擢されたがKO負け。2023年4月の再起戦でセーマペッチをKOし、2024年2月にONEバンタム級ムエタイ世界王者ジョナサン・ハガティーに挑戦し、多彩なボクシング技術でハガティーを苦しめ、右アッパーで先制のダウンを奪うも3Rに逆転TKO負けを喫した。2024年8月にナビル・アナンに判定で敗れて以来の試合となる。
セーマペッチは17歳でタイの「タイガー・セメント・トーナメント」で優勝。2018年4月には、英国を拠点とした団体「ムエタイグランプリ(MTGP)」ウェルター級世界王者に。2018年7月にONEに参戦。これまでロドレック、クラップダム、リッテワダ、ジャン・チェンロン、ガオナーらに勝利し、2024年2月のモハメド・ユネス・ラバーとの再戦で初回KO勝ちでリベンジを果たすも、7月にニコ・カリロにKO負け。
両者は2023年4月に対戦し、ロボが3R1分26秒、右ストレートでKO勝ちしており、セーマペッチにとってはリベンジマッチとなる。
大会のオープニングを飾る第1試合では、キャッチウェイト(-57.83kg)ムエタイ3分3Rで、アリーフ・ソー・デチャパン(タイ/マレーシア)がシャミル・アドコフ(ロシア)と対戦。
アリーフは2023年4月のONE Friday Fightsから参戦し、4連勝(2KO)を飾ったが2024年4月にジャン・ペイメンに判定負け。続く7月のエリス・バルボーサ戦も判定2-1で敗れたが、8月にザカリア・ジャマリをKOして再起した。11月にはボルター・ゴンサルベスに判定勝ちで連勝。177cmの長身でまだ21歳。戦績は59勝9敗。
アドコフは今回がONE初参戦の22歳。