BOUT 522025年2月2日(日)札幌・コンカリーニョ 選手入場式前に組まれたBOUTセレクションマッチからメインイベントまでKO率100%! 2月2日(日)札幌・琴似のコンカリーニョで行われた『BOUT 52』は熱戦の連続に。スペシャルゲストとして招かれていた“ブラックパンサー”ベイノアも「今日活躍した選手の中から必ずや新しいスターが生まれる」と太鼓判を押していた。次回『BOUT 53』は5月18日同じコンカリーニョで開催される予定だ。
▼RISEランキング戦 ウェルター級 3分3R延長1R×森本一陽(NEXT LEVEL渋谷/RISEウェルター級8位)KO 1R 1分55秒 ※右ハイキック〇愛翔(Kickboxing Academy Sapporo)
昨年はイタリア遠征(vs.オリビア・ロベルト)や対GUMPなど試練が続いた愛翔が、10カ月ぶりに地元・札幌のリングに凱旋。RISEウェルター級8位の森本一陽とRISEランキング戦を行った。
森本はかつてJ-NETWORKやBigbangで王者になった実績を持つベテラン。愛翔との年齢差は21歳と、まるで父と子のような一戦となった。戦前は過去のウェルター級の実績から「森本有利」という声も多かったが、1R開始早々、愛翔は右ストレートで先制のダウンを奪う。
森本は「やられてしまったけど、ダメージはないよ」といいたげに舌を出しながら立ち上がり微笑を浮かべた。しかし、その後も愛翔はパンチの連打を浴びせ、右ローキックでスリップダウンをとる。さらに右の追撃で森本をグラつかせ、右の飛びヒザ蹴りをアゴにクリーンヒットさせスタンディングダウンを奪う。
何とか立ち上がってきた森本だったが、ダメージが残っているのは明らか。動きが弱まったベテランに愛翔は右ハイを一閃。これがものの見事にクリーンヒットし、1R1分55秒、KO勝ち。RISEウェルター級へのランキング入りを果たすとともに、一昨年6月の『RIZIN.43』での小出龍哉戦以来の勝利を飾った。
試合後、リングに妻・樹里亜さんと愛息笑音くんを上げマイクを握った愛翔は「僕の力はまだ全然こんなもんじゃない。今日は会場に上位ランカーの人も来ていると思う。ぶっ倒して王座を狙う」と、セミファイナルでセコンドを務めるために来道したRISEウェルター級5位の中島将志(新潟誠道館)との対戦を希望した。
控室では「アドレナリンがまだ出ているのでよく覚えていないけど、しっかり倒せてよかった。国内では初めてのウェルター級での試合だったけど、減量もない。ほぼナチュラルで普段の調子のまま闘えてよかった。今日の勝因は練習でも結構やっていたカーフキックをしっかり効かすことができたことだと思う」と振り返った。もうすぐふたり目の子供が生まれる「北の倒し屋」は、RISEウェルター級で新風を巻き起こすことができるか。
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▼BOUTキックボクシングルール 60㎏契約 3分3R〇末永愛士(Kickboxing Academy Sapporo)KO 2R 2分14秒×細野登弘(新潟誠道館)
昨年6月のイタリア遠征で5年ぶりの復帰を果たした末永愛士がホームリングであるBOUTに帰還。Stand upやRISEを主戦場とする細野を迎え撃った。
1R開始早々、末永は得意のパンチでラッシュをかけ、細野を防戦一方に追い込む。しかし攻め疲れたのか、細野の右のテンカオ(カウンターのヒザ蹴り)を食らうと攻守逆転。細野の攻撃でスリップダウンを喫してしまう場面も。
その後細野は攻勢に出たが、ラウンド終了間際になると末永もワンツーでやり返す。一進一退の攻防に場内は興奮の坩堝と化した。
続く2R、細野はミドルキックやヒザ蹴りで再び末永を攻略にかかる。しかし末永の右フックで吹っ飛ばされると、またも攻守逆転。末永は左ストレートで先制のダウンを奪う。この一撃で細野は大きなダメージを追ってしまったのだろう。末永のパンチの連打を食らうと万事休す。
友人・知人の大声援を背にシーソーゲームを制した末永は「どうだ、見たか」とばかりに大見得を切った。 試合後は涙声で「本当に勝てて良かった。今日は(自分が)めっちゃ強いことを証明できたと思う」とマイクアピール。選手層の厚いRISEスーパーフェザー級戦線への殴り込みを宣言した。
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▼BOUTキックボクシングルール 50㎏契約 3分3R×新海清美(GRABS)KO 1R 2分39秒〇田中真尋(Blaze)
日本キック史上最高齢となる54歳でのデビュー戦を迎えたキックボクサーがいる。撫子ら多数の女子選手を輩出しているGRABSの新海清美だ。地元北海道での一戦だけに、会場には多数の応援が駆けつけていた。対戦相手はこちらもプロ初陣となる26歳の香川県在住の田中真尋。年齢差は倍以上という闘いとなったが、デビュー戦というプレッシャーのせいなのか、序盤から新海の動きはぎこちない。
そんな新海に対して田中は左ローやミドルを軸に攻め込む。セコンドからは「打ち合わなくていいぞ」というゲキが飛ぶが、新海は田中が出てくるとそれに応じ、パンチの連打でダウンを喫してしまう。
その後も田中は左の攻撃を軸に新海を攻め込み、2度目のダウンを奪ったところでレフェリーが試合を止めた。1R2分39秒、KO勝ちだ。新海にとってはほろ苦いプロデビュー戦となってしまった。
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▼BOUTセレクションマッチ 63kg契約 2分3R〇矢吹空也(ザワジム)KO 2R 1分05秒×平野巧太(魁塾)
1R中盤まではシーソーゲームを繰り広げていた矢吹空也と平野功大だったが、ラウンド終了間際矢吹は右ミドルをクリーンヒットさせたことをきっかけに平野を攻略。パンチの連打で先制のダウンを奪う。
続く第2R、あとのない平野は果敢に前に出るが、打ち合いの中2度目のダウンを喫してしまう。最後はロープを背にヒザ蹴りを食らったところで、レフェリーに試合を止められた。 この勝利で矢吹はプロ昇格を確実にした。
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▼BOUTセレクションマッチ 57.5kg契約 2分3R×斉川拓弥(SEED FIGHTING CLUB)KO 3R 1分41秒〇大崎寛太(TEAM TEPPEN※アマチュアKNOCKOUTトーナメント Jr.57.5kg・一般60kg優勝)
大﨑といえば、大石ジムの大﨑兄弟が有名だが、TEAM TEPPENにもう一組の大崎兄弟が いる。今回は兄で高校生の大﨑寛太が来道し、地元の斉川拓弥と激突した。
第1Rから激しくやり合う中、大﨑は左ボディフックを口火に連打を浴びせ、試合の主 導権を奪う。第2Rになると斉川はワンツーの連打とテンカオで逆襲に転じようとするが、試合の流れを変えるまでには至らない。コーナヒで大﨑の痛烈な右を食らうと、崩れ 落ちるようにダウン。その後再び右を追撃されると、二度目のダウンを喫し試合終了の ゴングを聞いた。
大﨑はセコンドに就いた弟やチーフセコンドに就いた大石健作とともに喜びを分かち合っていた。千葉の大石-大崎コンビとして名を売るか。レポート/布施鋼治