MMA
レポート

【PFL Road to Dubai CS】ウスマン・ヌルマゴメドフがポール・ヒューズに苦戦もマジョリティ判定勝ち防衛、ヘビー級でネムコフが緊急参戦のジョンソンを初回RNCで極める。マゴメドフがケリーに一本勝ち、吉野下したハバロフが判定勝ちで9戦無敗に

2025/01/26 04:01
 2025年1月25日(日本時間26日)、アラブ首長国連邦ドバイのコカコーラ・アリーナにて、『PFL Road to Dubai Champions Series: Nurmagomedov vs. Hughes』(U-NEXT配信)が開催された。 ▼Bellator世界ライト級選手権試合 5分5R〇ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)王者 19勝0敗[判定2-0] ※47-47, 48-46×2×ポール・ヒューズ(アイルランド)挑戦者 13勝2敗※ヌルマゴメドフが王座防衛  MMA18勝無敗、ダゲスタン出身で兄にウマル(UFCバンタム級2位)、従兄弟に元UFC王者のハビブを持つウスマンは、2024年9月の前戦で最強挑戦者アレクサンドル・シャブリーを5R 判定で下し、2度目の王座防衛に成功したばかり。26歳。  対する豪州出身、アイルランドFIGHT ACADEMY IRELAND所属のポール・ヒューズは、MMA13勝1敗の27歳。Bellator2連勝中。Cage Warriorsフェザー級王者からライト級に上げて2024年6月のBellatorデビュー戦でボビー・キングにテイクダウンからヒジでTKO勝ち。  10月にAJ・マッキーJrと対戦し、強烈なヒザと右ストレートで追い込み、スプリット判定勝ち。Bellator2戦目にして、元王者を下している。  スイッチしての上下・左右の蹴りから強いテイクダウン&サブミッションと死角の無いウスマンに対し、オーソのヒューズもAJのテイクダウンを切ってのヒジ打ち。  スタンドでは近い距離の打ち合い、右の蹴りもシャープで、シングルレッグから肩口に持ち上げてのテイクダウンと粗削りながら勝負所を逃さない強さがある。  強い圧力を持つヒューズに、ウスマンはいつもの距離で戦えるか。間合いを制すれば王者のものになる。  1R、サウスポー構えのヌルマゴメドフは左インローから。オーソのヒューズは右の蹴りのフェイント。オーソに構えたヌルマゴメドフはスイッチして左の蹴り、そのままオーソ、スイッチして左ハイ。  詰めるヒューズに左の蹴りを上下について間合いを保つ。オーソ、サウスポーと歩きながらスイッチするヌルマゴメドフ。圧力をかけるヒューズは左前手フックもまだ遠い。  左カーフを打つヒューズ。ヌルマゴメドフはサウスポー構えで左インロー。左回りから左ミド、左インローとジャブ代わりに蹴りを使う。ローブローとなり中断、再開。  詰めて蹴りから左前手フックを振るヒューズ。かわしたマゴメドフは左を突く。左ハイをかわしたヒューズは関節蹴り。マゴメドフの入りに左前蹴りもローブローに。中断、再開。  すぐに右前蹴りを突いたヒューズ。マゴメドフは左の蹴り。ヒューズの左足が赤く腫れる。左インローをこつこつ当てるマゴメドフ。詰めるヒューズをさばいてゴング。手数、有効打もヌルマゴメドフのラウンドに。  2R、左ジャブを当てるヒューズ。ヌルマゴメドフは右の前蹴り、サイドキック。さらにオーソから左の蹴り。ヒューズは右前蹴りでヌルマゴメドフに尻餅を着かせる。  すぐに立ち、シングルレッグに入るヌルマゴメドフを切ったヒューズ。詰めるヒューズに、左インローのヌルマゴメドフは詰めて組んで小外がけテイクダウン狙いも、残すヒューズ。  ヌルマゴメドフを押し込むが、体を入れ替えたヌルマゴメドフが右ヒザ! 離れ際に右ヒジ狙いも、離れたヒューズも右を交錯させる。シングルレッグに入るヌルマゴメドフをまたも切るヒューズ。ボディ打ちに、ヌルマゴメドフは珍しくおどけてみせる。  ヌルマゴメドフの右ジャブに左の蹴りを当てるヒューズ。ヌルマゴメドフはみたびシングルレッグに入ると首相撲ヒザ。突き放すヒューズはボディ打ち。  ワンツー右ローに繋ぐヌルマゴメドフ。ヒューズは笑みを受かべて左右からボディ打ちで詰めてゴング。ヌルマゴメドフ、ヒューズのどちらについてもおかしくないラウンドか。  3R、サウスポー構えのヌルマゴメドフ。明日いてスイッチし、左インロー。左ボディを狙うヒューズ。詰めると左右ジャブで間合いを保とうとするヌルマゴメドフ。「テイク・ディスタンス」のセコンドの声。ヒューズのワンツーをかわしてシングルレッグに入るヌルマゴメドフだが、切るヒューズ。  ヌルマゴメドフの左の蹴りがローブローに。中断もすぐに再開。圧力をかけるのはヒューズ。左右を突いてニータップでテイクダウン狙いのヌルマゴメドフだが、右の蹴りが振り返ったヒューズの股間に入り、減点。  再開。ヒューズの打ち終わりにダブルレッグからバックにつき、立ち際をリフトしてテイクダウンのヌルマゴメドフ! しかしヒューズも正対して立ち上がり。そこにヒジを突くヌルマゴメドフ。ボディストレートを突くヒューズ。力を使ったヌルマゴメドフはいったん離れる。  詰めるヒューズは、ヌルマゴメドフの左に左を合わせに行く。ヌルマゴメドフの組み、首相撲を突き放すヒューズは左で差して押し込み。右手を掴んで右を放つ。しかし、ヌルマゴメドフも左右で詰めると、押し込まれながらもヒューズは笑顔を見せて、ボディ打ち。減点のあるヌルマゴメドフ。ヒューズのラウンドに。  4R、右前蹴りから入るヌルマゴメドフ。前足を狙う。左インローも。ヒューズは右を突きながら前に。右ストレート。ガードするヌルマゴメドフはサウスポー構え。互いにインロー。手数が減ったヌルマゴメドフ。蹴りの数が減る。  左ボディストレートのヒューズ。ヌルマゴメドフはニータップのフェイント。中央を取るヒューズはヌルマゴメドフが頭を下げたところに右アッパー! 離れるヌルマゴメドフは右のサイドキック。左ジャブ。そこに右アッパー、左の返しに繋ぐヒューズ。  追うヒューズ。左右にサークリングしながら間合いを作るヌルマゴメドフは左ジャブ。そこに右前蹴りを合わせるヒューズ。ヌルマゴメドフの頭を下げた入りにヒューズも左で入り、バッティング。  いったんしゃがみ込むヌルマゴメドフに、額から出血も気にしないヒューズ。再開を望む。立ち上がるヌルマゴメドフも額が内出血で膨らむ。  インターバルを取って再開。互いに左を打つと右ボディを当てるヒューズ。しかし体力を回復させたかヌルマゴメドフはダブルレッグテイクダウン!  フルガードのヒューズ。上からヒジを狙うヌルマゴメドフに、下からもパンチ、ヒジを打つヒューズ。左右でヌルマゴメドフが押し込みゴング。ヒューズの打撃にヌルマゴメドフがテイクダウンパウンドで取り返したラウンドか。  5R、互いに中央に。左ジャブのヌルマゴメドフ。左インローも。ヒューズの右ローはかわす。左フックを見せるヒューズ。左回りで右手のガードを上げる。  右から左フックを強振するヒューズ。それをかいくぐってテイクダウンはヌルマゴメドフ! 片ヒザ立ちのヒューズに背後から右ヒザを連打! 動かないヒューズは正対して突き放そうとするするが、なおも足を手繰り崩すヌルマゴメドフ。  しかし半身からスイッチでバックを狙うヒューズが立ち上がり! 詰めるヒューズは右フックで組み。左で差すが、ヌルマゴメドフが体を入れ替える。再び体を入れ替え左ボディのヒューズ!  しかしヌルマゴメドフも右ストレートを当てて前に! 組みを切ったヒューズは前に。右ストレート、左ボディに後退したヌルマゴメドフにヒザも突くヒューズ。  それを掴んだヌルマゴメドフのバックに、またもスイッチから体勢を入れ替えたヒューズは、左ボディ! ヌルマゴメドフも打ち合いゴング。  トータルストライクはヌルマゴメドフ。判定は2-0(47-47, 48-46×2)でヌルマゴメドフが接戦を勝利した。試合後、ベルトを肩にかけたヌルマゴメドフは「彼は強かった。完全に油断した。テイクダウンはが上手くいかなかった。君はもっと強くなる」とコメント。ヒューズは「計画通りで勝ったと思ったけど悔しい。ベルファストで再戦したい」と語った。 [nextpage] ▼ヘビー級コーメインイベント 5分3R〇ワディム・ネムコフ(ロシア)19勝2敗[1R 3分08秒 リアネイキドチョーク]×ティム・ジョンソン(米国)18勝11敗  ヒョードルがセコンドにつく元Bellator世界ライトヘビー級王者ネムコフ。ヘビー級に転向し、2024年2月の前戦でブルーノ・カッペローザに2R 肩固めで一本勝ち。当初はアンテ・デリヤとの対戦が組まれていたが、デリヤが負傷欠場でジョンソンが緊急参戦に。ジョンソン3連勝から2024年8月の前戦PFLでデニス・ゴルツォフに1R TKO負け。  1R、オーソのネムコフにサウスポー構えのジョンソン。ジョンソンが左に頭を下げたところに右ハイを当てたネムコフ! ジョンソンは額から出血。  さらに右ハイ2発のネムコフ。ジョンソンは右フックで追うが、かわして左を当てるネムコフは右にサークリングしてシングルレッグテイクダウン。  立つジョンソンをバッククリンチで崩すと、ジョンソンも立ち上がり金網にもたれかかる。背後から小外で足を刈って引き出すネムコフは両足をかけてリアネイキドチョーク! タップを奪った。ネムコフは、1つのNCを挟み、13連勝。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇アフメド・マゴメドフ(ロシア)11勝1敗[2R 4分22秒 リアネイキドチョーク]×ネイサン・ケリー(アイルランド)11勝3敗  フェザー級。マゴメドフはBRAVE CFから2022年7月にBellator参戦。初戦でケビン・ボエムに1R一本勝ちした後、2023年2月の2戦目でヘンリー・コラレスに判定負けでMMA初黒星を喫した。2年ぶりの復帰戦。28歳。  SBGアイルランド所属のケリーは、現在アラブ首長国連邦在住。PFLヨーロッパで勝利し、2024年はBellatorチャンピオンシリーズで2戦連続1Rフィニッシュ勝利で11連勝中、27歳。  1R、ともにオーソドックス構え。右カーフを当てるケリー。サウスポー構えになるマゴメドフ。シングルレッグからヒザ蹴りも突き放すケリー。詰めるマゴメドフはシングルレッグから脇潜りバックから持ち上げテイクダウン。すぐに立つケリーは近距離で右ヒジ!  下がるマゴメドフを追うケリーにガードになるマゴメドフ。背中に乗りシングルバック奪いのケリーはリアネイキドチョーク狙いも、着地したケリーをシングルレッグで押し込みヒザ。ローブローとなり、中断。  再開。この時間でダメージを抜いたか。マゴメドフが詰めてダブルレッグテイクダウン。両足を束ねてパウンド、足を抜いて立とうとするケリーにマウントで右で背中ごしに送り手を掴んで左のパウンド!  2R、左右を振って早々にダブルレッグテイクダウンのマゴメドフ。ケージを使って立とうとするケリーの左足を4の字ロック。立ち際にバックからリアネイキドチョーク狙い。  仰向けになるとニアマウントでパウンド。半身で凌ぐケリーだが動けず。背中を着かされてパウンドを受ける。左のパウンドの連打にたまらず背中を見せたケリーの身体を伸ばしてリアネイキドチョークを極めた。マゴメドフは2年ぶり復帰戦で、11連勝中だったケリーに一本勝ち。 [nextpage] ▼キャッチウェイト 147ポンド契約 5分3R〇イブラヒム・イブラヒモフ(英国)9勝0敗[判定3-0] ※30-27×3×ケニー・モホノアナ(アイルランド)※体重超過 5勝2敗  1R、左で差して組むモホノアナを首投げでテイクダウンを奪うイブラギモフ。そのままサイドで押さえ込むイブラギモフにハーフに戻したモホノアナは、腰を切りフルガードにする。    ケージまで這うモホノアナにバック狙いのイブラギモフ。上体を立てて座るモホノアナを横に寝かせてサイドを奪うイブラギモフは、サイドにつくと立ち上がるモホノアナ。  イブラギモフは片ヒザ立ちのモホノアナにヒザを突いて、離れ際にバックスピンキックを突く。  2R、モホノアナの左フックにカウンターのダブルレッグテイクダウンはイブラギモフ。モホノアナの立ち際にバックを奪い、両足フック。  送り手を掴むと亀になるモホノアナ。ニアマウントのイブラギモフにキムラを組んで回そうとするが体勢は捨て身。サイドに回るイブラギモフに、背中を見せながら立つが、ボディロックでテイクダウンのイブラギモフ。  サイドからボディにヒザを突くイブラギモフ。肩固め、バックを狙いつつヒザを突く。モホノアナが前転しての足関節狙いも鉄槌で潰してゴング。1Rに続きイブラギモフのラウンド。  3R、サウスポー構えから、前手のフックで攻めるイブラギモフは、モホノアナの首相撲ヒザにボディロックから大内刈テイクダウン!  下のモホノアナはギロチンチョーク狙いも首を抜いて立ち際のモホノアナをバッククリンチでコントロール。背後にスープレックスで投げるとモホノアナのアームロックを潰してサイドからヒザ。  立ち上がるモホノアナの前進に、イブラギモフは右の後ろ廻し蹴りでモホノアナに尻餅を着かせてゴング。判定3-0(30-27×3)のフルマークで、ガジ・ラバダノフがセコンドにつくイブラギモフが勝利した。イブラギモフは9戦無敗に。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇レナット・ハバロフ(ロシア)9勝0敗[判定3-0] ※30-27, 29-28×2)×クレイヴァー・フェルナンデス(ブラジル)9勝2敗  バンタム級戦。ハビブ・ヌルマゴメドフ、イスラム・マカチェフがセコンドにつくハバロフはダゲスタン出身。8勝無敗(6KO)で前戦はUAEウォリアーズで吉野光を2R TKOに下している。対するフェルナンデスは修斗ブラジル、centurion FCを経て参戦。9勝1敗。  1R、先に右ローのサウスポー構えのハバロフ。オーソのフェルナンデスは、ハバロフがスイッチすると右ロー。右フックのハバロフに右を返すフェルナンデス! 細かいステップで右前手のフック、ジャブだがまだ遠い。  右を突いて組んだハバロフ。首相撲から体を入れ替えたフェルナンデスを再び押し返し、互いにヒザ蹴り。押し込むハバロフが左ヒジを打ち込む。  四つで体を入れ替えるフェルナンデスは右で差して押し込み。両差しにして左で煽るが、戻すハバロフ。フェルナンデスはクラッチして小外がけで崩して両手を着かせてバック! すぐに立つハバロフの背中に乗ってリアネイキドチョーク狙いでゴング。  2R、先に中央を取るハバロフはオーソに構え右ジャブ、右の前蹴り。フェルナンデスも右の蹴り、ハバロフは右を突いて組みに。左で差して押し込むハバロフにいったん体を入れ替えたフェルナンデス。すぐに体を戻して押し込み、左で差して崩そうとするハバロフだが、体を戻すフェルナンデス。  押し込みながら右を打ち込むハバロフは、体を入れ替えようとしたフェルナンデスのバックにつくとリフト。着地したフェルナンデスはキムラクラッチで引き込むが、外して落とすハバロフ。下から蹴り上げのフェルナンデスに、ハバロフは上から蹴り。ブレーク。右ストレートで前に得るフェルナンデスをかわすハバロフは右前手のフック。  3R、先に前に出るフェルナンデスは右。ハバロフは右ボディ。さらに右ジャブをヒット! フェルナンデスも右を返すと、右ローも。蹴り足を掴んでテイクダウン。すぐに立つフェルナンデス。ハバロフは右ジャブを突き、左。飛び込んでダブルレッグ狙いも差し上げて体を入れ替えるフェルナンデス。  両差しから左で差すフェルナンデスに、右ヒジのハバロフは体を入れ替え、右ヒジ! 右ヒザ。左小手巻くフェルナンデスに左ヒジのハバロフ。テイクダウンには行かずに押し込み打撃。  クラッチ狙うハバロフに、差し上げるフェルナンデス。そこに右ヒジはハバロフ。休まずヒジ・ヒザのハバロフ。突き放したフェルナンデスが前に。サウスポー構えのハバロフの左は大きい。フェルナンデスが左ジャブ。ハバロフは右関節蹴りでゴング。  判定3-0(30-27, 29-28×2)でハバロフが勝利した。ハバロフは9戦無敗に。 [nextpage] 【プレリミナリー・カード】 ▼キャッチウェイト 199ポンド契約 5分3R〇アフメド・サミー(エジプト)※体重超過[1R 5分00秒 TKO] ※パウンド×テレク・スーレマン(シリア)※体重超過 ▼ライト級 5分3R〇ミラフザル・アフタモフ(ウズベキスタン)[2R 2分50秒 肩固め]×マイク・トンプソン(英国) ▼フライ級 5分3R〇ハディ・オマール・アル・ハサニ(アラブ)[判定3-0]×ルエル・ペニャレス(フィリピン) ▼ライト級 5分3R〇ジョン・ミッチェル(アイルランド)[判定3-0]×スーイル・タイリ(アルジェリア) ▼ミドル級 5分3R〇ヘイダー・カーン(英国)[1R 3分18秒 TKO] ※×モスタファ・ナダ(サウジアラビア) ▼アマチュア・ライト級 5分3R〇タラル・アルカラフ(クウェート)[判定3-0]×サイード・アルホサニ(アラブ首長国連邦)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.336
2025年1月23日発売
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント