2019年9月29日(日)東京・後楽園ホールで開催された『RISE 134』の大会後、伊藤隆RISE代表が大会総括と今後の展望について語った。
13試合中9試合がKO決着となった今大会。メインイベントのRISEスーパーライト級タイトルマッチで10戦無敗のまま新王者となった山田洸誓(正道会館KCIEL)について、「彼は65kgが適正ですが体重に幅を持たせていろいろな日本人選手とやってもらいたい」と、スーパーライト級にこだわらず上下の階級でも活躍してほしいと期待をかける。
山田自身は自分の階級でのWORLD SERIES開催を希望していたが、「来年のWORLD SERIES(世界トーナメント)は63kgで企画中です。山田選手が落とせるならぜひ検討してほしい」と、今回-61kg級で優勝した白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が王者として君臨するライト級での開催が濃厚だと明かした。現在ライト級にはランキング1位の秀樹(新宿レフティージム)、連勝中の原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)、今大会でも初回KO勝ちしたRISEの激闘王・北井智大(チームドラゴン)ら強豪がひしめている。
また、「ASIA SERIESを55kgでやろうと考えています。WORLD SERIESとしてやってもいいのですが、世界に55kgはあまりいないので。55kgはアジアが最強なのでASIA SERIESとしてやろうと思っています。来年は1万人規模の会場で3大会やります」と、鈴木真彦(山口道場)がRISE王者として君臨するバンタム級でアジア最強決定戦を行うプランも。
今大会でRISE QUEENミニフライ級(-49kg)王者となった寺山日葵(TEAM TEPPEN)は、試合後に一階級下のアトム級(-46kg)王者・紅絹(NEXT LEVEL渋谷)との“チャンピオン対決”をアピール。両者は2018年2月に『J-GIRLS』で対戦し、寺山が判定で勝利している。
このアピールがあった直後、紅絹は自身のSNSにて「おー! やろうぜ!! 負けた借りはリングで返す」と対戦を承諾。伊藤代表もこれを受けて「紅絹選手とも相談して、11月の女子大会がいいのか、それとも1試合挟むのか決めます」と、早ければ11月に開催が決定したRISE女子大会で実現する見込み。
RISEバンタム級1位・結城将人(TEAM TEPPEN)をKOし、王者・鈴木真彦への挑戦を表明した同級2位・良星(=らすた/平井道場)については「いいと思います。1位に勝ったのでタイトルに挑戦する権利はある。半年以内に実現させたいですね。1月か3月か。チャンピオンと相談します」と、次期挑戦者になることがほぼ決定。
KNOCK OUTの激闘王・水落洋祐(エイワスポーツジム)を初回KOでマットに沈めた北井智大が、「自分タイトルマッチしたことないんですけれど、やらせてください」と同じくライト級タイトルマッチをアピールしたが、「北井選手はもう少し揉みたいですね。ライト級は原口(健飛=5月に北井に勝利している)選手が飛び抜けている状態なので、その下に北井選手がいるのが現状です。しかし北井選手は毎回いい試合をする門番的な役割、RISEの顔になっているのでチャンスを考えていきたいです」と、タイトル挑戦にはもうひとつ実績が欲しいとした。
また、特に印象に残った選手としては新人王トーナメント「RISING ROOKIES CUP」で優勝した3選手とスーパーフライ級で対戦した4選手の名をあげた。スーパーフライ級4位・京介(TOP DIAMOND)が無敗だった同級8位・須田翔貴(TEAM TEPPEN)に土をつけ、風音(TEAM TEPPEN)はISKAインターコンチネンタルフライ級王者で元新日本キックボクシング協会フライ級王者の麗也(BeWELLキックボクシングジム)を破る番狂わせを起こした。「今後は53kgが凄く面白くなる」と伊藤代表。
「RISING ROOKIES CUP」ではスーパーフェザー級(-60kg)で中澤良介(TRY HARD GYM)、フェザー級(-57.5kg)で大澤辰徳(蹴空ジム)、スーパーフライ級(-53kg)で吉村凌仁郎(BLA-FREY)が優勝。大澤と吉村はKOで決勝戦を制した。「勝った方の選手だけでなく、負けた方の選手もよかったので、今後どんどん試合経験を積ませていきたい」と話した。<関連記事>9・29「RISE 134」の全試合結果と写真・レポート