タックルされてヒジをマットに着いている状態とかは、まだ寝かされているわけではない
──シェイドラエフ選手がテイクダウンのために組んで、久保選手がコーナーを使ったとしても、シェイドラエフ選手には武田光司選手を引っこ抜く力がある。それを背中を着かずに立ち上がってスタンドに戻す「我慢の展開」も想定していますか。
「そうですね、本当にいろんな局面、自分が不利になる局面の練習を結構してきたので、自分でも楽しみです。練習通りにできるといいなと。これまで練習通りにしてしまうという、ハードルは上がってしまいましたが、やってきた練習が出たらいいと思います」
──理想としては斎藤裕戦のようにほぼ全てのテイクダウンを切って、スタンドで久保選手のペースにすることでしょうか。
「理想は開始5秒くらいでバーンて一撃決めちゃうことかな」
──そういうタイプでしたか?
「どうだろうな(笑)。蹴りでもパンチでも当たれば効く、当たれば倒せるので……太田忍のとき、開始数秒で当たったけど太田選手が復活してテイクダウンされたんだ……ちょっとダメだった。安易にいかずにしっかりじっくり時間を使って仕留めるというところは自分も学んできたので、当日楽しみにしていただけたらと思います」
──寝技にまぐれはないと。打撃にまぐれは?
「ラッキーパンチは大いにある。ただし技術、角度やスピード、打ち方、ポジショニング、立ち位置で、限りなく可能性を減らせる。ラッキーパンチをいかに減らすか、が立ち技においての技術だと思っています」
──そこにはかなり自信がありますよね。
「ナン10年も研究してきたので、弟とずっと一緒にやってきたこと。そこでその技術で負けない自信を持っている」
──「寝たら死ぬ」とカード発表時に言っていました。寝かされて立つ自信は?
「どうなんですかね? 背中着かされたらもうやられると思います(苦笑)」
──残り1分なら我慢できるとか?
「でもない。冷静に考えてあの武田選手が片手でバックチョークで敗れる。僕が背中着けられたら負ける。でも背中着けられてからがテイクダウンなので。タックルされてヒジをマットに着いている状態とかは、まだ寝かされているわけではないので、当日頑張りたいです」
──MMA打撃を成長させるうえで意識していることは?
「まず距離感、オープンフィンガーグローブと通常のボクシンググローブの違いです。テイクダウンがあることによって使える・使えないもの、有効なもの──それをずっとやってきましたね」
──「10回のうち5回勝てる」その最初を引くうえで必要なことは?
「神頼み。神様、仏様、サラ様。そこですね、本当。お願いします! っていう感じ」
──サラさんの応援があり、勝利が近づくと。
「そうですよね。不純な動機かもしれないけど人間は何か欲がないと原動力にならないと思っているので、そこはすごく大きくて、だからこそ試合に勝ちたい。目標。ただまあ、本当に10回に5回、2回に1回、半分の確率をいかにして最初に持って来れるかは、自分もかなり練習してきたので、用意した必殺技が決まればすぐ終わりますけど、なかなか戦いって相手もめちゃめちゃ練習してきて勝つつもりなので、なかなか分からないので、地道に自分がやってきた練習、反復してやってきた技術が生きてくるんじゃないでしょうか」