2024年12月30日(月)神奈川・横浜武道館『KNOCK OUT K.O CLIMAX 2024』(U-NEXT配信)にて、「KICKBOXING JAPAN CUPスーパーバンタム級トーナメント」に出場するスック・ワンキントーン・スーパーバンタム級王者の森岡悠樹(北流会君津ジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
森岡はKNOCK OUTを主戦場とし、2023年に「スックワンキントーン」にてスーパーバンタム級トーナメントを全試合KOで制して自身初のベルトを獲得。8月にはK-1 GROUPとの対抗戦で内田晶を初回KOに仕留めて殺傷能力の高さを証明したが、9月に古木誠也に初回KO負けを喫した。2024年5月の『ONE Friday Fights 62』に初参戦すると、ペイマン・ゾルファガリにダウンを奪われる劣勢もノーモーションの右ストレートで逆転KO勝ち。6月にシュートボクシングに初参戦するも山田虎矢太にTKOで敗れた。11月の1回戦では真琴の規定体重オーバーによる失格で準決勝へ進出(ワンマッチで真琴とドロー)。戦績は16勝(9KO)10敗2分。
自分が一番オイシイ
──11月の真琴戦はトーナメント1回戦となるはずが、真琴選手が体重オーバーによって失格となり、ワンマッチとして行われました。あの試合を今振り返ると?
「トーナメントを盛り上げるためにも倒そうと思って、攻めよう攻めようという気持ちでいったんですが、うまく攻めることができず、ここ最近でもなかったような、何とも言えない試合になってしまいました。自分の中でも反省しかない試合でした」
──真琴選手はNJKFの現役チャンピオンですが、身長も高くて、森岡選手としては普段あまり当たらないようなタイプだったのでは?
「そうですね、自分と同じぐらい背が高くてヒジがうまい選手で、あまりいなかったかもしれないですね。テクニックがあるなというのは感じました」
──ただそれ以前に、計量オーバーでトーナメント失格になったのは残念でした。前日計量でそれが分かったわけですが、当日戦う気持ちには影響しましたか?
「気にしないようにしようと考えて試合に臨んだんですけど、始まってみたらあんな中途半端な試合をしているので、多少なりとも影響はあったのかなとは思います。正式なトーナメントの1回戦として戦っていたら、お互いにもっと激しい試合ができたんじゃないかなと」
──今回の準決勝・決勝に向けて、気持ちは切り替えられましたか?
「終わってすぐは落ち込みましたし、『このまま自分が準決勝に上がっていいのか?』という気持ちもあったんですけど、逃げ出すわけにもいかないですし、すぐに『やってやろう』という気持ちに切り替えられました」
──準決勝に残ったのは『KNOCK OUT』勢3人と前田大尊選手という4人になりました。そこはどう思いましたか?
「素直にうれしかったですね。自分が主戦場にしている『KNOCK OUT』の2人が上がってきてくれて、彼らは敵ではありますけど、『やっぱり自分はいい団体で戦えていたんだな』と思えました」
──準決勝の相手は、会見での抽選で古村光選手になりました。古村選手とは4年前に対戦していますね。
「抽選の時は、壱・センチャイジム選手か古村選手のどちらかと対戦したいと思っていたので、そこはよかったですね。前回の対戦はちょうど4年前で、十数戦ぐらいはしていた頃だったと思います。古村君はもっと少なかったと思いますけど」
──あの試合は古村選手の延長判定勝ちでしたが、今になって振り返ると?
「1Rはたぶん自分がポイントを取ったんですけど、そこから延長まで行って逆転された試合でした。あれは本当に、スタミナと気持ちで負けた試合でしたね」
──2年前ぐらいまではスタミナが弱点と言われていましたよね。
「まさにその頃ですね。特に古村戦は、ポイントを取っても取り返されてという感じで。試合後に彼と話したら、『1日3部練はやってます』ということだったので、その差を本当に痛感した試合でしたね。でも、今はそこを強化して、スタミナも気にせず、最後まで攻められるようになったので、あの頃とは全然違います。以前はスタミナのことで頭がいっぱいで、自分がやりたいことよりもスタミナが切れないことの方が大事という感じでしたから(笑)。やっと戦える感じになってきたと思います」
──前回の試合での古村選手の印象は?
「パワーがすごいなと思いました。あの時は蹴りが多かったんですけど、その蹴りのパワーがとにかく強かった印象です」
──古村選手もそこから成長を重ねて、1回戦では佐野佑馬選手にいい勝ち方をしましたが、今の古村選手についてはどう感じていますか?
「今もパワーがあるなというところが一番ですね。乗りに乗っている時は1Rからパンチで倒せるという印象で、パワーに加えて倒せるテクニックもついてきていると思います。今は周りにいい選手がたくさんいて、けっこういい練習ができていると思うので、そういうところも注意しています」
──今回はどういう試合をして、どう勝ちたいと思っていますか?
「自分はこのトーナメントを盛り上げたいということが第一なんですけど、1回戦では全然盛り上げられなかったので、それができた上で、やっぱり倒して勝ちたいですね」
──優勝するには2試合勝たなければいけません。ワンデー・トーナメントというところについては?
「ワンデーは初めてなんですよ。やったことがないという点についての不安はあるんですけど、そこを考えていると準決勝も中途半端になってしまうし、間に時間が空けば大丈夫かなとも思うので、準決勝は100%の力を出していこうかなと思っています」
──先ほどのお話からすると、決勝戦では壱選手と対戦したい?
「そうですね、当たりたいです。リベンジしたいという思いも強いですし、『KNOCK OUT』のイベントで戦うことになるので、決勝にはチャンピオンに上がってきてもらった方が盛り上がると思いますし」
──古村選手、壱選手にリベンジして優勝となると……
「一番最高ですよね(笑)。自分が一番オイシイと思うので、自分のためのトーナメントぐらいに思って臨みます」
──優勝すれば、『55kgヒジあり日本一』という称号も得られるし、その後改めての王座挑戦も見えてくるでしょうし、もう一つ、賞金300万円というのもあります。
「デカいですよね(笑)」
──急に声がほころびましたね(笑)。
「金額がデカすぎてよく分からないんですけどね(笑)。もし獲得しても、そんな大きな使い途は思い浮かばないので、まずはお世話になった人たちに恩返しができればと思っています。あとは、これからのためにも使っていきたいと思います」
──あと、会場が横浜武道館です。大きな会場でのビッグマッチですが。
「大きいところでやれるのは本当にありがたいですし、今発表されている他のカードも、『KNOCK OUT』のメイン級の選手がみんな出ていて、すげえ大会になると思いますし、その中でもインパクトを残さないといけないと思うので、さらに気合い入れていこうと思います」
──ズバリ、優勝の自信は?
「100%あります!」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「倒せるというところ、倒しにいく気持ちから見てもらいたいです。テクニックでチョコチョコチョコチョコやる試合は、見る人が見れば分かると思うんですけど、そうじゃなくて、誰が見ても分かる面白い試合を、55kgで目指していきたいと思っているので。その部分を見てほしいです」