ついにOFGを着用しての試合に臨む名高
2024年12月26日(木)東京・TDCホール『-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2024』(U-NEXT配信)の第9試合で、バックチョー・シックンナ(タイ)とオープンフィンガーグローブ着用ムエタイルールで対戦するラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王者・吉成名高(エイワスポーツジム)。
12月1日にラジャダムナンスタジアムタイトル防衛戦で勝利したばかりの名高が急遽SBのリングに初参戦する。現在34連勝中、ムエタイ界のパウンドフォーパウンド(PFP=全階級で体重差のハンデがない場合、誰が最強であるかを指す称号)と呼ばれている名高がキャリア初のOFGマッチでどのような動きを見せるか。
首相撲の展開でもさらに面白いものを
――12月1日のRWS JAPANでラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級タイトル3度目の防衛に成功したばかりですが、まさかのSB電撃参戦に驚いたファンは多いかと思います。
「1日の試合が終わって、中川(夏生)会長からSBさんのお話を聞いて2日後くらいに出場することを決めてからすぐトレーニングを再開しました」
――1日の試合後のマイクアピールでは「今年の試合はこれで終わりだと思います」と言われてましたが、年内にもう1試合しようと思った決め手は何ですか。
「SBさんの興行にはタイの選手が結構出たりして注目のカードが多いのでよくチェックをしていて、しかも今回は5年ぶりの『GROUND ZERO』開催ということで、お声が掛かったからには自分も少しでも盛り上げることができればなと思って参加しようと思いました」
――キャリア初のオープンフィンガーグローブ(以下OFG)着用ということで躊躇はなかったですか。
「従兄弟の士門が先日のONEに出てOFGのムエタイの試合で凄い勝ち方をしたことが刺激になったことや、今主戦場にしているRWSではスーパーフライ級で対戦相手が見つからないからONEに出た方がいいとタイ人関係者から言われつつある中、自分の今後の選択肢の中にはONE参戦もあるので、自分がOFGをはめてどんなパフォーマンスができるかというのを知っておく上でも今回の機会はすごくいいなと思いました」
――実際にOFGをはめて練習した感触はどうでしょうか。
「実際打ってみて、もっと拳を痛めるかなと思ったんですけど、意外と全然そんなことはなかったですね。実際に試合ではめるSBのOFGを支給していただいたんですけど、そのOFGが結構握りやすく、パンチに力が入るなと思いましたし、タイ人のクン先生からは『いつもよりパンチが硬い』と言ってくれたので、結構手応えを感じています」
――名高選手のパンチは速すぎることでも有名ですが、OFGは通常のグローブよりも軽いことでパンチを打ったときに自分の目がそのスピードに追いつかなくなるのでは?
「あはは! そこは大丈夫ですが(笑)、OFGはグローブよりもサイズが小さいので相手の攻撃は結構見えやすいと思いました。士門と試合の時期が近かったので、一緒に目鳴らし程度にOFGをはめてマススパーをやった時に、このパンチは当たりそうだなとか、このパンチは見えるなとか、このパンチにちょっと気をつけなきゃなといったいろんな発見がありました」
――パンチのスピードアップもそうですが、OFG着用で首相撲の展開では相手を組みやすいだけにさらにこかしやすくなりますよね。
「そうですね。手首の使い方で相手のバランスを崩したりすることが僕は得意なので、それが首相撲の展開で活きるなと思いました。OFG着用だと足をかけずに体さばきだけで相手をぶん投げることもできる感触があったので、首相撲の展開でもさらに面白いものを見せられると思います」
――振れた瞬間に相手をこかしたりも?
「そうですね。それこそタイミング次第で、相手は何が起きたかわかんないぐらいに転ばせることもできるんじゃないかと思います。今までの試合では見せられなかった、新しい一面の僕を見せられるんじゃないかなと思っています」
――対戦相手のバックチョー選手に関しては、会見以降、追加情報は入手されたんですか?
「タイ人はFACEBOOKを結構使うので相手の名前で検索したら、OFGをはめてジムで練習している動画がありました。ちょっと背が高く、右ミドルを蹴って首相撲になったらヒジは得意としているような感じだったのですが、僕のスピードにそれを合わせられるかといったら難しい話になってくると思うので、僕はスピードを使って翻弄していきたいと思います」
――今回の『GROUND ZERO』ではMMAルール、RISEルール、KNOCK OUT-BLACKルールといろんな試合がある中で、どういった試合を見せたいですか。
「自分のOFGのデビュー戦ということで注目度が高いと思うので、怖い一面を見せたいと思いますね。ムエタイの破壊力だったりとか、一発で会場が沸くような威力、スピードのある攻撃を見せて、やっぱりムエタイの試合はスリリングだった、面白かったと言われたいですね」
――今回、本戦13試合の中で第9試合となりましたが、メイン以外の試合順になるのは相当久しぶりですよね?
「そうですね、セミとかメインが多く、試合順が真ん中からちょっと上ぐらいになるのはかなり久しぶりかもしれないですね。部外者の僕なのでまずないことですが、SBさんのリングでメインを任されるとなるとかなり荷が重くなるので(苦笑)、ちょうど最高な順番に組んでいただきありがとうございますという感じです(笑)。自分の試合が終わったら、山田ツインズ&笠原お兄さんとONEとの対抗戦や海人選手の試合を注目して見たいと思います。」
――名高選手と同じく、世界のトップ戦線で戦っている海人選手と同じ大会に出るというのもなかなかないことですよね。
「今までにお会いしたこともなかったと思うので、今回をきっかけに少しお話しできたらなとは思いますね」
――海人選手にインタビューし名高選手の参戦について聞いたところ、「ヒジありのムエタイルールであれば、階級を抜きにして考えたら日本人で吉成選手が一番強いと思うので、そういう意味で同じ70kgの選手であればやりたいと思う選手」とのことでした。
「階級はもちろん違うので海人選手とやることは絶対ないですけど、海人選手は日本の格闘技界を引っ張っている選手の一人なので、そういうふうに言っていただけるのはすごく光栄ですし、僕もいい試合をしなきゃなと気が引き締まりました」
――では海人選手以上の試合内容も見せますか?
「せっかく出るからには今日一番面白かったと言ってもらえるような試合をしなきゃいけないと思いますし、ムエタイの試合は僕だけなので、そこの責任感もすごく感じているので、どの試合よりも僕が輝く試合をしたいと思います」
――最終的にどういった勝ち方をしたいですか?
「OFGで自分がどういう動きができるのかも確認したいところもあり、試合の駆け引きの中で技にこだわりはないですけど、大きな一発を当ててパシッと決めたいですね」
――では最後に試合を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。
「今回、唯一OFGのムエタイルールの試合をやらせていただいているということで、僕の初のOFGの試合はどういった試合になるのかにぜひ注目してもらって、必ず最後はバチッと倒して会場を盛り上げて皆さんに楽しんでもらえるような試合をするので、ぜひ応援よろしくお願いします」