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【RIZIN】鈴木千裕「以前よりも前に出られるようになった」、サトシ「今回は極めたい」、元谷友貴「(差は)試合して分かること」×秋元強真「いつも通り左でフィニュシュ」=大晦日『RIZIN DECADE』(後篇)

2024/12/24 21:12
『RIZIN DECADE』の合同公開練習が15日、都内で行われ、鈴木千裕、ホベルト・サトシ・ソウザ、伊澤星花、神龍誠、元谷友貴、秋元強真、武田光司、新居すぐる、矢地祐介、桜庭大世、上田幹雄、YA-MAN、大雅らが登場した。その質疑応答の前篇、中篇に続き、後篇と見どころを紹介したい。 ▼RIZINフェザー級(66.0kg)タイトルマッチ 5分3R 鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)王者クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)挑戦者  RIZINフェザー級王者の鈴木千裕に、クレベル・コイケが挑戦する『RIZIN DECADE』のオオトリのタイトルマッチ。  1年半前の北海道大会では、クレベルのテイクダウンプレッシャーのある打撃に鈴木が後退してロープに詰まり、ダブルレッグテイクダウンから送り手をつかまれて背中を着いた。そのままマウントを奪ったクレベルはパウンドで鈴木の脇を開けさせて、コーナーに詰まるなか、体勢を返されないように仰向けにならずにS字マウントからうつ伏せに腕十字を極めてタップを奪った。  しかし、400gの体重超過規定により試合はノーコンテストに。その後、鈴木は70kgでパトリシオ・ピットブル、アゼルバイジャンでヴガール・ケラモフ、2024年4月の前戦で金原正徳をKOして第5代RIZINフェザー級王座についている。  クレベルは鈴木戦後、金原に攻略されたものの、斎藤裕、フアン・アーチュレッタといった元王者たちに一本勝ちし、今回の再戦=王座挑戦を決めた。  4月の金原戦後、6月の五味隆典とのボクシングマッチでの右手骨折を経て、半年ぶりにリングに上がる鈴木は、8カ月ぶりのMMA戦に向けてどんな進化を遂げたか。  金原のテイクダウンを防ぎ、スタンド勝負に持ち込んだ鈴木は、クレベルとの再戦でもテイクダウンを防ぎ、あるいはバックを譲らず立ち上がりスタンドに戻すことができるか。  ATTで合宿中のクレベルにとっては、立ち合いで大きな被弾をせず組みからテイクダウンし極めに至る押さえ込みが出来るか。  この1年半、互いのチームでどのような進化をとげたか。ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、カルシャガ・ダウトベックらも大晦日に参戦し、群雄割拠のフェザー級戦線の2025年最初のチャンピオンは、鈴木か、クレベルか。 鈴木千裕「今回は、僕がやりたいことをやれば絶対に勝てる」 鈴木「(現在の調子は)右(拳)、治りましたね。間に合って良かったです。ご心配をおかけしました。ありがとうございます。感覚的に9割、試合で100%になりますね。 (練習で公開したヒザ蹴りはクレベル対策?)やっぱりタックルに入ってくる選手にはヒザは嫌ですし、打撃はすごい有利に働きますね。(ここまでの進化で)一番感じているのは、以前よりも前に出られるようになりましたね。下がらないっていうか。内気なところももちろん自分あるんですけど、やっぱりチャンピオンなって、勝利重ねるにつれて、もっと自信持って前出られるようになったんで、技術云々よりもやっぱ気持ち、自分を信じるのが強くなりましたね。  クレベル選手に限らず、RIZINのなかで僕がもっとも貪欲だと思っているんで。KO決着、やっぱ KOで終わらせるのが一番じゃないですか。それが僕は出来るんで。  あくまでMMAなんで、もちろん組まれても対策できるように自分なりに練習して積み重ねてきたん で、前回僕はやりたいことができなかった。彼はやりたいことができた。だから今回は、僕がやりたいことをやれば絶対に勝てるんで。自信持って、前回の失敗、自分のダメなところを見直して、約1年ちょい仕上げてきたんで、その答え合わせをしますよ。 (山口元気代表のミットは)やっぱ僕の先生であって、格闘技の父親なんで、呼ぶのが筋だなっていう。あとは持ってもらいたかったです。  全員“感電”させるんで、試合楽しみに来てください。応援よろしくお願いします」 [nextpage] ホベルト・サトシ・ソウザ「打撃も寝技も両方自信がある。判定にはいかない」 ▼RIZINライト級(71.0kg)タイトルマッチ 5分3Rホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術/王者)ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン/挑戦者)  王者サトシは2021年6月にRIZINライト級GP2019王者のトフィック・ムサエフと王座決定戦を争い、三角絞めで初代ライト級王座に就いた。  同年12月31日には矢地祐介に一本勝ちで初防衛、2022年4月にはジョニー・ケースにも一本勝ちで2度目の防衛に成功。  2023年7月の『超RIZIN.2』では、AJ・マッキーの欠場を受けて、試合1週間前オファーでパトリッキー・ピットブルと対戦も3RにパウンドでTKO負けした。  2024年3月の再起戦では中村K太郎からハイキックでダウンを奪い、パンチの連打で初回KO勝ち。  9月の前戦では4連勝中だった“最強挑戦者”ルイス・グスタボを相手に1R 21秒、右のショートから左フックでダウンを奪ってのパウンドでTKO勝ち。3度目の王座防衛に成功している。戦績は17勝3敗。  対するケラモフは、2023年7月の『超RIZIN.2』のRIZINフェザー級王座決定戦で朝倉未来をリアネイキッドチョークに極めて戴冠。同年11月の『RIZIN LANDMARK 7』アゼルバイジャン大会での鈴木千裕戦で、下からの蹴り上げを受けてKO負け。王座陥落した。  2024年11月17日、1年ぶりとなる復帰戦で摩島一整と対戦し、右フックでダウンを奪い追撃のヒジ打ち連打でTKO勝利。今回は、大晦日のビッグマッチ出場を望み、階級上のライト級でサトシの王座に挑む。  大晦日後はフェザー級王座奪還を目指すケラモフは、フェザー級に戻る意向を示しており、サトシとの1発勝負で二階級制覇と、盟友ムサエフのリベンジも目論む。  日本柔術界の至宝として、グラウンドでのフィニュシュを量産してきたサトシは近年は、打撃での進化が著しく、K太郎戦、グスタボ戦でも寝技を見せることなく、勝負を決めている。  ケラモフは、強靭なフィジカルをもとに、強い圧力から繰り出す打撃で先制し、テイクダウンからも際の強さで中島太一、堀江圭功、朝倉未来を極めている。  序盤のスタンドで優位に立つのはどちらか。そして組み技になったときに、ともに種類の異なる寝技は、どちらが上回るか。  サトシがRIZIN最多となる4度目の王座防衛に成功するのか。それともケラモフが堀口恭司に続き、RIZIN史上2人目の二階級王者になるか。 サトシ「最初は絶対に彼が思い切り打撃で来るから──」 サトシ「本当に打撃は長く練習してるから、もちろん私の先生がいて自信がある。試合の時だけはちょっと緊張とか、ちょっと硬いから、束ってなかったけど、今年はよく打撃ができましたから、多分今年からもっと私の打撃は自信持って上がってます。 (今回、打撃戦になったら当てる自信がある?)もちろん。それでもう本当に多分これから、私の打撃は自信があります。 (体重をアップしてきたケラモフについて)彼はフェザー級で大きいから、ライト級でもそんなに変わらないなと思います。 (ケラモフより自分が上回ってるところは?)もちろん打撃も寝技も両方、自信がある。打撃でもグラウンドでも。今回いつもと一緒、絶対、判定にはいかないです。 (勝負の鍵は?)よく考えるけど、最初は相手が打撃来ると思っていて、その後にグラウンドか打撃か……まだまだ本当に色々考えるけど、最初は絶対に彼が思い切り打撃で来るから(そこの対応)それだと思います。 (フィニッシュは?)さっきと同じで、私は打撃もグラウンドも自信があるから、でも今回は極めたいですね、本当に。今年はちょっと柔術を全然使ってないから。見せたいですね。 (いきなりランカーと対戦できるならUFCにも興味があると?)そうですね、本当に出来るなら、朝倉海と同じくらい、すぐにランキングの選手とやれるならもちろんちょっと興味ありますね。でもそれはないだろうから、もう大丈夫、RIZINだけでいいから。 (RIZINのチャンピオンということにプライドを持っている?)そう、朝倉海と同じぐらいですね。今年3回目の私の試合、大晦日、応援よろしくお願いします」 [nextpage] 元谷友貴「フィニッシュを目指す」vs 秋元強真「『寝技が強くない』と言われるけど──」 ▼RIZINバンタム級(61.0kg)王座次期挑戦者決定戦 5分3R元谷友貴(アメリカン・トップチーム)秋元強真(JAPAN TOP TEAM)  バンタム級王座次期挑戦者決定戦。  元谷は、第3代DEEPフライ級&第7代DEEPバンタム級王者。アメリカントップチームに所属し、2023年12月にRIZINで熱闘の末、ヴィンス・モラレスに判定負け。2024年5月にホームリングのDEEPで平松翔にリアネイキドチョークで勝利して再起すると、9月のRIZINでは太田忍にリアネイキドチョークで勝利した。 “超新星”秋元は9月のRIZINにプロ5戦全勝の戦績を引っ提げ、18歳にして初参戦を果たすとバンタム級で金太郎を相手にグラウンドヒザで1R 3分16秒、衝撃のTKO勝ち。11月にはフェザー級で鈴木博昭から判定勝ちでRIZIN2連勝、通算7戦全勝をマークした。  RIZINが旗揚げした2015年から参戦している35歳の元谷に対し、当時小学2年生だった秋元は現在18歳。  ともにサッカー出身で、18歳でキックボクシングから格闘技に入った元谷はMMAを始めて2年、プロデビューして1年で、DEEP最年少となる22歳での王座獲得に成功している。  一方の秋元は16歳でパラエストラ柏に入門し、プロデビュー。そこから2年半で「次期挑戦者決定戦」を決める7連勝をマーク。現在はJTTに所属する。  世代が異なる“神童”と呼んでいい両者。  強い身体をベースに48戦を経て、ATT所属として堀口恭司らとMMAを強化する元谷は、よりウェルラウンダーとして全ての要素のレベルを高め、戦略的にも相手を上回る戦いを見せている。  対する秋元も、177cmの長身を活かしたスピード、キレのある打撃を軸に、丁寧なグラウンド技術も混ぜたバランスのいいMMAを進化させてきた。7戦のキャリアは、伸びしろと足りない部分の双方で未知の部分がある状態だ。  スタンドから始まるMMAで、先にペースを握るのは元谷か、秋元か。ときに打ち合いでも勝負する元谷は、いまなお増やし続けている引出しのなかの道具をいかに使うか。それとも精度が高く長い秋元の打撃が、元谷に引き出しを開けさせないか。打撃、そしてスタンドでの組みの攻防から注目のバンタム級のコンテンダー争いだ。 元谷「(コンディションは)いい感じです。(秋元の公開練習は)はっきりは見てなかったんですけど、すごいいい感じで調子良さそうだなと思いました。 (秋元の印象は)若いなと。ほんとう自分の子どもでもおかしくないくらいの歳の差なんで。(差を見せつける?)試合をすれば分かることなんで。試合を見ても、最初から寝技もレスリングも打撃もすべて上手いなと思ったんで楽しみですね、試合が。 (タイトルマッチ挑戦権獲得について)とりあえずは目の前の試合をクリアして、という感じです。 (技術の差は)試合して分かること。(寝技か打撃か)どちらか分からないけれど、しっかりフィニッシュしたいと思います。 (対JTTのことは)全く意識していないです、個人のこと。 (朝倉海と戦ったパントージャの強さは?)長くなりそうですけど(笑)。パントージャ選手とは自分は普通に練習してたんで、いつも通りの動きだったなと思います。舞台によって硬くなったり、そういうのはあるんで、自分もそういうのを無くしていきたいなと思います。  しっかりいい試合というか、フィニッシュを目指して頑張りたいと思います」 秋元「(コンディションは)最高です。(元谷がファンにカードを配った公開練習は)ワンチャン、俺もカードもらえるのかなと思ってたんですけど、もらえなかったですね(笑)。 (手の内を隠されたと?)そこはあんま関係ないかもしれない。試合を見てるんで。 (タイトルマッチ挑戦権獲得について)これからもタイトルは狙えるんでいつも通りといえばいつも通り。気合は相当入っていますね。 (元谷戦の自信は?)今回もだいぶ自信ある。もともと出ているDEEPの元チャンピオンなんで、リスペクトしてるし、強いのは分かっているけど……まあ自分のほうが強いかなっていう。 (元谷は寝技にも長けているが?)自分は正直、グラップラーの方が戦いやすいんで、相性は良いんじゃないかなと思いますね。あまり(試合で)見せて来なかったので『寝技が強くない』と言われるけど、上手い、ほどはいかないけど苦手意識は無いし、打撃は同階級の選手に負ける気もしないんで、(上回っているのは)そこです。 (フィニッシュは)いつも通り、左ですね。 (JTTの朝倉海の敗戦は)悔しかったのが一番ですね。UFCは今は目指してないですけど、自分でも戦えるんじゃないかなと思います。  3大会連続出場で色々心配な声が多いんですけど、全く問題なくいい感じに来れてるんで期待しててください」
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