日本で大活躍したメルヴィン・マヌーフ(オランダ)が現役に復帰し、ボクシングルールに挑戦。勝利を収めて世界ヘビー級チャンピオンになった。
マヌーフはK-1、HERO'S、DREAMなど日本の団体で活躍した後、ONE、Strikeforce、ROAD FCなどで戦い、2014年からはBellatorを主戦場としていた人気ファイター。2022年9月のBellatorでヨエル・ロメロに3R TKO負け、引退を表明したが2022年12月の『INOKI BOM-BA-YE × 巌流島 in 両国』で一時復帰、イゴール・タナベとRIZIN MMAルールで対戦したが、1R1分58秒、ヒールフックで敗れた。48歳。
とはいえ、マヌーフが出場した大会は著名なインフルエンサーたちがプロ格闘家などとボクシングルールで戦うという『ボクシング・インフルエンサーズ』(2024年12月22日・オランダ・ヒルフェルムス・メディアパークスタジオ21)というエンターテインメントイベント。
懸けられた世界ヘビー級タイトルも、ICB(Inspire Championship Boxing)という独立団体の認定で、競技ボクシングからエキシビションまであらゆる年齢と能力の人に試合の機会を提供するというセミプロ団体とのこと。
『ボクシング・インフルエンサーズ』はスポーツとソーシャルネットワークを融合させることを目的としており、オランダでかなり話題になったという。その一方、元ボクシング王者を始め「今では誰でもリングに上がれるようだ。もはやボクシングではなく見せ物になっている。彼らはスポーツを台無しにしている」と、ボクシングサイドから多くの批判も巻き起こった(※PINNACLE GAZETTEより)。
本来のボクシングの試合ではないボクシングエキシビションは世界的に流行しており、元世界王者たちがYouTuberや異種格闘技の選手とエキシビションの名のもとにボクシングルールで対戦している。こういった傾向がボクシングの価値を下げ、娯楽的側面によって本来のボクシング試合の陰が薄まっていると指摘するボクシング関係者は多い。
その一方で、当事者であるマヌーフは「オランダには本物のボクシングのヒーローがいない。ボクシング・インフルエンサーズのようなイベントで、新し世代に刺激を与えることが出来るかもしれない」と、若者たちにボクシングをアピールし、興味を惹きつけられるかもしれないと語っている。