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【UFC】朝倉未来が現地視察したパワースラップが世界に拡大「あちこちにできているのがいい」──年内最後のPPV大会後、ダナ・ホワイト代表が語ったこと

2024/12/10 15:12
 2024年12月7日(日本時間8日)、米国ラスベガスのT-モバイル・アリーナにて『UFC 310: Pantoja vs. Asakura』(U-NEXT配信)が開催され、メインイベントで朝倉海(日本/JTT)が、UFC世界フライ級王者アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル/ATT)に挑戦。2R 2分05秒、リアネイキドチョークでパントージャが朝倉を絞め落とし、3度目の世界王座防衛に成功した。  本誌では試合後の勝者と陣営の証言を取材したが、UFCのダナ・ホワイト代表は試合後の会見で、パントージャvs.朝倉海のメインイベントのみならず、UFC日本大会について、PFLに買収されながら試合機会の少ないBellatorトップファイターについて、そして朝倉未来が現地で視察したPower Slapの今後についてなどを語っている。10日には朝倉未来が自身のYouTubeで『Power Slap』と『BreakingDown』のコラボ案を語っており、その背景も紹介したい。 来年、日本でUFCをやる可能性があることに変わりはない (C)Zuffa LLC/UFC  まず、いきなりUFC世界フライ級王者に挑戦した朝倉海について、「UFCで初めて戦うときは、いろいろなことが起こるし、緊張もする。それでも彼はフライングニーなどガンガン攻めてきた」と評価。  続けて、「あの試合が何を意味するのか、あの男が今夜勝ったら、(次は)日本での試合になっていただろうし、今夜の彼のパフォーマンスでも、もしかしたら日本で試合をするかもしれないという話になっていただろう。来年まだ日本でUFCをやる可能性があることに変わりはない」と、2025年のUFC日本大会について前向きであることをあらためて語った、  敗れた朝倉は、9日にSNSで「たくさんの応援ありがとうございました。結果で返せなくて申し訳ないです。素晴らしいチャンピオンだった。そして自分がまだ弱かった」と、力が及ばなかったとし、パントージャを称え、「今回は届かなかったけど 必ず這い上がってチャンピオンになる。今までもそうしてきたしできるまでやり続ける。強くなって戻ります」と再起を誓っている。 サカキバラと話したんだ、日本に新進気鋭の選手がいると  朝倉に続く、RIZIN王者のUFC挑戦について、米国記者からは、「UFCでアトム級を始めるなら、伊澤星花が相応しいと思いますが?」と問われ、頷いて「ありがとう」と答えたダナ代表。  そのほかの日本人王者との契約についても、「そうだね。今夜がそうだった。彼(朝倉海)はいいパフォーマンスをした。ぜひやりたいし、明らかに新進気鋭の選手たちがいる。RIZINの榊原と私の部屋で話していたんだ。今、日本ではUFCで世界タイトルを獲得する最初の選手になりたいと言っている若い選手たちがいる。だからエキサイティングなんだ。日本にはMMAの豊かな歴史があるし、私の人生の中で最高の日のいくつかはPRIDEとの対抗戦だった。彼ともその話をしていたんだ。だから答えはすべてイエスだ。そこでファイトナイトをやってみたい」と、さらなるRIZIN王者クラスとの契約に積極的な姿勢を示し、UFC日本大会について、具体的にナンバーシリーズではなくともファイトナイトシリーズで行いたい意向を語っている。 [nextpage] ピットブルのことは知っている、どうなるか見てみよう  また、PFLに買収されながら、Bellatorでの大会がキャンセルされるなど試合機会が減っていることで、不満を表明し、UFC参戦を希望しているパトリシオ・ピットブルについて「ここ数カ月、PFLについてよく話してきた。PFLは多くのショーをキャンセルしている。試合予定だった多くの選手が試合をしていないのは知っている。お金を使い果たし、状況は良くなく、ほかの船に飛び乗りたい人が出てくる。彼らは戦いたいんだ。プロのアスリートなら時間とチャンスは限られているし、ファイターならなおさらだ。25日に向けて、この数カ月でどのような展開になるのか見ていこう」と、動きがあることを示唆した。 『Power Slap』はあちこちに出来ている (C)Zuffa LLC/UFC  そして、同じ週に大会が開催された平手打ちの『Power Slap』について、新たな動きが出始めている。  UFCフライ級で4連勝中のチャールズ・ジョンソンが「アイコン・バトルグラウンズ SMACK FIGHTING」というスラップ・ファイティング・リーグを起ち上げ。それが『Power Slap』のマイナーリーグになる可能性について問われたダナ代表は、「あちこちにできているのがいいね。ブラジルにもいくつかあるし、ポーランドにもある。南アフリカでも始まっている」と、スラップファイティングの拡大を歓迎した。  注目すべきは、この『Power Slap』を今回、現地で朝倉未来と海の朝倉兄弟が視察していることだ。通常の競技と比べ、相手の平手打ちを避けずに我慢しあうことで脳にダメージを与える危険性も指摘されているこの大会を、朝倉未来はどう見たか。米国ではネバダ州とカリフォルニア州のアスレチック・コミッションが認可しているこの競技のフォーマットが輸入されたとき、日本のファンはどう反応するか。  10日に朝倉未来は、自身のYouTubeで「『Power Slap』っていうビンタの大会があるんですけど、それを観に来ています。凄い人気。なんとね。このPower Slapを日本でやりたいということで、僕に任せたいみたいなことを言ってるんですよ。BreakingDownとのコラボだったりとか、そういうのも含めて、まず日本人がこういうのを受け入れられるのかっていうのも含めて、今日は視察にきました」と紹介。「凄い音。凄いっスよ。これはレオとかにやってもらいたい。盛り上がりがすごい。首とか顔から血が出てる」と『Power Slap』の印象を語っている。 [nextpage] 『Lookin for a Fight』は続いている  多忙なダナ・ホワイト代表は、今週末の14日には、元UFCフェザー級タイトルコンテンダーで2023年に引退した“コリアン・ゾンビ”ことジョン・チャンソンが主催する『Z-FIGHT NIGHT 02』をリモート観戦する。UFC Fight Passで配信される同大会には、日本から佐藤天、河名マストの出場も決定している。 「このカードにはUFCに出るべき選手が揃っているし、私はコリアン・ゾンビが大好きなんだ。通常のショーとは違うものになるだろうけど、あのカードにはタレントが揃っているから、『Lookin’for a Fight』のエピソードはまだ撮影中で100%やるんだ」と、Z-FIGHT NIGHからの選手発掘も期待を寄せている。 「毎年、『今年は最高の年だ』と言っている。我々はそれを続けるだけだ。去年はUFCで最高の年だった。今年もそうなるだろう。次はフロリダで会おう」と、マネル・ケイプも出場する15日の『UFC Fight Night: Covington vs. Buckley』をアピールしたダナ代表。いまなお成長中の巨大格闘技帝国を率いるCEOは、2025年も精力的に拡大路線を展開するようだ。
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