2024年12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』にて、K-1スーパー・バンタム級3分3R延長1Rで大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)と対戦する璃明武(=りあむ/K-1ジム総本部チームペガサス)のインタビューが主催者を通じて届いた。
璃明武は21年8月に第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント準決勝で黒田勇斗、決勝で鬼山桃太朗を下して、同級王座に就いた。22年2月に第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント準決勝で金子晃大に敗北。24年7月は-55kg世界最強決定トーナメント一回戦でアンジェロス・マルティノスを延長ラウンドでKO勝ちを収めた。9月はK-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント準決勝で金子晃大と再戦も僅差の判定負けとなり、巻き返しを図る。
ハイレベルな技術戦を見せたい
――少し前に、TBSのバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』に出演されていましたね。
「ああ、少しだけですね。僕の名前の璃明武(りあむ)の由来を聞かれました。検証企画だったらしくて、イギリスのロックバンドの『オアシス』からつけられたのではないかとスタッフの方が、ジムまで来ましたね」
――オアシスは、リアムとノエルのギャラガー兄弟がボーカルをしている超人気バンドですね。それで実際は?
「まさしく親がオアシスのファンで、そこからつけたと聞きました。これまで気にしたことはなかったんですけど、親に聞いて初めて知りました(笑)」
――いい機会になったわけですね(笑)。では本題に入りますが、今回は大久保琉唯選手との次世代対決になりました。まずオファーが来た時は、どんな印象だったのでしょうか。
「9月の金子戦が終わり、ノーダメージだったのですぐに試合をしたかったんです。直後は納得していないこともあったんで、再戦したかったんですよ」
――金子戦の判定が納得していなかったと。
「ええ。もう終わったことなんで、べつに判定が覆ることはないと思うんですけど、試合中に後頭部を何回も打たれているんですよね。離れているところからだったり、クリンチ際とか。あとで映像を見て数えたら十何発叩かれていました。でもレフェリーは反則をとってくれなくて。それで自分はクリンチで反則を取られてしまいました。減点でしたけど、延長でもよかったかとは思っています。そこは納得していなかったので再戦で動いたんですけど、ダイレクトはダメだと言われて」
――なるほど。
「それで12月のオファーが来ていたので、やるならば大久保選手か外国人かなと思っていました」
――予想はしていたんですね。
「日本人だと、そこしかないですからね。あとは、金子選手と戦ったカン・メンホン選手ともやりたかったです。僕が1ラウンドで倒せば、金子選手との差がつくので」
――たしかにカン・メンホン選手との試合も見たいですね。
「でも、大久保選手は玖村将史選手に勝っているので、ここで勝てば自ずと金子選手の相手は自分しかいなくなります。他のカードを見ても、僕たちの試合が盛り上がると思うので、ここで戦うのは有りかなと思いました」
――金子選手へのリベンジが大きなテーマなんですね。大久保選手は玖村選手を破りましたが、どう見ていますか?
「有利なのは玖村選手だと思っていましたが、僕は大久保選手の実力を買っているので、4:6くらいの接戦を予想していました。あと玖村選手が、試合前から大久保選手をナメていた印象があったので、逆転されるのではないかとも見ていました。その通りの結果でしたね」
――トーナメントでは準決勝で玖村選手が大久保選手に負けて、璃明武選手も金子選手を追い詰めました。
「金子・玖村の2強とか言われていましたので、それを大久保選手が崩してくれたなと思いました」
――金子・玖村の2強に関しては、研究する材料が多いということなのでしょうか。
「いえ、金子選手は基本に忠実で、回転したり特別なことはしてこないんです。すべてのレベルが高いので対策はしますけど、結局は自分のスキルを上げるしかないですよ。金子選手はパンチが強いと思い込んでも、実際は違うということもありますし、何が来てもいいように準備をする必要があります。決めつけ過ぎると想定外のことがあった時に、対応できなくなってしまいます」
――しかしながら、全体のスキルを上げるのは大変ですよね。
「でも、それをするのが一番の近道だなと思い、最近は基本ばかりやっています。シチュエーション練習はしますが、それこそスパーリングで相手に金子選手のような動きをしてもらうことはなく、いろいろなタイプの選手と戦い準備していました」
――大久保選手の金子戦は、どう見ましたか?
「ダメージの蓄積ですよね。玖村戦で激しく戦う場面もあったので、あの倒れ方はダメージがあったんだろうなと思いました。でも、仮に今、大久保選手が金子選手と対戦したら、ダメージがなかったにしても勝てない気がします。そのくらいの差は感じました。それを考えると、自分しか金子選手にタイトルマッチで勝てないだろうなと思っています」
――大久保選手の評価は高いのでしょうか。
「会見でも言いましたが、金子チャンピオン以外だと、大久保選手は玖村選手に勝っているので、僕とは頂上対決かなと思っています」
――まさに2番、3番の争いだと。会見で話題になりましたが、互いにカウンターの取り合いになるのではないかという指摘もあります。
「さすがに手を出さないで最後まで見合う展開や、足を止めて打ち合うことはタイプ的にもないでしょうけど、ハイレベルな技術戦を見せたいとは思っています」
――大久保選手は見合う展開になることへの批判について逆に噛みついていましたが、璃明武選手はどう思っているのでしょうか。
「大久保選手はKOしていないから言い返しただけであって、自分はKOもしているしダウンも奪っているので、そこには当てはまらないですね」
――会見で璃明武選手と大久保選手の2人が並ぶ姿を見て、新しい時代の到来を感じましたが、どんな心境だったのでしょうか。
「ちょうど自分も、そのことを考えていて。Krushのタイトルを防衛した後(2度目防衛=24年3月)くらいは、金子選手と玖村選手が2強として抜けている存在だったんですけど、そうではなくなってきているんだなと思いました。早くチャンピオンになって、自分がK-1のトップにならないといけないとは思っています」
――パワーバランスが崩れていると。
「玖村選手は、僕と大久保選手についてナメている感じだったけど、金子選手は他の選手を悪く言わないじゃないですか。だから強いのかなとは思います」
――玖村選手は盛り上げようと思い、あえて強気発言で挑発したように感じました。
「そうかもしれませんが、結果が一番なんで」
――金子選手が2冠を持ち、絶対王者になっています。
「そこは崩さないといけないですね。絶対ではないと思っていますし。ここで僕が勝って、来年のタイトルマッチにつなげます」