ムエタイ
レポート

【RWS】吉成名高がフランス強豪に“50-44×3”の大差判定勝ち、松田龍聖が強敵ゴッダオからダウン奪い勝利、竜哉がスピードバトルを制す、大和哲也は剛腕空転で判定負け、朝陽が元ONEファイターを悶絶KO、伊藤紗弥は接戦で惜敗

2024/12/02 00:12
RWS JAPAN2024年12月1日(日)神奈川・横浜大さん橋ホール※U-NEXT配信 ▼メインイベント(第6試合) ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級(52.16kg)タイトルマッチ 3分5R〇名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム/王者)判定3-0 ※50-44×3×ペットヌン・ペットムエタイジム(フランス/挑戦者)※名高が3度目の防衛に成功。  名高は昨年7月にラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を獲得し、外国人として史上初のラジャダムナン2階級制覇王者に。その後も快進撃を続け、8月にはタイ『RWS』のメインイベントでフライ級タイトル初防衛戦を行い4RでKO勝ち、12月のRWSではラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王座決定戦で勝利し3階級制覇。今年2月には正規王者プレーオプラーオとの統一戦にも勝利し、正規王者に。7月のジョムホートとのタイトルマッチでも圧倒的な差を付けて勝利、2度目の防衛に成功した。  9月のWBCムエタイ ダイヤモンド スーパーフライ級王者決定戦では、プレーオプラーオに勝利しているペットアヌワットを2RKOで葬り、10月にはクンクメールとの対抗戦で3RKO勝ち。現在驚異の33連勝を誇る。  ペットヌンはタイ在住のフランス人で、今やムエタイの大手プロモーションであるギャットペット系を代表する軽量級選手。今年2月のRWS JAPANで名高とラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座統一戦を争い、驚異的なタフネスで名高を苦戦させた正規王者(当時)プレーオプラーオをもKOした選手である。しかも、その試合では序盤から激しいヒジの打ち合いを演じ、プレーオプラーオに合計32針も縫う傷を負わせた。  前ラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級王者でもあり、階級を上げて今年10月にはスーパーフライ級10位をヒジとアッパーの連打でKOしている攻撃的なムエタイ。欧米人のフィジカルの強さにムエタイの技術を身に着けた、ラックよりも厄介な相手だと言えるだろう。まだ18歳の“フランスの天才ムエタイファイター”である。11月発表のWMO世界ランキングではラックよりも上位の6位にランクされた(1位は名高)。  名高は戦いの舞いワイクルーで四股を踏み、突っ張りを見せて会場を沸かせた。  1R、サウスポーの名高にペットヌンはいきなり前へ出て右ローからヒジ、名高はバックステップでかわしながら左ローを返す。名高は左三日月、左ボディストレート、左ミドルとボディへ攻撃を集める。ペットヌンは前へ出てパンチを繰り出すが、名高は回り込みながらかわす。  抜群の目の良さを発揮する名高にペットヌンはパンチの空振りが目立つ。逆に名高は左ボディストレートを当てる。ローの蹴り合いは互角。名高は左ミドル、左ストレートをしっかり当てていく。名高の左三日月でペットヌンは後退。しかし名高が前へ出るとヒジと右フックを繰り出す。スリリングかつスピーディーな攻防が続き、あっという間に初回が終了。オープンスコアは名高の10-9×3。  2Rもペットヌンが左右ローを蹴って前へ出ていく。名高は回り込み、右ボディストレートに左フック。ペットヌンの右ストレートを鮮やかにかわし、左ストレートを打つ。右インローでバランスを崩す名高だが、パンチは当てさせずにヒジを打つ。ジャブ、左三日月を突き刺すと左ヒジ。左インローから左ボディストレートを打つと、ペットヌンはダウン。  立ち上がったペットヌンにボディを浴びせていく名高にペットヌンはヒジ、ヒザで対抗するが、名高はもらうことなく前蹴り、右フック、左ボディ、左フック、さらに顔面前蹴りと連打。多彩な攻撃を上中下に散らしてその全てをヒットさせる名高にペットヌンはガードを固めるが、ヒジやフックも強気に返す。OPスコアは名高の10-8×3。  3R、ペットヌンは前へ出て顔面とボディへパンチ、さらにヒジとロー。ローは受ける名高だが、パンチとヒジは当てさせず三日月蹴りを突き刺す。回り込み、動き回る名高は狙いを定めさせず、逆に当ててはかわす。それでも前へ出て左フックから右ヒジを打つペットヌン。名高が左フックから左ボディストレート。ジャブでペットヌンを止めに行く名高はヒザのカウンター。左インローを蹴る名高にペットヌンは左フックを合わせようとするが名高は当てさせない。OPスコアはやはり名高の10-9×3。  4Rも前に出るペットヌンが右ストレート、名高はかわして動いて左ボディストレート。ペットヌンは飛びヒザも繰り出す。ペットヌンの左右フックに名高は不敵な笑みを浮かべると、ペットヌンを崩し倒す。そして左ストレートの連打。ペットヌンが前へ出てくると左ミドル。ペットヌンの左フックをかわして左ストレート。名高は“打ってこい”とばかりに足を止めて仁王立ち。ペットヌンのパンチをかわして左ストレート。左ミドルをキャッチしての左ボディストレートとこのラウンドも名高のワンサイド。OPスコアは名高の10-9×3。  5R、追ってくるペットヌンを華麗に回り込んでかわし、左ボディストレート、ジャブ、前蹴りを打つ名高。カモンゼスチャーの名高にペットヌンはヒジを打つがやはり空振り。再び仁王立ちとなる名高。ペットヌンのヒジをかわすと左右フックから左インロー。名高は前蹴りとジャブで突き放し、カモンゼスチャー。名高は右手で“来いよ”と手招きし、ノーガードでペットヌンの攻撃をかわして試合終了。  判定前からガックリと肩を落とし、下を向くペットヌン。名高は日の丸を背負い、堂々と立つ。判定はジャッジ三者とも50-44という大差で名高が3度目の防衛に成功した。ペットヌンはさっさとリングを降りて行った。  宣言通り打たせずに打つを実践して見せた名高。「今回3度目の防衛戦でペットヌン選手というフランスの選手でタイでも名前があって。この試合はけっこうどうなるか分からないって言われていた試合だったんですけれど、自分の今まで培ってきた技術だったりいろいろ、中川会長を始めエイワスポーツジムの皆さんが練習を教えてくださったおかげで今回も自分の攻撃だけを当てるっていう理想のスタイルを見せられたんじゃないかなと思います」と挨拶。 「防衛戦はいつもKOにならず判定になってしまうんですけれども、5Rフルでやった試合もそれはそれで見応えがあって面白い試合…でしたか? どうですか、皆さん(拍手と歓声)これからも自分のスタイルに磨きをかけて、今年の試合はこれで終わりだと思いますけれど、来年は大きく自分が変化の年になると思うので来年も自分に注目してもらえると嬉しいです」と、来年大きな変化があると予告した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第5試合)バンタム級(53.50kg)3分3R〇松田龍聖(大原道場)判定3-0 ※29-27×3×ゴッダオ・ペットソンヌーン(タイ)  松田はまだ18歳で戦績は12勝(5KO)1敗1分。2024年4月の『RWS JAPAN』に初参戦すると、初のムエタイルールにも関わらず石井一成を苦しめドロー。7月に41戦負け無し(1引き分けを含む)という快進撃を続け、ムエタイのトップを走っていたラジャダムナンスタジアム認定バンタム級(53.5kg)王者クンスックレックに挑戦し、2RでKOするという大番狂わせを起こした。  ムエタイルールわずか2戦目にしてムエタイのトップ中のトップファイターをKOし、ラジャダムナン王座に就いた快挙を達成したことで吉成名高は「人類最速のラジャ王者」と称した。9月にはタイ・ラジャダムナンスタジアムでクンスックレックとのダイレクトリマッチで初防衛戦に臨んだが、判定で敗れ初黒星を喫した。  マッチメイカーの中川夏生エイワスポーツジム会長は、ゴッダオについて「タイのバンタム級でクンスックレックとの対戦が望まれている選手。超ウルトラスーパーファイタータイプで超強いです」と語尾を強めて力説。ロッタンのようなタイプだという。「ラジャダムナン、7チャンネル、オームノーイスタジアムで興行を行っている有名プロモーターが今一番かわいがっている選手です。クンスックレックとは違って攻撃的なファイターでどんどん前に出てくる」と評している。  1R開始同時にダッシュした松田は飛びヒザ蹴りの奇襲攻撃。サウスポーのゴッダオに松田はジャブと右ミドル、左右に動き、ゴッダオが前に出て詰めてきても横へかわす。右フックをヒットさせる松田はさらに右ロー。松田は右ローから左フックを打つと連打をまとめ、右ボディからの左フックでさっそくダウンを奪う。  速いステップで左右に動く松田は右ボディからゴッダオに組まれるとすかさず右ヒザを蹴り、さらにコカしてみせた。ゴッダオのパンチをかわして左右フックを返す松田。ワンツーからヒザも。松田がスピードとパンチの回転力でゴッダオを翻弄して10-8×3。  2R、ジャブでゴッダオのバランスを崩す松田。このラウンドはゴッダオが左右フックを放って前へ。しかし、松田は組むとゴッダオを2度もコカす。左右フックで前へ出るゴッダオを左右フックで迎え撃つ松田はさらにゴッダオをコカした。互いにフルスイングのフックを打ち合う中、ヒザとヒジを当てるのは松田。ゴッダオのフックをかわしてボディを打つ。  圧倒的なスピードでゴッダオを翻弄する松田。スイッチも多用して右の三日月蹴りやヒジ。パンチも上下へ打ち分ける。ゴッダオは圧をかけて左右フックを打つが松田がほぼかわしている。OPスコアは10-9×3でこのラウンドも松田。  3R、前に出るゴッダオを右ストレートで迎え撃つ松田。ゴッダオの左右フックに松田も左右フック、右ボディ。ゴッダオがヒジと左右フック。松田がスローダウンし、ゴッダオのヒジ、組んでのヒザが当たり始める。さらに首相撲でコカされる松田。それでもステップで動く松田だが、ゴッダオが首相撲からのヒザで猛反撃。松田も蹴り返す。ゴッダオの右ストレートがヒットしたところで試合終了。最終ラウンドはゴッダオが追い上げた。  スピードある激しい攻防で3分3Rがあっという間に過ぎ、判定は3-0で松田が強敵ゴッダオに勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 フライ級(50.80kg)3分3R〇竜哉・エイワスポーツジム(=奥脇竜哉/エイワスポーツジム)判定3-0 ※30-27×2、29-28×カムパントーン・チョーハーパヤック(タイ)  竜哉は小学4年生でムエタイを始め、アマチュア時代は約100戦を経験して9本のベルトを巻いた。中1の時にタイでプロデビューを飾り、タイで試合(約20戦)・練習経験を積んで2018年4月に満を持して国内プロデビュー。いきなりWMC世界ピン級王座を獲得して世界王者となった。2019年7月にはタイでIBFムエタイ世界ミニフライ級王座決定戦を制して日本人3人目の同世界王者となり、9月には同じくタイ・ラジャダムナンスタジアムにて日本人として8人目の同スタジアム王者に。  2020年2月にKO勝ちでWPMF世界ミニフライ級王座を獲得。怪我で戦列から離れていたが、2022年12月に約1年ぶりの復帰戦で秒殺KO勝ちした。現在はRWSを主戦場に活躍し、7月のRWS JAPANではゲオナーカーに判定勝ち。9月のBOMではシヴァラットに初回KO勝ちでWBCムエタイ世界フライ級王座も獲得。10月のクンクメール対抗戦でもプロエウンを初回KOと波に乗る。  対戦するカムパントーンは「一階級下の選手ですが今回からフライ級に上げてやっていく。一階級下のランカーでもある。急遽RWS側のマッチメイカーから連絡があり、竜哉とどうかということで昨日決まりました。サウスポーでパンチ&ローの攻撃的な選手です」(中川会長)というRWSからの推薦選手だ。  1R、サウスポーのカムパントーンは近付いて左ロー、竜哉も右ローを蹴り返してローの蹴り合い。ジャブから右ローのカムパントーンに竜哉は右ミドル、カムパントーンもすぐに左ミドルを返す。カムパントーンの左ミドルに竜哉が軸足蹴りを合わせて尻もちをつかせる。さらにカムパントーンのミドルをスウェーでかわして右ミドル。両者速いテンポでの蹴り合いが続く。終盤になると竜哉がローとミドルをヒットさせ、カムパントーンが返せない場面も。ジャッジは割れ、10-9×2が竜哉、10-9でカムパントーン。  2Rもスピードのある蹴り合いが続く。カムパントーンが左ミドルを当てたかと思えば、竜哉は左ミドルをかわしての右ミドル。すぐにカムパントーンも左ミドルを蹴る。カムパントーンが入ってくるところに右ボディを合わせる竜哉。蹴り足をキャッチする竜哉だが、カムパントーンは飛び上がってヒザを蹴る。竜哉の右ミドルにカムパントーンはバランスを崩す。速いテンポの蹴り合いが続き、ややカムパントーンに疲れが見え始める。そこへ竜哉が右ボディストレート。竜哉の前蹴りに吹っ飛ぶカムパントーン。さらに竜哉は首相撲で崩す。OPスコアは10-9×3で竜哉。  3R、竜哉が左ボディ、カムパントーンは左ミドル。前へ出るカムパントーンだが竜哉がパンチで先制する。カムパントーンの左ミドルキックをキャッチしては左ストレート。竜哉がフェイントを入れてから右ハイキックをヒットさせる。明らかに疲労の色が見えるカムパントーンはスピードが落ちており、竜哉の攻撃に返せない。最後はカムパントーンが逆転は無理と悟り、お互い見合って試合終了。  判定3-0で竜哉がスピーディーな蹴り合いを制した。 [nextpage] ▼第3試合 スーパーライト級(63.50kg)3分3R×大和哲也(大和ジム)判定0-3 ※27-30×3〇ザ スター・ペットキアペット(タイ)  大和は2005年7月プロデビューの36歳。NJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座、Lion Fight世界スーパー・ライト級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。  2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2017年4月から新生K-1に参戦。トップクラスには苦戦が続いたが、2022年4月に山崎秀晃を初回KOして第6代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就くと、9月には佐々木大蔵を判定に破り初防衛、2023年3月に林健太に判定勝ちで2度目の防衛に成功。K-1王座を返上し、2024年6月にヒジあり復帰戦でゲーウガンワンに判定で敗れた。戦績は45勝(32KO)21敗1分。  マッチメイカーの中川夏生エイワスポーツジム会長によれば、ザ スターは「パンチとロー、ヒジの攻撃的な選手」だという。  1R、スピードのある出入りから左右ローを蹴り、ザ スターを転倒させる大和。右カーフをどんどん蹴る大和が前へ出ていき、ザ スターも右ローを蹴り返してくる。大和は飛び込んでの右ストレート、ザ スターは首相撲に持ち込む。両手を伸ばして近付くとザ スターは右ヒジ。大和は必殺の左フックを連発して前へ出て行くが、ザ スターは左ボディ。圧をかけて前へ出る大和にザ スターは左ミドルを当てていく。大和は左フックを打つが空振り、ザ スターは右ストレートを返す。オープンスコアはミドルを当てたザ スターが10-9×3でリード。  2R、前に出る大和が右カーフ、飛び込んでの左ヒジも見せる。ザ スターは首相撲に持ち込み、大和をコカす。ワンツーから右ヒジを放つザ スター、大和も縦ヒジで迎え撃つ。首相撲を多用するザ スターが右ヒジ。大和の左フックと左ヒジは空を切る。ザ スターは首相撲で組んでのヒザだ。首相撲で顔を抑えられてしまう大和は印象が悪く、ヒザも蹴られる。大和はヒジで応戦し、バックハンドブローも繰り出す。ローの蹴り合いの中、ザ スターが大和のボディをワンツーで打つ。OPスコアはザ スターの10-9×3に。  3R、劣勢の大和は左ボディ、左右フックで前に出ていくが、逆にザ スターの右フックをもらってしまう。ジャブを多用して大和を突き放すザ スターは、大和のパンチを空振りさせると右フックを打ち込む。ジャブをもらってしまう大和だがそれでも前へ。ザ スターのジャブに鼻血を出す大和。右フックを打つとザ スターがヒザを突き刺す。前に出て打ち合いに行く大和だが、ザ スターは打ち合わずジャブ、首相撲。  最後に大和の左フックがヒットするが時すでに遅し。判定3-0でザ スターの勝利となった。大和はムエタイに復帰して2連敗と厳しい状況に追い込まれた。 [nextpage] ▼第2試合 フェザー級 (57.15kg)3分3R〇朝陽・エイワスポーツジム(=品川朝陽/エイワスポーツジム)KO 1R 1分41秒×ニコラス・レイテ・シウバ(ブラジル)  朝陽は同門の吉成名高と共にジュニア時代から様々なアマチュアタイトルを獲得し、プロ転向後も強打を武器にMA日本フライ級王座、ルンピニージャパン認定スーパーバンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、ムエサイアム・イサーン・バンタム級王座、IPCC世界フェザー級王座などのタイトルを次々と獲得。  2021年から2023年はONEに参戦し、その後はBOMとRWSで活躍。7月にチャイヤコーンを得意の左ボディでKOして破竹の10連勝を飾ったが、10月のクンクメール対抗戦で1Rにダウンを奪うも引き分けに持ち込まれた。  当初はカルロス・セブンムエタイジム(スペイン)と対戦することが決まっていたが、カルロスが日本到着後、発熱・嘔吐により欠場。17戦12勝5敗のニコラス・レイテ・シウバが代替出場することが発表された。シウバはONEのオープンフィンガーグローブムエタイでソンチャイノーイやラック・エラワンと対戦経験があり、1週間後のタイのRWSに出場予定だったという。  1R、朝陽の右カーフからスタート。2発目でシウバをコカすとその後も右カーフを連発。サイズの小さいシウバは朝陽の攻撃に大きく身体がブレある。右カーフを意識させておき、朝陽は左フックからの左ボディ。一発でシウバは悶絶してダウン。  シウバは立ち上がることが出来ず、朝陽が鮮やかなKO劇を見せた。 [nextpage] ▼第1試合 46.72kg契約 2分3R×伊藤紗弥(尚武会)判定0-3 ※28-29×3〇モンクペット・ペットプラオファー(タイ)  伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王座に就いた。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイ・IPCCと女子世界王座の四冠を制覇。BOM女子ピン級(-45.53kg)初代王座、BOM女子ライトフライ級(-48.98kg)王座も獲得。  2023年9月に『RWS』初参戦もモンクッペットに判定負けを喫し、RWSでの2分3R制を踏まえてパンチを強化して11月のBOMでは予告通り左フックでミンタを2RでKOした。12月にはラジャダムナンスタジアムで初勝利、2024年4月のRWS JAPANでは元K-1王者のパヤーフォンも判定で破り、7月にはラジャ4位のノンパーフォンとの熱戦も制して7連勝を飾ったが、10月のタイ『RWS』にてラジャダムナンスタジアム認定女子ミニマム級初代王座決定戦でパヤーフォンに敗れて王座を逃した。  モンクットペットはタイ南部ソンクラー県出身の19歳。長い手足からのミドルキックを武器に主にプーケットなどで活躍。2022年には中東ドゥバイで開催された世界アマチュアムエタイ世界選手権45kg級で金メダルを獲得、その後プーケット・パトーンスタジアム105ポンド王座を獲得し、同年10月にはラジャダムナンスタジアム『RWS』に大抜擢、いきなりドゥワンダーウノーイ(元WPMF世界女子ミニフライ級王者)と激突。判定で敗れたものの大きなインパクトを残した。  2023年3月にはプーケット・シンビーボクシングスタジアム105ポンド王座も獲得。対日本人では2023年12月の『RISE』で宮﨑小雪に敗れているものの、ムエタイルールでは2022年10月にKAREN、2023年5月の『ムエローク』では藤原乃愛、9月の『RWS』では伊藤紗弥、2024年6月には『ムエタイスーパーファイト』でSB女王のMISAKIに勝利している強豪だ。  1R、モンクペットが前蹴り2発と右ローで先制。伊藤はモンクペットの左ミドルをかわして右ローを蹴っていく。伊藤の前蹴りにワンツーを返すモンクペットだが、伊藤はかわす。右ローを蹴ってモンクペットのパンチをかわし、モンクペットが組みに来ると崩してコカす伊藤。組んでのヒザでは伊藤が優勢。オープンスコアは10-9×3で伊藤のラウンドに。  2Rはモンクペットが前へ出て前蹴りと右ローを蹴る。スピードを上げて左右ミドルから右ストレートを繰り出すモンクペットに伊藤も右ロー。右ミドルから右ストレートを打つ伊藤にモンクペットは首相撲勝負を挑む。伊藤の右ミドルをキャッチしたモンクペットは右ストレートを打ってさらに右ミドル。さらに首相撲でモンクペットが内側からヒザを蹴る。OPスコアはモンクペットが10-9×3で取り返した。  3Rも前に出るのはモンクペット。伊藤はローを蹴って下がるがモンクペットは首相撲に持ち込む。伊藤の右ミドルをキャッチして流し、左ミドルを蹴るモンクペット。首相撲でヒザを蹴るのはモンクペットだ。伊藤は前へ出て右ミドルを蹴るが、キャッチされて首相撲に持ち込まれ、ヒザを蹴られる伊藤。モンクペットが左ミドルを蹴り、伊藤が蹴り返そうとしたところで試合終了。  判定は3-0でモンクペットが接戦を制した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第8試合 バンタム級(53.50kg) 3分3R〇佐藤九里虎(FAITH)KO 1R 2分18秒×パク・ヨンミン(韓国/MMAマルチジム) ▼プレリミナリーファイト第7試合 バンタム級(53.50kg)2分3R〇カラケッド・クルンダム コマンドジム(タイ)判定3-0 ※29-28×3×NA☆NA(エスジム) ▼プレリミナリーファイト第6試合 72.50kg契約 3分3R×喜多村誠(リアクトジム/ステラキックボクシングジム)判定0-3 ※27-30×3〇バス・レンジャージム(タイ/レンジャージム) ▼プレリミナリーファイト第5試合 スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R〇JOH(MSJキックボクシングジム)判定3-0 ※30-27×3×れい(湘南格闘クラブ) ▼プレリミナリーファイト第4試合 51.50kg契約 3分3R×老沼隆斗(STRUGGLE)KO 1R 2分57秒〇シンイチ・ウォーワンチャイ(ウォーワンチャイプロモーション) ▼プレリミナリーファイト第3試合 60.00kg契約 3分3R×喧嘩十段(norasing family)KO 2R 1分22秒〇真虎斗 a.k.a Basta(Team BASTA) ▼プレリミナリーファイト第2試合 53.00kg契約 3分3R〇キリョウ・シリラックムエタイ(シリラックジャパンムエタイジム)判定3-0 ※30-27×3×渡部 隼(尚武会) ▼プレリミナリーファイト第1試合 46.00kg契約 2分3R〇藤原乃愛(尚武会 フジワラムエタイジム)判定3-0 ※30-27×3×MIREY(WSR三ノ輪)
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