2024年12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』の記者会見が、11月26日(火)都内にて行われた。
クォン・ジャンウォン(韓国/Cheonghak Muaythai Gym)の欠場を受け、「K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント」に出場が決まった山口翔大(GENESIS/TEAM3K)が会見に出席。緊急参戦の意気込みを語った。
山口「もちろんシナと決まっていたのでスタンバイしていたけれど、まさかの打診をされまして、二つ返事ではなく断る理由を探したけれど、自分を納得させる言葉が見当たらず、目の前に世界一を決めるトーナメントが転がっていて断れないなと。宮田さんから山口ぜひと言っていただいたので、日本の救世主になるためにトーナメントに帰ってきました。補欠ですが補欠から優勝する姿を見せられればと思いました」と、オファーを受けた理由を話す。
オファーは「2~3日前に風呂に入っていたら電話かかかってきて、何とかしてくれと打診をもらいました。凄いキラーパス来たなと思いました(笑)。どないするんやろ、どうする山口と自問自答しました」と、本当につい最近だったという。
断る理由を探したのは「トーナメントなので1日3試合を視野に入れて考えなければならんし、身長が僕より10cm高い人で10kg以上重い。僕はヘビー級ではかなり小さい方で、ダメージもそうだし。ただ引退した後のダメージだったり、怪我であったりは断る理由に出来なくて、そこを断る理由にすると一生後悔するなと。酒飲みながら文句言うおじさんにはなりたくないので、自分が納得する理由を探したんですが見当たらずでした」と説明。
当初は「カリミアンを倒したら来年はリュウ・ツァー戦を視野に入れていました。ターザンという強い選手も出て来るのでそれも視野に入れて考えていたんですが、今は無差別というところで頭が埋め尽くされているので来年のことは考えられません。その前は麻か晩まで、シナを倒してクルーザー級王座を来年獲るぞって気持ちでいました。今は前向きに捉えています」と、クルーザー級でタイトルを狙うことだけを考えていたとする。
「シナ戦の準備をしていたんですが、それどころじゃない。シナの映像も見ていましたし、好きになっちゃうくらい毎日シナのことを考えていました(笑)。シナというサイズを意識して生きてて、急に無差別になったので頭の中ではもう切り替わっています。でも競技歴は長いのでもう戸惑いはあありません」と、すでに切り替えは出来ているようだ
決断の決め手は「やらなしゃあない。誰かがやらなければ。そこで自分が断るのは違う。逆に受ける理由を探したら受ける理由の方が多くあった。デカい相手を怖がって逃げたら格闘家をやっている意味がない。僕は育ちもよくないし、勉強もしていないし、空手しかやってないんですよ。5歳から空手で生きてきてド突き合いで世界一を決めるって打診があって、それを綺麗に断るまで大人になってなかった(笑)」と、ここで逃げるわけにはいかないと思ったという。
「相手も山口対策はしていないので、根性でなんとかするしかない。山口翔大を一番信じているのは自分だと信じています。自分の物語の作者としてはヒヤヒヤしてドキドキでが、主人公としてはワクワクの方が強いです」とした。
無差別級の試合を経験して、何が必要で何が足りないかは把握しているかと問われると「通用しない部分はパワー差。スタミナも相手がデカいので削られる。向こうは持って生まれたものがあるので、他の部分で勝負しようと思ってます。今はまだ考え中です。(オファーが来たのは)まだ3日前なので。シナは背が高いので背伸びの練習とかしてなかったので、また変わってくるので」と、これから戦略を考えるとした。
対戦するイストラテの印象は「パンチが強い。蹴りがあまりなくて。ただサッタリをKOしているのでもちろん強いですし、山口危ないというのが本音だと思いますが、僕のローキックは世界一やと思っているし、空手時代に白蓮会館で習ってきたのは通用すると思っているので。空手の部分で勝てると思っています」と、ローキックで攻略できると自信を見せる。
決勝で誰と戦いたいかとの質問には「日本人同士対決できるのがK-1的にはいいと思うけれど、山口翔大という物語の中で主人公なら、このシナリオの主人公が僕なら決勝はジマーマンにリベンジして優勝するのがロマンがあっていいと思います」と、10月に敗れたジマーマンとの決勝を望んだ。
【写真】記者会見でカリミアンとやり合った山口 また、記者会見で因縁が生まれたカリミアンのことを聞かれると「彼は私生活が安定してないからメシでもおごったろかなと思っています。鳥貴族でごちそう出来たらと(笑)。。イストラテと戦うので味方になるんじゃないかな。シナに対策を聞こうかな」と、イストラテとも因縁があるカリミアンとのまさかの“共闘”もにおわせた。
宮田充Krushプロデューサーは「絶体絶命でしたがここに空手家がいてよかった。理屈抜きに修羅場になるので見届けてください」と、山口の漢気に感謝。
それを受けて山口は「というわけで宮田マジックにやられましてこんなことになっていますが、日本人として身長も体重も軽い僕が補欠から始まって日本人初のグランプリ制覇はロマンがある。予選で負けて出るのは本意ではないですが、応援が力になると思うので、応援お願いします。生きて帰ります」と決意を語った。