寺山(右)と王座を争う佐藤
2019年9月29日(日)東京・後楽園ホール『RISE 134』のセミファイナル(第10試合)で、初代RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座決定戦、3分5R無制限延長RをJ-GIRLSミニフライ級王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)と争うNJKFミネルヴァ アトム級1位・佐藤レイナ (team AKATSUKI)のインタビューが主催者を通じて届いた。
佐藤はREBELS王者の良太郎を師に持ち、ジュニア時代から試合経験を積む。2014年の高校進学と同時にプロデビューし、同年10月には『TRIBELATE』の女子ピン級王座決定戦で勝利し、高校1年生でプロ初戴冠。サウスポーでミドルキックを中心に組み立てる19歳。7月大会では小林愛三と対戦するはずだったが、小林の計量オーバーにより不戦勝で決勝へコマを進めた。
今回大きな舞台でベルトを懸けて戦うようになったのは運命かなと
──7月のRISE QUEENミニフライ級王座決定トーナメント準決勝では、小林愛三選手が規定の体重をクリアすることができなかったことで佐藤選手の不戦勝となりました。
「元々、自分は46kgの選手ですが、今回49kgのトーナメントに出たのはベルトが一番の目的ではなく、愛三選手と対戦する、愛三選手を相手に自分の実力を試すチャンスだと思ったからなんです。愛三選手との試合に懸けてきた部分が大きかったので、試合がなくなったことを聞いた時はかなり呆然としてしまいました。愛三選手は自分の中でプロ中のプロ選手というイメージだったので、失敗というのは誰でもあるというのを改めて感じさせられました。その試合が近づくまでに正直なところ、恐怖心もあったので、大会後は緊張感の糸が切れ、試合後1週間はふわっとした状態が続いていました」
――トーナメント決勝戦に進んだことも素直に喜べませんでした?
「そうですね。この試合を楽しみにしていたお客さんは納得していないでしょうし、自分はトップレベルの選手ではないので愛三選手が勝ち上がるのは当然であって、お前が勝ち上がったらダメだろと思われて納得していないだろうなと思うので、自分も納得していません」
――小林選手にメッセージはありますか?
「私はどうこう言える立場ではなく、愛三選手が計量で大変だったのを目の前で見ているので攻めるつもりはありません。今回の試合が決まるまで自分は愛三選手の普通に1ファンだったので、今回の失敗を乗り越えてまたリングで活躍する姿を見させて下さい。11月に世界戦が決まっているので応援しています。今後、愛三選手とは試合をすることはないのですが、またカッコいい愛三選手の姿を見る日を楽しみにしてます」
――今回対戦する寺山選手とは仲がいいんですね?
「ジュニア時代に3回ぐらい試合をしていて私が全敗しているのですが、そんなに差はなかったんです。その時はお互いに首相撲主体の攻めでした。今は自分の方がプロ向きの選手になっていて、ジュニア時代よりも勝率は上がっていると思います。プライベートで仲がいいので、対戦したくないね~とは言っていたのですが、まさかの試合が組まれてしまいました。本来勝ち上がるはずもなかった私が勝ち上がってきて、日葵ちゃんとは階級が違うので、今回大きな舞台でベルトを懸けて戦うようになったのは運命かなと。結果的に日葵ちゃんとやることになって感慨深いです」
──選手としてはどのような印象がありますか?
「アマチュア時代は前に出るイケイケな選手でしたが、プロになってからはスタイルが変わって凄く冷静にスタミナの使い分けをしながら戦っているイメージがあります」
――どういう試合イメージをしていますか?
「お互いのスタイル的に長期戦になると見ています。ただ、他の選手とは違って私たちはジュニア上がりなので技術戦を見せられると思います。足技だけでなく、磨いてきたパンチも見せたいですね」
――練習ではどういうことを強化していますか?
「タイトルマッチは3分5R無制限延長ラウンドなので、元からスタミナには自信がありますが、さらにスタミナを付けたり、パンチがネックでしたが凄くパンチを練習しているので、どんな展開でも対応できるように練習しています」
――師匠の良太郎選手からはどのようなアドバイスを?
「最初にこの試合が決まった時に『3Rだったら日葵ちゃんが有利だけど、5Rだったらお前にも勝率がある』と言われてます」
――良太郎選手は“千の職質を受けた男”というニックネームが付いてますが、ご自身にとってどのような師匠ですか?
「あの顔通り、練習では鬼なのですが、普段は顔に似合わず選手思いの方なんです(笑)。私は食が細く今回は減量がないのですが、あまり食べられない時に良太郎さんが料理を作ってくれるんです。夏休み期間中はマンツーマンで練習をしてくれました。応援してくれるジムの方、お客さんのために負けられないのはもちろんですが、9歳の頃にキックを始めた時から親代わりでずっと育ててくれる良太郎さんにベルトを見せてあげたい想いが一番強いです。
――どういうチャンピオンになりたいですか。
「もう負けられない戦いが続くので絶対王者になりたいですし、あわよくば本来の階級である46kg級のタイトルにも挑戦させてもらって、RISE女子初の二階級制覇を目指します。まずは、私が凄く憧れている神村エリカさんが持っていたベルトを日葵ちゃんと懸けて試合します。最高の試合を見せるので応援よろしくお願いします」