プレリミナリーからランカーが大挙出場する豪華なラインナップとなった(C)GLORY
2024年12月7日(土・現地時間)オランダ・アーネムのゲレドーム・サッカースタジアムで開催されるGLORYのビッグマッチ『COLLISION 7』の全対戦カードが決定した。
メインイベントでは、“キング・オブ・キックボクシング”GLORY世界ヘビー級王者リコ・ヴァーホーベン(オランダ)が12度目の王座防衛戦で同級1位レヴィ・リグターズ(オランダ)の挑戦を受ける。
ヴァーホーベンは、2021年の『GLORY COLLISION 3』でのジャマール・ベン・サディック戦以来、GLORYのリングから遠ざかっていた。ヒザの負傷により、2023年初めの復帰戦はお預けとなったが、11月にGLORYにカムバック。暫定王者オサロとの王座統一戦に勝利した。
バダ・ハリ、グーカン・サキ、ベンジャミン・アデグビュイ、ピーター・アーツ、エロール・ジマーマン、アリスター・オーフレイムなど数々のレジェンドに勝利し、キックボクシング界の頂点に上り詰めた35歳は、GLORY史上最多の王座防衛記録(11回)を持ち、現在19連勝という驚異的な記録を10年近くも続けている。2024年3月には『GLORYヘビー級GP』で優勝し、最強を証明した。戦績は64勝(21KO)10敗。
リグターズは2020年12月にGLORYデビュー。GLORYヘビー級トーナメントで優勝し、一躍トップクラスに躍り出た。2022年10月にGLORY世界ヘビー級暫定王者タリク・オサロに判定勝ち。2024年3月のGLORY世界ヘビー級GPでは決勝へ進出し、リコ・ヴァーホーベンにTKOで敗れるもバックハンドブローでダウンを奪った。9月のクロアチア大会でバフラム・ラジャブザデを3RにTKOで破り、挑戦権を得た。戦績は19勝(9KO)2敗。
GLORYライトヘビー級世界王者タリク・カバベ(モロッコ)は、GLORYライトヘビー級グランプリ優勝者ドネギ・アベナ(スリナム)と2度目の防衛戦。75kg契約3分3Rではタイフン・オズカン(オランダ)とユネス・スマイリ(モロッコ)が初対戦。
今大会ではライトヘビー級戦線の今後を占う4試合が決定した。
ライトヘビー級2位バフラム・ラジャブザデ(アゼルバイジャン)は、初参戦のダニエル・ステファノスキー(スイス)と対戦。
ラジャブザデは4年ぶりのGLORY復帰戦となった2023年5月、ルイス・タバレスを1Rで右ハイキックKOし、存在感を示した。8月のヘビー級グランプリ予選トーナメントではモハメド・アミンにTKO勝ち、ユルジェンダルに判定勝ちで優勝。2024年3月のGLORYヘビー級GPでは1回戦で元GLORY世界ヘビー級暫定王者タリク・"クッキー"・オサロを破る番狂わせを演じたが、準決勝でレヴィ・リグターズに敗れた。6月のライトヘビー級GPにも出場し、1回戦でイブラヒム・エル・ボウニに初回TKO勝ち、準決勝でセルゲイ・マスロボイエフに2RでTKO勝ちと圧倒的な爆発力で決勝へ進出したが、ドネギ・アベナに初回TKOで敗れ優勝を逃した。前戦は9月にレヴィ・リグターズにTKO負け。戦績は驚異の69勝(61KO)4敗。
ステファノスキーは2018年に初代SUPERKOMBATライトヘビー王者となり、2019年4月にはISKA世界ライトヘビー級K-1ルール王座も獲得。2019年6月にはWKU 世界-79kg王座、 2023年にWKU K-1ルール世界-83kg王座も獲得。8連勝の後、前戦である2024年10月、ロバート・クラソンと引き分けた。
同級3位セルゲイ・マスロボイエフ(リトアニア)vs.同級5位ステファン・ラテスク(ルーマニア)のハードヒッター対決が決定
マスロボイエフはアマチュアで数々の大会で優勝し、2007年7月のプロデビュー戦ではなんといきなりWKAヘビー級タイトルマッチを行いKOで王座を獲得。2戦目もタイトルマッチでバルティック・ムエタイ・ライトヘビー級王座を獲得した。KOKヨーロッパGP 2011ヘビー級トーナメント優勝、欧州格闘技連盟キックボクシングライトヘビー級世界王者、KOKライトヘビー級王座、WAKO PRO世界K-1ライトヘビー級王座など次々とタイトルを獲得。2018年には2度ONEに参戦して2勝している。
2019年9月からGLORYに定期参戦し、2022年10月にタリク・カバベとの王座決定戦を判定3-2で制して新王座に就いたが、2023年2月の初防衛戦でドネギ・アベナにTKOで敗れた。2024年6月のGLORYライトヘビー級GPでは準決勝でラジャブザデにTKO負け。9月にはリトアニアの『UTMA 9』という大会で判定勝ちしている。戦績は39勝(24KO)7敗。プロボクシングで7勝(3KO)3敗、MMAでは11勝6敗の戦績を持つ。自らを「ドラゴンボールZの大オタク」と呼ぶ。
ラテスクはアマチュアボクシングで150戦以上を経験し、ジュニアキック時代にISKA世界クルーザー級王座に就き、プロではまだ無冠だが17勝(8KO)4敗の戦績を誇る。2022年12月のK-1に初来日を果たすと、マハムード・サッタリを強烈な左フックでKOして初黒星を付け、大きなインパクトを残した。2023年3月の2戦目では谷川聖哉にローキックでダウン寸前まで追い込まれるも右フックで逆転KO勝ち。7月はK-Jeeも初回KOに沈めた。GLORYには9月に初参戦を果たし、パスカル・トゥーレに判定勝ちで初陣を飾った。11月の2戦目ではイブラヒム・エル・ボウニをTKOに破り、2024年6月のライトヘビー級GPに出場したが、1回戦で同じくアベナに3RでKO負けを喫した。8月にはセム・カセレスにも初回KO負けと連敗中。
同級4位セム・カセレス(トルコ)は同級7位パスカル・トゥーレ(フランス)と対戦。
カセレスはENFUSIONで2勝無敗の戦績を残してGLORY参戦。2024年6月のGLORYライトヘビー級GPリザーブファイトにて、当時同級8位のモハメド・アミンを左フックでTKO。9月にはメインイベントでステファン・ラテスクをボディショットでKOした。戦績は17勝(14KO)1敗。
トゥーレはフランスを主戦場にし、2021年12月にはフランスで行われたK-1ルールの-95kgトーナメントで準優勝。2023年2月の前戦では『ムエタイ・ファクトリー』で元GLORYライトヘビー級王者アルテム・ヴァキトフと対戦して判定で敗れている。GLORYには2023年9月に初参戦し、ステファン・ラテスクに判定で敗れた。2024年4月、GP出場権を懸けてモハメド・アミンと対戦し、判定3-2の大接戦を制してGP出場を決めたが、1回戦でタリク・カバベに敗れた。戦績は20勝(7KO)6敗。
同級9位モリー・クロマ(ギニア)は10位のミロス・ツヴェチカニン(セルビア)と対戦。
クロマはENFUSIONを主戦場にし、なんと9戦全勝。GLORYで活躍するナビル・ハチャブからも勝利を収めている。GLORYには2024年5月に初参戦すると、アニス・ボウジッドに1RでTKO勝ちした。戦績は29勝(17KO)2敗分。
ツヴェチカニンはセルビアとWAKO世界選手権やワールドカップなど、数々のアマチュア大会でメダルを獲得。2018年にプロデビューを果たしている。ブルガリアのSENZHIを主戦場にし、2018年9月に行われた「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~初代クルーザー級王座決定トーナメント~」で決勝まで進出したブバッカ・エル・バクーリに2024年4月に勝利。6月にはボスニア・サラエボで開催された『K-1 WORLD GP 2024 in Sarajevo』のリザーブマッチで勝つと、本戦出場選手の棄権を受けて準決勝から本戦に繰り上がり参戦し、決勝ではニダル・ブチリをKOして無差別級東欧予選トーナメントで優勝した。9月にGLORY初参戦を果たし、ジミー・リヴィナスをKOしている。戦績は11勝(8KO)2敗。
GLORY年間最大のビッグマッチだけに、プレリミナリーカードも豪華。タイフン・オズカン(オランダ)、セルカン・オズカグライヤン(トルコ)、エンディ・セメリア(キュラソー)、ジェイ・オーバーメール(オランダ)らが出場する。