道着を着ての総合格闘技である空道
道着と顔面防具を着用のうえで、頭突きや肘打ち、道着を掴んでの打撃・投げ・寝技によって争う“着衣総合格闘技”である空道(くうどう)の『2024全日本無差別選手権大会』が、11月3日(日)東京・国立代々木競技場第2体育館にて開催される。
本来、武道とは、護身の流れを汲むものであり、体格無差別で稽古・試合を行うことこそが本分というポリシーに満ちたものであったが、武道のスポーツ化の流れのなかで、空道においても、身長(センチ)と体重(キロ)の数値の和(体力指数)によってクラス分けを行う体力別大会のみが、国際大会では実施されるようになっている。
【写真】連覇を狙う国内最重量級(260+クラス)の西尾勇輝
そんななか、武道発祥国である我が国・日本においては、国際大会に繋がる予選大会の実施の必要のない年度の秋季にかぎり、階級分けなしの空道無差別大会が実施されており、武道の本分を追求したこの大会の頂点を極めることは、世界選手権で優勝することと並ぶ(あるいは比較できないまったく別のドメスティックな“一夜の祭り”のような文化の)価値をもつ。
【写真】佐々木龍希
今大会、男子では、連覇を狙う国内最重量級(260+クラス)の西尾勇輝に対し、10月20日にユーラシア大会でロシア人選手を下して優勝したばかりの佐々木龍希と10年間、空道の最軽量級の全日本王座に君臨し続けている目黒雄太、最軽量級(体力指数-230クラス)のツートップがジャイアントキリングを狙う。
【写真】10年間、最軽量級の全日本王座に君臨し続けている目黒雄太
一方、女子空道の歴史における最高のテクニシャンといわれる大倉萌は、連敗を喫している2023世界選手権優勝者・小野寺玲奈から星を取り戻すことを目指す。
【写真】女子キックボクサーとしても活躍した大倉萌
以下、今大会注目の上記以外の出場選手を挙げる。
体力指数230以下では、全日本ファイナリストの小芝裕也、同じく全日本ファイナリストの経験をもち大道塾総本部寮生になったばかりの大西凜駿。
体力指数240以下では、昨年の世界選手権-240クラス準優勝の曽山遼太。同クラス2021、2024全日本優勝の谷井翔太。同クラス2022全日本優勝、2024全日本準優勝の伊東宗志。2022年にU19全日本春秋2冠を達成し、その後、一般(北斗旗)にクラスアップした佐々木惣一朗。2022秋季全日本U19 優勝、2023世界U19ベスト4の曽山隆聖。-240クラスながら今大会の関東地区予選を制した佐々木虎徹。
体力指数250以下では、今春全日本-250優勝、鈴木浩佑。2018世界選手権-240ベスト4、服部晶洸。018世界ジュニアU19唯一人の日本人優勝者、曽山智輝。昨年の全日本無差別ベスト8の中上悠大朗、今春全日本-250準優勝の中村凌、2022全日本-250&アジア選抜-250準優勝の佐川太郎、2018全日本-250優勝の藤田隆。
体力指数260以下では、今春全日本-260優勝の林洸聖、今大会の関東地区予選で準優勝した水村健太郎。今春の全日本-260準優勝、2023世界選手権-260ベスト4の麦谷亮介。
体力指数260超では今春の全日本260+準優勝の山田泰輔。
女子では、2023世界選手権出場の小関沙樹。
果たして、無差別大会ならではの小よく大を制すドラマが実現するのか?