2024年10月25日(金)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.166』の休憩時間中に、シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY)がトレーナー兼通訳のニコラス・ペタスを伴ってリングサイドに姿を現わし、宮田充Krushプロデューサーに喰ってかかった。
会場にニコラスの怒声が鳴り響き、何やら抗議をしている様子。しばらく押し問答が続いた後、ニコラスとカリミアンはリングへ上がった。
マイクを持ったニコラスは「昨日発表したじゃないですか。反則王と言われているんだ、アイツ。なぜシナを出さないの? 倒れながら蹴ってきて後頭部打たれて脳震盪起こしてるんだぞ。ずっと電話しても出ないじゃないか。返事もらわないと俺たちは帰らない。宮田さん、シナを試合に出してもらわないと」とまくしたてる。
どうやら昨夜発表された12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024』にて行われる「K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント」に、クラウディオ・イストラテ(イタリア/Kombat Gym)の出場が発表されたことに対する抗議のようだ。
カリミアンとイストラテは10月5日のエディオンアリーナ大阪で開催された『K-1 WORLD GP 2024』の第16試合「K-1 WORLD GP 2024無差別級アジア予選」3分3R延長1Rで対戦し、イストラテがダウンを奪ったあと、立ち上がったカリミアンはクリンチで逃げるも、抱き合ったままイストラテが右の拳で後頭部をバウンドするように叩いてしまった。
カリミアンは後頭部を押さえて倒れ込み、後頭部へのパンチは反則となるため、試合がストップし回復を待つも、カリミアンが立ち上がれず試合続行不能となり、裁定は主催者預かりとなった(その後、無効試合となった)。そして 試合がストップされた時点までの攻防を検証した結果、イストラテが優勢と判断。この試合は「K-1 WORLD GP 2024無差別級アジア予選」として行われたため、12月14日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2024 無差別級トーナメント』へはイストラテが進出することとなった。
ニコラスはそのことに「ルールはルールですからね。後頭部を殴られて倒れてるから」と抗議。リングエプロンに上がった宮田Pは「シナはメンバーに入ってないんですよ」と言うが、ニコラスは「そんなの許さないです」と譲らない。
リングを占拠されて大会が進行できず、困った宮田Pは「アピールがあったということでカルロスさん(カルロス菊田K-1プロデューサー)と相談しますから。意見は受け止めますから」と話をまとめようとしたが、ニコラスは「あのジャガイモ(イストラテのこと)を出すなんてありえないからね。カルロスさんいないの? (カリミアンとイストラテの)決着をつけよう。みなさんどう思いますか?」と観客に呼びかけ、一部から歓声も起こった。
宮田Pは「カルロスさんが言っていたのは、(カリミアンは)頭のダメージをもらったでしょう?」と、頭部のダメージを考慮したと告げるも、ニコラスは「大丈夫。こんなに元気ですから」と問題ないと主張。
これに宮田Pは「分かりました。じゃあ月曜日に緊急ミーティングするので」と検討すると返答。最後に「悪い返事になるかもしれないですけど」と捨て台詞を吐いた。
ニコラスは観客席へ向かって「また12月!」とカリミアンの12月大会出場をアピールし、「宮田!」と宮田Pに念押ししてカリミアンと共に去っていった。
大会終了後の囲み取材で宮田Pは「僕も無視していたわけじゃなく、今日の大会が終わってから対応しようと思っていました。シナはダメージもあったし、いくら(12月の無差別級トーナメントの)一枠が空いたからと言ってそこに入れるのはないと考えています。カルロスさんには報告しました。でも、アピールされて『やります』では面白くない。言ってきたのを評価するわけじゃないが、反響があるみたいで」と、今からトーナメントに入れることはないとしながらも無視はできないと話す。
【写真】カリミアン制裁に名乗りをあげた山口(C)K-1 そこで「山口翔大がやってやるって言ってるみたいで。それもありかなとは思う。個人的にはクソ面白くない。興行を壊されかけたので。でも鼻息荒いなら山口に制裁して欲しいという気持ちもある。K-1としては週明けに結論を出します」と、自身のSNSを通じて「我慢限界やわ。子供の頃から憧れてきたK-1の神聖なリングを何度も汚す、お前だけはホンマに許されへん。K-1母国の空手家として必ず倒して追放します。練習も大してしてないやろうし、言い訳できないように無差別でええのでワンマッチでやらせてください」と、カリミアン制裁に名乗りをあげた山口翔大(GENESIS)をカリミアンに当てるとの案も出た。
山口は同じく10月の「K-1 WORLD GP 2024無差別級アジア予選」に出場、エロール・ジマーマン(オランダ)を追いつめたが3Rに逆転KO負けを喫していた。
宮田Pは「トーナメントにシナはない。そこに入る選手はもう動いており2~3人に候補が絞られているので本戦に入れるのはないです。リザーブにもしたくない。特別試合とかで組んでやろうかこの野郎、というのはあります。山口には延髄斬りを2メートルの後頭部にやって欲しい」と、Krushのリングを荒らされたことに憤慨していた。