(C)Zuffa LLC/UFC/GONG KAKUTOGI
「みんな聞いてくれ。誰も彼(朝倉海)と戦いたいとは思わなかったが、パントージャは絶対的な強者なので、戦うことに同意した」と、デイナ・ホワイト代表は語った。
2024年12月7日(日本時間8日)の『UFC 310』(米国ラスベガス・Tモバイルアリーナ)のコ・メインとして朝倉海(日本/JTT)が、フライ級王者・アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル・ATT)に挑戦する。
DWCS後の会見で、朝倉抜擢のプロセスを問われたデイナ代表は、「ジャパニーズキッドのことかい? 彼は“バッドボーイ”さ。彼は世界最高の選手の一人かどうか試される必要のある選手じゃない。彼が世界最高の選手かどうかは、その夜に分かるだろう。タイミング? それはいつも重要だが、彼がいつ来たかは関係なかったと思う。チャンピオンが誰であろうと、彼はタイトル戦に臨んでいたよ」と、王者が誰であろうと、朝倉が初戦で王座に挑戦していた、とした。
近年、過去11年を見れば、すでにUFCで王座防衛を果たしている王者を相手に、UFCデビュー戦で挑戦したのは、ギルバート・メレンデスのみ。2013年4月にSTRIKEFORCEがUFCに買収された際にライト級王者だったギルバート・メレンデスが、UFC初戦で、3度目の王座防衛戦だった王者ベンソン・ヘンダーソンに挑戦し、スプリット判定で敗れている。
また、女子では2013年2月にSTRIKEFORCEバンタム級王者のロンダ・ロウジーが、UFC世界バンタム級王者に認定され、リズ・カモーシェが挑戦者として参戦。UFC史上初の女子の試合として両者が王座戦でオクタゴンデビューを飾っている。
さらに「初代王者決定戦」の形では、2017年12月の『TUF26』決勝で女子フライ級(ニコ・モンターニョvs.ロクサン・モダフェリ)と女子ストロー級(カーラ・エルパルザvs.ローズ・ナマユナス)王座の二階級でUFC初戦の4選手がタイトル戦を経験しているが、新設王座以外では、メレンデス以来の大抜擢となる。
朝倉海は自身のYouTubeで、「ついに決まりました。UFCデビュー戦でタイトル戦があったのは十数年前。だから、ここ最近の超デカくなったUFCではもうありえない話だね、本当に。想像外の話。『UFC 310』ラスベガスのTモバイルアリーナでフライ級チャンピオンのアレシャンドリ・パントージャ選手とタイトルマッチということで、これはね震えますよ、ホントに。ヤバすぎるよね」と報告。
朝倉はRIZINではバンタム級(61kg)で王者となっているが、今回、UFCで選択したのはフライ級(56.7kg)。2017年6月の『ROAD FC 039』でのムン・ジェフン以来、7年半ぶりの階級変更となる。
階級選択について、朝倉はフライ級でもバンタム級でもどちらでも戦えることをUFCに伝えていたという。
「UFCに『僕はフライでもバンタムでもどっちでもできます』と言いました。そうしたら『マジか? お前、最強じゃないか』って言われて。『じゃあ、まずフライ級でやってほしい』と。その理由は、今チャンピオンのパントージャがいるんだけど、ランカーの選手がほぼみんなやられている(※トップ5では3位アミル・ アルバジ、4位カイ・カラ・フランスと未対戦)。もうパントージャが全員倒しちゃって、最強な状態で面白くないと。ランキング1位の選手(ブランドン・ロイバル)とかも2回負けてると。
そういう状況の中で、最近ランキング10位の(スティーブ)エルセグがいきなりタイトル戦やるぐらい、フライ級が盛り上がってないっていうのとランカーたちがやられちゃってるっていう状況があって、(UFCから)『ちょっと一発ここのフライを盛り上げてほしい』っていうので、『分かりました』と。もう『俺は誰でもやります』と言って、最初交渉が始まって。最初は『トップ3の誰か』みたいな感じで言われてたんだけど、『誰でもいいです』と待っていたら、『いやチャンピオンでお願いするかも』っていうのが、2、3カ月前に決まった」と、夏にフライ級で王座戦が決まっていたことを明かしている。