ベルトを肩に現れた那須川だが、すぐに返上するつもりだという 撮影/安村発
2024年10月14日(月・祝)東京・有明アリーナ『PRIME VIDEO BOXING 10』にて、WBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦3分10Rでジェルウィン・アシロ(フィリピン)に判定勝ち。ボクシングで初のタイトルを獲得した那須川天心(帝拳ジム)が試合後インタビューに答えた。
以下、記者との質疑応答の全文。
GOサインが出ればいつでも行ける準備はしていく
「相手が自分がやりたいことをやらせてくれなかった、研究していたというのもありますし、アマチュアで200戦以上やっているだけあって凄い上手かったというのがありますけれど、10Rを通して戦うことが経験できたのでそれはそれで良かったなと思います」
――自身のボクシングについては?
「なんか距離が…上(体)が柔らかくて思ったより相手が上手かったというのはあるんですけれど、でも落ち着いて自分のペースでずっと戦えたというのは収穫になりました」
――9Rにダウンを奪った。
「多分、打ってきたところを外して腹を打って飛ばしたって感じなんですけれど、そこで吹っ飛ばして。ずっと終始プレッシャーをかけて相手も効いていたので、そこでしっかりとダウンをとれたかなと思います」
「スタミナ的には問題ないというか、今からもう1試合できます。それくらいの気持ちはあります」
――粟生トレーナーの評価は。
「判定だったからと言って全然評価できないような試合ではなかった。高いレベルでボクシングが出来るところを見せられた試合だったかなという」
――世界に挑戦できるところまで来た。
「そうですね。挑戦権というか、ベルトを1個獲得したので。これはすぐ返上して次なる高みへ行きたいと思いますね。来年じゃないですか。すぐじゃないと思うので、しっかりとあと1戦か2戦か段階を経て、そこから挑戦したいなと思っています。いつでも準備は出来ています」
――お互いカウンターを取り合う展開の中で、どう突破口を開こうと思った?
「やっぱり相手にプレッシャーをかけて出そう、出そうと思っていたんですけれどなかなか引き込んでくるだけだったので。攻めに来るって感じがなかったんですよね、相手が。そういう相手に対して今後どうやって自分から仕掛けるかっていうのは今後課題になったかなって思いましたね。今までは来る相手に自分でカウンターを狙ったりとかしていたんですけれど、自分から行くってことがあまりなかったじゃないですか。そこをもうちょっと次から練習する必要があるなって思いました」
「ないんですよね、顔を傷つけられたのは。格闘家みたいですよね」
――10Rは血を見て燃えた、スタイルが変わったように見えた。
「どうなんですかね。まあ、そうですね。これが切れたか、みたいな感じになったので。1個の試合であまり経験できないことを2~3個経験できたので。いろいろなことが重なったのでよかったんですけれど。でもずっと落ち着いて冷静には戦えていました。セコンドの声も聞けたし、どんなに攻めていてもジャブをしっかり当てたし、相手の攻撃も見えたし、というのはずっと意識していました」
――来年中に世界というのはどういう真意?
「来年中だと思いますね。挑戦権も得たし、得て1年以上やらないのはおかしいじゃないですか。ランキングも上なのでそろそろ上の人といつでも。GOサインが出ればいつでも行けるっていう準備はしていくっすね」
「お返しですね。来てくれてたので。一応、勝ちましたって報告だけさせていただきました」
――7Rに右構えにしたのは?
「ぱっと出ただけですね。ストレートを警戒していたのでフックを打ってみようと思ってちょっと変えてみようと。試合中にいろいろ出来ましたね。右になってみたり、ちょっと近くに寄ってみたり。今まで練習でやってきたことをちょっとずつ全部出すっていうのはちょっとずつ出来たかなって。あとは練習でやっていないこともぱっと出来たりとかもしました」