2024年10月12日(日本時間13日朝5時開始)米国ネヴァダ州ラスベガスにて『UFC Fight Night: Royval vs. Taira』(U-NEXT配信/UFC Fight Pass配信)が開催された。
朝倉海の12.7 UFCデビュー戦の相手が、現UFC世界フライ級王者のアレッシャンドリ・パントージャになることが大会前に発表されるなか、今回のメインの平良達郎vs.ブランドン・ロイバルのフライ級戦の勝者は、朝倉vs.パントージャの勝者と対戦することになるのか、注目の5分5R戦だ(※選手名からインタビユー)。
▼フライ級 5分5R〇ブランドン・ロイバル(米国)1位 17勝7敗(UFC7勝3敗)125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※48-47×2、47-48×平良達郎(日本)5位 16勝1敗(UFC6勝1敗)125.5lbs/56.93kg
平良は、MMA16戦無敗。2024年6月の前戦で当時5位のアレックス・ペレスに2R TKO勝ちし、UFC日本人最多連続勝利の6連勝をマーク。今回、UFC7戦目で元タイトルコンテンダーと対戦することになった。
ロイバルは、MMA16勝7敗でUFC6勝3敗。2023年12月に現王者のアレッシャンドリ・パントージャに挑戦し、5R判定負けで戴冠ならずも、2024年2月の前戦では、元王者のブランドン・モレノに5Rスプリット判定で勝利。再び王座戦線に名乗りを挙げている。
ロイバルは16勝中13勝を決着させているフィニッシャー
MMAジムでムエタイとブラジリアン柔術を始めたロイバルは、BJJ黒帯を巻き、9つの一本勝ち、さらに4KOと打撃での決定力も併せ持つ。フルラウンド動き続けるスタミナを武器に、16勝のうち13勝を決着させているフィニッシャーだ。
オクタゴンでの黒星は3つで、王者パントージャに2回、約4年前にブランドン・モレノに負傷TKOで敗れたが、モレノには2024年2月の前戦でスプリット判定で競り勝ち、リベンジを果たしている。
サウスポー構えから懐の深い打撃を持ち、特にスイッチしての右のヒザ蹴りはフィニュシュに繋がる得意技で、マテウス・ニコラウ戦でも歩いてスイッチし、打点の高いヒザ蹴りをアゴに当て、そのまま右ストレートを追打してダウンを奪いヒジでTKO勝ちしている。
16勝のうち9つの一本勝ちでは、3つの三角絞め、3つの腕十字、1つの肩固めに加え、近年のオクタゴンではギロチンチョークを大きな武器としている。
カイ・カラフランスには跳びついてのギロチンチョーク。また、無尽蔵のガスタンクを持ち、スクランブルに強く、マット・シュネルを極めたギロチンチョークは、シュネルの右にダウンを喫してからのスクランブルで極めたものだった。
ロイバルはシュネル戦で、先にギロチンで引き込まれるも、足をセットされる前に横回転してパスガード。シュネルの立ち際に逆にアームインギロチンチョークを“ほぼワンハンド”で極めている。
平良より長身でサウスポーの長いリーチを持つロイバルは、スクランブルにも強く、5R経験も豊富
一方で、スタンドにおいては、シュネル戦でロイバルはダウンを奪われており、その右ストレートは、サウスポー構えのロイバルの右前足の外側を取って中心を突いたもので、試合毎にスタンドの進化を見せている平良にとっては、踏み込みの位置取りが重要な打撃となりそうだ。
身長170cmでリーチ178cmの平良に対し、ロイバルは身長175cm、リーチ173cm(※179cmの記載も)とフライ級では大きな平良を上回る体格。
スタミナ豊富でスクランブルに強く、ノンストップで仕掛けて来るロイバルは、組み技においては手が合う相手とも言える。
王者パントージャのように、ロイバルにスクランブルをさせない、あるいはスクランブルで競り勝つ、スクランブルを断ち切るポジショニングの強さを平良は見せるか。近年、バリエーションを増しているレスリングでは、ロイバルのギロチンに注意し、得意のパスガード、バックポジションは勝利へのキーとなるだろう。
そして、今回、平良にとってはUFCで2回目の5Rマッチ。前回のペレス戦では、初回におたつロックでの負傷TKO勝ちで2Rで試合を終えた平良は、まだ5Rのフルラウンドを経験することなく、16度の勝ち名乗りを受けている。
対するモレノは、5RフルラウンドをUFCで2回、LFAでも1度経験しており、そのペース配分も慣れているだろう。
スクランブルで競り勝つか、スクランブルを断ち切るか
平良は、2023年に米国でロイバルと練習を行っており、その時点では、本誌に「止まらない選手」と印象を語っている。
打撃については、「練習では、打撃をやったことがなくて肌感覚では分かりませんが、長身サウスポーというのが向かい合ったらやり辛さを感じるでしょうね。ロングリーチで手数も多いし、ニコラウ戦のヒザのような1発もめちゃくちゃ持っている。すごく圧をかけて、本当に止まらない選手」とやり辛いと予想。オーソの平良とサウスポー構えのロイバルのジャブの刺し合いから注目だ。さらに、サウスポー構えのロイバルの前進にオーソの平良はいかに蹴りも含む右の打撃で止めるか。
また組み技・寝技についても、平良は「スタミナが多いがゆえにずっと止まらずに続けられる強い選手。ギロチンだったりの極めもあるし、練習でもずっとスクランブルを作るような感じで、練習からアタックがすごく多く、本当に寝技に関しては仕掛けてない時がないくらいいろんな技を仕掛けて、気づいたら相手がディフェンスー辺倒になっているような感じ」と評している。
一方のロイバルは、平良がUFC5連勝でランキング入りした際の本誌の取材に、合同練習について、「彼は最高だよ。UFCでも登り詰めてほしいし、勝ち上がって行くのを見たい。一緒に過ごす事がとても光栄だと思える選手さ。本当に優しくて一緒に過ごせるのは嬉しいし、クロストレーニングできるのがいい。彼が最初にコロラドに来た時に、声をかけて『俺の柔術ジムに必ず来るようにね』って言ったんだ。だから彼がほんとうに来てくれたことは嬉しかったよ」と振り返り、今回の対戦決定に「タツローとケージを共有できて光栄だ」と記している。
また、試合直前の会見では、平良について「彼はこの競技の次世代のスターだ。この試合に俺が勝った後、全てが上手く行ったら彼がベルトを獲る手助けをしたい」と高く評価しながらも、「現状は俺たちは同じレベルに立っているとは思わない。俺は“今”彼より強いと思っている。どこでも、どんな状況でも。最悪な状況になっても俺は彼をボコボコにできる」と、現時点では差があるとした。
平良にとっては、フライ級1位のロイバルを下せば、王座挑戦は待った無し。誰もが認めるタイトルコンテンダーとなる。
死闘、平良にとって初の5Rに
入場時に両手を挙げて笑顔を見せた平良。
1R、オーソドックス構えの平良に、サウスポー構えのロイバル。グローブタッチは無し。ロイバルの左ハイ牽制は空振り。さらに2発目も空振り。5R戦でじっくり入る平良は、ロイバルの左の蹴りにシングルレッグも、ロイバルは足を抜いて離れる。ロイバルの左に右を当てる平良。
ロイバルは左ミドルハイ。平良は右インロー。ロイバルの左ハイをかわした平良。ロイバルの左を被弾し、出血の平良。鼻、ワンツーの左が伸びて額から少し出血。右を突く平良。かわされると、ロイバルは左ミドルを腕の上に当てる。
しかし平良は左を当てて前に出るとボディロックテイクダウン! 下から50/50のロイバルに足を抜いて組みに行く平良だが、離れるロイバル。ロイバルのラウンド。
2R、左ミドルハイのロイバル。右ストレートを当てる平良。前に出て右ヒザを突くロイバルを捕まえてバックテイクする平良はボディトライアングルに組む。その向き直りにツイスターも狙う平良は、マウントに移行。4の字ロックは組んだまま。座ったロイバルの背中に乗り続ける平良に、ロイバルは金網を蹴って落とそうとするが、平良は後ろに乗り直して首を狙う。
残り1分30秒。組み手を変えながらチョークを狙うとマウントに移行も、足が外れるとロイバルは正対を狙う。ここでトップを奪い、押さえつけた平良に、下から足関節狙いのトランジッションで離れるロイバル。平良のラウンドに。
3R、平良の組みのプレッシャーはロイバルのスタンドにどんな影響を与えるか。喧嘩四つの前手争い、ワンツーのを先に打つ平良。左ジャブをヒットする! 前に圧力をかける平良。外足を取り右を振って金網に詰めてダブルレッグに入るが、足を広げて凌ぐロイバルはヒジを連打! 突き放す。
スタンド。右ジャブを当てるロイバル。平良は後退。ロイバルはワンツーからアッパー! 平良は組んでボディロックも潰したロイバル。平良は亀になるとパウンドを被弾。バックを取ったロイバルの腕十字にトップを取り返した平良!
ピンチから寝技になったことで脱した平良はバックを奪い4のロックからリアネイキドチョーク! 残り10秒をロイバルは凌ぐ。ニアフィニッシュだが、平良のダメージは大きい。左目を腫らした平良。ロイバルのラウンド。
4R、チャンピオンシップラウンド。ロイバルの左ボディストレートに右を返す平良。詰めて左足をかけてバックに引き込んだ平良。ボディトライアングル、座るロイバルを再び引き込む。腰をずらすロイバルに横に落ちそうになるが、ここもバックにつき続ける平良。
足を時折組み直しながら逃がさない平良。仰向けになるとトップ、身体を起せばバックの平良。脇を潜ろうとするロイバルに肩固めも狙いつつ、ロイバルの動きに合わせて足を巻き直す平良は首を狙う。
ロイバルの左腕を左足で縛って首を狙う平良。スクランブルするロイバルを潰してホーン。平良のラウンドに。2-2に。
最終5R「最後のラウンド、行って来い」と送り出される平良。中央を取るロイバルはジャブ、右アッパーをヒット。しかし、平良も組みのフェイントから右ハイ。互いに疲弊。左ストレートを当てるロイバル。平良の右は空を斬るが、右オーバーハンドを振ってダブルレッグからトップ。上四方に。
金網蹴るロイバルはスクランブルからシングルレッグ。尻を着かせるロイバル。金網で上体を立てる平良は立ち上がるも、組んでリフトして離れるロイバル。
右から左のロイバル。ワンツーを被弾する平良は鼻から出血。シングルレッグの平良だが突き放すロイバルは左ヒザ! 前に出る平良。ロイバルも足を滑らせるが、平良のシングルレッグに得意のギロチンチョーク! 仰向けになって逃れる平良のバックを奪うロイバルはパームトゥパームでリアネイキドチョークへ。さらにおたつロック。凌ぐ平良に最後はロイバルがうつ伏せになってトップを取られない形で腕十字を狙いホーン。ロイバルは平良を笑顔でハグした。
ジャッジコール。判定は48-47平良、48-47ロイバル、48-47ロイバルでスプリットに割れるもロイバルが勝利。ケージに両手を着いた平良にロイバルは歩み寄り、平良をハグした。
試合後、ロイバルは期待どおりだったか、と問われ「いやもっとすぐに極められると思った。正直、接戦になるとも思ってなくて、すごい試合だった。平良、トレーニングしたいならいつでもコロラドで俺を頼ってくれ、お前のためなら何でもやるよ。君はいつかチャンピオンになれる。すごいヤツだ。(今後は?)次はタイトルショットだ。俺はバックアップだ。朝倉海が勝つなら日本に行ってやる、パントージャが勝つならブラジルに行ってやる。次はタイトル戦。それが唯一の議論だ。俺はこの階級のトップ5の全員に勝った。他に誰がいる?」と語った。
2018年のプロデビューから6年、17戦目の初黒星となった平良。世界最高峰に立つ王者に挑戦するためにUFCで6つの白星を積み上げ、1位のロイバルとの対戦機会を得て、初の5Rを戦い抜いた。
届かない部分と、あと一歩の場面も作った平良は再度、頂を目指すことになる。
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▼ミドル級 5分3R〇パク・ジョンヨン(韓国)18勝6敗(UFC8勝3敗)185.5lbs/84.14kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ブラッド・タヴァレス(米国)20勝10敗(UFC15勝10敗)185lbs/83.91kg
1R、ともにオーソドックス構え。タヴァレスの左フック、右ストレートにジョンヨンがダウン! 立ち際にバックを奪いリアネイキドチョーク狙うタヴァレスだが、ジョンヨンは首を防いで外して立ち上がり、前に出て逆襲。ワンツーを放つが、タヴァレスの右を被弾する。
しかし、詰めて組んでボディロックからバッククリンチへ。小手巻き胸を合わせるタヴァレスに、バックフィストで離れるジョンヨンは右カーフ。
「来い」と手招きしてワンツー、右カーフ。タヴァレスも右カーフを返すと左ジャブもアイポークを主張するジョンヨン。しかしフェアブローとコールされ続行。
2R、右カーフから入るタヴァレス。詰めるジョンヨンは右の足払いでこかすと、立ち際に右で詰める。タヴァレスも右を返すが、詰めるジョンヨンは左右から右のクリンチアッパー!
離れると右カーフ、さらに右カーフ。右回りに右カーフをこつこつ突く。追うタヴァレスは左から右も追い足が無い。アウトキックボクシングに切り替えたジョンヨンに、タヴァレスは得意のワンツーの右! 顔を避けてダメージを逃すジョンヨンだが、タヴァレスは圧力。ジャブの刺し合い。
3R、中央でグローブタッチ。右カーフのタヴァレスに打ち合いに応じるジョンヨンが右を当てて前へ! ケージまで下がったタヴァレスにジョンヨンはボディロックテイクダウンへ。中腰で耐えるタヴァレスの腰を引き付け寝かせようとするジョンヨンだが、タヴァレスも金網背に凌ぐ。それを引き寄せて小外がけテイクダウンはジョンヨン! ニアマウントからリアネイキドチョーク狙い。さらにパウンドを散らせて、送り手をコントロールする。
正対し背中をつけたタヴァレス。半身になるタヴァレスの首を抱えてホーン。勝利を確信したかジョンヨンはケージのなかで満面の笑みで小躍りした。
判定は2-1(29-28×2, 28-29)に割れるもジョンヨンがスプリット判定勝ち。12月のアンドレ・ムニス戦のスプリット判定負けから再起を遂げたジョンヨンは、「ゲームプラン通り。タフな選手だった。今後? マネーファイトをしたい」と語った。
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▼ウェルター級 5分3R〇チディ・エンジョクアニ(米国)24勝10敗(UFC4勝3敗)170.5lbs/77.34kg[判定3-0] ※30-27×3×ジャレッド・グッデン(米国)23勝10敗(UFC2勝5敗)※172.5lbs/78.24kg※グッデンが体重超過。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のエンジョクアニに報奨金の20%を支払う。
1R、先に前に出て打撃からダブルレッグテイクダウンはグッデン。エンジョクアニもすぐに立ち上がると、右で差して押し込み。離れるとヒジ、ヒザを突く。
金網背にするグッデンに細かいヒジ、ヒザのエンジョクアニ。グッデンのサークリングを追って左ストレートを突いて、左右ヒザを首相撲で突く。
2R、グッデンの出入りを避けるエンジョクアニ。右ジャブから左ハイのコンビネーションで押し込み縦ヒジ、ヒザ。組み手争いでも巧みにコントロールし、左右のヒザを突き上げる。右ヒジで押し返すグッデンだが、すぐに首相撲ヒザでケージに釘づけにするエンジョクアニ。いったん離して右バックエルボーから左右ヒザ。何とか突き放したグッデンだが、ホーン。グッデンは同様の展開をどう打開するか。
3R、サウスポー構えから左ハイを打つエンジョクアニ。組んだグッデンは左小外がけでテイクダウン! しかしスクランブルするエンジョクアニはシングルレッグのグッデンから足も抜き、スタンドに。
ワンツーで前に出たグッデンに右ヒザを効かせたエンジョクアニ。右差しで押し込むグッデンにエンジョクアニは右で小手巻き。グッデンの投げを押し潰してニアマウントに! 下から腕を狙うグッデンはキムラで回そうとするが、トップはエンジョクアニ。
腕十字狙いのグッデンもかわしてトップからパウンドでホーン。判定3-0(30-27×3)でエンジョクアニがケージムエタイでコントロール、勝利した。
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▼ライト級 5分3R〇グラント・ドーソン(米国)22勝2敗(UFC10勝1敗)156lbs/70.76kg[2R 1分42秒 TKO] ※グラウンドエルボー×ラファ・ガルシア(メキシコ)15勝4敗(UFC4勝4敗)154.5lbs/70.08kg
1R、右前蹴りから入るドーソン。ガルシアはワンツーでボディ打ち狙い。右カーフのドーソンにガルシアは右を返す。廻し蹴りを見せるドーソン。ガルシアの詰めにシングルレッグをマット中央側に回してテイクダウン。クローズドガードのガルシアは下からヒジ。パウンドを連打しながら左足を抜いてハーフに。
そのエルボーの打ち際に両足を戻すガルシアだが、ドーソンは左に片足をパス。ガルシアは腰を切りフルガードに戻すも左差しての立ち上がりは出来ず。
2R、ドーソンは前蹴り、右ハイを出す。左を振って右でヒザを掴んでのニータップでテイクダウン。上からヒジを打ち込むとガルシアは出血。
背中を見せて立とうとするガルシアのバックに回るドーソンはバックマウントを奪い、左ヒジを連打! 大流血のなか打たれ続けるガルシアが動けなくなり、レフェリーが間に入った。
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▼ウェルター級 5分3R〇ダニエル・ロドリゲス(米国)17勝5敗(UFC7勝4敗)156lbs/70.76kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×アレックス・モロノ(米国)24勝10敗(UFC13勝7敗)154.5lbs/70.08kg
1R、サウスポー構えのロドリゲスに、オーソのモロノは左回り。ロドリゲスの左の入りを外して右を打ち込む。右ハイをガード上に突くモロノは、さらにハイ。右オーバーハンド。バックフィストをヒット。
ロドリゲスは左ストレートを打ち込むが、モロノの右オーバーハンドを被弾。左ミドルを返すロドリゲス。モロノも左ロー。圧力をかけるロドリゲスを右オーバーハンド、スーパーマンパンチで押し戻す。
ロドリゲスの左とモロノの右が交錯。ロドリゲスは右ジャブ、左ストレート。しかしその打ち終わりにモロノは右オーバーハンドを打ち込む。
2R、右ジャブのロドリゲスに、左ジャブのモロノ。外足を取るモロノは左から右、左前手のフックも。右スーパーマンパンチで押し戻すも、ロドリゲスもこつこつと田和を出し、左ミドルをヒット。
ロドリゲスの左ストレートには打ち終わりにモロノは右を突く。左の蹴りで押し戻すロドリゲス。モロノはジャブから右オーバーハンド。さらに左フックにも繋ぐ。
左ボディストレートのロドリゲスに右ハイを混ぜるモロノ。ロドリゲスは右ジャブも単発。モロノはリズム良く上下に散らし、最後にロドリゲスが左右で押し戻してホーン。
3R、右ジャブ、左ボディストレートを突くロドリゲス。さらに左ストレートに被弾したモロノが一瞬、後退。詰めるロドリゲスは左ハイもその蹴り足を掴もうとするモロノ。足を抜くロドリゲスはノーモーションの左ストレート。組むモロノを金網に押し込みヒザはロドリゲス。
離れたロドリゲス、左目を腫らしたモロノはスタミナ苦しいか。最終ラウンドで手数を増やしたロドリゲス。モロノの詰めに回ると、ボディロックテイクダウン! モロノがすぐに立ち上がりホーン。
判定2-1(29-28×2, 28-29)に割れ、中盤から手数を増やしたサウスポーのロドリゲスが勝利。連敗を3で止めた。
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【プレリム】
▼フライ級 5分3R〇ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)16勝2敗(UFC1勝0敗)125.5lbs/56.93kg[1R 2分50秒 TKO] ※左ボディ×CJ・ベルガラ(米国)12勝6敗(UFC3勝4敗)126lbs/57.15kg
テミロフは、RIZINで浜本“キャット”雄大、征矢貴をいずれも初回KO・TKOに下し、怒涛のMMA9連勝をマーク。UFCと契約し、オクタゴン初戦で平良達郎に一本負けしたCJ・ヴェルガラとの対戦が決まっている。
『ROAD TO UFC』『DWCS』を経ずにRIZINからUFCと直接契約を果たした、近年では稀なケースとなるテミロフ。今回のオクタゴンデビューにあたり、当然、ドーピングチェックのプール入りを果たし、抜き打ち検査を受けての試合となる。
テミロフは強い体幹から放つ左右のスイッチしての強打に空手・テコンドーベースの蹴りも混ぜた打撃を誇る。UFC3勝をあげているヴェルガラをも下すか。
前日計量でテミロフは125.5ポンド(56.93kg)、ベルガラは126ポンド(57.15kg)でパス。テミロフは、計量後のU-NEXTの取材に「RIZINで前に進み続けるという最高の経験をさせてもらった事が、UFC参戦に繋がった」と語っている。
1R、ともにオーソドックス構え。右の後ろ蹴りをかすらせるテミロフ。さらに鋭い踏み込みでワンツーの右を胸に。ベルガラの右カーフをかわして右オーバーハンドを強振もかわすベルガラ。
左前手フックから右を振って、左ボディを当てるテミロフ。右の後ろ蹴りを突いて、右オーバーハンドを空振りから左でダウンを奪うテミロフ!
すぐに立つベルガラはガードを固めて左を振るが、金網に詰めたテミロフは左ボディ! ベルガラが崩れ落ち、レフェリーが間に入った。
元RIZIN、ウズベキスタンのテミロフが1R 2分50秒 TKO勝ち! 5戦連続1R勝利をマークしたテミロフは、「この瞬間が夢だった。この階級の新しいスター、ショーマンの誕生だ」と語った。ベルガラは連敗。
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▼フェザー級 5分3R〇パット・サバティーニ(米国)19勝5敗(UFC6勝2敗)145lbs/65.77kg[1R 4分06秒 リアネイキドチョーク]×ジョナサン・ピアース(米国)14勝7敗(UFC5勝4敗)145lbs/65.77kg
プレリムに出場するサバティーニはUFC5勝2敗。18勝中一本勝ちが12あるグラップラーで、ヒールフックでの勝利も3つ記録。ディヴィジョン1レスラーで、柔術ではダニエル・グレイシーの黒帯でもある。
UFCで怒涛の4連勝後にデイモン・ジャクソンに組み際にパンチを効かされTKO負け。2023年6月にルーカス・アルメイダを肩固めに極めて再起すると、2023年11月の前戦ではディエゴ・ロペスに1R TKO負け。その後、グラップリングの『Fury Pro Grappling』でスロエフストレッチを極めるなど2連勝。今回のジョナサン・ピアース戦を迎える。33歳。
1R、詰めて組みからバックテイクのサバティーニは背中に跳び乗り、ボディトライアングル。背負ったままのピアースはおたつロックは組ませず。着地するサバティーニはバックコントロールしたまま。ピアースの正対際にダブルレッグテイクダウン。
両足を束ねて背中を着かせると、フックガードにするピアースを潰して背中を着かせてリアネイキドチョーク狙い。背中をずらしたピアースは背負ったまま立ち上がり。4の字ロックのサバティーニに、足を外しに行ったピアース。その首が空いたところに、左腕を喉元に食い込ませて後ろ頭で組んでリアネイキドチョーク! 立ったままピアースはタップした。サバティーニはUFC6勝目。
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▼ウェルター級 5分3R〇テンバ・ゴリンボ(南アフリカ)14勝4敗(UFC4勝1敗)※UFC4連勝 170.5lbs/77.34kg[判定3-0] ※30-27×3×ニコ・プライス(米国)16勝8敗(UFC8勝8敗)170.5lbs/77.34kg
1R、サウスポー構えから入るゴリンボ。オーソに戻すと大きな右を振って右ロー。プライスもオーソから右ローを返すが、ゴリンボは前足に左右のカーフ。ワンツースリーに、プライスも左ミドルを返す。
押し戻して右を突いたプライスにカウンターのダブルレッグテイクダウンはゴリンボ。左の手首を持つ下のプライスは腕十字狙いも左足を抜いてハーフにするゴリンボ。プライスは下からアメリカーナ狙い。
手首を回して腕を抜いたゴリンボはパウンド連打。立ち上がろうとするプライスのバックを奪い、背中に乗ってボディトライアングルからフェイスロック。前に落とそうとしたプライスに落とされず極めを狙う。
2R、右前蹴りで距離を取るプライスに、出入りで速い左右をまとめるゴリンボ。右を振って前進し、首相撲ヒザのプライスにゴリンボはダブルレッグテイクダウン! 亀から立とうとするプライスの背後からパウンド。立ち上がりのプライスをボディロックテイクダウン。ここも立つプライスは、体を入れ替え、逆にダブルレッグへ。
切ったゴリンボは離れて前蹴り。圧力をかけるプライスは左から大きな右。そのまま差して押し込み。右カーフを返すも右ミドルのプライスにゴリンボは組んでボディロックテイクダウン。プライスは下からキムラを仕掛けて凌ぐ。
3R、右カーフを当てて、左右の二段蹴りを見せるゴリンボはダブルレッグへ。首を抱えたプライスはクラッチしてテイクダウン。上のゴリンボは細かいパウンド。さらにハーフからヒジ! フルガードに戻すも立ち上がれないプライスを押さえ込み。足を戻し絵立ち上がるプライスをボディロックテイクダウン! 立ち際に背中に乗り、リアネイキドチョークからスロエフストレッチ狙い。グラウンドに引き込むと背後から細かいパウンドでホーン。
判定は3-0(30-27×3)でゴリンボが勝利、4連勝をマークした。
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▼ヘビー級 5分3R〇ジュニア・タファ(豪州)6勝3敗(UFC2勝3敗)241lbs/109.32kg[2R 2分15秒 TKO]×ショーン・シェラフ(米国)4勝1敗(UFC0勝1敗)252lbs/114.31kg
1R、ともにオーソドックス構え。先に前に出るシェラフ。ボディ打ちから顔面と打ち込むシェラフ。タファは押し戻すと右ボディストレート、左ボディも。シェラフはボディロックから金網にドライブも金網を掴んでしまうタファに注意。
なおも組んで押し込むシェラフに、タファはその勢いのまま後方に送り込んで立ち上がり。右アッパーを当てると、左ジャブ、右。シェラフも右のダブルから左、右ヒジと散らせて押し戻し、オーソから左ミドル。タファは右の強打で押し戻す。
さらに左ジャブのダブル、右をガード越しに当てると、左フックも。下がるシェラフだが自身のターンでワンツースリーで前進、ダブルレッグテイクダウンからマウント。ヒジを連打し、ニアフィニッシュとなるもホーン。
2R、ジャブ連打から右オーバーハンドのタファ。シェラフの組みを切り、右アッパーを効かせると、金網に詰めてラッシュ! ガードを固めるシェラフに。タファも疲労か。しかしクリンチボクシングからの右アッパーを当てるタファが前に。金網づたいに防戦一方のシェラフを見て、レフェリーが間に入った。
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▼女子ストロー級 5分3R〇ジュリア・ポラストリ(ブラジル)13勝4敗(UFC1勝1敗)115lbs/52.16kg[判定2-1] ※30-27, 29-28, 28-29×コーリー・マッケンナ(英国)8勝4敗(UFC3勝3敗)115lbs/52.16kg
1R、詰めるマッケンナに、ポラストリはテンカオで迎え撃ち、右で小手に巻き左ヒジでフレームを作る。左右の差しを変えるマッケンナにヒザを突くポラストリは体を入れ替えヒザ! しかしマッケンナも体を入れ替え、ダブルレッグも、ポラストリは右で差し上げディフェンス。
両差しでクラッチもヒジをフレームにクラッチを切ると体を入れ替えヒジ、マッケンナを突き放すと、得意のムエタイで前に。ジャブ・ローから詰めて首相撲ヒザ。マッケンナはその入りに左フックを突く。しかし首相撲ヒザで前に出るポラストリ。
2R、跳びヒザで走り込むポラストリ。マッケンナは左ミドルから右を伸ばすが、すぐに首相撲ヒザのポラストリ。マッケンナは首投げ狙い。それを外したポラストリに、右で差して押し込みも、ポラストリは頭を顔に着けての首相撲ヒザも。
下がるマッケンナに詰めるポラストリはマッケンナの右をかわしてダブルレッグ。金網までドライブしてバッククリンチに持ち込むと背後からヒザ。左足をかけてバック狙いも金網沿いに背中は譲らず離れるマッケンナ。ワンツーもポラストリの圧力に下がりながらの打撃に。右の打ち下ろしは当てるが、前に出るポラストリはヒザを突き上げる。
3R、ワンツーから右ローのポラストリに、打ち合うマッケンナだが、近づくと首相撲ヒザのポラストリ。左フックの相打ちも前に出るのはポラストリ。右の縦ヒジも打ち込む。スイッチして左も打ち込むポラストリはマッケンナの右に構わず、組みも剥がして首相撲で対抗。下にタックルに入るマッケンナはシングルレッグ、その頭を押し下げるポラストリに、残り2分で尻下でクラッチを組んだマッケンナはテイクダウン!
クローズドガードのポラストリは腕十字、三角絞めを狙いつつ下からヒジ、さらにスイープも狙う。中央に戻るマッケンナは上からパウンドも強い打撃は落とせず。ホーンにマッケンナは「サンキュー!」と声をかけ、ポラストリとハグをかわした。
判定は2-1(30-27, 29-28, 28-29)でポラストリが勝利。
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▼バンタム級→キャッチウェイト 5分3R〇コーディ・ハドン(豪州)8勝1敗(UFC2勝0敗)135lbs/61.24kg[判定3-0] ※30-27×3×ダニエル・アルグエタ(米国)9勝3敗(UFC1勝3敗)※138.5lbs/62.82kg ※アルグエタは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のハドンに報奨金の20%を支払う
アルグエタが2.5ポンドオーバーで、バンタム級からキャッチウェイト戦に。
1R、サウスポー構えのアルグエタはワンツーから左。先に詰めてボディロックからテイクダウン。ハドンはケージを使って立ち上がり左右で前に。そこで打ち返すアルグエタは右で差して脇を潜りバックテイク。正対しようとするハドンはクラッチを切ってヒザを突き離れる。ボディ打ちから左、ワンツーのハドンに組んでがぶりのアルグエタ。
頭を抜くハドンは右カーフ、ワンツーの右をヒット。さらにダブルレッグもそこにギロチンチョークのアルグエタ。首を抜いて前に詰めるハドンはケージに詰めて右! しかしアルグエタも体を入れ替え右で詰める。金網背にヒザを返すハドン。
2R、アルグエタの入りに右ヒザを合わせるハドン。さらにアルグエタの大きな左にカウンターのダブルレッグテイクダウン! クローズドガードのアルグエタの立ち際にバックを奪いに行くが、横に落としたアルグエタが上に。パウンドのスペースで立ち上がるハドン。そこを投げるアルグエタだが、押さえ込めず、力を使ったか。
打撃で詰めるハドンは、アルグエタの組みを切り、ヒザ蹴り。アルグエタのがぶりから首を抜き、互いに消耗戦に。右のテンカオを突くハドン。右を効かせたハドンが前に。しかしホーン。
3R、アルグエタの右前蹴りをかわして右ストレート、左ジャブをこつこつ突くハドン。ボディ打ちも混ぜてアルグエタの組みを切る。ともにバックフィストは空振り。右ヒジを打つアルグエタも前に。ハドンが足を取りに行くところを切って右カーフ! 両手を着いたハドンだがすぐに立ち上がるハドンが前に。
アルグエタが頭を下げて足を取りに行くとそこに左右の打ち下ろし、スプロール。再び低いシングルレッグのアルグエタを切るハドン。なおも詰めて組むアルグエタは金網まで詰めてテイクダウントライ。
しかし押し込み切ったハドンはサウスポー構えになり右ジャブ。アルグエタの組みをスイッチで切り返し、立ってシングルレッグレッグのアルグエタを切ったところでホーン。ともに疲弊した戦いに。
判定は3-0(30-27×3)でハドンが勝利。8月のDWCSで勝利し、UFCと契約後、わずか2カ月弱でのUFCデビュー戦を白星で飾った。
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▼フライ級 5分3R〇クレイトン・カーペンター(米国)8勝0敗(UFC2勝0敗)125.5lbs/56.93kg[2R 2分12秒 リアネイキドチョーク]×ルーカス・ホシャ(ブラジル)17勝2敗(UFC0勝1敗)125.5lbs/56.93kg
DWCSでエドガー・チャイレスに判定勝ちしてUFCと契約した強豪グラップラーのカーペンター。アマゾン出身のホシャもDWCS出身。4月にジョシュア・ヴァン戦が組まれていたが負傷欠場。今回が仕切り直しのUFCデビューとなる。
1R、ともにオーソドックス構え。跳びヒザを見せるホシャ。前に出るが、そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンのカーペンターは、ハーフからヒジを落とし、ホシャの右目上から出血させる。下から足も狙うホシャだが潰すカーペンターはパウンド。
2R、先に左右で前に出るカーペンターは左右スイッチ。そこに跳びヒザを狙うホシャは後ろ蹴りも。オーソから左右で飛び込み、右前蹴りを打ってからダブルレッグテイクダウンはカーペンターすぐにバックを奪い、ボディトライングル。パームトゥパームで絞めて、ホシャを失神させて、UFC2試合連続一本勝ち。
【中止】▼ミドル級 5分3Rアブドゥル・ラザク・アルハサン(ガーナ)12勝6敗(UFC6勝6敗)ジョシュ・フレムド(米国)11勝6敗(UFC2勝4敗)