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【Brawl】石井逸人がエクラヴェアに4R TKO勝ちでフェザー級王座戴冠「UFCで戦いたい。チャンスを」、前田浩平はドロー=『Brawl4』

2024/10/12 18:10
 2024年10月11日、グアムのタモンのデュシ・タニ・グアムにて『Brawl4』が開催され、日本の石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)と前田浩平(GRABAKA)がチャンピオンシップに出場。石井が地元のスコッティ・エクラヴェア(グアム)とフェザー級で戦い、4R TKO勝ち。『Brawlフェザー級王座』を獲得した。また、Brawl2戦目となる前田は韓国のソン・ギョンホとドローで王座戴冠ならなかった。  スクエアケージで戦うグアムの『Brawl』への日本人参戦は9人目。2020年の第1回大会ではマサト・ナカムラ(中村真人)がジョセフ・カマチョに、伊藤空也がキム・サンウォンにいずれも1R TKO負け。  2022年の『Brawl2』で原口伸と前田浩平が1R勝利も、ヨコヤ・マクレガーが一本負け。2023年10月の『Brawl3』で清水俊一が判定勝ちでバンタム級王座を獲得し、佐藤洋一郎と石原匠が戴冠を逃している。 ▼Brawlフェザー級王座決定戦 1R10分、2~4R 5分〇石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)[4R TKO] ※パウンド×スコッティ・エクラヴェア(グアム)3勝5敗  元環太平洋バンタム級王者の石井は2022年11月に藤井伸樹を相手に防衛戦で激闘となったがスプリット判定負けで王座陥落。2023年4月には3年半ぶりにPANCRASEに参戦し、ランキング1位の井村塁に判定負けで連敗。  5年ぶりにフライ級へのカムバックを決意し、2023年8月には対戦相手の堀内佑馬の計量失格で試合が中止となったものの、12月のMOBSTYLES興行では当時6位の内藤頌貴を2R三角絞めを極めて一本勝ち。しかし、2024年5月の前戦フライ級で関口祐冬に2R KO負けを喫した。今回は2階級上のフェザー級でBrawlの王座に挑む。  対するは、地元グアムのスコット・エクラヴェア。MMA3勝4敗でPXCで活躍。前戦は2023年3月の『Beatdown Promotions 3』で現UFCのスチュワート・ニコルとフライ級で対戦し、2R TKO負けしている。石井は、当初の対戦相手としてオファーが来ていたリッキー・キャンプからウィリアム・ウォーク、最終的にエクラヴェアとなっている。エクラヴェアにとってもショートノーティスの参戦か。  日本国歌で入場の石井。セコンドには後藤丈治。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右で差して組むエクラヴェアのシングルレッグからの崩しに石井は片ヒザ着くもすぐに立ち上がり、突き放すと右で前に。左右連打で前進のエクラヴェアにダブルレッグテイクダウン。  フルガードのエクラヴェアに石井は頭をケージに押し込もうとするが、エクラヴェアはケージを使って立ち上がり。その際でスタンドバックにつく石井は後方から足にフットスタンプ。さらに石井は後ろからヴァレリーキックで踵をカーフに打つ。エクラヴェアはコーナーケージで正対して右を振って離れる。  エクラヴェアは右ハイ、左インロー。しかし石井は右ストレート、さらに右フックでダウン奪取!  立ち上がろうとするエクラヴェアに石井はヒジを連打。エクラヴェアが立ち上がると石井は大き目の右フックで詰める。左右で突っ込んできたエクラヴェアに左ハイ、さらに左フックで再びダウンを奪うと、ヒザ蹴り!  立つエクラヴェアは組んでコーナーに押し込み。石井は腰に鉄槌。体を入れ替え左ヒザ蹴りを入れて離れる。  エクラヴェアは右オーバーハンドで詰めて右ハイ。それを押し倒す石井はサッカーキック、がぶりからヒザ蹴りも。  立つエクラヴェアに石井はワンツー。エクラヴェアの押し込みを突き放し、左ミドルをヒット。それをキャッチして左右フックを振るエクラヴェアに、ケージ背にした石井も応戦。  石井は右ストレートを右せて右ロー。これに崩れながらもシングルレッグのエクラヴェアを切ってヒザ蹴り。  エクラヴェアが亀になるとがぶりから首狙い。腕十字へ。ここは外して立ち上がるエクラヴェア。石井はジャブの刺し合いから右フック、ジャブ、右の前蹴りを腹に。  エクラヴェアが右で前進したところに左フック! ダウンしたエクラヴェアにパウンドを連打する石井は、足を手繰ろうとするエクラヴェアに左右のヒザ蹴り!  何度も倒れるエクラヴェアだが、気持ちを切らさず果敢に立ち上がりシングルレッグに入って石井に尻餅をつかせてサイドバックから門脇チョークの形で石井の右腕を両足で固めて右ヒジを入れる。  石井は中腰で腕と首を守りながら押し込んでゴング。最後の場面までは石井のラウンドに。長丁場の10分の1Rが終了。  2Rからは5分に。グローブタッチの両者。ガードを固めて前に出る石井に、エクラヴェアは右を振ってシングルレッグへ。石井はコーナーで防御し、頭部にヒジを落とす。なおも押し込むエクラヴェアがシングルレッグでテイクダウンもその際でバックを狙う石井。  足はかけさせなかったエクラヴェアが左足をかけにいくが、それを外してバックは石井! 亀のエクラヴェアに左ヒザを突くと、エクラヴェアはすぐに立ち上がり、再び粘り強くシングルレッグ、バックへ。  あえて乗らせたか。石井は足はかけさせず前方に落として仰向けにさせるとそこにヒザ蹴り! ケージに挟まれたエクラヴェアに連打し、Brawlルールへの対応を見せる。  亀になりヒザを被弾するエクラヴェアだが何とか立ち上がり股を潜るも逃がさずリストコントロールから左のパウンドの石井。白のマットが流血で赤く染まり、エクラヴェアの身体が伸びるが、レフェリーは止めず。エクラヴェアも身体を戻すもバックマウントを取られたまま。石井は打ち続けるが、残り10秒の拍子木にエクラヴェアは耐える。  観客を煽る石井。  3R、鼻が腫れているエクラヴェア。石井はジャブを突き、右アッパー。エクラヴェアも左右で前に。石井の右にヒザを落としながらもダブルレッグへ。尻を着かされた石井はコーナーに座って、押し込むエクラヴェアに駒かい鉄槌。  頭を上げたエクラヴェアは石井を寝かせようとするが、石井は得意のキムラで回してセンタク挟みも狙う。ここはかけさせない黒帯のエクラヴェアはトップに。ここもバックを狙うエクラヴェアに石井は足はかけさせずに中腰で落とすと、シングルレッグで上に。  下から三角絞め狙いからオモプラッタで体を入れ替えたエクラヴェアはニアマウントから腕十字へ! 石井はすぐにヒジを抜いてトップに。なおも三角絞めを狙うエクラヴェア。石井は腕は流されず、腰を抱き中腰に。オモプラッタに切り替えたエクラヴェア。石井はインサイドガードに入って右を振り下ろしたところでゴング。エクラヴェアが初めて獲ったラウンドか。  互いに両手を上げて最終ラウンドへ。  4R、タッチグローブ。ステップして角度をつけて近づく石井は、右のヒザ蹴りのフェイントからワンツー、右フック、右前蹴り。組みつくエクラヴェアだが、力に欠ける。がぶった石井はヒザ蹴り連打! バックに回るとリアネイキドチョークへ。ボディトライングルで両足を組むとバックからパウンド。さらに腰をずらしてきたエクラヴェアに、ツイスター!  ここはおたつロックを足で外して極めさせないエクラヴェアに解除してバックマウントにした石井は、ヒジ打ちからパウンドを連打! レフェリーが間に入った。  ケージの上でガッツポーズの石井。降りてマット上で大の字になると、エクラヴェアを引き上げ、エクラヴェアも石井の手を掴んで挙げた。  石井の腰にベルトが巻かれ、Brawlフェザー級王者となった。  試合後、石井はケージのなかで「サンキュー、グアム。俺にチャンスをくれたBrawl、ありがとうございます。私はUFCで戦いたいです。チャンスをください」と語った。 [nextpage] 前田浩平はKTTのギョンホと熱闘ドロー ▼Brawlバンタム級王座決定戦 1R10分、2・3R・4R 5分△前田浩平(GRABAKA)9勝7敗1分[判定ドロー]△ソン・ギョンホ(韓国)2勝1敗1分  2018年IMMAFオセアニア選手権優勝。PANCRASEで活躍する前田は2024年は2連勝中。4月に砂辺光久に、7月に増田大河にいずれも判定勝ち。セコンドに佐藤将光がつく。  対するソンは、コリアントップチーム所属で、2連勝後、2024年4月の『Ring Championship 04』でキム・ユンサンに判定負け。  1R、オーソドックス構えのソンに、サウスポー構えの前田。右を突くソンに左インローを当てる前田。ソンも右ローを返すが、前田は左ハイ、左インローと散らす。  ソンの入りに左を狙う前田はソンの右の蹴り足を取って押し込み。い位置によってはケージが遠い、四角いケージだ。離れるソン。レベルチェンジを見せるソンは右ハイ、左ストレートも、さばく前田は左ハイ。右ジャブを突く。  左ミドルを当てる前田の打ち終わりに右を突くソン。前田は喧嘩四つの前手争いから左ハイを打つ。ソンの右ハイをかわす前田。左ハイからインローをヒット。ワンツースリーから右ハイに繋ぎ、ソンを下がらせる。  右ストレートで前進のソンにダブルレッグは前田。すぐに立つソンは金網背に正対。細かいヒザを突く前田。左で差して体を入れ替え押し込むソンに前田は右で小手巻き突き放す。  左インローを当てる前田にソンもガード上に右ミドル。インロー。2度目のシングルレッグは前田。しかし体を入れ替え押し込むソンは離れて右フック!  後方に倒れた前田は背中を譲って立ち上がり。なおもバッククリンチのソンに正対し体を入れ替えに。ソンは再び入れ替えてシングルレッグで回して引き出して前田に尻餅を着かせるが前田はすぐに立って離れる。左ハイを当てる前田! ゴング。ダウンを奪ったのはソンだが、前半と後半に主導権を握ったのは前田。ダメージでソンのラウンドか。10分の1Rが終了。  2Rからは5分制に。中央に出る両者。右ジャブで圧力をかけるソンに前田は左の蹴り。さらに前蹴り。ソンは左右、右スーパーマンパンチもかわす前田は左オーバーハンドを当てる。  右ジャブ、ボディ打ちからインロー、さらにソンの打ち終わりに左をヒット! 右小手のソンは巻いて内股で投げるがその勢いのまま体を入れ替え、押し込むのは前田。ブレーク。  サウスポー構えから右ミドルを当てるソン。前田も左オーバーハンドをガード上から突く。ソンの詰めに左クロスを合わせる前田。左の蹴りは掴まれるもすぐに引いて右ハイ!  前田のバックフィストの詰め、残り10秒で蹴り足を掴んでまたもソンは右小手で払い腰を決める。押さえ込めずも印象は取るが、前田のラウンドか。  ラウンド間に前田に、喧嘩四つのスタンドの位置取りを支持する佐藤将光。  3R、サウスポー構えにスイッチして右の蹴りはソン。右ハイを突く前田と右の刺し合い。オーソに戻したソンに、左ストレートをヒットさせる前田! 詰めて押し込むも右を差せず。左差しで体を入れ替えるソンは脇を潜りスタンドバックに。コーナーケージで正対を試みる前田。突き放して左右で前進。右ハイ、左右で前進も、ソンも前進。  そこにタイミングよくダブルレッグの前田だが、差し上げたソンがシングルレッグで持ち上げ崩す。ここで残した前田は、金網際で正対するも金網背にゴング。  最終4R、中央に走る前田。厳しい後半で前手を当てて押し込み左を突いてシングルレッグへ。コーナーまで押し込みヒザを突く前田。ソンは体を入れ替えるが、前田も入れ替え。右で差すソンに、前田は左小手から再び体を入れ替えるもブレーク。  先に前に出る前田は左ハイ。ソンも圧力をかけるが前田は左ストレート、左ハイを右腕に当てていく。左ストレートはアゴ下をかすめる。左右を打ち返すソンにブロックする前田はニータップでケージまでドライブ。  ソンを突き放し、右ミドル! さらに前田は右のバックフィスト。ニータップに入るが、小手巻き払い腰に切り返したソンは前田が手を着いた立ち際にサッカーキック。さらにバックにつくと、背後にエルボーは前田。最後の蹴りをどう見るか、攻めたのは前田だが。  判定は両者の手が挙げられ「ドロー」とコールされた。
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