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【RIZIN】『新人さん いらっしゃい』というには強豪すぎる初参戦の海外選手たち──2025年フライ級GPサバイバルマッチと“アゼルバイジャン第5の男”が来襲=11月17日(日)『LANDMARK 10』

2024/10/08 12:10
 2024年10月7日(月)、『RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA』(11月17日・ポートメッセなごや第1展示館 ※ケージ使用)の追加対戦カード発表会見が行われ、2025年の「フライ級GP」を見据えた『堀口恭司・包囲網』ともいうべき、初参戦の海外選手が発表された。  榊原信行CEOが「大晦日の出場に向けて、契約の交渉中」という堀口について、RIZINマッチメーカーの柏木信吾氏は、「34歳になる堀口選手に対し、今回の8選手の平均年齢は27歳。堀口選手もいつまでも“ガハハ”と言ってられない。ちょっと焦ってくるんじゃないか」という顔ぶれがRIZINマットに来襲する。  かつてはマネル・ケイプ(現UFCフライ級9位)を発掘し、ウズベキスタンのラマザン・テミロフはRIZINからUFCと契約したばかり(10.12『UFC Fight Night: Roybal vs. Taira』でCJ.ヴェルガラとデビュー戦)。元UFCタイトルコンテンダーのジョン・ドッドソンを招聘し、9月の『RIZIN.48』では南アフリカから二階級王者のエンカジムーロ・ズールーの参戦も実現させている柏木氏は今回、どんなファイターと契約したのか。北米メジャーが積極的に拡大しにくいフライ級は、世界でもうひとつの頂を築くことが可能な階級だ。 ▼RIZINフライ級(57.0kg)5分3R村元友太郎(ALIVE)12勝8敗2分トニー・ララミー(カナダ)9勝2敗  25歳のトニー・ララミーは、2015年にPANCRASEに参戦した元UFCのTJ・ララミーの実弟。15歳でレスリングの国内王者に輝いたほか、WKAキックボクシング王座も獲得し、MMAでは9勝2敗で現在7連勝中。2024年6月の前戦『BTC 24』で、元CESバンタム級王者のジョシュ・スミスを初回、左オーバーハンドでダウンを奪ってのパウンドでわずか25秒 TKO勝ちし、BTCフライ級のベルトを巻いたばかり。基本はオーソも左右スイッチでどちらも強打を持つ。  好きな技を問われ「バティスタボム」(WWEレジェンド、バティスタのパワーボム)と答えるララミーについて、柏木氏は、「自称“ワイルドマン”。いきなりビールをかぶる動画を送ってきた(※スティーブ・オースティンばりにビールをぶつけて浴びる)、ヤバい25歳。試合はブンブン丸で糖分高めです」とアグレッシブなファイターだとする。  対する村元は、2023年5月のDEEPでビョン・ジェウンに判定勝利後、同年10月の『RIZIN LANDMARK 6』で元UFCのホジェリオ・ボントリンに判定負け。しかし、2024年5月の前戦DEEPでは6連勝中のプロスペクトKENTAにスプリット判定勝ち。柔道ベースでパワフルなKENTAとのテイクダウン&スクランブル合戦を上回っている。30歳。 「村元選手は、セクシーな笑顔と白い歯。ララミーとは“パワー対スピード”。闘牛のララミーをマタドールの村元選手がどうかわすか」(柏木)。 [nextpage] ▼RIZINフライ級(57.0kg)5分3R北方大地(パンクラス大阪稲垣組)20勝12敗1分アリベク・ガジャンマトフ(ロシア)4勝0敗  ダゲスタンのガジャンマトフは、8歳から始めたウーシュー散打でロシア王者に輝くと、ハンド・トゥ・ハンド・コンバットでも北コーカサス王者に2度輝くなど、幼少期から格闘民族のトップで戦ってきた。ヴォルク・ハンやアターエフ、UFCのルスタム・ハビロフらに憧れMMAに転向。プロデビュー戦以来『ACA Young Eaglesで4戦し、いずれもフィニッシュ勝利。  2024年2月の前戦では、オーソドックス構えから繰り出す右の強打を武器にニータップのテイクダウンのみならず、シングル、ダブルレッグもこなしダゲスタンケージレスリングからバックテイク。パームトゥパームでの速いリアネイキドチョークで一本勝ち。  2023年5月には身長170cmの数字以上に伸びる左右の連打の打ち合いに右の蹴りも混ぜ、相手のダブルレッグもスプロール。クリンチボクシングの殴り合いも辞さず、最後は散打出身らしく、左にスイッチしての三日月蹴りをボディに突き刺し、相手を悶絶させている。  柏木氏は「ガジャンマトフはまだ23歳のダゲスタンファイター。レスリングを想像する地域ながら散打の選手。打撃が強くて寝技も出来る。ムサエフやアリ・アブドゥルカリコフのようなスタイル。気を抜いたらやられちゃいます」と、いつどこでも仕留められる武器を持つフィニッシャーだとした。  対する元PANCRASE王者の北方は、2022年3月の『RIZIN.34』で村元友太郎に判定勝ちして2連勝も、現ONEの山北渓人、神龍誠と王者クラスに敗れ2連敗中。国の指定難病である頸椎の後縦靱帯骨化症と戦いながら、4児の父として再起を目指す。  非常に危険な相手と戦う北方について柏木氏は、「北方選手は、打撃もグラウンドも出来て経験がある元PANCRASE王者。試合解説もするなど非常にファイトIQが高い。そんな北方選手がまだ4戦で磨かれていない粗い選手をどう料理するか」と、33歳で35戦のプロキャリアを持つ北方の経験値に期待した。 [nextpage] ▼RIZINフライ級(57.0kg)5分3R伊藤裕樹(ネックス)16勝5敗イ・ジョンヒョン(韓国)4勝2敗  ジョンヒョンは、2024年2月、日韓対抗戦の次鋒として神龍誠を相手にRIZINデビューも1R、肩固めで一本負け。プロデビューは2020年5月で3分3R&寝技30秒ルールの『ROAD FC ARC』で5連勝。その後は山本聖悟、秋葉太樹らを下し無敗の8連勝を飾っている。23年の『ROAD TO UFCシーズン2』一回戦では米国のマーク・クリマコに判定負けでプロ初黒星。RIZIN前の12月の『ROAD FC 67』でイ・ギルスを1R KOに下していた。再起戦となる今回、ボクシングスキルが高いフィニッシャーの伊藤裕樹を相手にポテンシャルを見せることができるか。22歳。  27歳の伊藤は、2023年5月の『RIZIN.42』で山本アーセンに判定負けも、7月の『超RIZIN.2』でヒロヤに、10月の『RIZIN LANDMARK 6』でトップノイ・キウラムにいずれもスプリット判定勝ち。2024年2月の前戦・RIZIN佐賀大会では上田将年にユナニマス判定勝ちで3連勝中だ。  柏木氏は「伊藤選手次第で展開が決まる。KO率75%を誇る韓国のジョンヒョンは神龍誠戦でグラウンドに課題を残した。寝技も出来る伊藤選手はどちらを選択するか」と、組み技の進化も著しい伊藤が、ストライカー相手にどんな戦い方を選択するかを見どころにあげた。  7月にRIZIN観戦のために実費で来日していたというジョンヒョンは、事前VTRで「私に負けてパチンコだけに専念できるようにしてあげます。『伊藤裕樹“パチンカスクソ野郎”、俺はお前をボコボコにしてやる、待ってろ』」と豪語している。 [nextpage] ▼RIZINフライ級(57.0kg)5分3R柴田“MONKEY”有哉(Team KIZUNA)19勝7敗ヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)9勝13敗1分  柴田は、DEEPでストロー級とフライ級で王座挑戦経験を持つ寝技師。2019年6月に神龍誠とフライ級暫定王座決定戦を争うも判定負けで戴冠ならず。2022年4月に、約2年10カ月ぶり復帰戦で渋谷カズキを、12月に杉山廣平をいずれも三角絞めで極め、2024年3月、約1年3カ月ぶりの試合で山本アーセンをヒザ十字に極め、3連続一本勝ち。32歳。  対するヒロヤは、RIZINで伊藤裕樹、中村優作相手にスプリット判定負けも評価を上げる惜敗から、2023年大みそかに新井丈に2R TKO勝ちでRIZIN初勝利。2024年7月の前戦で47歳の所英男と対戦し、右カーフキックにカウンターの右ストレートを合わされて1R TKO負け。再起を目指す。26歳。  このフライ級日本人対決について柏木氏は、「グラウンド勝負になるんじゃないか。柴田選手の洗練された技術、そして肉体改造中のヒロヤ選手の粗削りなパワー。所選手に負けた、あれがすべてじゃない。JTTにも素晴らしいコーチが揃っているので期待」と、肉体&スタイルチェンジ中のヒロヤの覚醒に期待。  一方で19勝中10の一本勝ちを誇る柴田について、「極める技術を持っているし、柴田選手にとってヒロヤ選手はめちゃめちゃ“美味しい”選手。アーセンに続いて、ヒロヤという名前のある選手に勝てれば自分をアピールする絶好の機会。朝倉兄弟が作って来たJTTの選手たちはいまや“賞金首”でみんなが狙っている。ヒロヤ選手は賞金稼ぎに来る柴田選手をどう迎え撃つか」と“JTTのプリンス”狩りで、フライ級GPに一気に名乗りを挙げられるとした。  フライ級以外にも、バンタム級にアゼルバイジャンから10勝1敗の強豪が参戦する。 [nextpage] ▼RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R白川ダーク陸斗(JAPAN TOP TEAM)12勝10敗1分マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)10勝1敗  今大会で摩嶋一整と対戦するヴガール・ケラモフ、現Bellatorのトフィック・ムサエフ、メイマン・マメドフ、トゥラル・ラギモフに続くアゼルバイジャン“第5の男”が襲来。フェザー級からバンタム級に落とし、リングネームに“ダーク”を戻した白川が、10勝中5KO・TKO勝ちを誇る強打者を相手にアゼルバイジャンの襲来を食い止める事ができるか。  柏木氏は、「『襲来! アゼルバイジャン第5の男』。最初ムサエフを呼んだときに、5人も呼ぶことになるとは思ってもいませんでしたが、ガサンザデは10勝1敗。このタイミングで他団体からもオファーがあって、でもアゼルバイジャン大会があったことから、同国ではRIZINが特別なものになっている。『選ぶのならRIZINで』と参戦を希望した。バンタム級GP以降、少し停滞するバンタム級で井上直樹選手が新しいチャンピオンになった。そのバンタム級に白川選手が落としてきてどういう動きを見せるのか。もともと打撃はすごく強い選手」と、打撃戦に期待を寄せた。  チーム・アルファメール所属のガサンザデは、12歳から始めたフリースタイルレスリングでアゼルバイジャン王者に輝き、徒手格闘技でもロシアチャンピオンに輝いた経歴を持つ。2019年にプロデビューし、2020年よりロシアのAMC Fight Nightsに参戦し、現在No.1タイトルコンテンダーだ。  ケラモフ同様、オーソの強い打撃では、レスラーらしからぬ多彩な足技を見せており、前足でのかけ蹴り、右から左のジャンピングの二段蹴りも脅威。被弾しながらもその蹴り足を獲った相手のウテミソフがシングルレッグに入るも、ガサンザデはすぐに足を抜き、小手巻きから背中をまたいでがぶりの体勢に持って行くという超人的な動きも見せている。強い打撃の圧力とフィジカルの強さ、レスリング仕込みのグラップリング力の高さで白川の打撃を封じ、RIZINバンタム級の台風の目となるか。  白川はRIZINで朴光哲、青井人、山本琢也に3連勝後、中原由貴に判定負け、ライト級で矢地祐介に一本負けと2連敗も、2024年7月DEEPでの中村大介との接戦を制し、再起を遂げている。怪我に悩まされ続けた厳しい時期を経て、バンタム級での国際戦で実力を発揮できるか。
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