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【POUNDOUT】髙谷裕之興行で山内渉が松場貴志に判定勝ち、中村京一郎が初回TKO勝ちで5連勝、山本琢也が岡野裕城をパウンドアウト、斎藤翼が児山佳宏にTKO勝ち、笹晋久が延長判定で手塚基伸に勝利

2024/10/05 16:10
 2024年10月5日(土)千葉・幕張メッセ 国際展示11ホールにて、髙谷裕之が旗揚げした『POUNDOUT』第1回大会(高谷裕之YouTube配信)が開催された。前日計量ではプロMMA9試合の18選手全員がパス。 “POUND”を冠する大会らしく、『POUNDSTORM』の流れを汲むような高谷代表のこれまでの人脈、『格闘DREAMERS』『格闘代理戦争』に出場したファイター、そして、昨今のMMAで評価の高いストライキングの強者たちが集い、さらにGRACHANファイター、千葉ベースの実力者たちが揃う大会となった。 『POUNDOUT01』速報 ▼フライ級 5分2R・延長1R〇山内 渉(FIGHTFARM/修斗世界フライ級6位)57.0kg[判定3-0]×松場貴志(パラエストラ加古川/第2代GRACHANフライ級王者/現フライ級4位)57.1kg  2023年11月の修斗世界フライ級チャンピオン決定戦で、新井丈と年間ベストバウト級の死闘を繰り広げた山内渉(FIGHTFARM)が約1年ぶりに復帰。  山内は、元GRACHANフライ級王者でレスリングを基盤とするグラップラー松場貴志(パラエストラ加古川)と対戦する。松場は2024年2月の『GRACHAN67』で御代川敏志の投げに3R 左腕脱臼で負傷TKO負けからの再起戦となる。  1R、右前手のジャブから出入りのサウスポー構えの松場。ワンツーから最初の組みも切る山内は、オーソから強い右の蹴りを上下に打ち分け、右ヒジを突き、右ストレートを当てる。  2R、右の蹴りからヒザ蹴り、右ボディストレートと腹に効かせる山内が前に。カウンターの右ジャブ狙う松場は、サークリングから右フックを狙うが、山内は右インローを当てて崩すと、右前蹴りと右ミドルと打ち分け、松場に反撃を許さず。判定3-0で勝利した。  新井丈戦後のダメージ回復を経て、1年3カ月ぶりの白星を掴んだ山内は、「本当は一本・KOしたかったですけど次に持ち越しで。応援、ありがとうございました」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分2R・延長1R〇中村京一郎(EXFIGHT/GRACHANフェザー級3位)65.8kg[1R 4分28秒 TKO]×鍵山雄介(コブラ会/ GRACHANフェザー級4位)65.9kg 鍵山「大阪から勢いのあるまま来たんで、まあ見といてください」 中村「『POUNDOUT』第1回、高谷さんの興行に相応しいような熱々の試合をするんで応援お願いします」  フェザー級では『格闘代理戦争』トーナメント優勝の中村京一郎(EXFIGHT)と、UFCファイターのチェ・ドゥホに唯一日本人として勝利した経験を持つ鍵山雄介(コブラ会)が対戦する。  中村は『格闘代理戦争』でミスター・ホンデ、ギレルメ・ナカガワ、トミー矢野を下して優勝。特典の『超RIZIN.3』出場権は行使せず、今回の『POUNDOUT』出場となった。プロでは2022年4月の『POUNDSTORM』でのデビュー戦の敗戦後は4連勝中(アマチュア・非公式試合は5戦無敗)だ。  鍵山は、2024年5月の前戦『GRACHAN69』で高橋孝徳に判定負け。大搗汰晟戦でのTKO勝ち以来、2年2カ月ぶりの白星を掴むか。  1R、ともにサウスポー構えから歩きながらスイッチする中村、鍵山は右前手フック、ダブルレッグも切る中村に引き込み。  金網まで運ぶ中村にケージ際で鍵山は立ち上がり。前に出た中村にサウスポー構えから右ストレートを当てる。さらに左の相打ち。  圧力をかけ直す中村は左ロー、左ミドル。鍵山は左を振るが、かわした中村は組みにきた鍵山を剥がして打ち下ろしの左ストレート!  さらに右から近い距離で左を当ててダウンを奪うと、シングルレッグで立ち上がってきた鍵山に左アッパーを当てて再びダウンさせるとレフェリーが間に入った。  試合後、マイクを握った中村は、「高谷さん、『POUNDOUT』第1回、おめでとうございます。僕は高谷さんに『格闘DREAMERS』のオーディションのときから面倒みてもらってるんですけど、ほんとうに住むところもなくて、格闘技を知らない生意気な僕を家に住ませてくれたりとか、その恩があっていま格闘技が出来ています。高谷さん、ほんとうにありがとうございます。ここにいる皆さんのおかげでこういういい大会が出来ると思ってるんで、次のメインも盛り上がっていってください。ありがとうございました」と高谷への感謝の言葉とともにメインイベントに繋げた。 [nextpage] ▼ライト級 5分2R・延長1R〇山本琢也(THE BLACKBELT JAPAN/元GRACHANフェザー級・ライト級2階級王者)70.5kg[1R 1分07秒 TKO] ※パウンド×岡野裕城(マッハ道場/ HEATライト級王者)70.5kg 岡野「山本選手、すごく強くていい選手だとよく知っているんで、この試合まで山本選手ブッ殺すことだけ考えて生きてきたんで、明日は熱い試合をしましょう」 山本「岡野さんのことメッチャ好きなんですけど、明日は試合なんで全力で勝ちに行きます。よろしくお願いします」  ライト級では、元GRACHAN二階級王者の山本琢也(THE BLACKBELT JAPAN)が再起、現HEATライト級王者の岡野裕城(マッハ道場)との対戦も決定した。  2023年5月の『RIZIN.42』フェザー級戦で体重超過し、横山武司に一本負けした山本は、2024年7月の『RWS Japan』で75.0kg契約で翁長将健に2R TKO勝ち。MMAでもライト級で再起を目指す。岡野は、HEATで2連勝後、PANCRASEで粕谷優介、松岡嵩志を相手に2連敗中。こちらも再起なるか。  1R、岡野は左前蹴りから。山本は右ローを返すと、さらに右ミドルを突いて圧力をかけて岡野にケージを背負わせると、岡野の右ストレートをかわして右でダウンを奪う。倒れた岡野は上半身を立てるが、その頭を押さえ込みマウントになると、パウンドラッシュ! レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分2R・延長1R〇齋藤 翼(FIGHTFARM)66.1kg[2R 1分55秒 TKO]×児山佳宏(THE BLACKBELT JAPAN)65.9kg 児山「『POUNDOUT01』ということで、僕のなかでは第1回高谷さんカップだと思って仕上げてきました。高谷さんの弟子と戦えるということは、会場というより高谷さんに捧げる試合だと思っていますので頑張ります」 齋藤「高谷先輩の大会なんで全力で頑張ります」  さらにフェザー級で、スイッチスタンスを駆使するストライカーの齋藤翼(FIGHTFARM)と、レスリング出身でポジショニングに優れる児山佳宏(THE BLACKBELT JAPAN)の試合もラインナップされている。児山の前戦は2024年7月の修斗で島村裕と判定ドロー。齋藤は5月に青井太一に判定勝ち。  1R、右カーフを当てる齋藤は、シングルレッグの児山を切ってトップからパウンド。2R、右カーフを効かせる齋藤は右ストレートで児山からダウンを奪うが、立つ児山は果敢にジャブで間合いを詰めに。さばく齋藤は右カーフ、スイッチも交え、児山の左を外にかわして左でダウンを奪うと、パウンド! レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分2R・延長1R×手塚基伸(シークレットベースドミネート/コブラ会/第3代.第4代GRACHANバンタム級王者/現バンタム級2位)61.6kg[延長判定0-3]〇笹 晋久(THE BLACKBELT JAPAN)61.4kg 笹「頑張ります」 手塚「『POUNDOUT』旗揚げ戦も参戦させてもらってありがとうございます。こうやってまた新しく動き出した大会に自分が出れて、自分の戦績のなかに『POUNDOUT』も入れさせてもらってありがとうございます。笹選手は強いんですけど、最近ちょっと不甲斐ない試合が多かったんで払拭できるように明日は精一杯頑張ります」  手塚は、2021年12月の伊藤空也戦の勝利まで6連勝。RIZINでアラン・ヒロ・ヤマニハに一本負けも、メイマン・マメドフに三角絞めからのヒジ打ちでTKO勝ち。10月のGRACHANでTSUNEに寝技を完封された敗北、2024年2月にベルトを賭けて再戦し、手塚がTSUNEの挑戦を受けたがスプリット判定で敗れ、GRACHANバンタム級王座から陥落している。  笹は修斗、DEEPで連勝後、HEATで春日井寒天たけしとドロー、GALDIATORで竹本啓哉にスプリット判定負けと実力者と渡り合ってきた。2023年4月からPANCRASEに参戦し、田中路教に判定負けも、9月に矢澤 諒に判定勝ち。12月の前戦で元暫定王者の田嶋椋に判定負け。今回が再起戦となる。  1R、ともにサウスポー構え。低いシングルレッグの手塚がテイクダウン。笹はギロチンチョークも中腰の手塚は凌ぎ、ブレーク。左フックの手塚に笹は右ミドルも蹴り足掴んだ手塚がシングルレッグで押し込み。小手巻く笹はケージ背に。手塚は細かいヒザでホーン。  2R、シングルレッグの手塚は引き込みディープハーフから上に。しかし左で差し上げる笹は立ち上がり、ヒザ、ボディ打ち。再三シングルレッグの手塚を突き放す、判定は1-1で延長に。  延長R、手塚のシングルレッグを切って上を取る笹。インサイドガードから細かいパウンド。ディープハーフから二重がらみでスイープ狙う。潜らせないよう小手巻く笹に、立ち上がりの手塚。  右で差して押し込む笹は首相撲ヒザ。しかしヒザがローブローになり中断。スタンド再開。オーソの笹は右の蹴り、跳びヒザでホーン。  延長判定は3-0で笹が接戦をモノに。セコンドの扇久保博正、若松佑弥に笑顔で迎えられた。 [nextpage] ▼フライ級 5分2R・延長1R〇宮内拓海(TMC道場/GRACHANフライ級3位)57.0kg[判定3-0]×能坂陸哉(KO.GYM)57.0kg 能坂「『POUNDOUT』第1回大会、出場させていただきありがとうございます。しっかりフィニッシュして勝つんで応援よろしくお願いします」 宮内「『POUNDOUT』出場させていただきありがとうございます。第1回大会ということでバチバチに試合をして会場を盛り上げますんで応援よろしくお願いします」  1R、宮内の詰めに左に何周もサークリングする能坂。詰めて組んだ宮内だが四つからテイクダウンは能坂。宮内はリバーサルしてトップ、マウントもパウンドにサバーサルされ能坂が上でホーン。  2R、遠間から打撃を見せつつ組んで小外がけテイクダウンは能坂。下の宮内はがぶりから首抜き立ち上がり。能坂はサークリングからダブルレッグも、差し上げ倒すのは宮内。立つ能坂を小外がけテイクダウンでハーフからパウンドでホーン。 [nextpage] ▼フェザー級 5分2R・延長1R〇岡田達磨(SAI-GYM)65.4kg[2R 0分49秒 肩固め]×八木 匠(パンクラス大阪稲垣組)66.0kg 八木「僕、関東初デビューでそれが『POUNDOUT』でめっちゃ嬉しいです。対戦相手の岡田選手は組みベースで僕も組み得意なんで、明日はどっちが組んでトップ取ってPOUNDOUTするか、そんな試合になると思うんで、明日は得意なところで戦いましょう」 岡田「高谷さん、まずはこの旗揚げ大会に呼んでいただきありがとうございます。新潟から来ました岡田です。明日は必ず自分がPOUNDOUTして勝つんでよろしくお願いします」  1R、ともにサウスポー構え。先にボディロックから崩す岡田がバック狙いも立って正対の八木は、左で差しての支え釣り込み足での投げ、さらに立った岡田の蹴り足を取ってテイクダウン。ここも立つ岡田に左を当てて尻を着かせると、下の岡田はシングルレッグでレッスルアップ、トップからハーフで細かいパウンド。  2R、左を振って組んだ岡田はボディロックテイクダウン。肩固め狙いパス。ブリッジで後転しようとする八木を逃さず肩固めを極めた。 [nextpage] ▼フライ級 5分2R・延長1R×樋口幹太(FIGHTFARM)57.0kg[判定0-3]〇高木恭平(BRAVE)56.9kg 高木「BRAVEの高木です。お互いデビュー戦だと思うんで全力で楽しんでKOで勝ちたいと思います」 樋口「FIGHTFARMの樋口です。試合に向けてしっかり準備してきたんで明日が楽しみです」 [nextpage] ▼フライ級 5分2R・延長1R〇椎名 渉(津田沼道場)56.6kg[1R 4分30秒 TKO] ※パウンド×渡邊架月(STYLE PLUS GYM)56.3kg 渡邉「プロデビュー戦らしくバチバチの試合をして第一試合から盛り上げようと思うんでよろしくお願いします」 椎名「『POUNDOUT』第1回、第1試合、しっかり盛り上げます。よろしくお願いします」  1R、左右で詰めた椎名がボディロックテイクダウン。バックマウントからパウンド。 [nextpage] 【アマチュア】 ▼第02試合 MMA 67kg契約 3分2R〇上田太陽(FIGHT FARM)[判定3-0]×今井大暢(EXFIGHT) ▼第01試合 MMA バンタム級 3分2R△鈴木亜斗夢(FIGHT FARM)[判定0-0]△齊藤冬翔(EXFIGHT)
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