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インタビュー

【ONE】ジヒン・ラズワン、“彩佳ロック”の最善の対策は「立った状態を保つこと。もし投げられても脱出できる」=10月5日(土)『ONE Fight Night 25』

2024/10/03 17:10
 2024年10月5日(土)朝9時からタイ・ルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 25』(U-NEXT配信)にて、ONEアトム級で三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA)とジヒン・ラズワン(マレーシア)が対戦する。  2022年1月に、ストロー級王者ション・ジンナンに挑戦している三浦のアトム級戦は、2024年1月の日本大会『ONE 165: Superlek vs Takeru』での平田樹戦以来。そのときは三浦が判定3-0で平田に勝利している。  対するラズワンは、2024年3月の『ONE Fight Night 20』でキャッチウェイトの120ポンド契約で澤田千優と対戦し、判定負け。今回が再起戦となる。  マレーシアの新鋭ラズワンは、2023年にFairtexトレーニングセンターに完全移籍。家族との別れを決意してまでの環境変化を経て、ストライキング主体のファイトスタイルを確立した。  女子アトム級で山口芽生、平田樹らを下し、頭角を現したが、2024年3月の澤田千優戦では惜しくも判定負け。平田とのマッチアップは当初、4月に予定されていたが、ラズワンの怪我により延期に。ムエタイ仕込みのアグレッシブな打撃に、寝技の仕掛けもあるラズワンは、アトム級2戦目の三浦といかに戦うか。  約半年の調整期間を経て、満を持しての再マッチング。三浦のグラウンドでの絶対的な強さ、特に得意技「彩佳ロック」に対し、ラズワンは「立った状態を保つことが最善の対策」と、打撃戦に持ち込む構えを見せている。 三浦彩佳の柔道に「立ち技で勝負する!」 ──この三浦選手との試合機会について、最初どう思いましたか? 4月に『ONE Fight Night 21』で対戦予定だったと記憶していますが。 「その通りです。4月に対戦する予定でしたが、怪我のため延期となりました。三浦選手がストロー級からアトム級でも戦うと知った時から、ONEがこの対戦を組むかもしれないと考えていました。4月の試合の前から、この対戦は実現すると予想していたんです」 ──前回の澤田千優戦から何を学びましたか? 「最高の状態ではありませんでした。でも、私はもっとアグレッシブであるべきだったと思います。ストライキングに関しては、狙ったものは全て当てることができましたが、彼女はより多くの攻撃を仕掛けてきました。アグレッシブさの欠如が私の敗因でした。私には力があり、全てを持っているので、それを最大限に活用するべきでした」 ──4月の試合を断念せざるを得なかった怪我の状態はどうでしたか。 「私のことを知っている人なら分かると思いますが、簡単には試合を辞退しません。最初は大したことないと思っていた怪我でしたが、時間とともに深刻になり、軽く考えることができなくなりました。そのため、試合を辞退する決断をしました」 ──そうして実現することになった三浦彩佳選手との試合展開についてどう考えていますか。 「とてもエキサイティングな試合になるでしょう。彼女は柔道家で、当然グラウンドに持ち込もうとしてくるでしょう。でも、私は十分に準備ができています。グラウンドでも戦えますし、主にストライキングと防御的なグラウンドワークで勝利を目指します」 ──Fairtexトレーニングセンターに完全移籍してから、トレーニングはどのように変わりましたか。 「Fairtexでは、毎日2回のストライキングセッションがあります。1回はパッド打ち、もう1回はドリル、スパーリングなどです。スパーリングは週2回です。マレーシアにいた時はグラッブリングが中心でしたが、この1年はストライキングに重点を置いています。パンチ、キック、コンビネーションを繰り出すことに自信がついてきました。『ONE Fight Night 25』では、私のストライキングの大きな進歩を皆さんに見ていただけると思います」 ──Fairtexでの毎日の生活はどのようなものですか? マレーシアの家族から離れて暮らすのは大変ですか? 「確かに大変な面はあります。以前はマレーシアの実家で、快適な環境にいました。トレーニングセッションでも、小さなジムだったので、コーチが私により多くの注意を向けることができました。こちらでは異なります。コーチと一緒にゲームプランを練り上げていきますが、多くの決断を自分自身でしなければなりません。  毎日の生活も変わりました。トレーニング、料理、食事、皿洗い、洗濯など、全て自分でこなさなければなりません。マレーシアでは母が手伝ってくれていましたが、今は違います。土曜日は必ず洗濯の日です。疲れていても嫌でも、やらなければならないことは分かっています。面倒で疲れることもありますが、想像以上の規律を身につけることができました」 ──三浦戦の戦略を言える範囲で教えてください。 「三浦選手のような相手と戦う時、彼女は常にクリンチを狙い、テイクダウンを決めようとします。そのため、私は多くの動き、横への移動、角度を作り、そしてヘッドロックの状況やテイクダウンを避けることに注力する必要があります。この試合では、ストライキング、アンチ柔道、アンチレスリングの能力が鍵となるでしょう。そこでフィニッシュを狙いたいと思います」 ──彼女の得意技である「彩佳ロック」について、どのように対策していますか? 「確かにそれが彼女のシグネチャームーブです。彼女の試合を見ると、いつもそれを狙ってきます。私のコーチと相談した結果、最善の対策は立った状態を保つことです。もし万が一その状況になっても、脱出するための計画はあります。しかし、最優先はテイクダウンを許さないことです」 ──その意味で、三浦選手はワンパターンだと感じますか。 「はい、確かにそうですね。彼女は1つのスタイルに非常に長けています。ション・ジンナン戦やティファニー・テオ戦、そしてデビュー戦まで遡っても、そのゲームプランは非常に読みやすいものです。とはいえ、多くの選手を相手にサブミッションで勝利し、支配してきた彼女の実力は侮れません。柔道黒帯の実力は軽視できないものです」 ──三浦選手の1月の平田樹戦をどのように分析していますか? 「彼女のゲームに改善が見られました。ただ単にアグレッシブにテイクダウンを狙うだけでなく、コーナーに追い込んでパンチも織り交ぜていました。以前とは違うアプローチで相手を望む位置に持っていこうとする努力が見られました。ただし、全体的なゲームプランは同じでした。ストライキングは確実に向上していますね」 ──理想的な試合展開はどのようなものですか? 「計画通りいけば、立った状態でストライキングによってフィニッシュしたいですね。コンビネーションの後などで決められたら良いと思います」 ──何ラウンドでの決着を予想していますか? 「2ラウンドか3ラウンドあたりでしょうか。様子を見ながらになります」 ──『ONE Fight Night 25』での勝利がアトム級ランキング入りにつながると思いますか? 「そう信じています。私はここでより経験のある選手の一人ですし、そのような評価を得られれば嬉しいです。でも、ランキングのために戦っているわけではありません。より良い自分を見せるために戦っているのであり、ボーナスやランキング、その他何が付いてくるにしても、それは結果として受け入れるだけです」 ──三浦選手に印象的な勝利を収めた場合、次はどのような展開を考えていますか? 「多くのチャレンジャーがいて、様々な名前が挙がっていますが、それについては今回の試合の後でお話しします。現在の私の焦点、マインド、そして心は、三浦彩佳に勝つことだけに向けられています。この試合を終えるまでは、他のことは考えていません」
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