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【PANCRASE】雑賀ヤン坊が久米を左でTKO! ソルトが藤野退け初防衛、佐藤生虎が新ウェルター級王者に(※ノーコンテストに変更)。天弥が葛西を1R TKOでライト級次期挑戦者に、キルギスのカリベクが井村を初回TKO

2024/09/29 13:09
 2024年9月29日(日)東京・立川ステージガーデンにて『PANCRASE 347』(U-NEXT配信)が開催された。5分5Rの3大タイトルマッチと、ライト級次期挑戦者決定戦など15試合が行われた。  なお、新居すぐるの返上したフェザー級タイトルを巡って、ランキング1位平田直樹と2位キム・サンウォンで王座決定戦の実施が決定。平田は「ようやくタイトルマッチ決まったので、しっかり全局面で戦えるよう準備します」と語り、サンウォンは「PANCRASEで試合に出ることが出来て光栄ですし、タイトル戦という機会を作っていただき感謝しています」と語った。 ▼第15試合 メインイベント ライト級キング オブ パンクラス チャンピオンシップ 5分5R〇雑賀ヤン坊達也(DOBUITA)#1位/第7代王者 12勝(10KO)5敗 70.3kg[2R 0分27秒 TKO]×久米鷹介(ALIVE)挑戦者 25勝8敗4分 70.15kg※雑賀が王座防衛 雑賀「全力で作ってきました。久米さん僕の全力を受け止めてください!」 久米「素晴らしいチャンピオンに挑めるよう駆け抜けてきたので全力でぶつかります」  2021年12月の初対決後、久米は2023年4月に暫定王者のアキラと王座統一戦に臨み、スプリット判定で敗れ、王座陥落。2024年4月に粕谷に判定勝ちで今回の王座挑戦権を得た。  対する王者の雑賀は、2023年12月に粕谷に判定勝ち後、2024年3月にアキラの持つライト級王座に挑戦。1R 右ハイキックでKO勝利し王座を獲得。  2024年5月19日には中国上海で行われた『ROAD TO UFC』ライト級ワンマッチに参戦し、韓国のキ・ウォンビンと対戦。初回に右を効かせてグラつかせるも、2Rの乱打戦でTKO負け。今回が国内復帰戦となる。  ともに前戦から進化を遂げながら、その強みも十分に知る両者は、どんな試合運びを選択するか。オフィシャルが「3度目はもうないであろう黄金カード」と記したライト級タイトルマッチ。5分5Rを制するのは、現王者か、元王者か。  1R、両者オーソドックス。ステップして動き続ける久米。久米シングルレッグで雑賀の左足を抱えると、右腕でパンチを打ち込む。ボディロックに切り替えた雑賀。雑賀は小手に巻いて凌ごうとするが、久米テイクダウン。しかし雑賀は押さえ込まれる前にすぐに立った。四つで両脇を差す雑賀だが、差し返した久米が大内テイクダウン。背中を付けた雑賀。パウンドを落とすと体を起こして立ち上がる雑賀。 また四つで組んだ久米。ケージでこらえる雑賀だが、またテイクダウン。寝かせようとする久米をケージに上半身を預けてこらえる雑賀。残り1分。寝かせようとする久米と、させない雑賀の攻防で残り時間がわずかに。片膝を着いて立とうとする雑賀。立たせない久米。ホーン。  1R三者久米。  2R、このラウンドもステップを繰り返す久米。左ハイを入れたが、ブロックした雑賀が左右のショートフックの連打! 左フックがヒットし久米が仰向けにダウン!雑賀が鉄槌連打!KO!  2R0分27秒、雑賀がKOで久米へのリベンジ達成。  初防衛に成功した雑賀はマイクを持つと、「今日は…泣かないように気をつけます」というコメントがすでに涙声になっている。「久米さんにリスペクトを込めて、全力で挑ませていただきました。久米さんありがとうございます。これで1勝1敗です。ヤン坊 vs. 久米3、待ってます」と、3戦目を望むコメントを残した。 [nextpage] ▼第14試合 クイーン オブ パンクラス チャンピオンシップ ストロー級 5分5R〇ソルト(マルスジム)5勝4敗・第5代QUEEN OF PANCRASIST 51.95kg[判定3-0] ※49-46、48-47、50-45×藤野恵実(JAPAN TOP TEAM)29勝15敗2分・挑戦者 #2位/修斗初代女子ストロー級王者 52.1kg※ソルトが王座防衛 ソルト「思いっきり戦って、初防衛成功させます」 藤野「前へ前へ出て、絶対に退きません。私がPANCRASE・修斗の同時王者になります」  2023年4月にPANCRASEでKARENに連勝し、第5代ストロー級QOPとして修斗にベルトを持って行ったソルト。2023年6月の『RIZIN 43』では大島沙緒里に一本負けしたが、12月の修斗ではホ ジュギョンに1R TKO勝ち後、2024年5月の前戦で中国のハイライ ウーシャアモーにスプリット判定で惜敗。今回、PANCRASEに戻り、初防衛戦に臨む。  挑戦者で修斗王者の藤野は、2022年3月のPANCRASEでKARENに4R カットによるレフェリーストップで戴冠ならず。その後、階級下の渡辺彩華を完封すると、エジナ・トラキナスに判定負け。2023年7月から修斗に参戦し、インフィニティリーグを3勝1分で優勝すると、2024年5月の杉本恵との再戦で3R TKO勝ち。初代修斗女子世界ストロー級王者に輝いた。  ソルトはリーチ・コンパスを活かした打撃で活路を開きたいが、藤野はその間合いにさせない連打と組みがある。ソルトの初防衛か、それとも藤野の2団体同時王者達成なるか?  1R、両者オーソドックス。中央で待ち構えるソルトの回りをサークリングする藤野。蹴りで牽制するソルトだが、まだ間合いの外。藤野もまだ間合いに入れない。左右のパンチで飛び込んだがヒットせず。前蹴りを腹にヒットさせたソルト。パンチで飛び込む藤野だがソルトバックステップでかわした。ソルトのパンチが顔面を捕らえる。蹴りを入れるソルト。藤野も詰めてパンチを打ち込んだ。残り1分。ステップで角度を変えながら蹴りをヒットさせていくソルト。間合いが詰まったところで藤野もパンチを放つが、ソルトも打ち返し交錯する。ホーン。  1R三者ソルト。藤野の左目が腫れており、ドクターチェックが入る。続行。  2R、圧を強めてきたソルト。左右の前蹴り、ロー。藤野が蹴りをキャッチしてタックルにつなげる。ケージに押し込んだが、ソルトは腕を差させない。押し込みながらパンチを入れる藤野。テイクダウンを狙うが、ソルトは首相撲からヒザを入れると離れた。左右の前蹴りを入れるソルト。四つに組んだ藤野だが、ソルトはケージを背負ってテイクダウンディフェンス。藤野放して左右のパンチを打ち込んだ。残り1分。ソルトがバックブローを放つが、打ち終わりにパンチ連打を返す藤野。ホーン。  2R一者藤野、二者ソルト。藤野は判定勝ちするにはこの後1Rも落とせない。   3R、藤野がパンチで出るが、ケージ際で入れ替えて押し込むソルト。藤野ギロチンで引き込もうとするが、胸を張って引き込ませないソルト。解除して離れた藤野。ステップしながら蹴りを入れるソルト。詰めた藤野。ケージに押し込むと右を打ち込んだ。入れ替えて押し込むソルトだが、さらに入れ替える藤野。残り1分。押し込みながらヒザ・パンチを入れるが、ソルトもヒザを返す。残りわずかで離れた。ホーン。  3R一者ソルト、二者藤野。   4R、距離を取りジャブを入れていくソルト。藤野の飛び込みはバックステップでかわす。前蹴りを出したが、藤野はキャッチするとケージに押し込んだ。ヒザを返すソルト。離れた。組んでケージに押し込む藤野だが、引き剥がすソルト。ステップインしてジャブを当てていく。ジャブ・前蹴り。藤野出られない。ソルトバックブローをヒットさせる。藤野飛び込んでケージに押し込む。四つから離れ際にパンチを打ち込む藤野だが、ソルトは距離を取って前蹴り。ホーン。  4R三者ソルト。最低でも二者が4R中3Rをソルトにつけており、藤野が勝つにはフィニッシュが必要に。  5R、距離を取りパンチを入れるソルトだが、藤野がパンチで飛び込むとケージに押し込む。藤野は押し込まれた体勢からソルトの首をネルソンでホールドする。背中を向けたソルトだが、さらに向き直ると離れた。ソルトの蹴りをキャッチした藤野。しかしソルトがケージに押し込むとボディにヒザを入れて離れた。残り1分。距離を取りながらジャブを入れるソルト。追っていく藤野だがステップするソルトを捕まえられない。タイムアップ。  49-46、48-47、50-45の3-0でソルトが王座初防衛に成功。藤野は修斗・パンクラスの同時戴冠ならず。 王座を防衛したソルトは「ベルトを手にしてからプレッシャーがすごくて、必死に練習してきました。まだまだ手放したくないので、これからも練習します」と感極まりながらマイク。 [nextpage] ▼第13試合 キング オブ パンクラス チャンピオンシップ ウェルター級 5分5R─押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU)#1位・5勝6敗 76.95kg[3R 0分30秒 TKO]→[ノーコンテスト] ※後頭部への打撃により─佐藤生虎(UNITED GYM TOKYO)#4位・5勝0敗 77.1kg※佐藤がウェルター級新王者に→王座は空位に 押忍マン「明日は九州に必ずベルトを持ち帰ります」 佐藤「自信しかないです。ニュースタイルでチャンピオンになります」  住村竜市朗の王座返上で第17代ウェルター級王者を決めるチャンピオンシップ。  押忍マンは、2023年9月に川中孝浩を初回KOに下し、2024年2月の『RIZIN LANDMARK 8 in SAGA』で阿部大治に1R KO負け。5月のPANCRASEで村山暁洋をポイントアウトして再起を遂げている。  佐藤生虎は4戦無敗。伊藤丈皓、渡邉ショーン、川中孝浩をいずれもパウンドで初回TKOに下すと、2024年4月にはベテランの長岡弘樹にも判定勝ちで4連勝を決めた。  イケイケから“押して忍べる”スタイルに変化も見せる押忍マンと、極超音速弾パンチを持つ生虎が“打って打って打ちまくる”のか、ウェルター級のベルトがかかる5分5R戦だ。  1R、オーソドックスの押忍マンに佐藤はサウスポー。距離を取りガードを下げた構えで様子を見る佐藤に押忍マンはインローを入れる。蹴り足をキャッチした佐藤がパンチを入れる。 一瞬聞いた押忍マンにパンチで攻める佐藤。が、押忍マンが左右のフックを返すと左がヒットし佐藤仰向けにダウン!押忍マンパウンドを打ち込む。ハーフで押さえ込んだ。両者回復を図っている。押忍マン肩固めのセットに入るが解除した。佐藤はハーフガードからキムラを狙う。しかし外れた。ハーフからパウンドを打ち込む押忍マン。ヒジ!ホーン。  1R三者押忍マン。 2R、ガードを下げたまま詰めていく佐藤。押忍マンがテンカオをヒットさせるが、佐藤押し倒して上に。パウンドを打ち込むが、押忍マンが起き上がりタックルに入るとテイクダウン。ハーフで押さえ込む押忍マン。また肩固めを狙っていく。上半身を起こしてケージを背にした佐藤。片膝を立てて立とうとしたが、押忍マンは寝かせると左のパウンドを連打。右腕でコントロールしながら殴る押忍マンだが、佐藤立つとアッパーを返し離れた。残り1分。パンチで飛び込む佐藤だが、頭が押忍マンの顔面に当たりバッティングでタイムストップ。再開。両者見合いが続く。牽制の蹴りを入れる押忍マン。ホーン。  2R三者押忍マン。  3R、佐藤がパンチ連打で出た。ケージ際で距離を取ろうとした押忍マンだが、佐藤の左が入って倒れ込んだ。タックルで凌ごうとする押忍マンに佐藤パウンド連打!  後頭部にパンチが入っておりレフェリーから注意が入る。亀で動きが止まった押忍マン。佐藤がバックからパウンドを打ち込み続けるとレフェリー止めた! 3R0分30秒、佐藤逆転KO勝利!第17代ウェルター級王者に(※)。「第17代キング・オブ・パンクラシストになりました佐藤生虎です……これからも勝ち続けるので、よろしくお願いします」と、新王者は劇的な逆転KO勝利にも大きく喜ぶこともなく、淡々とマイクで述べて退場した。 ※【追記】佐藤の後頭部への打撃により、試合はノーコンテストに変更 [nextpage] ▼第12試合 ライト級 次期挑戦者決定戦 5分3R×葛西和希(マッハ道場)#3位 10勝4敗 70.55kg[1R 4分58秒 TKO]〇天弥(和術慧舟會HEARTS)#5位/2023年NBT同級優勝 4勝1敗 70.65kg 葛西「明日は死ぬときに後悔しないような試合をします。全力で戦います」 天弥「みなさんがいいリンゴを育ててもらったので(※葛西の実家はリンゴ農家)、明日はリンゴを刈りたいと思います」 「ライト級王座戦」が行われる同日に「次期挑戦者決定戦」が行われる。  葛西は、現在3連勝、2連続フィニッシュ中。2023年4月に粕谷に判定負けを喫した葛西だが、松岡嵩志に判定勝ちすると、2024年2月に木村俊也を2R TKOに下し、5月25日の前戦では丸山数馬に2R リアネイキドチョークで一本勝ちと2連続フィニュシュ勝利中。青森生まれ、マッハ道場育ちの葛西がりんごパワーで次期挑戦者となるか。  対する天弥は、2023年ネオブラッド・トーナメントライト級覇者。DEEPで活躍中の海飛の実弟で、極真空手をベースに持つ。  2023年8月大会で木村裕斗に1R TKO勝ち後、2024年3月大会で実力者・松本光史と対戦。右の強打を効かせてのパウンドで2Rにストップ寸前まで追い込んでの判定勝ち。一躍挑戦者決定戦に急浮上した。  葛西は、粘り強い組みとともにムエタイ式の変則キックも持つ。丸山を下した首相撲ヒザ&四つのテイクダウンからのシングルバックからの極めには、近年のフィニュシュへのこだわりが見える。  対する天弥は“狂犬カーフキック”を軸に、松本戦では右の強打から一転ダブルレッグテイクダウンで崩してパウンドと組みを混ぜての打撃に磨きがかけられている。  3連勝中、28歳の葛西が悲願の王座挑戦を決めるか、それとも20歳の天弥が5戦目でコンテンダーに名乗りを挙げるか。  1R、両者オーソドックス。すぐに右ハイを放った天弥。葛西はジャブからインロー。右を打ち込む天弥だが、葛西が四つで組み付いた。ケージに押し込む。腰を引いてテイクダウンを防ぐ天弥にヒザを入れていく。天弥入れ替えてケージに押し込んだ体勢に。離れた。 天弥左ミドルから左ハイ。葛西もミドルを返すが、天弥がプレッシャーをかけると左ボディから右フックを打ち込みヒット! 葛西ダウン! 葛西はタックルでしのごうとするが、押し倒した天弥が上に。 バックマウントからパウンドを打ち込む。動けず打たれる葛西。1R残り時間僅かだが、打ち込み続けてKO!  1R4分58秒、天弥TKO勝利。ライト級王座挑戦権を獲得。  試合後、天弥は「今日のメイン、次の相手は俺なんですけど、どっちが勝とうと年内やってくんなきゃライト級盛り上がらないでしょ。メイン楽しみにしています」と年内の王座挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第11試合 アトム級 5分3R〇SARAMI(整体北西/所属変更)初代アトム級QUEEN OF PANCRASIST・20勝14敗 48.05kg[判定3-0]※30-27×3×ホン・イェリン(DK gym)4勝5敗 47.75kg SARAMI「明日はSARAMIらしい試合をして、会場の皆さんも、U-NEXTで見ている皆さんも楽しんでもらえる試合をします」 イェリン「今回の試合が決まる前からSARAMI選手の試合を見ていたので、試合が決まり驚きましたし、いい試合が出来るように頑張ります」  ジェニー・ファンに判定勝ち後、沙弥子との盟友対決で1R TKO勝ちで初代アトム級王座に就いたSARAMI。女王としての初戦は韓国のホン・イェリンとの対戦。  イェリンは、沙弥子に判定負け後、ストロー級でKARENに判定負け。本来の階級であるアトムに戻して、女王にひと泡吹かせるか?  1R、両者オーソドックス。組んだSARAMIがケージに押し込む。押し込みながらヒザを入れる。入れ替えるイェリン。さらに入れ変えたSARAMIが押し込みながらヒジを入れていく。 四つでクラッチしたイェリンがテイクダウンを狙うが、SARAMIが倒され際にこらえてマウント。亀になり立ち上がるイェリンだが、SARAMIはバックコントロールしながらハーフバックの体勢へ。首に腕を巻いたSARAMI。向き直り防いだイェリンだがSARAMI今度は腕十字!ヒジを抜いて外し上になったイェリンだがホーン。 1R三者SARAMI。  2R、イェリンが右を打ち込んでいく。SARAMIも打ち返していくが、右をもらっている。両者の右が相打ち。SARAMI距離を取った。イェリンが出てくるタイミングでカウンターのタックル。テイクダウン。すぐにガードの足を一本超えてハーフで押さえるSARAMI。さらに絡まれている足も抜いてサイドに着いた。残り30秒。押さえ込みながらパウンドを入れるSARAMI。ホーン。  2R三者SARAMI。  3R、距離を取りパンチを入れるイェリンだが、SARAMIが組んでケージに押し込む。しかしヒジを入れて引き剥がしたイェリン。SARAMIまた組んでケージに押し込んだ。上四方からサイドに移行し押さえ込むSARAMI。あえて自らハーフにしたSARAMI。頭をイェリンの左脇に差し込み肩固めのセッティングに入るが、無理に決めには行かずコントロールを続ける。残り10秒で放してパンチを入れるSARAMI。タイムアップ。  判定三者30-27でSARAMI勝利。打撃ではイェリンが攻勢となる場面も見せたが、テイクダウンするとコントロール仕切って危なげなく勝利。 [nextpage] ▼第10試合 バンタム級 5分3R×井村 塁(ALMA FIGHT GYM PUGNUS)#1位/2020年NBT同級優勝 11勝4敗 61.4kg[1R 1分15秒 TKO]〇カリベク・アルジクル ウルル(キルギス/Olymp Gym Bishkek)11勝1敗 61.65kg ※インタビュー 井村「地元の立川で強豪と試合光栄です。しっかり勝って透暉鷹戦につなぎます」 ウルル「体調を良くしていい試合をしたいと思います。明日は幸運がありますように」  井村塁は、2023年9月の河村泰博戦でダースチョークに敗れたものの、2023年11月に矢澤諒を1R リアネイキドチョークで極めると、2024年3月の前戦で田嶋椋に判定勝ちで2連勝中。次期挑戦者の位置にいるが、王者・透暉鷹が『ROAD TO UFC』参戦中のため、海外選手との対戦となった。11勝3敗。25歳。  キルギスのカリベクは、PANCRASEやRIZINを席巻する中央アジアからの参戦で、10勝の内訳は4KO・4SUB・2JUDとバランスよく、立って良し、寝て良しの22歳だ。  175cmで井村より3cm低いが、バンタム級としては長身のスイッチヒッター。左右の蹴りや後ろ廻し蹴りからアグレッシブな連打で詰める好戦的なファイターで、組んでも右小手巻きの払い腰を得意とし、4つの一本勝ちはすべてバックを奪ってのリアネイキドチョークとなっている。  ともに長い手足を活かした戦いのなかで、最終局面で組むことも多いカリベクは井村と手が合うバンタム級ファイターとも言える。井村はデビュー15戦目にして初の国際試合を極め切ることができるか。公開練習でウルルは、キルギス伝統レスリングがバックボーンであること、ムエタイの試合も経験していることを明かしている。  1R、ローを蹴るカリベク。右ハイから右フックを入れた。井村組みに行くが効いている。ケージを背負った井村に左右のパンチから飛びヒザ!井村シングルレッグで凌ごうとする。 カリベクはケージでこらえてパウンドを入れる。打たれた井村動きが止まった。バックに回りパウンドを入れるカリベク。井村打たれ続けてレフェリーストップ!  1R1分15秒、カリベク・アルジクル ウルルが初参戦でランキング1位の井村を下した。  カリベクは試合後、「アリガトウゴザイマス。日本の皆さん、今日は迎えていただきありがとうございました。みなさんの優しさに感謝しています。パンクラスの試合のレベルが高いことを素晴らしく思っています。またパンクラスに戻ってきて試合をしたいと思います」と継続参戦を語った。 [nextpage] ▼第9試合 ライト級 5分3R〇粕谷優介(総合格闘技道場CROWN)#2位・15勝9敗2分 70.7kg[1R 1分34秒 KO]×ホン・ソンチャン(KOREAN TOP TEAM)#7位・10勝5敗2NC 70.5㎏ 粕谷「日本に来て戦ってくれるということで、リスペクトを持って戦いたいと思います。応援よろしくお願いします」 ソンチャン「試合に呼んでくれてありがとうございます。明日はいい試合をしたいと思います」 雑賀ヤン坊達也vs.久米鷹介のライト級チャンピオンシップと、葛西和希vs.天弥の次期挑戦者決定戦、その後を左右するのがこの試合だ。  粕谷は、葛西和希に判定勝ち後、2連敗中だが相手はヤン坊と久米。共に粕谷戦後はチャンピオンシップが組まれたが、粕谷はこのまま王座挑戦のリトマス紙になるつもりはない。  対するホン・ソンチャンは『ROAD TO UFC 2023』でロン・チュウに1R TKO負け後、豪州Eternal MMAでウェス・キャパーに判定負け。4月に松岡嵩志に判定勝ちし、MMAファイターとして全てをそつなく熟せていたが、それ以上のモノが見せられるか。粕谷vs.ソンチャン、1989年11月生まれの同期対決でもある。  1R、サウスポーの粕谷にオーソドックスのソンチャン。すぐに間合いを詰めるソンチャンが右を打ち込みながら出ていく。右でボディ・顔面に打ち分けるソンチャン。 粕谷もミドル・前蹴りで止めようとするが、ソンチャン下がらず詰める。しかし粕谷の左ハイがクリーンヒット! 効いて下がるソンチャンを追っていく粕谷。左右のパンチを打ち込むとソンチャンダウン! パウンドでKO。  1R1分34秒、粕谷KO勝ち。  マイクを取った粕谷は「自分でもびっくり…。グラップラーが……」と驚いた様子。続けて「みなさん、生きてたら色々あると思うんですけど、頑張りましょう」とコメント。途中から感極まる粕谷の素朴な人柄に、会場から温かな拍手が送られた。 [nextpage] ▼第8試合 女子フライ級 5分3R×端 貴代(和術慧舟會AKZA)19勝10敗1分・#2位/第2代QUEEN OF PANCRASIST 56.65kg[判定0-3] ※27-30×3〇渡邉史佳(FIGHTER'S FLOW)2勝1敗・#3位 56.8kg 端「明日の試合は全部出し切る試合で一本勝ちします。応援よろしくお願いします」 渡邉「やるべきことやってしっかり準備してきたので、応援よろしくお願いします」  端、渡邉ともに前戦は2024年3月。NØRIを2度下した端は、2度めの防衛戦で重田ホノカに敗れるも、後半の追い上げを見せた。  渡邉は1年ぶりの復帰戦でNØRIに判定3-0勝利。ライカ相手に引かずに打ち合う気持ちとトップゲームの強さを持つが、グラップラー端を相手に上を取れるか?  1R、両者オーソドックス。すぐに詰めていく端だが、渡邉は左右のパンチを振っていく。組もうとする端を引き剥がす渡邉。飛び込んでの右がヒット!一瞬動きが止まった端にパンチ連打を入れる。組んで凌ごうとする端だが、渡邉引き剥がして右を打ち込む。組みつきに行く端を引き剥がしながら殴っていく。 渡邉の右フックがヒット。さらにカーフキック。端タックルへ。組んで背中でクラッチすることに成功したが、渡邉はケージでこらえる。引き剥がした渡邉。左右のパンチを打ち込む。距離ができると右ロー。1R終了。 1R三者渡邉。 2R、開始と同時にスーパーマンパンチを打ち込んだ渡邉。さらに右を打ち込むと端ダウン!パウンドに行く渡邉に下から足をすくおうとする端。しかし渡邉離れて立つと、またスーパーマンパンチを打ち込む。クリーンヒットせず、端がシングルレッグに。ケージでこらえる渡邉。引き剥がそうとする渡邉だが、端がケージに押し込む。引き剥がした渡邉の左フックがヒット。端ダウン。 グラウンドには付き合わず立たせる。端組んで潜りから上を取ろうとするが、引き剥がして立つ渡邉。やや消耗して動きが落ちた渡邉。端タックルからケージに押し込む。渡邉が引き剥がしたところでホーン。  2R三者渡邉。  3R、またスーパーマンパンチで飛び込んだ渡邉。かわしてタックルに入る端だが切られた。消耗している端。渡邉もスタミナをかなり使っているが、気合を入れながらパンチを出していく。逆転を狙い詰めていく端。組みに行くが引き剥がした渡邉。  渡邉の左フックをかいくぐってタックルに入る端だが、スプロールして切った渡邉。残り30秒。渡邉のローに合わせてタックルに入った端。テイクダウン。しかし渡邉はすぐに振りほどくと立ち上がった。タイムアップ。 判定三者30-27で渡邉勝利。プロ3戦目の渡邉が元王者からダウンを奪っての完勝。 [nextpage] ▼第7試合 女子ストロー級 5分3R〇KAREN(THE BLACKBELT JAPAN)2位・元王者 52.1kg[判定3-0] ※29-28×3×エジナ・トラキナス(ブラジル/ホシャ・トップチーム)51.9kg ※インタビュー KAREN「しっかり一本、血祭りKO狙って必ず勝ちます。応援よろしくお願いします」 トラキナス「もう一度ここに来れて感謝、自分のタイトルを迎えに来ました。よろしくお願いします」  KARENは、2022年3月に藤野恵実をヒジ打ちのカットによるレフェリーストップでTKO勝ちし、PANCRASEストロー級女王の座に就いたが、2023年4月にソルトに判定負けし、王座陥落。9月の再起戦で高本千代に判定勝ち。2023年12月には修斗に初参戦し、パク・ソヨンに1R TKO勝ちした。2024年4月のPANCRASE立川大会ではホン・イェリンをテイクダウン&パウンド、寝技で完封し、3連勝中。  対するエジナ・トラキナスは、2018年にPANCRASEに初参戦。2023年4月に4年半ぶりにPANCRASE参戦し、藤野に判定勝ちしている。その後はブラジルSFTで元LFAのビアンカ・サテルメイヤー、元KSWのマファルダ・カモナにいずれも判定負けで2連敗中。  前回の来日時は藤野の圧力に組み負けず、首相撲で対抗。パワフルなフックを当て、藤野にテイクダウンさせなかったトラキナスを相手に、KARENは蹴りの距離感と得意の首相撲ヒジを出せるか。同大会で藤野がソルトの王座に挑戦するため、KARENvs.トラキナスの勝者が次期挑戦者候補にもなりうるストロー級戦だ。  1R、両者オーソドックス。ローでの牽制。KAREN詰めて右をヒットさせるが、トラキナスはパンチ3連打を返す。右フックから左ハイをヒットさせたトラキナス。間合いに入っていけないKARENを手数で押す。KARENがタックルに入るがトラキナスがギロチンで引き込んだ。クローズドガードで絞める。苦しげなKARENだが耐えている。やや緩んだが、ギロチンに捕らえたまま1R終了。  1R三者トラキナス。  2R、詰めたKARENにトラキナスがワンツーを合わせる。左ミドルを入れたKAREN。KARENタックルで飛び込んだ。テイクダウン。またギロチンに抱えたトラキナスだが、今度はハーフの体勢でタイトに絞めていない。太ももにヒジを入れるKAREN。ギロチンを解除した。しかしまたトラキナスが首をギロチンに抱える。KARENは頭部にヒジを入れていく。ホーン。  2Rは三者KAREN。  3R、組んでいくKAREN。ケージに押し込むと四つから足をかけてテイクダウン。ガードを取ったトラキナス。下から三角を狙うトラキナス。腕十字へ。足のクラッチが首にかかるが、KARENがはクラッチしてディフェンス。クラッチで耐えながらヒジでこするKAREN。腕を抜いて防いだKAREN。トラキナスが手を放した瞬間にパウンド連打。トラキナスはハイガードからまた三角を狙う。腕十字を仕掛けるタイミングでタイムアップ。  三者29-28でKAREN勝利。テイクダウンを奪うと、トラキナスの下からの仕掛けをしのぎ続けて、国際戦での勝利を挙げた。 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級 5分3R×糸川義人(TURNING POINT MMA)#11位/2022年NBT同級優勝 4勝4敗 65.9kg[判定3-0]※30-27×3〇栁川唯人(K-PLACE)#12位/2023年NBT同級優勝 5勝1敗 65.95kg 糸川「バチバチの試合をしてしっかり勝ちにいきます」 柳川「12月のクリマスで一回死んだので、ここに戻って来れて、支えてくれた人たちに感謝して、しっかり復活します」  2023年のネオブラ優勝者は「佐藤龍汰朗・吉村天弥・栁川唯人・菅歩夢・山﨑聖哉・寺岡拓永」と実力、タレントともに豊作で、パンクラス内では『キセキの世代』と呼ばれている。その一人、栁川唯人が2023年12月のRyo戦での3R、逆転の一本負けから、約10カ月ぶりに復帰する。  対するはその前年の2022年ネオブラ優勝者。2023年は名田英平、平田直樹、岡田拓真と実力者相手に3連敗も、2024年は4月に櫻井裕康に、6月に小森真誉にいずれも判定で勝利している。参戦ごとに実力を上げている糸川。  この試合に勝利し、ランキング上位陣に宣戦布告するのは糸川か、栁川か。  1R、両者オーソドックス。ワンツーで飛び込む栁川。右ハイ。圧を強めてきた。栁川から組みに行く。四つで組み止めた糸川。投げを狙う栁川だが糸川こらえた。ケージに押し込みながら肩パンチを入れる栁川。残り1分。外掛けテイクダウンを狙いながらパンチを入れた栁川だが、こらえた糸川が離れる。糸川右から左ハイ。バックブローを出したが栁川が腕でブロック。ホーン。  1R三者栁川。 2R、サイドステップする栁川に糸川は右ハイ。栁川組み付いた。四つでケージに押し込む。肩パンチ・ヒザを入れる栁川。離れた。カーフを蹴る栁川。糸川もハイを返すとワンツーを入れる。打ってこいとアピールする糸川だが、栁川はタックルへ。ボディロックからヒザを着かせた。残り10秒でギロチンで引き込んだ栁川。そのまま絞めるがホーン。  2R三者栁川。  3R、サイドステップしながら右オーバーハンドを入れる栁川。糸川の右がヒットするが、栁川左右のパンチからタックルへ。切った糸川。糸川がハイを放ってスリップしたタイミングでパンチで出た栁川。タックルにつなげたが切る糸川。糸川が右を打ち込む。しかし栁川タックルに。テイクダウンしてマウント。 パウンドを入れる栁川。ケージを蹴って返そうとする糸川だが、栁川はマウントからヒジ。背中を向けた糸川にチョークを狙いつつパウンド。残りわずかでまたギロチンに抱えた栁川。タイムアップ。  三者30-27で栁川勝利。 [nextpage] ▼第5試合 ストロー級 5分3R×野田遼介(ALLIANCE)#6位・6勝5敗 52.5kg[判定0-3] ※28-29×2、27-30〇船田侃志(和術慧舟會HEARTS)#7位/2024年NBT同級優勝・3勝0敗 52.55kg 野田「明日は娘のために稼ぎます。以上です」 舩田「野田選手は高校時代から目標にしてきた選手で試合出来て嬉しいです。明日はノンストップのスクランブルで戦います」  グラップラー対決! 育休を終え戦線復帰の野田と、ネオブラ優勝の船田が対戦。  野田は、山北渓人、八田亮に判定負け後、植松洋貴に1R TKO勝ちで再起。2024年5月の前戦では『ONE Friday Fights 65』に参戦し、本田良介に判定負けも、後半の打撃に攻勢に立つ場面も見せた。  対する船田は、2連勝中。日向優希を初回TKOに下すと、2024年5月の前戦では織部修也に判定勝ちしている。  1R、両者オーソドックス。すぐに間合いを詰める船田。パンチを打ち込む。野田顔面にパンチを貰っている。タックルに行くが切られた。しかし船田の蹴りをキャッチすると、そのまま組んでバックを狙う。股下から抜けた船田がパンチを打ち込む。野田もパンチを打ち返すが、ディフェンスが出来ていない。左フックが入り野田ダウン!  上になった船田。ハーフからパウンドをトス。また立った野田だが、船田がパンチで出る。野田は船田のパンチをディフェンスできておらず顔面にもらっているが、それでもパンチを出していく。組み付いた野田。スタンドバックからグラウンドに持ち込みハーフバックに。両足のフックを防いでいる船田。残り30秒で上を取った。ハーフからパウンドを落とすと、野田も下から殴っていく。ホーン。  オープンスコアは一者野田、二者船田。  2R、船田またすぐに詰めてパンチで攻め込む。タックルに切り替えた。野田はこらえながら側頭部にヒジを入れる。野田キムラに捕らえるとバックマウント→腕十字→マウントと移行。船田はすぐに動いて逃れようとする。うつ伏せになるが野田は止まらず殴っていく。船田が立ち上がりスタンドバックに。ハーフバックから殴りながらグラウンドに持ち込もうとした野田だが、船田がこらえて上を取る。ハーフからパウンドを入れる船田。サイドに出た船田。ハーフに戻した野田だが、船田パウンド・ヒジの連打。ホーン。  オープンスコアは2Rも一者野田、二者船田。  3R、野田がパンチ・前蹴りを出していくが、船田タックルでテイクダウン。尻もちをつかせた。ケージを使って立つ野田だが、バックを取ってグラウンドに引き込む船田。両足をフックすると四の字ロックに移行して殴っていく。反転しようとした野田だが、船田が先に起き上がりバックについていく。野田足関。膝十字へ。  回転してディフェンスする船田。野田起き上がると今度はバックを狙う。しかし両足のフックを許さず船田が上を取った。ハーフから鉄槌を入れる船田。残り1分。セコンド大沢ケンジ代表からの「フィニッシュしろ!お前は休むな!」の激に圧されて殴っていく船田。野田最後に立ち上がろうとしたが、船田再度テイクダウン。タイムアップ。  29-28×2、30-27の3-0で船田が勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 バンタム級 5分3R 〇安藤武尊(和術慧舟會AKZA)2勝 61.45kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ギレルメ・ナカガワ(ボンサイ柔術)0勝1敗 61.55kg 安藤「柔術家をブッ飛ばします。以上です」 ギレルメ「いい試合をして柔術の方が優れていることを見せたいと思います。絶対極めます」  安藤は、大東大レスリング部出身で、2023年9月のデビュー戦では、IMMAF2018・&2019世界Jr.選手権準優勝の山口怜臣にスプリット判定で勝利。今回が1年ぶり参戦となる。  対するボンサイ柔術のギレルメ・ナカガワは、幼少時より柔術を習い、2022年ASJJFドゥマウインターナショナルで茶帯でデビューし、階級&無差別でWゴールドとなると、11月に黒帯に昇格し、MMA転向を決意。  アマチュアMMA12勝1敗、10試合で一本勝ちを収めているが、『格闘代理戦争』では「3分3R」のフェザー級以上の戦いだった。今回のプロデビュー戦はユニファイドと同じ「5分3R」のバンタム級戦となる。当初は、2024年6月30日の『PANCRASE344』で原田惟紘と対戦予定も、ギレルメと原田の両者が計量失格で試合は中止に。早くも仕切り直しとなるバンタム級戦でしっかり身体とコンディションを作れるか。  安藤のレスリングvs.ギレルメの柔術、トップキープvs.極め力の戦いで上回るのは!? 1R、両者オーソドックス。安藤がロー、ジャブで牽制。ナカガワの組みを警戒している。安藤カーフキック連打。ボディを入れたが、ナカガワが詰めてきて軽く頭が当たる。じわじわと詰めてきたナカガワ。ステップで距離をキープしつつ蹴りを入れる安藤。ナカガワ右ハイから左右のパンチを打ち込む。また右ハイからワンツー。さらに左ハイにつなげる。ナカガワローキック。またロー。  左右のパンチからアッパーを入れるナカガワ。安藤の右もヒットしたが、ナカガワそのまま組み付くと引き込み。付き合わず立とうとする安藤に草刈りスイープ。そのままバックにつく。向き直り上になる安藤だが、ナカガワ三角!「ポペガー!」と叫びながら極めにいくが外れた。しかし今度はギロチン。外した安藤だが、ガードの中で体を起こせないまま1R終了。  1R三者ナカガワ。  2R、右オーバーハンドを入れた安藤。じわじわと詰めるナカガワにまた右オーバーハンドをヒット。ナカガワタックルで飛び込んだ。テイクダウンしてサイドに。ナカガワ下からバギーチョーク。しかし決まらないと見て解除した。ガードに戻すナカガワ。安藤は密着したままパウンドを入れる。ナカガワの下からの仕掛けを警戒して体を起こせない安藤。腕十字を狙うと安藤は腕を引き抜いて立つ。ブレイクでスタンド再開。ナカガワがパンチで出る。安藤がタックルに入ると瞬時にギロチンに捕らえて引き込んだ。首を外した安藤。脇腹をコツコツ殴る。ホーン。  2R一者ナカガワ、二者安藤。 3R、安藤のタックルを受け止めたナカガワ。膝を着いた安藤にヒザを入れる。頭部にヒットすれば反則だったがヒットせず。スイープを狙うナカガワだが、安藤が上をキープ。安藤立って離れた。ナカガワやや疲れたか、打撃への反応が遅くなっている。  安藤シングルレッグ。ナカガワこらえていたが引き込んだ。ガードから殴るナカガワに安藤も密着したままパウンドを入れていく。下から蹴って距離を作り立ち上がるナカガワだが、立ち際に安藤がタックルに入り再びテイクダウン。残り1分。ハーフで上からヒジを入れていく安藤。ナカガワ最後は亀に。  判定29-28ナカガワ、29-28安藤、29-28安藤。2-1で安藤勝利。ナカガワは満を持してのプロデビュー戦だったが、黒星スタートに。 [nextpage] 【プレリミナリーファイト】 ▼第3試合 第30回ネオブラッドトーナメント フライ級 決勝戦 5分3R×岸田宙大(パンクラス大阪稲垣組)2勝1敗 56.7kg[判定3-0]※29-28×3〇山﨑蒼空(マッハ道場)5勝0敗  57.1kg 岸田「前戦の怪我の具合が悪く1カ月遅らせてくれてありがとうございます。しっかり仕上げてきましたので、僕が勝ちます」 山﨑「明日は圧倒的な試合をして、葛西選手につなげてマッハ道場最高の日にします」  第30回ネオブラッドトーナメントフライ級決勝戦。岸田は、今井健斗を三角絞めに極めると、5月の準決勝で金澤臣人に判定勝ちで決勝進出。  山﨑は、伊藤勇輝に判定勝ち後、ネオブラで佐々木瞬真をRNC、AXEL RYOTAを2R TKO、準決勝で饒平名知靖に判定勝ちで決勝進出している。  1R、両者サウスポー。ワンツーで飛び込んだ山崎をテイクダウンした岸田。体を起こした山崎にギロチンを狙ったが、防いだ山崎が上に。密着したままパウンドを入れる山崎。動きがなく、残り35秒でブレイクがかかる。山崎のバックスピンキックをかわしてタックルに入る岸田だが、山崎はケージでこらえてパンチを入れ抵抗。ホーン。  1R三者山崎。 2R、カーフを蹴る山崎。スイッチしてオーソからインロー。タックルに入る岸田だが、脇を差して受け止めた山崎がケージに押し込む。首をギロチンに抱えた岸田。そのまま引き込むと、ギロチンのまま後転スイープして上に。反転しようとした山崎に岸田横三角。山崎の左手が入っていてやや決まりが浅い。 右腕を三角十字で伸ばそうとする。腕をクラッチして耐える山崎。岸田腕十字に移行。また三角に。今度は左手が入っていない。ヒジを立ててなんとか凌いでいる山崎。ややずれていて決まらない。残り30秒で一度クラッチを解除して三角を取り直した岸田だが、山崎耐えてパウンドを入れる。2R終了。  2R三者岸田。  3R、山崎のインローでバランスを崩した岸田。そのままタックルに入るが、山崎がケージでこらえると引き込んで下になる。ガードの岸田に肩パンチを入れる山崎。2Rの三角で消耗したのか、岸田は下からホールドしてディフェンスに徹する。  コツコツとパウンドを入れる山崎。岸田下から足をすくって足関を狙おうとしたが、上からパウンドを入れ続ける山崎。岸田も下から殴る。残り15秒で岸田足関へ。ストレートフットロック。外れたがすぐに体を起こしパウンドを入れる。タイムアップ。  判定三者29-28で山崎がネオブラッドトーナメントを制覇した。 [nextpage] ▼第2試合 フライ級 5分3R〇時田隆成(トライフォース東中野)56.95kg[判定3-0]※29-27×3×齋藤桜貴(暁道場)56.95kg 時田「明日は愛を持ってブッ倒します。応援よろしくお願いします」 齋藤「打撃でも寝技でも極められるので、しっかりフィニッシュします」  フライ級。  1R、サウスポーの時田に齋藤はオーソドックス。中央で構える時田の周りをサークリングする齋藤。時田がタックルで飛び込みシングルレッグでテイクダウン。ガードを取る齋藤。下から時田の左腕を小手に巻いてパウンドを防ぐ齋藤だが、右からパウンド・ヒジを入れる時田。パスを仕掛ける時田。ハーフに。残り1分。ハーフからニンジャチョークを仕掛ける。喉元には入っていない。放してヒジを入れた時田。ホーン。 OPスコアは三者時田。 2R、時田がタックルで飛び込む。一度はかわした齋藤だが、再度のタックルでテイクダウン。今度はすぐにハーフで押さえ込む。ハーフからパウンド・ヒジを入れる時田。フルガードに戻す齋藤だが、時田はインサイドからヒジを入れていく。体を起こして強いパウンドを入れた時田。下から蹴り上げを狙った齋藤だが、担ぎパスからバックに回る。齋藤は正対してまたガードに戻した。残り1分。下から腕十字を狙ったが、腕を引いて防いだ時田がパウンドを打ち込む。ケージに齋藤の頭を押し付けながらヒジ。残りわずかで立ち上がった時田。齋藤の立ち際に蹴りを放ったが、まだグラウンド状態の齋藤の顔面に蹴りがヒット。反則行為でタイムストップが取られる。時田に減点1で再開。直後に2R終了。 OPスコアは減点込みで三者とも9-9。 3R、動きは戻っているように見える齋藤。しかし時田の左ストレートをもらった。齋藤のバックブローをかわして時田がタックル。テイクダウン。首をギロチンに抱える齋藤だが、時田はマウントに。ギロチンを外すとヒジを入れる。ケージを蹴って反転を狙った齋藤だが、時田がバックマウントに。四の字ロックからチョークを狙う時田。放してヒジ・鉄槌を入れる時田。再びリアネイキドチョークに入る時田だが、齋藤は背負って立つと、後方に倒れ込んで叩きつけるが、バックをキープする時田。上からヒジを連打。タイムアップ。  三者29-27で時田が勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 バンタム級 5分3R×友寄龍太(パラエストラ西東京)61.1kg[3R 2分21秒 TKO]〇渡邉泰斗 (サツキジム横浜)  61.5kg 友寄「渡邉選手にはアマチュアのときに負けているので、絶対にリベンジしたいと思います」 渡邉「明日は前座の役目を全うして、1試合目からこの興行に火をつけます」  バンタム級。  1R、サウスポーの友寄に渡邉はオーソドックス。ローで足を払った渡邉。友寄スリップダウンするがすぐに立つ。左右のパンチで出た友寄。右がヒットしスリップ気味に倒れた渡邉。すぐに立って組むが、友寄は投げで引き剥がして殴っていく。渡邉がパンチで飛び込むが、ブロックして打ち返す友寄。 ミドルを蹴る友寄。また渡邉がローで足を払いスリップダウンを奪う。スイッチしながら詰めていく友寄。渡邉はステップで距離を取る。残り30秒でタックルに入った友寄。渡邉切ってボディにヒザを入れ離れた。ホーン。  オープンスコアは三者友寄を支持。  2R、大きな蹴りを見せた友寄だがスリップ。友寄がパンチで詰める。左右のパンチで詰める友寄だが、渡邉がカウンターのパンチを打ち込む。詰めてくる友寄にタックル。友寄切った。左右のフックから右ミドルを入れた渡邉。間合いを詰めた友寄が左右のパンチ連打で出ると、渡邉が首相撲に捕らえる。引き剥がした友寄。四つに組んだ渡邉がケージに押し込むがホーン。  OPスコアは一者渡邉、二者友寄。渡邉はフィニッシュを狙うことが必要となる。 3R、ミドルを蹴る渡邉。圧を強めてきた。左右のパンチから右ハイ。友寄は下がり始める。ミドルで友寄の左腕を蹴る渡邉。さらに詰めてワンツーを打ち込みヒット。右がヒットしぐらついた友寄。さらに渡邉の右が入りダウン!レフェリーすぐに割って入りKO! 3R 2分21秒、TKOで渡邉が勝利した。
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