2024年9月28日、『BLACK COMBAT 12: The Return of the Kings』が韓国・ソウルの高麗大学ファジョン体育館にて行われた。
メインベントでは「BLACK COMBATライト級選手権試合」として、大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ)が、イ・ソンハ(韓国)と1年ぶりの再戦に臨んだ。
両者は2023年9月の『DEEP 115』で「DEEP&BLACK COMBATライト級ダブルタイトルマッチ」を戦い、イ・ソンハが2R スロエフストレッチで一本勝ちし、W王者になっていた。
その後、大原はBlack Combatで2勝1敗。イ・ファンソンを2R TKOに下すと、2024年1月にファン・ドユンに1R KO負けを喫したが、4月のパク・ジョンホン戦で延長判定勝利。韓国にも大原の激闘を支持するファンも増えていた。
対するイ・ソンハは大原戦後、2024年3月の『DEEP 118』で、DEEPライト級王者として江藤公洋の挑戦を受けて、2R リアネイキドチョークで一本負け。DEEP王座から陥落している。今回は、BLACK COMBATのライト級王座をかけて大原の挑戦を受ける試合となる。
▼BLACK COMBATライト級選手権試合 5分3R〇大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ)36勝20敗2分[2R 4分17秒 ニンジャチョーク]×イ・ソンハ(韓国)4勝4敗※大原がBLACK COMBATライト級新王者に
【写真】満員に近い会場の花道を行く大原。
1R、サウスポー構えのイ・ソンハに、オーソの大原。イ・ソンハは右ロー、右ジャブから。大原の左ジャブの打ち終わりに合わせてダブルレッグでケージに詰めてテイクダウン。
大原はハーフから背中を向けて立ち上がりに。そのバックについてシングルバックのイ・ソンハは4の字ロックでリアネイキドチョークへ! 仰向けで一瞬身体を伸ばされる大原は、後ろ手の組み手を剥がして片足を外して亀に。
なおもバックにつくイ・ソンハは右手首をコントロール。大原は前転してずらそうとするが、ついていくイ・ソンハは大原を仰向けにさせてニーインザベリーへ。さらにまたごうとしたところで、大原は立ち上がり。バッククリンチのイ・ソンハは再び崩してヒザ蹴りも大原が立ち上がりゴング。イ・ソンハのラウンドに。
2R、前に詰める大原が右ハイ。かわすイ・ソンハは大原の右ストレートにあわせてボディロックテイクダウンへ。サイドを奪うイ・ソンハは、亀からスクランブルで立つ大原を後方から引き込もうとするが、はずして正対してシングルレッグから立ち上がりは大原。
バッククリンチで金網背に送り手を掴み足をかけようとするイ・ソンハは、後方からボディロックで崩すが、足はかけられず。すぐに戻す大原に、イ・ソンハは背後からヒザ蹴り。
ついに正対した大原だが、そこにイ・ソンハは、右足で小外刈で手前に引き出してテイクダウン! バックを奪うが、足をかけさせない大原が亀から立ち上がる。
その際で右ヒザを突き上げるイ・ソンハ! しかしクリーンヒットはさせない大原の右の前蹴りがローブローに。中断後、再開。
ともにオーソドックス構えに。詰める大原に、サークリングからサウスポー構えにスイッチして左右で飛び込むイ・ソンハ。かわす大原が逆襲で前に。
ワンツーの左を伸ばすイ・ソンハをかわす大原は右ミドル。右ヒザ。そこにイ・ソンハも左を突く。高い右ヒザからワンツーで前に出る大原。下がるイ・ソンハのシングルに右ヒザも! しかし片足を掴んで金網までドライブするイ・ソンハはダブルレッグに切り替えるが頭を左外に。
そこで右手で首をとらえた大原はニンジャチョークへ! 仰向けになって逃れようとするイ・ソンハの上になると、トップからそのまま絞めへ。ネックロック気味に首が曲がったイ・ソンハに、最後は下になって左足でふたをしてタップを奪った!
大原は両手を広げて歓喜! ケージによじ登ると韓国のファンからも大歓声。ブラック代表も驚きの表情で逆転劇に拍手。
ケージを飛び下り、スタンド席の家族と歓喜のハグをかわした大原は、ケージに戻るとBLACK COMBATライト級のベルトが腰に巻かれた。
リングアナウンサーから「外国人初のBLACK COMBATチャンピオンになりました」とマイクを向けられた大原は、「ヘンボッケヨー(幸せです)。BLACK COMBATのファン、大原樹理のファン、カムサハムニダ! 強かった。厳しかった。でも諦めないで絶対に勝てるって、自分がやってきたことをやればと思って、一生懸命練習してきました。なので今回、こうやって勝てたのも一生懸命練習したからだと思っています。
YouTubeでも言った通り、僕は試合がしたいし、ベルトもできる限り防衛をしたいと思っています。すぐ、とは言えないけど、いっぱい防衛したい。もっとBLACK COMBATのファンになってもらいたい。
全員蹴散らしてやります。でも、ちょっと休みます。あそこに僕のKIBA(マーシャルアーツクラブ)の応援団がいました。そこに行きました。7月に僕のおばあちゃんが亡くなって、おばあちゃんにベルトを獲るから見ていてくれと約束したので、きっとおばあちゃんも天国から見てくれていると思います。
家族や両親、いろいろ伝えたい人はいっぱいいるんですけど、いつもはいの一番に僕の奥さんに勝利を報告しているのですが、今回ばかりは一番におばあちゃんに伝えたかったです。
“ピエロ”のファンもいっぱいいたし、大原樹理のファンもいました。もっともっとファンを増やせるよう頑張るので。あと、ブラック代表にお願いが、日本からチームメイトとか10人、応援団が来ているのでピエロのインタビューの後、記念撮影を撮らせてください。カムサハムニダ!」と語った。