キックボクシング世界四強の一人として数えられるスーパーボンが2度目のムエタイルールに臨む(C)ONE Championship/U-NEXT
2024年9月27日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Friday Fights 81』(U-NEXT配信)のメインイベントにて、“スモーキン”ジョー・ナタウット(タイ)とフェザー級(-70kg)ムエタイ3分3Rで対戦するスーパーボン(タイ)がインタビューに答えた。
スーパーボンはブアカーオの元で腕を磨き、2021年10月のONEフェザー級キックボクシング王座決定戦でジョルジオ・ペトロシアンに右ハイキックによるKO勝利で戴冠。2022年3月の『ONE:X』ではマラット・グレゴリアンを判定で完封し、初防衛にも成功した。しかし2023年1月、チンギス・アラゾフに2R KO負けで王座陥落。12月にはONEフェザー級ムエタイ世界王者タワンチャイに挑戦も判定負けで王座奪取ならず。しかし、2024年4月にマラット・グレゴリアンから判定勝ちし、フェザー級キックボクシング暫定王者となった。戦績は115勝(28KO)36敗。
今後はムエタイのタイトルも狙う
「とても調子はいい。試合をするのはいつも楽しみで、いい調子で出来ているので今回も同じだよ」
――スーパーボン選手はキックボクシングルールでの試合を重ねてきましたが、今回はムエタイルール。なぜムエタイルールで試合をすることにしたのですか?
「ONEとはキックボクシングとムエタイの両方で契約をしていたので、そもそもキックボクシングルールだけをずっとやっていくつもりではなかった。キックボクシングとムエタイの両方で戦えると試合の機会が増えるし、たくさん試合がしたいのでムエタイのオファーも待っていたんだ」
――オープンフィンガーグローブでの試合は何度目になりますか?
「タワンチャイとの試合(2023年12月=判定2-1でタワンチャイが勝利)だけでこれが2回目だけれど、問題ないよ」
――ボクシンググローブとOFGの違いはどのように感じていますか?
「ディフェンス面でグローブの面積が小さい分、防御が難しくなる。攻撃面ではそんなに違いは感じないね」
――OFGの試合でタイ人が負けることが多くなってきたのはなぜだと思いますか?
「理由はふたつあると思う。ひとつめは、タイにはいいボクシングのトレーナーが少ないこと。タイは元々ムエタイの国なので、キック、ヒジ、ヒザを主体にして戦ってきたからね。もうひとつはOFGは面が小さい分、守ることが難しくなってパンチがシャープであればKO出来る。外国人からすると、パンチをしっかり練習してくればKO出来るようになっていることがその理由だと思う」
――スーパーボン選手はグローブの試合とOFGの試合で戦い方は変えますか?
「違いはあるね。グローブが小さいことで、気を付けなければいけないことがたくさんあるんだ。小さなミスでもKOにつながってしまうので、より注意して戦わなければいけない」
――キックボクシングルールとムエタイルールは全く違う競技で、両立させるのは難しいと言われているのですが、スーパーボン選手は全く問題ないですか?
「試合になってしまえば、例えばキックボクシングではヒジやキャッチを使ってはいけないなどのやってはいけないことは頭の中で整理されているよ」
――スーパーボン選手はヒジ打ちは得意なんですか?
「確かにONEでは僕のムエタイの試合はあまり見せられてないけれど、ムエタイを20年やってきたのでもちろんヒジは出来る。ただ、キックボクシングだけをやっている時間が長かったので、今回の試合へ向けてヒジやヒザの練習を再開して今は凄くいい状態になっているよ」
――ナタウット選手の印象を教えてください。
「ボクシングのスキルがかなり高いので、そこは凄く警戒している」
――この試合がムエタイルールで組まれたことは意外だったのですが、スーパーボン選手がオファーを受けた時に驚きはありましたか?
「どちらのルールでやるかは全く気にしていなかったよ。試合が出来ることが凄く嬉しいので」
――どういう展開の試合にしたいですか?
「3Rフルに戦ったとしてもファンが楽しめる激しい試合になると思っているよ。もちろん、KOするチャンスがあればすぐにでもKOしたい。なぜなら、ボーナスが欲しいから(笑)」
――これをきっかけに、ONEムエタイのタイトルも狙いたいですか?
「もちろんだ。ONEのベルトを獲ることが目標のひとつだからね。ムエタイの試合も今後増えていく予定だよ」