ぱんちゃんの相手はK-1からの刺客・美伶。日本人の強敵を迎えることに
2024年10月12日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.5』の追加対戦カード発表記者会見が、9月6日(金)都内にて行われた。
初代KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級&アトム級王者ぱんちゃん璃奈(フリー)の出場が決定。対戦相手はK-1グループで活躍する美伶(WARRIOR OSAKA)となった。
ぱんちゃんは2019年2月にプロデビュー。無敗の快進撃を続け、2020年8月にREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)、2022年3月にはKNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級王座に就き二階級制覇を達成。2024年3月のK-1でRISEの平岡琴に勝つなど無敗の快進撃を続けていたが、5月の『巌流島バーチャルファイト』でルシア・アプデルガリムに判定2-0でプロ初黒星を喫した。6月のKNOCK OUTで同じアルゼンチンのアイリン・ゴンザレスに判定勝ちで再起。戦績は16勝(4KO)1敗。
美伶は空手時代は様々な大会で実績を残し、2019年11月のKrush大阪大会でプロデビュー。2021年12月4日、K-1大阪大会で元Krush女子ミニマム級王者・高梨knuckle美穂とわずか3戦目にして延長戦にもつれ込む互角の戦いを繰り広げ、初黒星も評価を上げた。その後は真美、Yuka☆とミネルヴァ王者になった2人を撃破。戦績は4勝(1KO)1敗。
会見に出席したぱんちゃんは「お話をいただいて秒でやりたいと返事をしました。外国人と戦う時はフィジカル勝負で、日本人はみんなが知っている選手だと比較材料にもなるし、他の選手が倒されている試合を見ているので、その倒されている選手がいる中、私が圧倒的に勝つのが日本人と戦う時のポイントです。強い選手だし、盛り上がる試合になると思うので、死ぬ気で勝ちに行きます」と、圧倒的に勝つことがテーマだとコメント。
美伶は「K-1から来ました。強いのは認めているので、いろいろあって有名人なので勝てばおいしいかなと。勝って有名人になります」と、いろいろな意味で知名度のあるぱんちゃんに勝って名を上げたいとした。
互いの印象を聞かれると、ぱんちゃんは「対戦が決まる前から試合を見ているので、ストレートでいつも倒す、ダウンを取ったりKOしたりしている印象です,そういう選手はなかなか女子の48kgにはいないので、そこは油断せずに警戒して試合に臨みます」と、美伶の強打を警戒。
美伶は「あまり試合は見たことないんですが、前蹴りが嫌なのかなってそれだけです」と、ぱんちゃん得意の前蹴りだけが印象だとする。
話題性のある選手だけという印象かと聞かれると「はい」と答え、「そのこと別に思うことはないですが、女子格闘技はただでさえおもんないと思われているので、変なことして盛り上げるなよって感じです」とチクリ。
ぱんちゃんは「それについては何も言い返せないです」と苦笑し、「K-1の女子は話題になってないし、誰も見てないので私と戦えば見てもらえると思うので、勝ったらおいしいと思われるのは嬉しいです」と言い放つ。
「高梨knuckleと試合をさせていただきたいとずっと言っていたんですが、最近試合をしていないので、K-1の1位は美伶選手だと思っていたので」と、高梨が試合から離れている今、K-1で48kgのトップは美伶だと思っているという。
互いの身長差(12ck)について、ぱんちゃんは「私は今日高いの(靴)を履いているのもありますが、いつも巨人なので。これくらいの身長差は普通なので変わらないです」、美伶は「空手の頃からデカい選手とやっていたので身長差は気にしないです」と、両者とも関係ないとした。
KNOCK OUTのリングに乗り込む心境について聞かれた美伶は正直K-1以外に出たことがないので、ワンキャッチワンアタックルール自体が初めてなので…でも関係ないです。倒すだけです」とやることは変わらないと言い、初めて試合を見るファンには「一番は倒すのがいいと思います。見てもらったら分かります」とKOを見せたいとする。
ぱんちゃんは身体がさらにゴツくなったように見えるがと聞かれる「和田(良覚)さんに1年半フィジカルを見てもらって100kgでやっているので出力が上がりました。前回の試合から2カ月経っていますが、その間も休むこと無くフィジカルトレーニングを続けているので、今度の試合では今まで以上に出力を出せると思います」と、さらにパワーアップしていると話す。
前回の試合では冷静にセコンドの言うことを聞いて戦うこと、ディフェンスを重視することを課題として戦ったが、「今回はディフェンスとオフェンスです。ディフェンスだけだと試合が面白くならないので今回は攻めるところも見せたい。今までは危なっかしく殴りに行っていたので、今回はディフェンス&オフェンスで行こうと思います」と、ディフェンスを強化した攻撃の姿勢を見せたいとした。
美伶が「倒す」と宣言していることには「絶対にない、日本人に倒されたら終わりだと思っています。倒せるものなら倒してみろと思いますね。でも、ぱんちゃん璃奈が倒されるかもとアンチが見てくれると思うので、倒すと言ってくれた方が盛り上がると思います」と、そういう見方をしてもらった方がいいが自分は絶対に倒れないと断言。
それに美伶は「身長が高いヤツの方が倒せるんですよ、なので頑張って立っといてください」とぱんちゃんを挑発した。
ぱんちゃんには、これまでは試合前に海外でファイトキャンプを行ってきたが、今回はどうするのかとの質問が飛び「大阪、東京、タイと3つで練習していたんですが、今はほぼ東京に変えました。いろいろなところに行き過ぎて私がまとめられなくなって、全てのトレーナーに言われたことをやろうとしてわけがわからなくなっていたので、東京だけに変えました」と、練習拠点を一本に絞ったとする。今はTEAM AKATSUKIの良太郎トレーナーと二人三脚で「ミット打ちも良太郎さん一人に絞っています」とのこと。
「今だと私が勝つのが7-3の7。そこを9.5まで当日までに持っていきます。作戦はもう立てているので、それが出来れば圧勝できると思っています」と自信を語った。
一方、美伶は今回いい結果が出たらKNOCK OUTにも積極的に参戦していきたいかと質問されると、「KNOCK OUT参戦したくないです。ほんまに」ときっぱり。「K-1ルールで試合がしたいです。ワンキャッチワンアタックとか訳わからないので。キャッチ無しで打ち合ってくれますか?」と、ワンキャッチワンアタックルールが嫌だとし、ぱんちゃんにキャッチ無しを要求。
ぱんちゃんが「私はキャッチしないですよ」と答えると、美伶は「組むじゃないですか」と組まないで戦えとし、ぱんちゃんは「そういうルールなので、それしないでと言われると…」と苦笑する。美伶は「しないでやってほしいですけれどね。まあ、対処しますけれど」と、ぱんちゃんが得意とする組みの展開をけん制した。
美伶が高梨と延長戦までもつれ込んでいることには、「knuckleさんのことは尊敬しているし、何度も練習しているので試合をやりたいと思っていて。そのknuckleさんと延長まで試合したので、お話が来た時にはknuckleさんと戦いたいけれど、knuckleさんが勝った相手に勝ちたいと思いましたね。私は延長まで行こうとは思ってないです」と、高梨よりも早く決着を付けるのが目標とする。
他にK-1で引きずり出したい相手はいるか、と問われると「宮田さんにも伝えたんですが、美伶選手に勝ったらやりたい選手がいないんです。knuckleさん以外は。他の選手は美伶選手が勝っている選手なので、美伶選手に勝ったらやらなくてもいいかな、と」と思っていると答えた。
山口元気KNOCK OUT代表は「美伶選手は男らしい。女子でパンチがあるのは貴重な存在。ワンパン持っていて魅力があるので、このカードは楽しみです」とした。
美伶はさらに、会見後の自身のSNSにて「試合決まりました。詐欺師サクッと倒します」と挑発を続けている。
今大会では、追加されたKNOCK OUT-BLACK女子-57.0kg契約3分3R延長1Rのミネルヴァ認定スーパーバンタム級王者の浅井春香(フリー)vs.小倉えりか(My Way Spirit)と、鈴木万李弥(クロスポイント吉祥寺)の出場も決まっており、女子3試合が行われる。
山口代表からは「今後は女子も多くなっていく」との言葉があり、これまでKNOCK OUT女子の看板を一人で背負ってきたぱんちゃんはどう思うかとの質問があったが、「他の選手のことは気にしていなくて。他の選手が出るといっても階級が違うので意識してないです。自分がしっかり勝ってお客さんに見てもらうだけなので、他の選手には頑張ってくださいとしか思いません」と特に意識はしていないと答えた。
また、11月上旬に急遽後楽園ホール大会を追加したことを発表し、「配信中心の大会をやりたいと思っています」と新しい試みの大会を開催することも発表した。