2024年9月5日(木)18時より、RIZINが『超RIZIN.3』(7.28 さいたまスーパーアリーナ)のドラッグテスト(尿検査)結果の発表会見を行い、メインイベントのフェザー級「RIZIN LMS(Last Man Standing)王座決定戦」に臨んだ平本蓮(剛毅會)と朝倉未来(ジャパントップチーム)は陰性だった。
会見に出席した榊原信行RIZIN CEOは、今回の騒動を受けて朝倉未来、平本蓮についてのコメントを求められると、次のように語った。
「RIZINとしては、選手・関係者にも格闘技を愛して志高く戦う意識を持って欲しい。そういう想いをもって強くなることを標榜するのであればアンチドーピングをこの機会に誓って欲しい。疑いを持たれるような行動すら実はドーピングに引っ掛かる可能性がある。これはWADAの基準からすると平本選手が意図か意図ではないにもかからわず、ドーピングに引っ掛かる薬物を入手していた時点で、ルールによってはアウトなんです。現状のRIZINのルールではそこまで規定がないので、これをドーピングに該当することは出来ないですけれど、今後ルールを改定することによってそういう企てをしただけでもWADAはアウトだとしている側面もある。平本選手に猛省をして欲しいと思いますし、知ってか知らないかもネット上のことなので事実は分からないです。平本選手に会って話をしました。本人も誤解を招くような行動をとったことは反省しているし、未来がある選手なので。
これは平本選手に限った事ではなく普段の生活から、口に入れるもの、これは食物であってもサプリであっても疑ってかかるということだと思います。オリンピックアスリートたちは、この水を飲んでと渡されるものには絶対に手を付けない、と聞いています。普段の中から自分たちに与えられたルールの中で、全力で強くなってRIZINでチャンピオンになってRIZIN以外の団体でもチャンピオンになって世界に羽ばたいて欲しいと思いますので、怪我を回復させるために少しでもいいもの、回復を早くなるサプリ、いろいろなものを入手したい気持ちは分かりますけれど、何を手に入れるかってことからチェックする。これいいよと誰かに与えられて飲むような安直な行動は絶対に慎んでほしい。それくらい厳しい基準に今後はします。
平本蓮に関して言えば、次、多分大晦日の試合をオファーすることになりますが、未来へ向けての検査を受けてもらおうと思います。当然今回の基準にプラスした検査基準、ひょっとしたら先生方にも相談してからですが血液検査にも応じてもらおうと思いますし、いずれにしても陰性だということをもう一度明確に、この後の大晦日までの期間に平本選手とも相談して検査を受けてもらおうと思います。その検査が陰性であると確認がとれたところで大晦日へ向けての出場の相談をしていきたいと思っています。
衣着せぬ発言でそこが平本選手の魅力だと思いますし、これからも多くのファンに支持されていくことを願っています。今回彼が起点になって起きてしまった疑惑。検査結果は陰性です。この試合は成立しています。ただ、疑惑を起こしてしまったことに対して反省し、自分自身の行動規範を変えるきっかけにしてもらえたらなと思います。それに対して僕らも人任せではなく向き合っていきたいですし、RIZINに出場する選手・関係者にもう一度この問題に自分自身の自分の知識も意識も変えてドーピングの問題に取り組んで、メイドインジャパンで世界に誇れる舞台であり続けるための道を10年目に与えられた課題、テーマだと思っています。次の10年を目指すRIZINとしてこの問題を起点にして、あの時から変わったよねという機会にしたいと思います
そして個人的な、ここはプロモーターとしての立ち位置から逸脱する可能性があるんですけれど、2015年に旗揚げして朝倉未来がRIZINに出場して6~7年。RIZINの中で彼の活躍に一喜一憂し、彼の戦いに心を震わせた、7月28日も48000人のファンがあれだけの熱狂の中で朝倉未来の試合を見届けたわけです。
彼は格闘家としても人生を懸けて、引退を懸けて戦った試合が心無いこと、ドーピング疑惑で泥を塗ってしまったこと、汚してしまったこと。これが引退試合だと言うのは本当に悔しいです。未来が不憫でなりません。本当に悔しい。だからこの結果を招いたことは、全てにおいて最終的には主催者である私の責任だと思っていますし、この場を借りて朝倉未来にはこれが最後の試合になったことにはお詫びもしたいし、自分の中でも気持ちの整理がついてないですけれど、朝倉未来・朝倉海と共に彼らが中心となって僕らと共にこの6~7年、RIZINの熱を作り出したと思っています。48000人の熱を作るのに、日本の格闘技界は15年かかったんです。
その日に、この試合が引退で終わって行くことに申し訳ないと本当に思っています。それと、その日に今日集まってくれたドクター、本当に寝ずにあの会場を作るために必死にやってくれたスタッフ、最高の環境を舞台を作ろうと動いてくれた、今日集まってくれた記者の皆さんもそうです、本当に申し訳なかったと思っています。こんな形で泥を塗る、汚されることになったのが悔しくてならないです。そして何よりもこの試合に足を運んでいただいた、配信を見てくれたファンの人たちをガッカリさせてしまった、最終的にこのことにこの場を借りてお詫びをしたい。
もっと僕らがドーピングに対してのポリシーの意識を高めておくべきだったとすら思っていましたが、今回の試合での定められたルールはこういう結果でこれ以上でもこれ以下でもないですが、この先のいろいろなドーピングに対しての選手が正々堂々と戦ってもらえるためのルール作りのためにアクションを起こして進んで行きたいと思っています。
未来選手にはこの結果も含めて、また今度何をお互いにやれるのか、今起きている現状も含めて話し合って想いを伝えていきたいと思っています。いずれにしても、僕らがこれだけ世間を騒がせてしまったことに猛省し、変わって行くためのきっかけにしたいと思います。
さっそく9月29日にはRIZIN.48、2大タイトルマッチ以下、もう1試合くらい追加になると思いますが、気持ちを選手たちと高めて意識を高めて、最高の空間を作りだせるように努力したいと思います。その大会から改善出来るところは改善して取り組んでいきたいと思います」