キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】現役の“リアル女王様”BONNY「女王様がリングにひざまずいたら、シャレにならないでしょ?」対するJDファイター鈴木萌「「青春の時間を全部格闘技にかけている」

2024/09/05 15:09
 2024年9月21日(土)福岡・アクロス福岡で開催されるKNOCK OUT初の九州大会『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.4』にて、KNOCK OUT-BLACK女子 -46.5kg契約3分3Rで対戦するBONNY(MSJ KICK BOXING GYM)と鈴木萌(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者から届いた。 BONNY「殴り合いだけは負けたくない」  異色の経歴ということで注目されるBONNYは5歳から19歳まで格闘技と向き合い、その後は週1程度の練習だったが30歳でプロ格闘家になりたいと決意。再び格闘技と向き合い、アマチュアで試合経験を積んだ。2024年7月21日に福岡で開催された『KING OF STRIKERS 43』のオープニングファイトに出場し、3Rに左フックでダウンを奪って判定勝ち。この試合はプロテストとして行われたようで、晴れてプロに合格。今回プロデビュー戦を迎える。 「昼も夜も殴ったり蹴ったりしてる」という彼女の活動の実際、そして試合への意気込みとは? ──今回はプロデビュー戦ですが、ネットの記事で「女王様」であることが紹介されていたりと、話題になっていますよね。その反響ってありましたか? 「いや…多少、SNSのフォロワーが増えたかな、ぐらいですかね」 ──そのへんも含めていろいろお聞きしたいんですが、格闘技は幼少の頃からやってたんですよね? 「はい、フルコンタクト空手を5歳から19歳までやってました。戦績は大したことないですよ。全九州大会ぐらいまでで、世界大会には行ったけど、負けたという感じで。それに、空手は顔面がなかったので、キックで8戦しましたけど、またちょっと違うなとは思いました」 ──19歳で空手をやめて、後にキックを始めたというのは? 「年齢的にもちょっと遊びたいというのもあったし、所属してた道場とあんまりうまくいってなかったのもあって、キッパリやめて。そこから数年後に、本当にダイエット目的というか、適度な運動みたいな感じで、ちょっとキックボクシングのジムに行ってみたんですよ。週1回ぐらいで、試合に出ることもなくて。そこから2ヵ所ぐらい違うジムに行って、そこからMMAのジムに行ったんですよ。そこからMSJの永椎会長とご縁があって出稽古に行かせてもらって、MSJの選手練習でボコされて、ここにしよう、みたいな(笑)」 ──では、MSJに移った時点で、もうプロになろうと思っていた? 「そうですね。プロを目指してる過程でキックボクシングのジムも全く分からなかったので、縁があったMSJに行ったんですけど、そういうことになって、『強い人がおった方がいいもんな』という感じで入りました」 ──女王様の活動は空手をやめてからですか? 「はい。空手をやめた頃はまだ未成年で、SMは25歳ぐらいからですかね」 ──では6~7年ぐらいなんですね。その世界では、それぐらいやってるとベテランという感じなんですか? 「いやあ、どうですかね?(笑) 格闘技も入れ替わりが激しいと思いますけど、この世界も同じな一方で、20年とか30年の人もいるので、そんなに長い方ではないと思います」 ──格闘技もSMも、両方とも「合法的に殴ったりできるから」という理由でやっているということでしたが。 「そうですねえ。昼も夜も殴ってるなあと思いながらやってますけど(笑)」 ──昼がキックの方ですよね? 「ですね。昼はジムでキックの練習をしていて、夜はフェティッシュBARに務めてます。店では、こちらからお客さんに何かをするということはないんですけど、いろんな趣味のお客さんが集まるので、『縄を習いたい』とか『ムチの使い方を教わりたい』という場合には教えたりはしてます。あとは、私が飼育してる子にはいろいろしますけど(笑)」 ──飼育(笑)。やっぱり試合で殴る蹴るという感覚は、また違うものがありますか? 「やっぱり違いますね。プレーだと、こっちが殴られたりはしないじゃないですか。試合だとお互いが殴りたい、蹴りたいわけだから、ちょっと感覚が違いますよね。だから同じ殴るにしても、自分の中では別ですね。それに格闘技では意地のぶつかり合いというところで、殴り合い上等でやってるので、むしろ『殴ってこいよ』と思ってやってるので(笑)」 ──それを、これからプロとしてやるというのは、楽しみが大きい? 「あんまり大きな差は感じてないですけど、実際、今回3分3Rで試合するのは初なので、そこについてどうなのかなとは思います。ですけど、例えば技術とかフィジカルとかスピードだったりとかについては、プロの試合を見ていてもそんなに自分が劣ってるとは思ってないですね。年齢も気にしてないですし」 ──そこで、空手の経験が生きている部分というのは? 「ないです」 ──即答ですね(笑)。空手をやっていたから、蹴りが得意というわけでもない? 「やっぱり別ですね。まあ、自分でオールラウンダーかなとは思いますけど。パンチも蹴りもどっちでもいいって感じです」 ──では今回、どういう試合をしたいですか? 「相手のことが全く分からないんですけど、でもやっぱり会場が盛り上がるのは殴り合いだと思うので、そこに持っていけたらと思いますけど」 ──殴り合いになったら負けない自信がある? 「絶対負けないですね、殴り合いだけは。そこがなくなったら、もう別にいいとこないなって思うんで、殴り合いだけは負けたくないです(笑)」 ──今回、MSJから4選手が出ますよね。一緒に練習して、モチベーションは高いのでは? 「結局、アマチュアの最初からプロを目指してやってきたので、モチベーションはそんなに上下せず、一定してる感じですね。これが当日、どうなるのかはやってみないと分からないですけど」 ──プロになって、この先の目標とか夢というと? 「どこの団体でというのは別に決めてないですけど、チャンピオンベルトはやっぱり目標としては狙ってますね」 ──ちなみに、飼育されてる方というのは、当日応援には来られるんですか? 「あ、いっぱい来ますよ」 ──あ、いっぱいいらっしゃるんですね。多頭飼い的な? 「まあそうなんですけど、これ以上は秘密にしときます(笑)。謎の多い世界なので」 ──了解しました! しかし、その方たちのためにも負けられないという気持ちはあるんですか? 「まあ、女王様が負けたらシャレにならないですからねえ。女王様がリングにひざまずいたらダメじゃないですか(笑)」 ──では最後に、当日の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「たぶん、入場からオーラが違うと思うんですよ。だから注目せざるを得ないんじゃないかなと思います。みんな勝手に注目するんじゃないですかね」 [nextpage] 鈴木萌「別に打ち合っても負ける気はしない」  これがプロデビュー戦となる鈴木は、現在大学3年生。大学でもキックボクシング部に所属して、クロスポイント吉祥寺でも汗を流す彼女は、練習熱心さについては山口代表も太鼓判を押すほど。そんな彼女の、この一戦に懸ける思いとは? ──今回、プロデビューということですが、キックを始めたのはいつ頃、どんな理由だったんですか? 「今、大学3年なんですけど、1年の春に始めました。サークルとか部活を決める時に大学のキックボクシング部を見つけて、そこに体験に行ったのがきっかけでした。最初は、自分が女子というのもあって、周りは『フィットネスでも大丈夫だよ』みたいな感じで言っていたので、軽く体を動かせればというぐらいの気持ちで入りました」 ──そこから、どうしてプロデビューするまでになったんですか?(笑) 「入って2ヵ月ぐらい経った頃に、先輩がアマチュアの大会に出たので応援しに行ったんですけど、その時に初めてキックボクシングの試合を見たんですね。先輩が戦ってるのを見て、カッコいいなと思って、『試合に出てみたいな』っていう感情をちょっと持ちつつ、でも『全然まだまだだな』って思いながら、1年の時は過ごしてました」 ──ちなみに、高校までは何かスポーツは? 「中学高校で6年間、水泳をやってました。ただ水泳の世界は厳しくて、普通ぐらいのタイムでした」 ──で、キックに本腰を入れたのは大学2年になってからということですか。 「そうですね。2年の4月に、家が近かったのでクロスポイント吉祥寺に一般会員として入会して、クラスに出たりしながら、2年の5月ぐらいに初めて『KNOCK OUT』のアマチュア大会に出ました。初試合は負けてしまって、本当に人に勝つって難しいなっていうのを痛感したというか、もっと頑張らなきゃなと思って、そこでまたスイッチが入って。2戦目が11月だったんですけど、そこからはもうずっと勝ってますね。アマチュアでは5勝2敗です」 ──なるほど。クロスポイントに通いつつ、部活でも練習してるんですか? 「はい。同期では女子が自分1人だけだったんですけど、今、後輩には女子もいるので、練習には行ってます」 ──両方で練習してるんですね。山口元気代表から、2部練、3部練は当たり前で、ものすごく練習してるとお聞きしたんですが。 「試合が決まってない期間は、昼のプロ練に出て、夜は部活の方に行ったり、学校が1日休みの時は小笠原瑛作選手がやっている朝の階段ダッシュに参加させてもらって、昼にプロ練に行って、夜は他の会員さんと練習して3部練になったりはしてますね」 ──ヘタすると、すでに並みのプロ選手より多く練習してそうですね(笑)。 「そうですかね(笑)。本格的に始めて1年ちょっとしか経ってないし、ちゃんと練習しないとなって思って。練習量を増やしたら必ず強くなるとは思ってないんですけど、できるだけの努力はしてるっていう感じですね」 ──ここまでのアマチュアの試合で、得意技だったり得意なスタイルだったりというのは? 「サウスポーなので、左ミドルとストレートは武器にしてるという感じです。そこから攻撃を組み立てようかなという感じで」 ──今回の相手、BONNY選手に関しては、情報はどれぐらい入っていますか? 「職業と、過去にBreaking Downのオーディションを受けたとか、あとはオーソドックスで、格闘技歴は長いというぐらいですかね。動画は、SNSでボクシングの練習をしているのが上がっていたのを見たぐらいです。7月の大会で左フックでダウンを取って勝利しましたみたいな投稿も見つけて、けっこうパンチャーなのかなと思っています」 ──BONNY選手は打ち合いだったら負けない自信があるし、打ち合いがやりたいということだったんですが、ちょっとスタイルは違いそうですよね。 「そうですね。勝つためには自分のスタイルを貫かないとと思って、それを反復して練習してるいるので、打ち合いには持っていきたくないんですけど、別に打ち合っても負ける気はしないので、絶対に勝ちます」 ──ちなみにBONNY選手は「女王様」というのが話題になっていますよね。そこについては何か思いましたか? 「SNSを見てる時にキックのミット動画とかもあったんですけど、それ関連の動画も流れてきて、『おお~』ってなりました(笑)」 ──今回は福岡大会ですが、福岡には何か縁があったりしますか? 「いや、全くないですね、大学1年の時に友達と旅行に行ったぐらいです」 ──その時は何をしたんですか? 「もうずっと食べてました(笑)。今回も勝ったらおいしいものを食べたいです。まずラーメンを食べて、ジムの先輩から『うどんがおいしいよ』と聞いたのでうどんも食べます。あと明太子も食べたいです」 ──これからプロになるわけですが、プロでの目標とか夢は? 「とりあえずこの試合を勝って、その後のことは、今は何にも考えてなくて。今大学3年生というのもあって就活しないといけなくて。試合が終わって就活して、その後はまだ何も考えてないですね」 ──では最後に、今回の試合は大会で唯一の女子の試合ということにもなりますが、一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「スタミナもそうですし、絶対気持ちでは負けないので、絶対に自分が圧力かけるぐらいの気持ちで前に出ます。あと、大学での青春じゃないですけど、この時間を全部格闘技にかけてると自分では思ってるので、そういう気持ちの面を見てほしいですね」
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