ムエタイ
レポート

【ONE FF】コンスックがヨードレックペットに見事な完封勝利、坂本嵐がRISEに来日したイマッド・サヒにKO負け、新田宗一朗がダウン応酬の激闘もKO負け

2024/08/30 22:08
ONE Friday Fights 772024年8月30日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント キャッチウェイト(62.14kg)ムエタイ 3分3R×ヨードレックペット・オー・アトチャリア(タイ)判定0-3〇コンスック・フェアテックス(タイ) “ザ・デストロイヤー”ことヨードレックペットはラジャダムナンスタジアムでライト級(2015年と2017年)とスーパーライト級(2021年)の2階級制覇、ルンピニースタジアムでも2017年にライト級王者となり、2大スタジアム王座を同時に保持した。2015年12月にラジャで梅野源治と対戦してTKO勝ちしたが、2016年10月の日本での再戦では判定で敗れラジャ王座を奪われた。2018年4月のKNOCK OUTでは初代王者・森井洋介にTKO勝ちしてKNOCK OUTライト級王座を奪取。同年にはタイのスポーツ界で権威のあるサイアムスポーツ社認定のタイ・スポーツ大賞のムエタイ部門でMVPを獲得している。  ONEには2023年7月の『ONE Friday Fights 2』から参戦し、シルビュー・ヴィテズにTKO勝ち、『9』でサマン・アシュリをKO、『17』でもデニス・ピューリックにTKO勝ち。『25』のジョーダン・ゴッドフレッドセン戦では判定2-1で苦戦を強いられて勝利。その後はムアンタイ、タギール・カリロフに連敗を喫していたが、2024年6月のコムアウット戦で勝利して連敗を脱出した。89勝35敗3分(KO数は不明)。  コンスックは2017年にルンピニースタジアム認定バンタム級王座を奪取し、その年のスタジアム・ファイター・オブ・ザ・イヤーを受賞。2019年にはスーパーバンタム級王座も奪取してヨードレックペット同様2階級制覇を達成している。また、プロムエタイ協会でも2017年にスーパーフライ級王座、2018年にバンタム級王座に就いた。2022年にも7チャンネルのライト級王座を獲得している。  ONEには2023年6月から参戦し、デッドゥアンレックとペットンローには敗れているが、ジャオスアヤイ、パイダン、ペットスクンビット、そして前戦(2024年7月)のジョアキン・オラギには勝利してONE戦績4勝2敗。  1R、サウスポー同士。ヨードレックペットはさっそく左ローを蹴っていく。前に出るヨードレックペットにジャブと左ミドルでけん制するコンスック。ヨードレックペットは左ローを蹴って右ボディ、左フックも打って行く。  コンスックはロープ伝いにサークリングし、ジャブを突き続けて左ストレート。一瞬怯んだヨードレックペットだが、すぐに前へ出る。そこへ左ストレートを打つコンスック。  2R、コンスックがジャブから左アッパー、左ストレートと先手で攻めていく。ジャブからヒジも打ち、攻撃するとステップですぐに離れる。ジャブからの攻撃を連続してもらうコンスックだが、ヨードレックペットが左フックの大砲を打つ。ハンドスピードに優るコンスックが的確に連打を当てていき、ヨードレックペットに攻撃する隙を与えない。  それでも前へ出るヨードレックペットはコーナーに追い詰めて左フックや左ヒジを打つが、コンスックはすぐに脱出。連打を打っては下がり、前に来るヨードレックペットにジャブを突き刺していくコンスックが完全にポイントアウトしたラウンドに。  3R、前に出て左ローを蹴るヨードレックペットにジャブを突いて下がるコンスック。左ミドルも的確に当て、連打を当てていく。右ボディで飛び込むヨードレックペットだが、単発に終わる場面が続く。  ジャブと左ミドル、ステップで完全にコントロールするコンスック。ヨードレックペットは追いつけず、なかなか打撃を当てられない。左フックを当てる場面もあるが単発に終わる。  終盤、左フックをクリーンヒットさせてパンチをまとめにいったヨードレックペットだが、コンスックはジャブと左ミドルで追撃を許さない。完全に逃げ切りの体勢に入ったコンスックにヨードレックペットは追い足がついていけず、判定3-0でコンスックの完封勝利となった。 [nextpage] ▼第4試合 キャッチウェイト(54.88kg)ムエタイ 3分R〇イマッド・サヒ(スペイン)KO 2R 1分40秒 ※左ミドルハイキック×坂本 嵐(キングジム)  坂本嵐は「嵐」のリングネームでNJKF所属。5歳から名門キングジムで練習を開始した嵐は、アマチュアベルトを獲得するなど早くから才能を発揮。2023年11月30日、ラジャダムナンスタジアムにてボディストレートで初回KO勝ち。2024年2月、18歳にして初のタイトルマッチに臨み甲斐元太郎を左ミドルキックでKOして戴冠。4月の桂英慈戦はドローとなった。好戦的でボディブロー、ハイキックと多彩な技と倒せる力を併せ持つのが強みでNJKF関係者からの期待も高い。  11月10日(日)東京・後楽園ホールのNJKF主催大会にて『KICKBOXING JAPAN CUP 2024』の1回戦、自ら望んだKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者の壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)との対戦が決まっており、その前哨戦になると共に壱は7月の『ONE Friday Fights』で初参戦初勝利を収めており、嵐としては何が何でも勝ちたいところだ。  サヒはスペイン・マドリード生まれの21歳。10戦10勝と無敗でWBC Mediterraneanフライ級王座、Extreme fightersバンタム級(-55kg)王座の2つのタイトルを獲得したが、2023年8月に初来日した『RISE』で鈴木真彦にKO負けを喫した。鈴木戦では鋭く突き上げるヒザが目立ち、左右ミドルで鈴木を手こずらせた。  1R、左右ミドルを蹴って来るサヒに嵐は右ストレートを伸ばす。サヒのミドルをかわしていく嵐だが、サヒは右ミドルからの右ストレートを打ち下ろす。すぐに前へ出る嵐が左ボディ。サヒが左ミドルで反撃するとこれがローブローとなり、試合は中断。再開後、ワンツー・左ミドル、飛びヒザのサヒ。嵐はかわしていく。徹底して左ミドルを当てに行くサヒ。嵐は右ストレートを打つが左ミドルで距離をとられる。  2R、前蹴りから前へ出て行く嵐にサヒは左ミドルハイ&左ミドル。左ボディを打つがすぐに左ミドルを蹴り返される。左ミドルで右腕を蹴られまくる嵐は、サヒが前へ出て来るところに右ストレートを合わせに行くが、サヒの右フックをもらい、続く左ミドルハイはガードしたが右フックが効いていたかダウンを喫する。  嵐は立ち上がることは出来ず、サヒのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第2試合 フライ級ムエタイ 3分3R〇オマール・ドリッシ(イタリア)KO 3R 2分16秒 ※右ストレート×新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)  新田は空手、ボクシングを経て17歳からキックボクシングを始めた。2019年2月にプロデビューすると10戦無敗の快進撃を続けたが、2021年10月の『KNOCK OUT』で力也に初黒星。2022年4月にはINNOVATIONスーパーフェザー級王座を奪取し、7月のRIZINで大雅と対戦するも判定負け。10月にはカミシロに延長Rで勝利して再起したのも束の間、12月に初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定戦で久井大夢にKO負けを喫した。2023年4月のINNOVATION王座防衛戦はドローで防衛に成功。7月にはKrushに乗り込んだが、目黒翔大に判定負け。2024年5月の『ONE Friday Fights』初出場ではジャン・ジンフーに判定負けとなかなか勝ち星をつかめなかったが、8月のKNOCK OUTで山本太一に初回TKO勝ちを収めた。戦績は11勝(5KO)5敗4分。  ドリッシはWBCムエタイ欧州王座獲得の経歴があり、戦績は28勝12敗。  1R、まずは新田が左インローで様子を見るかと思いきや、いきなり緩急をつけた左ハイキック。ドリッシはワンツーを伸ばして来るが、新田はバックステップ。ロープを背にした新田にドリッシは右ストレートを当て、組むとヒザ蹴り。左インローからの右ストレートで反撃する新田にドリッシは首相撲からのヒザ。  離れるとパンチで前へ出るドリッシ。新田はミドルをキャッチされる。ロープを背にして右ストレートを打つ新田だが、前に出てくるドリッシに左ミドルを蹴ってもバランスを崩してしまう。コーナーに詰まった新田にパンチをまとめるドリッシ。新田はロープ伝いに逃げるが、打ち合ったところで右フックを打たれダウンを奪われる。  2R、右カーフを蹴っていく新田。ドリッシは新田の右ミドルをキャッチしての右ストレート。パンチを出して前へ出て行くドリッシに新田も打ち合い、左フックをクリーンヒット。動きが落ちたドリッシにパンチをまとめて右フックでダウンを奪い返す。ヒザ蹴りと左右フックで追い込む新田にドリッシは組む。右カーフからパンチで襲い掛かる新田だがドリッシに組まれる。ドリッシが反撃に転じ、ワンツー、そして首相撲からのヒザ蹴りに新田が倒れるがダウンにはならず。  ドリッシのワンツーを頭を下げてディフェンスする新田。ドリッシの猛攻に左フックから打ち返してさらに逆転するが、ドリッシはすぐに反撃に移る。額をカットして流血するドリッシ。  3R、前に出てくるドリッシはワンツーの連打と右ロー。新田も右ローと左右フックで反撃もドリッシの圧力に下がる。右ヒジを振る新田。頭を振りながら前へ出る新田。右ストレートを打つが、すぐにドリッシはワンツーの連打を打ち返す。右の連打をもらう新田。ドリッシのヒザとヒジに下がる新田は右ストレートを打ち抜かれてダウンし、レフェリーがここでストップした。 [nextpage] ▼第3試合 キャッチウェイト(64.8kg)ムエタイ 3分3R〇スーティン・リンムエタイ(タイ)判定2-1×スーパー・ヤイ・チャン(ミャンマー)  チャンはラウェイのファイターで戦績は20勝無敗30分。まだ19歳。これがONEデビュー戦となる。  1R、ジャブの応酬からスーティンがパンチを打って行くとチャンは右ストレートを打つ。圧をかけるチャンにスーティンも右ストレートを返す。ジャブを多用するチャンにスーティンはワンツーを打ち、右縦ヒジを繰り出す。スーティンはチャンの出鼻をくじくような右ストレート、右ミドルも当たりだす。  2R、飛び込んで左右のボディを叩くチャンにスーティンは首相撲からのヒザ。徹底してボディを叩くチャンにスーティンは首相撲からのヒジとヒザで応戦。右ヒジを叩き込むスーティンだが、チャンは左右連打で攻め込む。攻め込みまくるチャンに押されていたスーティンだが、右ミドルからワンツーでチャンの動きを止める。  3R、スーティンが右ミドル、チャンが飛び込んでくると首相撲に捕まえてのヒザ蹴り。しかし、2度目の首相撲行こうとしたところでチャンが左アッパーを突き上げ、一気にパンチをまとめる。右ミドル、右カーフを蹴り、チャンが飛び込んでくると顔面へヒザを突き上げるスーティン。それでもチャンは全くひるまず、左右フックで前へ出て行く。スーティンはヒザで迎え撃つ。さらに左ヒジ、組んでのヒザ。接近してのパンチで攻めようとするチャンを徹底して首相撲からのヒザに持ち込むスーティン。  判定は2-1のスプリットでスーティンが勝利。勝者を読み上げる「スー」のところで自分の勝利だと勘違いしたチャンはコーナーへ登って勝利をアピールしていた。
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